東方大魔王伝 -mythology of the sun-   作:黒太陽

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-外伝・天空の花婿- 幻の大地、再び……

 

 

 

-幻想郷・妖怪の山-

 

「……うぅ!?」

 

少年は目を覚ます

 

「……そうだ、僕はあいつのルーラに巻き込まれて……」

 

飛び上がった少年は装備を確認し辺りを見回す

 

(タバサとサンチョは?それにここは……?……わからない、知らない場所……)

 

少年は立ち上がり行った場所に飛べるキメラの翼を放り投げる

 

しかし、何も起こらなかった

 

(どうして!?ここは僕の知ってるところじゃないのか!?)

 

わからないがとにかくこのままここに居ても仕方ないと少年は歩き出す

 

(あいつも一緒に飛ばされた筈だ……だったら見つけて吐かせないと……父さんと母さんの居場所を……)

 

道もわからず進む少年の前に突然、空から何かが降りてきた

 

「止まれ!」

 

見回りの白狼天狗だった

 

「人間……外来人の子どもか……そこの少年!悪いようにはしないから大人しく……」

 

白狼天狗が保護しよう近付いていく

 

「私と一緒に……!?」

 

少年に触れようとした手を伸ばした瞬間

 

 

ザンッ……

 

 

白狼天狗は斬られた

 

 

「騙されないぞ光の教団……!」

 

少年は竜を象る剣を構え憤怒に満ちた顔を見せていた

 

「どうした!?」

 

集まってくる他の白狼天狗に騒ぎを感知した山の妖怪達が集まってくる

 

「父さんと母さんを……返せぇーーーー!!」

 

少年は妖怪の群れに襲いかかる……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-永遠亭-

 

「たあああッ!」

 

ルナは攻撃を仕掛けた

 

「……」

 

輝夜は難無く受け流す

 

「ヒャダルコ!」

 

ルナの氷の呪文

 

「……」

 

軽く飛び避ける輝夜

 

「そこだ!メラゾーマ!」

 

着地を狙った火炎呪文

 

「……」

 

弾幕が打ち消す

 

「とったぁ!」

 

直後に小さな炎鳥を纏うルナが飛び込んできた

 

「甘い」

 

ルナの頭を掴んだ輝夜はそのまま地面に押し倒した

 

「良くなってるわ、頑張りなさい」

 

「ふぁい……ありがとうございました」

 

組み手は終わりを告げる

 

 

「お疲れ、いつもありがとな輝夜」

 

「あんたじゃ頼りないからね、前からやってた事だし別にいいわ」

 

妹紅にお茶を出され澄ました顔で横に座る輝夜

 

「しっかしなかなかだなルナ……手加減した輝夜からまだ1本も取れないかぁ」

 

「うー……私だって頑張ってるのに……」

 

ルナの修行は授業別に師が居る

 

魔法は魔理沙とパチュリー、教養は慧音が教える寺子屋、そして戦闘術は輝夜が担っている

 

「本当に良くなってるのは私が保証してあげるからそう不貞腐れないの」

 

妹紅が復帰した事により戦闘術を教えていた輝夜は身を引こうとしていた、悔しいが自分より強い妹紅であるし母であるのだから教えるのが筋であり寂しい思いをしていたルナにそうして欲しかったから

 

「はぁい……」

 

だがルナは輝夜に引き続き教えて欲しいと言ったのだ、理由を聞けば「私に1から教えてくれてたのは輝夜さんだから」と言い頭を下げたのだ

 

妹紅にそれで良いのかと聞くと「ルナがお前が良いって言うなら私もそれで良いさ、それにずっと面倒見てくれたお前なら尚更だ」と言ったのだ

 

「フフフッ……」

 

ライバルの娘を鍛える

 

妙な事であったが輝夜は喜びを感じていた

 

 

 

「なぁ輝夜?そろそろ良いぐらいじゃないか?」

 

「そうね……そこらの妖怪より強くなったし頃合いね」

 

「え?なになに?」

 

二人がルナを見て頷いた

 

「よしルナ!バーンに挑みに行くぞ!」

 

「えぇーーーーッ!?」

 

ルナは仰天する

 

「な、ななな、なんでッ!?」

 

「知っといた方が良いからよ、妹紅すら越えるあの最強チルノ、それすらも上回るこの幻想郷で最も強い最高の力ってやつをね……貴方がこの先も修行を続けるのなら、身を持って知っておくべき指標、目指す高さの最大値ね」

 

「ででで、でも……!?」

 

「ビビってんじゃねぇ!ちゃんとバーンには話つけてる、大丈夫だ!ほら行くぞ!」

 

「まま、待って!心の準備が……」

 

