東方大魔王伝 -mythology of the sun-   作:黒太陽

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-秘伝- 合唱(コーラス) Ⅲ

 

 

 

 

 

『えー三試合目に入る前にリングの補修と掃除を行いまーす、血とか酷くて見苦しいので御了承くださーい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅん……」

 

「お?起きたかマァム!おはようさん」

 

「ポップ……」

 

目が覚めたマァムは数瞬止まり理解する

 

「負けたんだったわね私……ごめん」

 

自身が何も出来ずに敗北した事を

 

「何謝ってんだバカだなおめーは!おめーが負けるなんて織り込み済みだってーの!」

 

「……そうね、反省してるわ」

 

「あら?」

 

殴られると思って身構えていたポップは拳が飛んでこない事に不思議な顔でマァムを見つめる

 

「えらくしおらしいじゃねぇかマァム、どした?」

 

「ええちょっと……自分の呑気さに呆れてたのよ」

 

「まぁな、平和だったからって気ぃ抜き過ぎてたもんなおめーは」

 

「わかってたんなら言ってくれれ……ば……」

 

ムッとしたマァムだったが言葉が止まる

 

「違うわね、言われても試合前の私には響かなかった……身を持って知ったからこそ言える言葉よね言ってくれればなんて」

 

「そういうこった、あー別に今までのお前が悪いって言ってる訳じゃねぇからな?勘違いしねぇでくれよ?」

 

「わかってるわよ」

 

「なら良いんだ、まっこの後どうするかはお前次第さ……見つめ直す良い機会になったじゃねぇか、美鈴さんに感謝だな」

 

「ええ……考えてみるわ、これからどうするか……本気で」

 

良い結果になった様で機嫌良くポップは頷く

 

「そういえば試合はどうなったの?」

 

「ああ、さっき二試合目が終わったとこだ、ラーハルトと向こうの剣士さんがやってラーハルトが勝ったぜ」

 

「本当?やったわねラーハルト!」

 

回復を受けたラーハルトが頷きで応える

 

「んで今三試合目の前にリングの掃除してるとこ」

 

「ふーん……三試合目は誰が出るの?」

 

「それを今の内に決めようってとこさ」

 

改めてポップは残るメンバーに向き直す

 

「んじゃ次は誰が出んだ?ヒュンケル行くか?俺が行こうか?相手見てからにすっか?」

 

「待て待て俺だ!先に俺にやらせろ!」

 

ヒムが出たそうに手を上げる

 

「異論無いならヒム行くか?」

 

「行くぜ!よっしゃ任せときな!」

 

闘志満々で控えスペースの出口に立つヒム

 

「待て……俺に行かせてくれ」

 

そのヒムの肩を掴んで止めたのはクロコダイン

 

「なっ!?ずりぃぜ大将~メチャクチャやる気あったのによ~」

 

「頼むヒム、譲ってくれ」

 

不満顔で抗議するヒムに譲る気は無いクロコダイン

 

「……わーかったよ!年功序列に先代の頼みじゃ断れねぇ!」

 

「すまんな」

 

「ちぇ!」

 

三試合目はクロコダインに決定した

 

「獣王の力見せてやってください先代!」

 

「チウ……お前が現獣王だろうが……まぁいい、任せておけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お待たせしましたー!掃除補修が終わったので次の選手入って……っと来ました来ましたー!勇者一行から巨大不沈艦クロコダイン選手が出てきたァー!』

 

圧倒的な体格のクロコダインに興奮した観客の歓声が飛ぶ

 

「さて、向こうからは誰が来るか……」

 

戦斧グレイトアックスを片手に待ちわびる

 

「それなりの日数は居たが強者には殆ど会えていないからな、果たして蛇が来るか鬼が来るか……鬼?鬼か……」

 

思い至ったクロコダインに声が掛かった

 

「おーいクロコダイーン!」

 

「勇儀か!やはりお前も来ていたな!」

 

クロコダインは観客の中にさとりと一緒に居る勇儀を見つけ顔が綻ぶ

 

「そりゃこんな面白い出し物あったら来ないでか!酒の肴にゃ丁度良いってもんさ!」

 

「ガハハ!お前らしいな呑兵衛め!だが見るのも良いが出るのも一興とは思わんか?」

 

勇儀の傾けていた杯が止まった

 

「……あぁ?あたしとやりたいつってんの?」

 

「そう言っているつもりだ、あの日の決着でもつけんか?」

 

「本気で言ってんだね?」

 

「本気だ、嫌なら諦めるがな……その時はお前が強いと言っていた鬼でも指名してみるか」

 

「萃香にだぁ……?」

 

無謀だろと思いながら勇儀は萃香を見る、当の萃香はへらへら笑いながら「ビビってんなら代わってやるよ」と顔で言った

 

