東方大魔王伝 -mythology of the sun-   作:黒太陽

42 / 86
第41話 倒れ逝くその時まで

 

 

 

「あ、そうだ妹紅、手を出してよ」

 

結界に向けて戦場を行く妹紅達3人、襲ってくる敵を上手く退けながら進む中てゐが妹紅へ振り向き手を差し出す

 

「なんだ?どうかしたのか?」

 

「いやね、あたしゃ強くないから着く前にやられちまうかもしれないからさ、今の内にやっとこうと思って」

 

「何をだ?」

 

「いいから手を貸しなって」

 

強引に妹紅の手を掴み両手で包むと淡い光が起き妹紅に吸い込まれていく

 

「これ……お前の……」

 

「そっ、「人間を幸運にする程度の能力」さ、昔に正邪にやってあげたやつだよ、これで最悪私等二人がやられても着ける筈だよ」

 

「……助かる」

 

「蓬莱人には不老不死が弾くのか回復呪文と一緒で効かないんだけどあんた人間に戻ったからね……やれる事はなんでもやっとかないとね!」

 

「ありがとう……」

 

「ほらほら!早く行きますよ二人共!」

 

周囲を警戒する鈴仙に促され進もうと1歩踏み出す

 

「……いや、もう大丈夫みたいだ」

 

そこで足が止まった

 

「凄いな……早速幸運だ」

 

「何言ってんですか妹紅さ~ん、ルナちゃん背負うの辛いならてゐに預けてくださ……!?」

 

鈴仙も気配に気付き妹紅へ振り向く

 

 

ヴンッ

 

 

空間が歪んだ

 

 

「何故貴方が……?今まで何処に居たの……?」

 

 

スキマを操る妖怪が姿を現す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-幻夢空間-

 

「まだかオルゴ・デミーラ?」

 

「天魔王も大した事はないのう」

 

「五月蝿いわね!ならあんた達がやりなさいよ竜王!デスタムーア!」

 

「儂等では不可能じゃ」

 

「だったら黙ってなさい!いくら私がそういうの得意って言ってもバーン会心の結界はそう簡単にはいかないのよ!……よし!繋がった!これで中の様子が見れるわよ!崇め奉りなさい無能共!」

 

空間内に巨大な映像が映される

 

「相当やりあった後か……互いにボロボロだな、バーンも情けない……ワシなら一撃で勝てると言うのに」

 

「お前が一撃なら儂は一瞬じゃのう、しかし……やはり己が相手ではこうなるか」

 

王達が他人事の様に観賞している

 

「……!」

 

その中で闇の王・ゾーマが目を見開いた

 

「どうしたの?」

 

気付いた常闇ノ皇が問う

 

「……奴から……ソルから美しさが消えている」

 

神妙な顔でゾーマはソルを見つめている

 

「ああ……そういえばお前は死の兆しが有る者が綺麗に見えるんだったわね」

 

ゾーマの言葉の意味する事を理解した常闇ノ皇はゾーマと同じくソルを眺める

 

「運命が……変わった……」

 

王の運命視すら覆す神域に至った男の姿を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼアアアアアッ!!」

 

「ハアアアアアッ!!」

 

激しき撃ち合いが繰り広げられている

 

「大結界「博麗弾幕結界」!!」

 

幻想郷を守護する歴代最強の博麗の巫女

 

「イオマータァ!!」

 

「ギュイイッ!!」

 

主である豪魔軍師の魂を受け継ぐ六将最強のドラゴンライダー

 

「ウッ!?コンノォォォ!!」

 

「ガッ!?ウオラァァァ!!」

 

共に不退、どれだけ攻撃を受けようが構わず目前の敵だけを倒さんとする気迫が咆哮となって重なる

 

「……セヤッ!」

 

「グッハッ!?」

 

霊夢の祓い棒が腹を突く

 

「ギュイッ!」

 

「ッ!?」

 

ワイバーンの翼爪が頬を裂く

 

「ドラアッ!」

 

「アグッ!?」

 

隙を逃さず蹴り飛ばす

 

「チッ……!!」

 

「ダラアアッ!!」

 

すかさず衝突する、休む間を与えないつもりだ……お互いに

 

「オオオオオッ……!」

 

ベグロムの放つ呪文とワイバーンの火炎の幕

 

「くっ……!」

 

華麗に空を飛んで回避するが攻撃の激しさが増すばかり

 

「ウアッ!?」

 

「貰ったァ!」

 

被弾し動きが鈍る霊夢へ駆けるベグロム

 

「ッ……どこがよ!」

 

「ゴッハッ!?」

 

繰り出した回し蹴りがカウンターで炸裂する

 