「紅魔館に着くまでに終わらせときなさい、さぁ行くわよ!……まぁ逆に自信無くすかもしれないけど」

 

「えっ!?最後何て言いました輝夜さん!?ああっ!?ヤダァァァァ……」

 

引き摺られる様にルナは連れていかれるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-紅魔館・図書館-

 

「てなわけで約束通り頼む」

 

「……強くなったら後学の為に手合わせして欲しい、だったな」

 

魔導書を読んでいたバーンはルナへ視線を向ける

 

「もうだめだぁ……おしまいだぁ……」

 

ルナは覚悟を決めるどころかヘタレまくっている

 

「情けねぇなぁオイ、オラ早くやれって!危なくなったらこの魔理沙様の代わりにパチュリーが止めてくれるからよ」

 

「私に振らないで……まぁいいけど」

 

「ニャメロン!勝てる筈がない!奴は伝説の大魔王なんだどー!」

 

「ファイトだよルナちゃーん!」

 

「ガンバレー!」

 

「負けたら承知しないわよ!」

 

「いやだぁ……勝てる筈ないYO!」

 

そんなルナをバーンは睨む様に見つめている

 

「……よかろう」

 

魔導書を置いてバーンは颯爽と立ち上がった

 

(ダメだったー!ヘタレてバーンさんを失望させて勝負を先伸ばしにする作戦が失敗ぃぃぃ……)

 

「さぁ演技なぞやめてかかってくるがいい」

 

(作戦もバレてたー!?よく見たら他のみんなも半笑いー!終わったーちくしょー!)

 

ルナに退路は無かった

 

「へっへへ……誰が大魔王なんか、大魔王なんか怖くない!!」

 

自らを奮い立たせる自己暗示を掛けながらルナは力を込める

 

 

「野郎ァぶっ殺してやらぁぁぁぁ!!!」

 

 

10の少女ルナとかつて大魔王のバーンの戦いが始まった

 

「……」

 

バーンは指を引き絞り、デコピンを繰り出した

 

 

ドギャアッ!

 

 

ルナは吹っ飛んだ

 

「うぐぇ……え?痛ッ!?え……?え?何これ!?イッタァァァァ!!?」

 

のたうち回るルナにバーンは告げる

 

「今のは仕置き……そんな見せかけの闘志ではなく、真の覚悟を宿して来い」

 

「ううぅ……」

 

図星だったルナは涙目だった目を擦るとバーンに向かう

 

「このー!!」

 

「それは覚悟ではなく自棄、ただ破れかぶれで来ているのが攻撃にも表れておる」

 

繰り出す攻撃の悉くをその場で動かず、目すら閉じ、指1本で容易く払い除けているバーン

 

「クッソー!鳥符「火の鳥-緋翼天翔-」!!」

 

自らの最強の技を放つルナ

 

「……いい加減にするがいい」

 

それすらも不動の指突で止めたバーンは告げる

 

「貴様は余の限り有る時間を無駄に浪費させる為に来たのか……?」

 

バーンの魔力が上昇していく

 

「だとすれば不快極まりない、いくら貴様が妹紅の子だとしても限度というものが有るのだぞ……?余を愚弄した罪、その身で購ってみるか?」

 

常人なら発狂しているだろう殺意を孕む幻想郷最高の超魔力

 

「あ……ぁ……」

 

ルナは恐怖に震えていた

 

幻想郷で誰よりも強い力、自分の母を含む頂点の最高位が死力を持って尚敵わぬ強さの到達点の1つ

 

それの全力を見せられたのだ、殺意を込めて

 

「ぁ……カハッ!?」

 

過呼吸すら起こすまでに心は怯え、体は自然に激震している

 

「ハァー……ハァァー……!」

 

膝は笑い、凍える様に口はガチガチと死を受け止める音を鳴らす

 

もう頭にいざとなったら誰かが助けてくれるなどという余裕など無く、死だけが占拠していた

 

「何という無様な姿……誰が止める間も無く一刀で終わらせてやろう、では……死ぬがよい」

 

バーンが手刀を構え、飛び込んだ

 

(し、死ぬ!このままじゃ絶対死ぬ!)

 

(逃げ……無理!足が動かない!それはダメって魂?が言ってる!)

 

(じじじゃあどうしたら……どうしたら良いの!?)