「ざけんなゴラァ!誰がビビってるってぇ!?やったろうじゃないか!」

 

杯を叩きつけてリングに飛び降りた

 

 

 

『さぁ幻想郷からも出たぞー……ってウワッマジデスカ……えー出場は鬼の四天王が一人!語られる怪力乱神こと星熊勇儀様です!皆様拍手ー!』

 

かつての上司故に迂闊な事は言えない文が丁寧に紹介し観客も応えて拍手する

 

 

 

 

「おうクロコダイン、あんたは良いダチだけど友情と喧嘩は別さ、地べたに這いつくばっても恨みっこ無しだよ」

 

「抜かせ勇儀、お前こそ負けた時に酒を飲んでたからと言い訳は困るぞ?」

 

「はっ!あんたも抜かしやがるね!んな見苦しい言い訳なんかするかい阿呆ぅ!あたしは酒入ってこそ強いのさ!素面じゃ全力出せんよ」

 

「ガハハ!そうか!」

 

「ハッハー!そうさ!」

 

互いに罵り合っているようでそうではない、この程度軽口だと言える関係が二人には既に出来ている

 

「お前が相手となるとこいつは要らんな……チウ!持っててくれ!」

 

クロコダインはグレイトアックスをチウに向けて投げる、格好良く受け取ったチウが重みで潰され皆に慌てて救助された

 

「遠慮せず使やぁ良いのに、あたしゃ気にせんよ」

 

「お前も武器を持っているのならな、試合で丸腰相手に武器など俺のプライドが許さん」

 

「漢だねぇクロコダイン、格好良いじゃないか」

 

「褒めても何も出んぞ勇儀」

 

二人は微笑みながら楽しそうにリングの中央に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ!思い出した!」

 

「ん?何を思い出したんだいルナ?」

 

ポンっと手をついたルナへロランが問う

 

「クロコダインさんと戦った事あるかも私!」

 

「え?いつ手合わせしたんだい?……かも?」

 

「あ、違う違うロランさん、太陽神異変の時なの」

 

「どういう事だい?」

 

ルナは太陽神異変の時に戦ったソルが記憶から作った大魔王の影の事を話す

 

「で、私じゃ全然勝てなかったんだけどバラモスさんが倒してくれたみたいなの」

 

「ああ、僕が駆け付ける前か……その影はクロコダインさんを模していたって事か、それでそれがどうかしたのかい?」

 

「うん……あいつも強かったんだけどクロコダインさんはもっと強く見えるの」

 

「その感覚はおそらく合ってるよ、相手を見て強さを感じ取るのは大事な事だ、目と感知が育ってきた証拠だね」

 

ロランに頭を撫でられながら褒められてルナは嬉しそうに笑みを浮かべる

 

「あーもう何で誰も言ってくれないのよ!薄情者!」

 

怒った声が聞こえ二人は振り向く

 

「あ!輝夜さん!」

 

「あらルナ……といつもの面子ね」

 

ボサボサの髪で輝夜がやって来た

 

「ピクニック以来見てませんでしたけどどうしたんですか?」

 

「ずっと寝てたのよ、頭痛くてずーっとね……お陰で放置よ、酷いと思わない?私一応姫よ?」

 

「アハハ……そうですね……」

 

「……エターナルニート」

 

「今なんか言ったロラン?」

 

「いや何も」

 

「……まぁいいわ、今どんな感じなの?」

 

輝夜に経緯から二回戦までを説明する

 

「なるほどね……今三回戦目であのクロコダイルって魔族と勇儀がやるのね」

 

「クロコダインです輝夜さん……輝夜さんはどっちが勝つと思いますか?」

 

「ルナはどっちだと思う?」

 

「え?えーと……勇儀さん、かな?いやクロコダインさんかも……えっと……あーもーわかんないよぉ!」

 

「まだまだねルナ、見て勉強しなさい」

 

「はーい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっしボチボチやるかいクロコダイン?」

 

「そうだな、観客を待たせるのも悪い……やるか勇儀」

 

二人の目がギラつき緩んだ顔は消え去った

 

「よっしゃあ!始めな射命丸!」

 

『は、ハイッ!それでは三試合目……始めぇ!!』

 

 

 

 

 

 

三回戦 クロコダインvs勇儀

 

 

 

 

 

 

 

「よーし行くよクロコダイン!覚悟しなぁ!」

 

「おう、お前を倒す覚悟は出来ているぞ勇儀」

 

二人は力強く相手に向け歩いて行き

 

 

 

ドゴォ!