「ギュイィィ!」

 

直後にワイバーンの翼が霊夢を打つ

 

「コノッ……鬱陶しいのよ!「宝符「陰陽宝玉」……ッ!?」

 

弾幕を撃とうした瞬間、さっきのお返しと言わんばかりのベグロムの跳び蹴りが攻撃を阻止しに来る

 

「ズリャアアアアッ!!」

 

ワイバーンと連携した猛攻

 

「ウッ……クッ……!?」

 

堪らず防戦に徹する霊夢

 

「ヌウゥゥ……ウンッ!」

 

力を込めたベグロムが魔力を集め槍を形成する

 

「武器!?」

 

「ウオリャアッ!」

 

驚く霊夢へ槍を振り下ろす

 

「クゥ……!?」

 

祓い棒で何とか受け直撃は避ける

 

「ヴッ!!?」

 

ワイバーンが吐いた火炎が霊夢を飲み込み吹き飛ばす

 

「コ……コイツ等ァ……!?」

 

放射が終わった跡で煙を昇らせながら霊夢はベグロム達を睨む

 

「粘るじゃねぇか」

 

肩に槍を乗せワイバーンに股がるベグロム

 

この魔力で作った槍をベグロムは今まで使った事が無かった、それどころか作る事も考えていなかった、だが戦いの最中にベグロムはそれを思い付き、出来ると確信し行い、出来た

 

まるで当たり前かの様に

 

それは既に散ったガルヴァスの意思を継ぐ者として髪と同じくそうさせたのかもしれない

 

その姿は歴戦の竜騎士の様に堂々たる雰囲気を出している

 

「人間が、妖怪が……大勢死んだのよ!あんた達の魔族だって死んでしまったのよ!」

 

それに弱気になった訳ではないが何度も経験した戦いの悲惨さに思わず声が荒ぐ

 

「それがどうしたァ!なんならお前もその仲間に入れてやろうかってんだよ!?」

 

戦いを求めるベグロムはそんな言葉では揺るぎもしない、戦いを求める以上、死は受け入れているし殺す事に頓着は無いがいざという時は仕方無いとも思っている

 

「甘っちょろい事抜かしてんじゃねぇ!」

 

槍の一閃が祓い棒ごと打ち払う

 

「クッウゥ……」

 

霊夢はとても苦しい

 

(……予想は出来てたけど……やっぱりキツイ……!絶妙な連携でどうしても同時に相手になっちゃう……それにレミリアみたいな槍まで使いだすし……)

 

歴戦たる経験が知らしめる

 

(このままじゃ勝てない……か、歴代最強の名折れね……)

 

待つのは敗北だけだと

 

「……ハッ……馬鹿ね……」

 

窮地の中で巫女は笑う

 

「何の為に戦うのか……!それを思い出しなさい霊夢()!」

 

歯を食い縛り、痛む体に力を入れる

 

「人間が、妖怪が……魔理沙や皆が……バーンが……!まだ頼りないけど……可愛い弟子(靈夢)が生きる此処の……!」

 

博麗の巫女としての使命が、繋がる絆が奮い立たせる

 

 

「幻想郷の平和の為でしょうが!!」

 

 

心は折れはしない、ムンドゥスの時の様に折れはしない

 

「絶対に……負けられないのよ!私達は!!」

 

何があろうともう折れはしない

 

「本当はソルに使うつもりだったけど……あんたに聞かせてあげる……!究極を……!」

 

霊夢は残る霊力を全て注ぎ

 

「幻想郷を守る博麗の巫女の……最後の言葉を!!」

 

最後にして究極のラストワードを宣言する

 

 

「博麗究極奥義!「夢想天生」!!」

 

 

霊夢の体が淡い光を放つ

 

「……なんだ?大層な事をすると思ったが強くなってねぇ……寧ろ力が弱くなってやがる」

 

逆に警戒したベグロムが様子見で呪文を放つ

 

 

スゥ……

 

 

「何ィ!?」

 

呪文は微動だにしていない霊夢をすり抜けた

 

「どうなってやがる……!?」

 

驚愕するベグロムへ霊夢は攻撃を開始する

 

「ケリを着けてやるわ!」

 

出現した八つの陰陽玉から怒濤の弾幕を放ち突撃する

 

「ヌグッ!?」

 

被弾するベグロムだがダメージは今までより少ない

 

「ルアアッ!」

 

突撃してきた霊夢に槍を振るう、しかし切った様に見えるだけで手応えが無い

 

「ウオオッ!?」

 

なのに霊夢の攻撃は当たる

 

「ギュイ!」

 

ワイバーンの攻撃も同様、霊夢をすり抜ける

 

「クッ……何をしやがったァ!!」

 

「フフッ……」

 

ベグロムが叫ぶが霊夢は笑みを浮かべるだけで何も答えない

 

(無敵状態よ!)