 

5秒にも満たぬ間にルナは数え切れないほど考える

 

「う……うわああああああーーーーッ!!」

 

カラミティエンドが……振り下ろされた

 

 

「……」

 

バーンは振り下ろした体勢のまま動かない

 

「及第点……いや、歳を考えれば出来が過ぎるか……」

 

視線を下に向ける

 

「ハァァー……うぅ……ハァッ……ハァ……」

 

手刀を避け、泣きながらも、震える歯を食い縛りながらも一撃を食らわせていたルナが居た

 

「見事だ……妹紅、手を貸してやれ」

 

「わかってる」

 

妹紅はバーンと入れ代わるとルナを優しく抱き締める

 

「よく頑張ったな、怖かったろ?もう大丈夫だ」

 

「……!お、お母さぁぁぁん……!!」

 

我に返ったルナは母に抱かれた安心感に緊張の糸が切れて大いに泣いた

 

「うーん……なんか罪悪感がヤベェぜ」

 

「同じく……この道を行くなら避けては通れないとはいえ酷過ぎたわね……レミィの鬼、あ、鬼だったわ」

 

「私のせいなの!?妹紅と輝夜のせいでしょ!」

 

少し反省している魔理沙とパチュリーとレミリア

 

「ルナー!」

 

「だだ大ちゃん!ルナが泣いてるわ!何とかしなさい!あやすのよ!早く!」

 

「はわわ……ルナちゃ~ん!良い子だねんねしな~!」

 

フランとチルノと大妖精は慌てふためいている

 

「死んじゃうかと思ったぁぁぁ怖かったよぉぉぉ……!!」

 

その後、皆のあやしでようやくルナは落ち着いた

 

 

 

 

 

 

 

「って事はバーンさんは怒ってなかったの?」

 

「そういう事、バーンの力を見せるついでに私が頼んだんだよ、試してくれって」

 

ルナは真相を聞かされていた

 

「試すって何を?」

 

「お前が私達にただ何となく憧れてるから力を付けてるんじゃなくて本当に戦う道に行く気があるのか、だよ」

 

少し申し訳なさそうしながら妹紅はバーンを見る

 

「誰しも死の前にはその者の本質が出る、だがそれをするには妹紅や輝夜では近過ぎて現実味に欠ける故に不可能、それは他の者も同様……適任はまだ畏怖か苦手意識を持つ余しか居なかった」

 

バーンはルナを殺す気などまったく無かった

 

ただルナの魂の在り方を見極めようと一芝居打っただけだったのだ

 

「結果は先の通りだ、お前は死を前に逃げなかった、それどころか前に出て死に立ち向かった……それこそが戦う者の、戦士が持つべき心構え、覚悟だ」

 

「でも……前に出たけどバーンさんに傷1つつけれませんでした……」

 

「そこは問題ではない、力は後からいくらでも養える、立ち向かう覚悟を持てるかが大事なのだ、それが有ったからこそお前は余の手刀を避け、一撃を与えた……誇るがいい、余を前にして膝を屈しなかった事を……よくやった」

 

「……ハイッ!」

 

褒められた事が嬉しくてルナは笑顔を見せる

 

「あ、あのバーンさん?」

 

「何だ?」

 

「さっきのって本当に本気だったんですか?」

 

「魔力はな、肉体操作は1割にも満たぬ、全て全力ならばまだお前に手刀は見えぬ」

 

「やっぱり……そんな気がしてました」

 

「それに気付くのは素晴らしい、普段から真摯に修行している証拠だろう」

 

「はい!……ありがとうございました!」

 

ルナは元気に礼を言った

 

「良い経験だったろ?」

 

「……まぁね、臨死?って言うんだっけ?良い経験だったよ、でもこれって虐待っていうのになるんじゃないお母さん?輝夜さん?」

 

「……そうなのか輝夜?」

 

「知らないわ、そんな事は私の管轄外よ」

 

「そうなんだよルナ~!私は止めたんだけどこいつらが聞かなくてよ~!参ったぜ!」

 

「嘘言ってんじゃねぇぞ魔理沙!お前もノリノリだったろうがよ!」

 

「だってよ、そうだったかパチュリー?レミリア?」

 

「違うわね、まったくの事実無根よ」

 

「必死ねぇ妹紅、輝夜……」

 

「お前等なぁ……」

 

もう普段通りの紅魔館

 

「ティータイムにしましょう、ほらルナ、顔洗って来なさい」

 

穏やかな時……

 

 

「……妹紅」

 

ルナが居ない間、バーンは妹紅を呼ぶ

 

「良き成長をしている様だな」

 

「私だけじゃないよ、皆が育ててくれたんだ」

 

「それは確かだろう……だがやはりルナはお前の子だ、お前から大事なモノをしっかりと受け継いでいた」

 

「なんだよそれ?」

 

「勇気だ、絶望に立ち向かう勇気という覚悟、お前の宿す優しき心の力……それを余は確かに見た……」

 

「……そう言われると、なんか恥ずかしいな」

 

「……」

 

バーンは妹紅を見つめる

 

「頼みがある、聞いてくれるか?」

 