 

 

 

殴り合った

 

「……へっ!」

 

「……ふっ!」

 

互いの頬を打ち合った二人の顔は笑っている

 

「オラアアアアッ!!」

 

「グオオオオオッ!!」

 

どちらも退かぬ殴り合い、ノーガードでのどつき合い

 

「グヌアアアアッ……!!」

 

「ヌオオオオオッ……!!」

 

両手を掴み合った手四つでの押し合い、リングの悲鳴がヒビ割れで聞こえてくる

 

「ッ……やるじゃないかクロコ……ダインッ!」

 

「ぐおっ!?」

 

頭突きを食らいクロコダインは怯む

 

「どらぁ!」

 

クロコダインを放り投げ勇儀は勢い良く駆け出す

 

「ぶっ飛びなぁ!」

 

 

ドンッ!

 

 

立ち上がったクロコダインの腹に強烈なアッパーを打ち込んだ

 

「……お?」

 

勇儀は意外な声をあげる

 

「流石だな勇儀……」

 

(あぁ?効いちゃいない……?)

 

観客を守る結界に叩き付けるつもりで殴ったのに飛びもしなかった事も意外だったが手応え有る一発を食らわせてピンピンしているクロコダインが一番意外だった

 

 

ドゴッ!

 

 

首をへし折るかの如き強烈な張り手を顔面に食らい勇儀はリングを擦りながら無理矢理押し戻される

 

「ハハ!やるやるぅ……お?おー?」

 

鼻血が出ていた

 

「久々だねぇ血を流すなんて……ふふん、いいねぇどんどん楽しくなってくる!」

 

血を拭い豪快な笑顔を見せ拳と開手を合わせ気合いを入れる

 

「どうらぁ!」

 

駆けた勇儀の再びのアッパー

 

「……ッ」

 

クロコダインの瞳がピクリと一瞬動く

 

(威力が上がった、調子が上がって来たな勇儀……!)

 

殴り返すクロコダインの腹を蹴り返す勇儀

 

(効いちゃいないんじゃない、恐っそろしい耐久力を持ってんだコイツは……タフガイだねぇ!)

 

元々耐久力と腕力に優れたクロコダイン

 

自給自足のデルムリン島で生活するようになってから鍛練も欠かさなかった事により長所は更に伸びた

 

特に顕著だったのが耐久力、HPとも称される生命の値が飛躍的に伸びていた

 

「この程度では兜を脱ぐ訳にはいかんぞ勇儀!」

 

「ぬあっ!?」

 

鬼の勇儀の打撃を受けきり余裕の反撃を繰り出すクロコダイン

 

防御力も目覚ましく上がったし得意の腕力も当然伸びている

 

HPと防御力を高いレベルで纏めたパーティーのタンク役としての最高峰であり更には腕力での一撃も有る

 

そのクロコダインが選ぶ戦い方はまさに肉を切らせて骨を断つ 

 

 

「ッ……ハッハー!オラアアアッ!!」

 

勇儀は何の躊躇い無く受けて立つ、クロコダインの戦い方が何だろうと知った事かと殴りまくる

 

「良いサンドバッグだねこいつぁ!頑張っておくれよクロコダイン!簡単に壊れたらつまんないよぉ!」

 

体力が高い?それがどうした

 

防御力も高い?だからどうした

 

反撃は痛い?そいつは重畳!

 

ならその全てを正面から叩き潰す、強いのなら尚良し!

 

それが勇儀という鬼の戦い方なのだ

 

「ッ……フンッ!」

 

受けるダメージなど意に介さない、どんなに強い能力や技で来ようが構わない、上から力で捩じ伏せるつもりなのだから

 

 

ズドォ!

 

 

「……ッ!?」

 

クロコダインの表情が僅かだが一瞬歪む

 

(まだ上がるか……)

 

高い威力だがまだ問題ない、しかし少しずつだが上がり続ける威力を肌で感じその底知れなさに友として嬉しさを感じる

 

「おっ?もう無理かい?情けないねぇ!図体だけかい立派なのは!」

 

「舐めるな勇儀!」

 

一層力を入れたクロコダインは血管浮き出る剛腕を構え掌底を放った

 

 

「獣王会心撃!!」

 

 

ドゴンッ!!