 

内心で答えを告げる

 

(夢から天じて生を想う、これが私の夢想天生……ありとあらゆるモノから浮く事で!攻撃からも浮く事で無敵に至れるようになる私の秘技!)

 

これぞ霊夢の切り札

 

空を飛ぶ程度の能力の本質であり真髄、歴代の博麗の巫女の誰もが持ち得なかった技

 

(靈夢にも教えてあげたいけど私にしか出来ないからね……)

 

これは能力を持つ霊夢にしか出来ない事であり歴代の博麗の巫女は内容が異なる究極奥義を個別に持っている

 

靈夢が結界術を夢想天生としている様にこれが霊夢の夢想天生なのだ

 

(浮く事に力を割くから攻撃力は下がる……それに今の霊力を考えたら……10分ってところね)

 

それだけの技、そう都合の良い事ばかりではない

 

(あいつ等を最低どちらかでも時間内に仕止められなければ負け……ハァ……私も焦ってたのね、コイツを倒せるかも危ういのにソルに使おうとしてたなんて……)

 

無敵故に出来た若干の余裕で冷静になった霊夢は改めて倒すべき敵、ベグロムを見据える

 

「あんたを倒す、皆も守る、両方やらなくっちゃあならないっていうのが博麗の巫女の辛いところね……覚悟は良い?私は出来てる!」

 

「ほざけ!オレが負けるかァ!」

 

どちらが先に力尽きるかの極限の耐久戦

 

霊夢が押しきるか、ベグロムが耐えきるか

 

歴代最強と六将最強の意地が佳境へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドオッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果て無き衝撃が鳴り響く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヌウゥゥゥ……!」

 

「グウゥゥゥ……!」

 

合わせた右手を渾身で押し合う二人の同一

 

 

行き場を失った力に大地が悲鳴をあげる

 

 

「……!」

 

僅かにバーンの右手が押される

 

「オオオオッ!」

 

引き込み左の手刀を振るう

 

「フン……」

 

それはソルの左によって振い切る前に掴まれる

 

「グヌッ……!」

 

「ヌヌゥ……!」

 

交差した状態で睨み合うバーンとソル

 

 

ガッ!

 

 

バーンが頭突きを繰り出す

 

「グッ……オオッ!」

 

掴む左を放し肘打ちで返す

 

「ッ……ムンッ!」

 

前のめりの体勢から空いた左掌をアッパー気味にソルの胸に打ち、イオナズンを爆発させる

 

「ヌッ!?」

 

ソルのみに向けた爆発だったが爆煙から伸びる掴み合う右手は離れていなかった

 

「チッ……!」

 

イオラをゼロ距離から連射する

 

 

ズドオッ!

 

 

爆煙から飛び出た左拳がバーンを殴り飛ばす

 

「サイズが近い方が戦い易いものだな……」

 

傷を受けたソルが爆煙から姿を見せ、打ち飛ばしたバーンを見る

 

「ウグッ……クッ……!」

 

バーンは直ぐ様立ち上がって見せるが先程とは違い焦りが見えている

 

(やはり冷静さを取り戻しておる……初めて成る肉体の状態確認を優先しておるか……怒りのままに戦っていた時なら読み易かったがそれも期待出来なくなった……)

 

優劣が変動したのだ

 

確定的な優勢だった状勢が今や霧の中であり

 

(そして……今のでわかってしまった……余は……おそらく……)

 

その霧の中で朧気なれど道が見えかけていたから

 

 

「では……こちらはどうだろうかな?」

 

ソルが手をかざしメラゾーマを唱える

 

「……カイザーフェニックス!」

 

突進してきた不死鳥を己が不死鳥で受け止めた

 

「……」

 

2羽の不死鳥の衝突を眺めるソル

 

「成程……」

 

ソルの不死鳥を消え、次いでバーンの不死鳥も消える

 

カイザーフェニックス(これ)に関してはまだ貴様が上か……フン……」

 

納得しながらバーンへ歩んでいく

 

「一応……聞いておいてやろうか……今、貴様が負けを認め、素直に余に討たれるならば直ちに魔王軍を退かせこの戦いを終わらせてやろう」

 

冷静さを取り戻した余裕からか先程までは絶対に出なかったであろう言葉が出される

 

「どうだ?貴様の命で大事だと言う者達が救えるのだぞ?悪い話ではあるまい?」

 

それが冷静になれた故に出るのだとすればソルは間違いなく冷静、存分な嫌味を込めて言うのも己とバーンを知った上

 