「なんだよ改まって……どうした?」

 

「ルナの……」

 

おそらく一生の願い、それを話そうとした時だった

 

 

「妖怪の山から救援要請が出ています、外来人が暴れているようです」

 

 

天の運命がまた再び、幻想と交わったのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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-妖怪の山-

 

「子どもなんだってな」

 

「らしいな」

 

「なんか強いみたいじゃない!」

 

妖怪の山を妹紅、魔理沙、チルノが飛んでいた

 

「私と一緒くらいらしいですね」

 

「そんな子どもが妖怪を倒してるのかよ……」 

 

「射命丸さんは今日は非番で神様も留守、今は早苗さんが相手をしてるみたいですけど……」

 

そしてルナ

 

パチュリーと大妖精は他の見回りに出ている、バーンとレミリアと飛べないロランは留守番

 

「早苗じゃあなぁ」

 

「だな、さすがに負けはしないだろうけど早いとこ行ってやらないと」

 

「でもどこに居るかわかんないけどどうすんの?手分けする?」

 

「そうするか」

 

一端立ち止まりルナに3人は向く

 

「お前も探してくれ、だけど見つけても何もするな、すぐに私達を呼ぶんだ、わかったな?」

 

「わかった!」

 

「よし……行くぞ!」

 

返事に3人はすぐに散開しルナだけ出遅れた

 

「速過ぎるよ……」

 

自分も探しに行こうとしたその時、出遅れた事が幸いしたのかルナは微かな金属音を聞いた

 

「剣の音……?近くだ……」

 

慎重に音のする方に近付いていく

 

「あ……!」

 

そしてルナは見た

 

 

 

「落ち着いてくださいって!ほら!アメちゃんあげますから!」

 

「うおああああッ!!」

 

「あぶなっ!」

 

少年の攻撃を防ぎながらなんとか落ち着かせようと四苦八苦するが無駄に終わっている早苗

 

「じゃあとっておき!私が書いたバーンさんとウォルターの新作BL本でどうだ!」

 

「ふざけるなああああッ!!」

 

「ああっ!?斬りやがったなクソガキ!このド畜生が!もう許るさーん!レップーケーン!」

 

キレた早苗が攻撃を仕掛ける

 

「ベギラマァ!」

 

少年の閃熱呪文が迎え撃つ

 

「おのれ生意気な!」

 

華麗に避けた早苗は一直線の弾幕を撃つ

 

「くっ……」

 

それを少年は竜首をあしらえ左右に竜爪を象る白き盾を構える

 

「ふっ……私の攻撃がそんなちゃちな盾で防ぎきれるとでも思って……あれ?硬過ぎないあの盾?伝説の盾?」

 

弾幕は全て防がれた

 

「……てやあああッ!」

 

「マズッ!?」

 

予想外の防御力に呆けた隙を突かれ接近を許してしまう

 

 

ザスッ……

 

 

(あっぶなー)

 

剣は紙一重で避けられ大地を斬った

 

「!!」

 

「ッ!?」

 

次の瞬間、少年は剣を手放して片手で早苗の腕を掴み、もう片方の手を天に掲げる

 

「ライ!デイーン!!」

 

聖なる雷が降り注ぐ

 

「自分ごと……きゃあああああッ!!?」

 

落雷が二人を撃った

 

「うっ……くぅ……」

 

早苗はダメージを受け膝を屈する

 

(まさか相討ち狙いなんて……違う、この子の方がダメージが少ない、耐性持ちでしたか……神の端くれである私より高い耐性持ちとは油断しました……)

 

「……トドメだ」

 

少年が剣を拾い構える

 

(体が痺れて……本気でヤバイ!?)

 

満足に動けない早苗にその剣を防ぐ術は無かった

 

 

「待てぇ!!」

 

 

そこへルナが飛び込んだ

 

「援軍……!クソッ次から次に……!」

 

飛び避け忌々しそうに少年はルナを睨む

 

「大丈夫ですか早苗さん!」

 

「ええ、もう動けますよ……ありがとうルナちゃん、助かりました」

 

腐っても現人神の早苗は立ち上がりルナに並ぶ

 

「……お前等……!父さんと母さんには酷い事したのに……!!」

 

助け合う姿が癇に障ったのか少年は更なる憎悪で二人を睨む

 

「お父さんと……お母さん……?」

 

「最初からあんな感じなんです、私達を仇か何かと信じ込んでてもう取りつく島も無くて……」

 

そして少年は絶叫をあげた

 

 

「ふざけるな……ふざけるなぁぁぁぁッ!!」

 

 

剣を振り上げ、駆ける

 

 

バシュッ!