 

 

掌底を当てたとは思えない重厚な音が響く

 

「ぬぅあっ!?うおおおおっ!?」

 

打った直後に発生した闘気の渦が勇儀を巻き込み吹き飛ばし結界に叩き付けた

 

「あまり見くびられては困るぞ勇儀、俺とてかつては魔王軍随一の腕力と恐れられた事もある、鬼だろうが易々と遅れは取らん」

 

強力な闘気流を発生させるクロコダインの必殺技

 

普段は遠距離攻撃として使っているが掌底を食らわせてから闘気流で追い打ちをする事で接近戦にも対応した応用技、強烈な掌底が足されているだけあって通常の使い方より威力は上がっている

 

 

「うぬっ……っアー!効いたぁ……効いたよクロコダイン……ハハッ!」

 

闘気流で全身を裂かれ血塗れの勇儀が笑いながらリングに戻って来て口の中の血を吐き捨てる

 

「面白いけどやられっぱなしは面白くないね、鬼の沽券に関わるしね……よっしやったろうか」

 

可視化した勇儀の妖力が上昇していく

 

「しっかりガードしてなよ~死んじまうよ~」

 

全身に力を漲らせきあいためをした勇儀は体を捻り後ろへ向き右腕に力を集中させこれでもかと強く握り締める

 

「……面白い!受けて立ってやるぞ勇儀!」

 

その一切隠す気の無い全力のパンチを放とうとする漢らしい構えに感化されクロコダインは堂々と構える

 

 

「どぉりゃあああああッ!!」

 

 

勇儀の放つ全力殴打

 

握力×体重×スピード=破壊力の素晴らしき鬼の脳筋方程式からなる回避される事も邪魔される事も一切思慮に無い殴る事だけしか考えていないとても豪快でいて純粋な一撃

 

 

ズドォ!!

 

 

凄まじい衝撃音と共にクロコダインは殴り飛ばされ結界に叩き付けられる

 

「ぐっ……おっ……ガハッ!?」

 

地面に落ちたクロコダインは血を吐いた

 

(なんてパンチだ……!)

 

攻撃に全振りしたとはいえ真っ向から防御力を貫き効かされたのだ、肉体に一家言あったクロコダインからすれば驚く他無い

 

(これが鬼という種族の持つ力……いや、勇儀という鬼の力か……しかしこれで中堅どころだと言うのだから脅威という他無いな)

 

クロコダインは幻想郷の底の深さに感嘆しながら立ち上がり勇儀を見る

 

「はっ!どんなもんだい!」

 

勇儀はやってやったぞと嬉しそうな顔で笑っていた

 

(追い打ちだって出来ただろうに……本当に気持ちの良い奴だ)

 

何もせず自分が整うのを待ち、成し遂げた事をまるで子どもの様に無邪気に自慢してくる勇儀の姿に自然と笑みが溢れる

 

「やられたぞ勇儀……だがまだだ、これぐらいでは降参出来んぞ」

 

「んなこたぁ当たり前だろうがよ!こんなもんで終わってもらっちゃあ困る!」

 

互いに笑みを浮かべて交わされる二人の無邪気な友情の言葉

 

「いくぞ!」

 

「来なぁ!」

 

友誼の喧嘩はまだ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アーハッハッハ!またどつき合ってるよあいつ等!どんだけ馬鹿なんだ!あー面白い!」

 

萃香があまりの馬鹿さ加減に爆笑している

 

「やかましいわね……嫌なら見るな」

 

「嫌なわけないだろ幽香!大好きさ!あんな馬鹿野郎達は特にね!」

 

戦略もクソもないただただ殴り合う賢いとは言えない戦い方、子どもじみた意地の張り合いのような戦い方

 

そういうのが萃香は好きだった、小賢しさを取っ払った単純明快な豪快さが堪らなく好みなのだ、大概の鬼がそうなのだが萃香や勇儀は特に顕著に出ている

 

「……まぁわからなくもないわね」

 

同じく戦術に頼らず身体能力でゴリ押しする傾向がある幽香も共感しながら見ている

 

「見てる分には最高の肴さね、フヒヒ……まぁ飲みねぃ幽香」

 

「……少しだけよ」

 

注がれたバーンからの贈り物である大魔王の酒を飲みながら馬鹿達の喧嘩を見守る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヌオアァ!」

 

「ッだらぁ!」

 

殴り合い

 

「死ねオラァ!」

 

「オオッ!」

 

一進一退の力比べ、漢比べ

 

ドギャッ!

 

上段から振り下ろされた掌が勇儀の顔をリングに押しつけ陥没させる

 

ゴシャ!