 

 

3人の間に炎鳥が割って入る

 

「そこまでだ」

 

妹紅が少年の前に立ち塞がる

 

「ウオオオオオオッ!!」

 

少年は怯まず標的を妹紅に変えて突撃する

 

「……」

 

二人が衝突する

 

 

ズドッ……

 

 

「やれやれ……ちょっと寝てろ」

 

ぐったりとした少年を支える妹紅、少年が剣を振るより早く一撃にて気絶させていた

 

「怪我無いか?」

 

「お母さん……大丈夫だよ、ありがとう」

 

「私はちょっぴり怪我しました」

 

「あっそ、もう帰っていいぞ、お疲れさん」

 

「扱いヒドッ!?」

 

ふてくされながら帰っていく早苗

 

「そいつか……どうする?紅魔館に連れてくか?」

 

入れ代わりで魔理沙とチルノが来る

 

「そうしよう、なんか情緒不安定なみたいだし里で暴れられても困るしな、紅魔館で話を聞いてみるか」

 

「もし暴れたら次はあたいが止めてあげる!」

 

「息の根は止めないようにしてくれよ親分」

 

そうして謎の少年を紅魔館へ連れ帰った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-幻想郷・魔界-

 

「では報告を聞かせい」

 

無人の魔界に打ち捨てられた廃城、そこに少年と共に歪みに巻き込まれた教祖達は居た

 

「調査の結果、やはりこの世界は我等の居た世界とは異なる世界であると判明、幻想郷と呼ばれ更に此処は魔界であるとの事です」

 

「……戻る方法は?」

 

「戻る方法は2つ、1つは博麗神社と言う場所に居る博麗の巫女に帰してもらう方法、2つ目は八雲紫と言う幻想郷の賢者に帰してもらう方法です」

 

「そうか……あの小僧は?」

 

「おそらくは地上と思われます、あの小僧は歪みに巻き込まれただけでありルーラで束ねられた我等とは違い途中で弾かれたのでしょう」

 

「ふむ……まぁあんな小僧は些細な事か、それよりも帰還を優先しなければな……始めよ、手段は問わぬ」

 

「ただちに手配します!」

 

「うむ……それはそうと随分と早くわかったものじゃな」

 

「ハッ……我等「光の教団」に入団希望の者からの情報です」

 

「入団希望者……?」

 

「地上の人間を拉致していたところに現れ我等の力に感激したと……お目通りしますか?」

 

「ほーう……呼んでみよ」

 

「わかりました、オイ!入ってこい!」

 

団員に呼び声に一人の少女が入って来る

 

「初めまして!入団希望の鬼人正邪です!」

 

その天邪鬼は妖しく笑っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-紅魔館・図書館-

 

「うぅ……」

 

少年は目を覚ました

 

「あ!起きた!」

 

「!?」

 

声に反応し少年は飛び起き身構える

 

「!!?」

 

「あっ、武器?武器は危ないから預かってるよ、皆さーん!起きましたー!」

 

ルナの呼び掛けにバーン達が姿を現した

 

「……オレをどうするつもりだ光の教団!」

 

「まぁ落ち着けって、私達はその光のなんたらってのじゃないからさ」

 

「信用するか!」

 

「参ったな……とにかく話をしないか?まず名前教えてくれよ、な?」

 

「……嫌だ」

 

「参ったな……どうしたもんか……」

 

やはり取りつく島も無い少年に頭を抱える妹紅にレミリアが口を出す

 

「今は興奮してるから仕方ないわよ……貴方、少し自由にしていいから落ち着いてきなさい」

 

「……」

 

少年は睨みながら図書館を出ていく

 

「良いのか?」

 

「問題無いわ、咲夜を監視に付けてるから……それにあの子の武器は預かってるから必ずここに戻ってくる筈よ」

 

「それならまぁ……」

 

少し考えた妹紅はルナを呼ぶ

 

「悪いけどお前も見てやっててくれないか?」

 

「いいけど……なんで?」

 

「歳が近いから私達より心を開いてくれるかもしれないからな」

 

「わかった!行ってくる!」

 

ルナに任せた皆は進展を願いながら戻っていく

 

 

「……」

 

「どうしたロラン?」

 

「いや……あの子が気になってね、後輩って言うのかな?そんな感じがするんだ」

 

「後輩?……まさかあいつ、お前と一緒の勇者なのか?」

 

「みたいだ、少し違うけど源流は同じところだと思うよ」

 

「へー」

 

「子どもだしまだまだだけどね、これからに期待ってところかな」

 

「そこはルナと一緒だな」

 

 

 

 

 

 

「……」

 

そしてバーンは目に入った物を見つめていた

 

(竜の……剣……)

 

少年の持っていた剣を見つめ考える

 

(ロン・ベルクに頼んだ剣のイメージ……竜に真魔剛竜剣を連想していたが、違った……これこそ余が夢で見た……)

 

無意識に持とうとした手が聖なる力に弾かれる

 

「……」

 

強い力だったがバーンは止まらず、弾く力の上から強引に掴んだ

 

「……」

 

その剣は選ばれた者以外が持とうとすると重量が上がり常人では扱えない剣になる、更に魔族が持とうとしているからか重量は更に異常に増えフランでさえ持つのがやっとの重さになっていた筈なのだが……

 

なんとバーンはそれを片手で持ち上げていた

 

「素晴らしい剣だ……ロトの剣には及ばぬが……」

 

さすがに両手を用いても満足に振れはしないだろうが使い手を選ぶ剣を強引にでも持てるあたり流石は大魔王だったと言う事なのだろう

 

(……!これは……)

 

バーンはその剣を見て気付く

 

(徒労に終わるやもしれんが呼んでおいてみるか……奴にも刺激になるだろう)

 

剣を戻すとバーンはウォルターにミストへ伝令を頼み、皆の中へ戻って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ……」

 

霧の湖に少年は居た

 

「こんな事してる場合じゃないのに……」

 

湖に石を放りながら少年は独り呟く

 

「……」

 

自分だけの静かな時間が少年を落ち着かせ、望郷の念を抱かせる

 

「無事かな……タバサ……サンチョ……」

 

離ればなれになった妹と昔からずっと仕えてくれる優しい従者

 

「……」

 

そして、片時も忘れた事が無い想い

 

「お父さん……お母さん……」

 

悲し過ぎて、辛過ぎて

 

少年の頬を涙が伝う

 

 

「ねぇ……」

 

 

掛けられた声にハッとして顔を拭う

 

「……なんだよ」

 

少年は現れたルナを睨む

 

「大丈夫?」

 

「……何がだよ」

 

落ち着いたのもあり、ルナが同じくらいの歳で危険は少ないと感じたのか少年はぶっきらぼうながらも答える

 

「だって泣いてたから……」

 

「なっ……泣いてなんかないッ!」

 

顔を真っ赤にして叫ぶがルナは全然怯まないし馬鹿にしている感じも無い

 

「……あの人達に言われて来たのか?」

 

「そうだよ、何回も言うけど私達は君の言う光のなんちゃらってのじゃないよ」

 

「……みたいだな、さっきまでは混乱してたから気付かなかったけどお前達全員悪い感じがしないからな、光の教団の奴等じゃない」

 

「わかってくれてよかった!」

 

「……疑ってごめん、手当てまでしてくれて……ありがとう」

 

少年は非を認め謝った

 

「気にしないでいいよ!それより……さっき言ってた事って……」

 

「聞いてたのか……」

 

「うん……お父さんとお母さん、どうかしたの?」

 

「……」

 

少年はもう暗くなって星が見える夜空を見上げながら話した

 

「オレの父さんと母さん、オレが産まれたすぐ後……魔族に連れ去られたんだ」

 

ルナは言葉を失った

 

「生きてると思って妹と父さんの従者だった人と探したんだ、そしたらまだ父さんと母さんは生きてるって聞いたんだ……」

 

ルナは少年の語る事を静かに聞き入っている

 

「そして知ったんだ……光の教団に母さんが囚われてる、って……」

 

「……助けに行ったの?」

 

「もちろん行ったさ!だけど光の教団の本拠地は断崖絶壁の山の上だった……空でも飛べないと行けない場所にあったんだ……」

 

「……」

 

「だからオレ達は待った、光の教団の教祖が外に出てくるのを……それで今日、ようやくチャンスが来たのに……逃げられたんだ……!」

 

「それでここに来たんだ……」

 

「よくわからなかったけどルーラが引っ張られてた、一番近くにオレは居たからそれに巻き込まれたんだ」

 

「……博麗大結界は不安定でたまに綻ぶんだって、その時に外や異世界と繋がって幻想郷に迷いこむ、って慧音先生が言ってたからそれだと思う」

 

「そうなのか……」

 

語り終えた少年は無言で夜空を見上げている

 

「……私もね」

 

ルナが語り出す

 

「お母さんが居なかった時があったの」

 

「……君も?」

 

少年はルナを見る

 

「いきなり居なくなっちゃって2年間も……こう言ったら君の方が辛いだろうけど、私ね……居なくなっちゃう日にお母さんに言っちゃったんだ……「他人の癖に!!」って……」

 

「……」

 

「それでね、お母さんが居なくなってようやく私、お母さんが大事な人だって気付いたの……でも遅くて……2年間……とっても辛かった」

 

「でも今は帰って来たんだろ?」

 