 

飛び上がるように立ち上がりかまされる頭突きにクロコダインはふらつく

 

「ドラァ!」

 

勇儀の前蹴りと言う名のヤクザキックが腹にめり込む

 

「ぐっ……オオオッ!」

 

振り下ろす両手鉄槌が勇儀に再びリングにキスさせる

 

「……ンノヤラァ!」

 

クロコダインの足を掴んで引き倒して立ち上がる勇儀は掴んだそのままクロコダインを振り回しリングに叩き付ける

 

「オラオラオラァ!」

 

馬乗りになって殴りまくる勇儀

 

「ぐっ!?おっ!?ぐはっ!?」

 

「ドラララァァラァ!」

 

普通の人間ならもう終わりだがこれで終わる筈がないのが不沈の獣王

 

「……おい勇儀!」

 

クロコダインの体が起き上がる、馬乗りで押さえつけるには体格差が有り過ぎた

 

「いつまで調子に乗っとるかーーー!!」

 

勇儀の首と腰を抱えて立ち上がり渾身のボディスラムを放つ

 

「~~ッッ!?痛いじゃないかこの馬鹿力が!」

 

直ぐ様立ち上がって放つ勇儀のラリアットがクロコダインをリングに倒す

 

「うぬっくっ……お前もだ!」

 

同じく直ぐ様立ち上がったクロコダインが肩を怒らせ突進を繰り出す

 

「どりゃあ!」

 

迎え打つ勇儀のドロップキックと衝突し互いが吹き飛ぶ

 

 

「……ククク」

 

「……アハハ」

 

同時に起き上がりながら笑みを見せ合う

 

「ガーハッハッハッハ!」

 

「アーハッハッハッハ!」

 

響く笑い声

 

「楽しいねぇ」

 

「ああ、楽しい」

 

二人は楽しくて仕方ないのだ

 

「……このまま心行くまでやりたいがそうも言ってられん」

 

「わかってるよクロコダイン……勝負だもんねこいつは」

 

今は遊びの延長とは言えあくまで勝負の場

 

前のように中断は出来ない、ケリを着けねばならない時なのだ

 

「降参するかい?」

 

「馬鹿言え勇儀……俺は負けてやる気は無いぞ、お前はどうだ?」

 

「阿保抜かしなさんな、あたしもおんなじだよあんたと」

 

互いに大ダメージを負っているのに表情は爽やかに笑っている

 

「このまま決着をつけても構わんが折角だ勇儀、何か賭けるか?」

 

「お!良いじゃないかクロコダイン!乗った!」

 

個人的な勝負まで追加される

 

「負けた方が酒を奢るでどうだ?」

 

「ダメダメ!そんな簡単なのダメさ!」

 

「ではどうする?」

 

「そうさね……ありきたりだけど負けた奴が勝った奴のお願い聞くってのにしよう!何でもするってヤツさ」

 

「いいだろう、俺はすぐには思い付かんから勝った後で考える……お前は決まってるのか?」

 

「ふふん!決まってるよ!」

 

よくぞ聞いてくれたとばかりに勇儀は声高に宣言した

 

 

「あたしが勝ったらあたしをお嫁さんにして貰うよクロコダイン!」

 

 

「…………何?」

 

 

クロコダインと会場の時が止まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おい、今なんつった?オヨメサン?なぁオヨメサンって誰だ?何かの隠語?それとも暗号か?誰か解読してくれ!」

 

ポップ達は現実を受け入れれないでいた

 

「普通にお嫁さんでしょポップ、僻んでないで現実を受け止めなさいよ」

 

その中で唯一女性であるマァムのみが多少驚きはしたが平気だった、恋愛事に敏い女性ならではの反応である

 

「いや!だってよおっさんだぞ!?」

 

「だから何よ?自分の方がクロコダインより男として上だって言いたいわけ?」

 

「そ、そういうつもりじゃねぇよ……ただ驚いたっつーか趣味悪いっつーか……あのナイスバディが羨ましいっつーか……」

 

「あんたってほんっとサイテー」

 

ジト目で睨まれてポップは避難するようにダイの傍に隠れる様に座る

 

「ん……?どうしたんだよポップ?何かあった?」

 

この後のダイに一行はまた意気を曇らせる事になる……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アハハハハハ!やりやがったアイツ!最高だよ勇儀あんた!アーハッハッ……ハッハッ……お腹苦しい!もうだめ笑い過ぎて死んじゃう……ヒィヒィ……!」

 

かつて無い程萃香は爆笑して笑い死にかけている

 

「鬼とリザードマンの子ってどうなるのかしらね……鬼蜥蜴?リザードオーガ?気になるわね……」

 

幽香は少しだけ興味有り気だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあらまぁまぁ……」

 

レミリア達は微笑ましく見ていた

 

「あの勇儀がねぇ……そっかぁ」

 

「ふふっ……素敵じゃない」

 

「気が合ってるみたいだし結構お似合いじゃねぇか?」

 

「いいぞー勇儀ー!」

 

好意的に受け止めていた

 

驚きはしたがバーンを射止めたレミリアが筆頭なのだからそういった事に抵抗は無い

 

「はぅ~勇儀さん大胆です……格好良いなぁ」

 

「は?あたいの方がカッコイイでしょ大ちゃん!」

 

「チルノは黙っててー」

 

とても仲が良く楽しそうである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て勇儀……もう一度説明しろ」