「うん、だからね……君の辛さ、ちょっとわかるんだ」

 

「……」

 

少年はルナに感じるものがあった

 

(この子は……)

 

自分の辛さをわかってくれる、自分に歩み寄ろうとしてくれている、と……

 

「……あのさ!もし君が良かったらだけど……私も手伝わせてくれないかな?」

 

そう、こんな事を言ってくれるまでに見ず知らずの自分を気にかけてくれている

 

「……ダメだよ、危ないから……」

 

「私こう見えてちょっとは強いんだよ?ね?だからお願い!」

 

「これはオレ達の問題だから……」

 

「じゃあ私が勝手に助ける!だったら良いでしょ!」

 

「……わかった、わかったよ」

 

諦めようが無いルナの押しに諦めに似た根負けした少年は微笑む

 

「助けて……くれないか?」

 

「喜んで!」

 

ルナが仲間になった

 

「じゃあさ!じゃあさ!探したりする前に名前教えてよ!」

 

「そういえばまだだったな、レックス……レックス・エル・ケル・グランバニアだよ……君は?」

 

「私はルナ!藤原ルナだよ!よろしくねレックス!」

 

「うん……よろしく、ルナ」

 

二人が笑い合う

 

 

パチン……

 

 

指を鳴らす音が響く

 

 

「よっし!それじゃ作戦タイムだ!」

 

 

二人は図書館に居た

 

「!!?」

 

「!?……あ、咲夜さんか」

 

二人は監視していた咲夜によって協力が確定した瞬時に時止めによる瞬間移動をされていたのだ

 

「お腹減ってるでしょう?食べながら話しましょう」

 

テーブルには料理が並べられている

 

「あの……さっきは失礼な事してすいませんでした」

 

「素直に謝れる子は好きよ、気にしてないから大丈夫、貴方の事情は咲夜から聞いてるから……大変だったみたいね」

 

謝罪を含めて改めて自己紹介を終えた後、レックスは切り出した

 

「協力してくれるのは嬉しいです……でもルナにも言いましたけどこれはオレの問題だから……」

 

「ではこうするわ、幻想郷に舐めた真似をする輩を駆除する私達は貴方を一方的に援護する、どう?文句無いでしょ?」

 

「舐めた真似って……?あ、いやその……ありがとうございます」

 

事情を知って喜んで協力してくれるレミリア達にレックスは頭を下げるしかなかった

 

「……それで、作戦って……?」

 

「それは私が説明しましょう」

 

スキマから紫が現れる

 

「まず、既に貴方とルナ以外に話した確定情報を教えます……光の教団の居場所は幻想郷の魔界、そこに立つ廃城よ」

 

「!!?……どうしてそんなに早く……まだオレが来て半日くらいしか経ってないのに……」

 

驚くレックスに紫はしたり顔で微笑んだ

 

「それは今、光の教団にスパイが居るから」

 

「スパイ……?」

 

「そう、鬼人正邪って言う妖怪なのだけれどたまたま光の教団が情報集めに民を拉致していた所に出くわしてね、そこで機転を利かせた彼女は教団員になって価値の無くなった人間を処刑する振りをして私が気付く様に情報と一緒に帰してくれてたのよ」

 

光の教団は元の世界に戻る為に情報を集めていた、その過程で地上の人間や妖怪を秘密裏に拉致していた所を正邪が見つけ、小さな異変ではないと感づいた彼女の機転により撃退ではなく潜入がなされていたのだ

 

先にレミリアが言った舐めた真似とはこの事でありこれを受けて幻想郷は光の教団に対し殲滅を決定していたのだ

 

「既に手配は済んでいます、後は旗頭である貴方の意思次第で我等幻想郷は動く事になる算段になっているわ」

 

「……じゃあ今すぐに!」

 

勇むレックスだったがレミリアに止められる

 

「気持ちはわかるけど逸らないの、貴方疲れきってるでしょ?それでは行かせられないわね、今日は休んで明日に決行よ、いいわね?」

 

「……そう……ですね、すいません、貴方の言う通りです……わかりました」

 

「素直でよろしい、では食事を済ませてもう休みなさい、私達は明日の事を煮詰めるから」

 

「ありがとうございます……」

 

そしてレックスが食事を済ませ、休む部屋を案内しようとした時、彼は来た

 

「来てやったぞバーン、こんな時に何の用だ?オリハルコンが用意出来たのか?」

 

ロンがやって来たのだ

 

「すまぬな、まだオリハルコンは用意出来ておらぬ……お前を呼んだのはあの小僧の持つ剣を見てやって欲しかったからだ」

 

「剣だと……?」

 

指差されたロンはレックスを見る

 

「よくわからんがまぁいい、そこの外来人の小僧、その剣を見せろ」

 