 

クロコダインは混乱している

 

「だからあたしが勝ったらお嫁さんにしろって言ってんの!何回も言わせるんじゃないよバカッ!」

 

勇儀は返事を待っている、公衆の面前での告白など勇儀には何の障害にもならない、むしろ証人が増える程度にしか思っていない

 

照れなど勇儀には無いのである

 

「……何故俺なんだ?」

 

「あたしが気に入ったから!以上!」

 

「そんな理由で……」

 

「それ以上の理由が要るのかい?」

 

「……ぬぅ」

 

「悪いけどこれ以上の理由は無いよ、これ以上の理由をあたしは知らない」

 

「むぅ……」

 

クロコダインは困って天を仰ぐ

 

「だがな勇儀……」

 

「何だいクロコダイン!あたしは嫌だってのかい!」

 

「違う!そういう事ではなくてだな……」

 

「じゃあ何なのさ!ハッキリ言いな!」

 

「お前は友であって……その……なんだ」

 

「ダチと好き合っちゃいけない決まりが有るってのかい?有るかそんなモン!」

 

「ぬぬぅ……」

 

どこまでも真っ直ぐな勇儀と煮え切らないクロコダイン

 

「そんなに嫌ならあんたが勝ちゃ良いだけの話だろ、違うかい?」

 

「それは……そうだが……」

 

「はぁぁ……情けない、情けないねぇクロコダイン、女にここまで言わせてウジウジとみっともない」

 

「ぬ……」

 

呆れた様な勇儀の態度にクロコダインは反応する

 

「漢らしくないよあんた」

 

「……!!?」

 

その一言でクロコダインの中で何かが吹っ切れた

 

「良いだろう、賭けを提案したのは俺だ……お前が勝てばその時は嫁でも何でもしてやる」

 

「そうこなくちゃねクロコダイン!いいねぇ俄然やる気が出て来た!」

 

了承された賭けに観客も大きな歓声をあげる

 

「こっからは全力全開さ……御伽に語られる怪力乱神、鬼の四天王「力」の勇儀の本意気で……ブッ倒す!!」

 

「俺を倒すだと!笑止!お前のその本意気とやらで……この「獣王」クロコダインを倒せるか試してみろ!!」

 

互いに高揚した戦意が本気を体に漲らせる

 

 

「怪 力 乱 神 !!」

 

 

能力を全力使用した勇儀の全身から妖力が栓を外したように噴き出し瞳が血のごとき赤に染まる

 

見た目にもわかる誰もが泣いて逃げ出す四天の鬼の本意気

 

「ヌゥウウアアアアッ!!」

 

咆哮をあげたクロコダインの体が隆起し一回り大きくなり全身に血管が浮き出る程力を籠めている、特に両腕が凄まじく篭手を破壊し今にもはち切れんばかりに強張っている

 

アレに殴られれば死ぬと見ただけで想像出来る脅威を孕んでいるのは観客の誰もがわかった

 

「行くぞ勇儀ィ!獣王……会心撃ッ!!」

 

右腕から放つ先に打ったよりも強力な闘気流、もはや小規模の嵐

 

「うぬあっ……!?」

 

鎌鼬のような闘気が全身を刻み足が浮き吹き飛ばされそうになる

 

「……だらぁ!」

 

気合いで踏み込み堪えた勇儀は嵐の中を一歩踏み込む

 

「こんなもんであたしは止めらんないよぉ……!」

 

身を切り裂く渦の中を進んで行く

 

「グフフ……だろうな勇儀、ならば……もう一つの渦を加えてやろう!むううん……かあああああーーー!!」

 

力感漲る左腕を構え、突き出す

 

クロコダインの奥義

 

 

「獣王激烈掌!!」

 

 

左腕から出された逆回転の渦が勇儀を襲う

 

「があっ!?ああああーー!?」

 

二つの闘気嵐に襲われた勇儀の体が捻れ始める、負荷に耐えきれない体が裂け舞う血が鮮血の嵐を作り出していく

 

 

ベキィ!

 

 

勇儀の右足が捻り折れた

 

「ッッ!!?」

 

激痛に顔は歪み更に強烈になった嵐に体は崩され圧に負けそうになる

 

「……ぎっ!」

 

歯を食い縛り、意思を確かに勇儀はクロコダインを見つめる

 

 

ズンッ……ズンッ……!

 

 

リングに足を突き入れ強引に進んで行く、右足は折れているにも関わらず構わず歩を進める

 

「まださ……こんな程度であたしは参ったなんてしやしないよ……!」

 

流れに逆らう不退の前進、身がどれだけ裂け砕けようが鬼の覚悟の歩みは止まらない

 

(なんて奴だ……)

 

散々やり合ったクロコダインにはわかる

 

肉体の頑強さ、防御力は勇儀の方が上だが耐久力に関してはかなり下だと

 

感覚ではもう勝っている筈なのだ、なのにまだ倒せない

 

(すごい奴だよお前は……)

 

気合いと根性で立ち続け意思を絶やさない姿に勇儀と言う鬼の矜持に尊敬すら覚える

 

「……フッ」

 

小さく笑い、目前まで辿り着いた勇儀を見据える

 

「三歩だ……三歩であんたを倒す!だから覚悟しな、あたしはもう止まらないからさ……あんたも……止まるんじゃないよ」

 

「無論だ、来い……!勇儀ッ!!」

 

苦しき佳境、最高潮のこの場面で二人は今日一番の笑みを見せ合った

 

「……ン"ン"ッ!!」

 

大きく息を吸った勇儀が特大の一歩を踏み出し発生した妖力の衝撃波が闘気流を打ち払いクロコダインの両腕を大きく弾く

 

 

ズドン!

 

 

踏み出しと同時に放っていた右拳がクロコダインを打つ

 

 

ドンッ……ドウッ!

 

 

続いて左拳、また右拳

 

鬼の最後の猛攻が始まる

 

「……!!?」

 

クロコダインの体が押され始める

 

「まだぁ……もう……一歩ッ!!」

 

更に勇儀は踏み込む

 

 

ドンッ!ズドン!ズドッドドドド……!!

 

 

勇儀の回転率が上がった、切れ間無く繰り出す連打は反撃の間を一切許さずクロコダインを打ちのめし続ける

 

(う、動けん……!!?)

 

勇儀の怪力からなる無慈悲な連撃は防御の構えも取らせず一方的に攻撃を加え続ける

 

それは相手が倒れ骸と化すまで打撃は止まらない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……事故が起きるかもしれないわね」

 

レミリアは永琳へ世界樹の葉の用意をしろと合図を出す

 

「勇儀だからね……」

 

殺意が無いのはわかっているから止めないが鬼の大雑把さも知っているレミリアは弾みで殺してしまう可能性を危惧したからこその指示

 

(まぁ、それでもやはり勝つのは……)

 

行く末を見届ける……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(わかってるさクロコダイン……!あんたがこんなモンでくたばらないなんて事はねぇ!)

 

圧倒的に攻めている筈の勇儀には確信があった

 

(殴っても殴っても削り切れない……!まるで山……それも恐ろしく硬くて天辺が見えない高い山……!)

 

体力の終わりまだ見えないのだ、本気で固めたクロコダインは勇儀の全力を持ってしてもまだ打ち崩せない

 

(だからこそ……倒し甲斐があるのさ!!)

 

それは勇儀にとって燃焼材にしかならない、ただひたすらに勝ち気だけが燃え上がっていく

 

「……ッッ!!?」

 

鮮血濃い血化粧の体、半壊した体を更に軋ませ矜持で動く、勇儀は力のあらん限りを右腕に籠め……渾身にして全身全霊の最後の一歩を踏み込む

 

 

「四天王奥義「三歩必殺」!!」

 

 

全てを乗せた最高の一撃

 

「……ぐ……ぅが……あ……」

 

それはクロコダインの腹部を貫き

 

 

「ぐああああああああーーー!!?」

 

 

絶叫をあげさせた

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ァ……」

 

止まった勇儀が顔を項垂らせ荒ぶる息を吐く

 

「…………」

 

「ハァ……ッ……ハァ……」

 

繋がったまま動かない両名、勇儀の荒い息遣いだけが聞こえている

 

「……見事だ勇儀」

 

獣の声が聞こえる

 

「お前の強さ、思い……全て受け止めた」

 

クロコダインは死んでいなかった

 

膨大な耐久力が致命傷を致命でなくしていたのだ

 

「ならば俺も返そう……これがお前に贈る……最大の賛辞だッ!!」

 

剛腕が唸りをあげる

 

 

「獣王大連撃!!」

 

 

鬼の猛攻を堪え忍んだ末に出された獣王の新たな戦技

 

全力の剛力から繰り出される武器または剛腕での破壊的な七連撃

 

「……クッソ」

 

顔を上げた勇儀は微笑みながらその技を受けた

 

「…………」

 

怒涛の七連撃を受けた勇儀は吹き飛び倒れ……

 

「……降参だよ」

 

もう立ち上がる事は出来なかった

 

 

 

 

 

『そこまで!勇儀様降参により勝者クロコダイン選手ーーー!!勇儀様の健闘に拍手ーー!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「立てるか……勇儀……?」

 

「……無理に決まってんだろこのバカ!何だい平気そうなツラしやがって腹立つねぇ!」

 