レックスはよくわからないまま自分の剣である天空の剣を差し出す

 

「!!?こいつは……真魔剛竜剣やロトの剣と同じ神の……!」

 

置かれた剣を前にロンはブツブツと呟きながら剣を手に取り、持ち上げた

 

「えっ!?重く……ないんですか……?」

 

「意思を持つこの剣を普通に持つのは俺も出来ん、だが鍛冶目的とわからせてやれば持つ分は可能だ」

 

「そんな事が……」

 

感心するレックスを前にロンは天空の剣を間近に見て顔を歪めていた

 

「随分手入れしてなかったみたいだな……経年劣化で本来の力を出せていた時よりかなり弱い、バーンが呼んだ理由はこれか……」

 

「そうなんですか?」

 

「一度この剣は眠っていた力を引き出されている、だがその後数百年は手入れもされず野晒しだったみたいだな、そのせいでまた力が落ちている状態だ」

 

「そんな事までわかるんですか……」

 

「ああ……こんな物を見せられては黙ってられん、悪いが借りるぞ、俺が叩き直してやる」

 

「あ、いや……その……」

 

突然のロンの行動に慌てるレックスは皆を見る

 

「ロン・ベルクの腕は確かだ、心配する事は無い」

 

バーンに言われてレックスはロンへ向き直す

 

「お願いします」

 

「任せておけ、明日には間に合わせてやる」

 

天空の剣を持ってロンは白玉楼へすぐに戻って行った

 

「ほら、明日は大変になるのだから貴方も早く休みなさい」

 

「はい」

 

咲夜とルナに連れられて図書館を出ていくレックスを見送ったレミリアは皆に向き直す

 

「それで……どうする?」

 

「どうするったってなぁ……」

 

皆が悩んでいる、光の教団は幻想郷にとって大きな問題があったのだ

 

「雑魚の集まりだもんなぁ……」

 

「そうよねぇ……」

 

そう、弱過ぎるのだ

 

「正邪からの報告では教団員の数は300から500程度、レベルはこちらの一般妖怪と同程度、ソルの魔王軍に比べたら大人と子どもの差、幹部クラスも居るけどそれも教団員に毛が生えた程度……」

 

「んで教祖はイブールって奴でそいつも精々正邪と同じくらいなんだろ?こっちはちゃんとカンダタの時みたいに全体の安全確保したし話になんねぇよ」

 

頂点が一人行けば釣りが出るくらいに脅威としては低かった、幻想郷が異常とも言うが

 

それが油断無く対応した上でそう断言しているのだ、現状では潜入している正邪すら知らぬ何かとんでもない隠し玉が無い限り間違いなく負ける事は考えられなかった

 

「そこで提案なんだけれど、ルナにやらせてみないかしら?」

 

「おー!それ良いな!ルナとレックスに華を持たせるって事だろ?賛成だ!良い経験になるぜ!どうだ妹紅?ロラン?」

 

「うーん……危ないけどそこは私達がちゃんとフォローすれば大丈夫か……わかった、私はいいよ」

 

「僕もそれで構いませんよ」

 

「決定ね、では解散しましょう」

 

幻想郷は備える、必勝の明日に向けて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-魔界・廃城-

 

「グッフッフ……」

 

イブールは妖しく笑う

 

「以前、魔界で手に入れた王の子、そして今日手に入れた封魔の壺、この2つに加え邪法を持つ儂は誰にも負ける事は無い……大魔王に代わり儂が世界を統べる日は近い……」

 

「早く戻りたいものじゃの……グッフッフ……!」

 

巨大な野心を隠し秘める邪悪なる者

 

それは分不相応な儚き夢幻か、それとも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで貴方はどうする?別に来なくても構わないわよ?」

 

「ふむ、確かに余まで出張る必要は無いだろうが万が一という事もある、まぁ出てやるとしよう……育成目的ならば討ち漏らしを狩る意味も兼ねて廃城の外で待機しておこう、お前達は好きに動くがいい」

 

「そっ、わかったわ!でもそうなると相手が気の毒になるわねぇ……万に一つの勝ち目も無くなっちゃったもの」

 

「フッ……勝てるに越した事はなかろう、幻想郷に関しては如何なる場合も、な」

 

「フフフッ……そうね、その通りね」

 

神話を越えた幻想達の夜は過ぎていく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルナ外伝始まりました!

見ての通り天空編からまた幻想郷に干渉がなされました、世界軸は勿論あのエスタークの居た世界軸からです。
となると疑問もあるかと思いますがそれは追々……

レックスと妹のタバサはデフォルトネームから取ってます、好きな名前じゃないですけどまぁ仕方ない。

次回も頑張ります!

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