「バカ言え、俺とて死にかけたんだぞ……もう限界だ」

 

「あーもー悔しい!悔しいったら悔しい!ようやく良い漢と出逢えたってのにさぁ……あーもぉぉぉ!」

 

賭けに負けてクロコダインに娶って貰えなかった事を勇儀は何の恥ずかし気も無く本気で悔しがっている

 

「ゴホン……背負ってやる」

 

気まずく照れたクロコダインは咳払いして勇儀を起こす

 

「お姫様抱っこで運んでよクロコダイン」

 

「……何?」

 

「だからお姫様抱っこ!ちょっと憧れてたのさ……ほら、あたしってデカイし恐れられてるだろ?叶わなかったのさ」

 

「……勘弁してくれ」

 

「いいだろこのくらい!勝ったくせにケチケチしてあーヤダヤダ!もうほらさっさとやりな!」

 

「ぐっぬっ……わ、わかった」

 

要望に答えたクロコダインが勇儀をお姫様抱っこで持ち上げる

 

その瞬間、会場から歓声が沸き上がった

 

「フフーン!あたしは諦めないからねクロコダイン」

 

「外堀を埋められている気がするが……うぅむ」

 

 

 

三回戦 勝者?クロコダイン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アハハハ!あいつあんだけ大見得きって負けてやんの~!こいつは傑作さねハハハー!後でからかってやろ!」

 

今だ笑っている萃香

 

「面白かったわ……少しね」

 

良い感じのほろ酔いで幽香は余韻を感じながら酒を一口飲む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「獣王の貫禄を見せつけたかクロコダイン……思えば魔王軍崩壊の切欠はお前からだったか、お前が裏切らなければ余は負けなかった、そう考えれば……」

 

此処へ至る最初の分岐は竜の騎士という存在ではなく最初に離反し竜の騎士に味方し支えたこの漢の存在こそが後に繋がる敗北の最たる原因ではないのかと王は苦笑する

 

「ならばお前のお陰で余は此処へ来る事が出来た、その功績を持って裏切りは不問、そして魔王軍を抜ける事を許してやろう、感謝するがよい」

 

もはや大魔王ではない、なのにおかしな事を口走っているのを自覚している王は誰に聞かれるでもない言葉と共に小さく微笑んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『えー今の試合でまたリングが大きく破損しましたのでまた修復の時間を貰いまーす』

 

クロコダインが勇儀を永琳へ預けていた最中に文の告知が入り会場の熱が落ち着く

 

 

「修復なんざやらなくていいぜ!俺は構わねぇからよ!」

 

 

そこへ怒鳴り声のような大きな声が響く

 

 

『おっとー?アレは勇者一行のヒム選手だー!……えーとヒム選手?このまま次戦に行って貴方が出るという事でよろしいですか?』

 

「おうよ!お預け食らって先代のあんなスゲェ戦い見せられてもう待てねぇんだ俺は!今すぐやらせろ!」

 

『……と言ってますがレミリアさんどうしましょう?』

 

指示を仰ぐとレミリアは頷いた、それで良いなら好きにしろという事である

 

『了解です!今主催者のレミリアさんから許可を得たのでこのまま次の試合へ行きましょう!次の勇者一向からの出場はオリハルコン兵士ヒム!さぁ幻想郷からは誰だ!』

 

即次戦の開始が決まり幻想郷からの出場者に期待が膨らむ観客達

 

しかしそれはヒムが次に言った言葉で凍りついた

 

 

「風見幽香ってのはどいつだ?居るんだろ?相手してやるから出てこいよ!」

 

 

一瞬にして静寂に包まれる会場、誰もが言葉を失っていた

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

一筋の流星が飛来し凄まじい衝撃音を響かせリングを粉砕しながら着地した者が居た

 

 

「私を呼びつけるなんて金物臭い人形風情がふざけた真似してくれる……どうやら命が惜しくないようね」

 

当然キレた幽香である

 

あんな挑発をされて動かぬ訳がない

 

 

「強いらしいじゃねぇか、相手してくれや風見幽香!」

 

「……四肢を千切って達磨にしてやるわ」

 

 

四回戦 ヒムvs風見幽香

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




年内最後の更新となります。

勇儀vsクロコダインどうでしたでしょうか?
実は2案ありまして1案が勇儀との王道バトルルート、2案が萃香とのボコボコぐああああルートがありました。
どちらにするか悩みましたが格好良いクロコダインのおっさんの方が好きなので王道ルートへ行く事になりました。

余談になりますが2.5という外伝でチウvsルナを書こうと思いましたが需要無いのに気付いてやめましたww

ようやく折り返しですねぇ……次回も頑張ります。

それでは皆様よいお年を……

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