「……飲めぬ提案だな」

 

そしてバーンが拒否する事もわかっている

 

「余は……あやつ達とこれから先も……この幻想郷で生きていたいからな……」

 

もしこれが幻想郷に来た時の、魔帝異変の時ならば飲んだかもしれない、保証は無いがそれで皆を救えるなら一考に値した条件であった

 

だが今は違う

 

再誕し、夢現を越えて極まった絆はもう離れられない所に来ている

 

 

共に生きたいと想う心がどうしようもなく死を恐れる

 

故に例え確証が有ろうとも拒否する事に些かの迷いも無かった

 

 

「……良いのだな?」

 

自分と同じ大魔王だった者とは思えぬ見苦しさに怒りを通り越し呆れすら感じているソルは意味の無い最後の確認を問う

 

「あれ程殺すと息巻いておいて今更だな……語るに及ばずだ」

 

バーンは覚悟を決めている

 

「そうであったな……もはやこの戦いに是非など問うまい……残るのは一人、それだけの話だ」

 

ソルも覚悟が満ちる

 

「消えるのは貴様だがな……」

 

「……この期に及んでまだ笑うか、その余裕……いつまで持つかな?」

 

二人は同時に掌圧を繰り出す

 

「無論……死ぬまでだ」

 

「では死ぬがよい」

 

同時に宙を駆ける

 

「ウガアッ!?」

 

「グウオッ!?」

 

同時に拳が打つ

 

「……ッオオオオオオオッ!!」

 

「……ッアアアアアアアッ!!」

 

凄まじき殴り合い、切り合い

 

「ウオオオオオオオオッ!!」

 

「ハアアアアアアアアッ!!」

 

呪文の打ち合い

 

そのどれもが再生追い付かぬ体に更なるダメージを加算させていく

 

 

「……」

 

「……!」

 

互角に見える応酬

 

「フフフ……」

 

「クッ……」

 

だがソルは笑みを浮かべ、バーンは焦燥を浮かべている

 

「必死だな……苦しいか?バーン……?」

 

「ッ……!?」

 

少し

 

本人達にしかわからぬ様なほんの少しずつだが

 

「苦しかろうなぁ」

 

「グクッ……!?」

 

バーンが押されていた

 

「余の上昇した僅か数%……その数%が我等の力量になれば絶対の差、越えられぬ鬼門となる」

 

上昇と言うよりは精錬されたと言うべきソルの進化

 

それはカイザーフェニックスを除いた全てに置いてバーンをほんの僅かだけ上回っている

 

それが同一と相まり差分が積み重なり広がっているのだ

 

「貴様ならわかる筈だ、間違いは起きぬぞ?」

 

そして高いレベルに在る程、攻守の選択のミスの可能性は低くなる

 

冷静さを取り戻したソルがミスをする事は望めぬ希望

 

「黙れ……!」

 

 

まさに詰め将棋

 

 

バーンは絶望とも言える限り無く勝算が低い戦いをしているのだ

 

 

ドッ……

 

 

「ガアッ……」

 

累積した差が遂にバーンを捉える

 

「ッッ……!」

 

その一撃は敗北への一歩

 

「オオオオオッ!!」

 

先に打たれたたった1発の楔が多大な差となり加速度的にそこへ導いていく

 

「フッフッフ……」

 

ソルに与えたダメージが1なら自分は2を受ける

 

2になった時は3.5

 

3の時は5

 

4の時は7

 

5の時には10の様に差は広がり続ける

 

 

「グハアッ!?」

 

 

勝敗は……既に決まった様な物だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔槍「ブラッディースクライド」!!」

 

二人が戦う結界の外、レミリアが黒い壁の様な結界を攻撃していた

 

「~~~~ッ!!?」

 

無傷の結界に歯を食い縛りながら震える

 

(ダメ……何をしても壊せない……)

 

バーンによって結界の外に送られたレミリアは今まで何とか結界を突破しようと何度も攻撃を繰り返していた

 

(このままじゃ……バーンが……バーンが……)

 

外に送られる刹那、レミリアは運命を感じていた

 

 

(死んじゃう……)

 

 

愛しき人に訪れる死の運命を……

 

 

「コノッ……!通しなさい……!」

 

それを変えたくてバーンの元に行こうとずっと攻撃していた

 

「通せッ……!」

 

そこは戦場の範囲内、その間にも魔物が襲い来る

 

「邪魔をするなァーッ!!」

 

紅い力で吹き飛ばしまた結界の突破を試みる

 

「ッ……通せ……!」

 

だが何をいくらしようが傷すら付かない

 

「……通してよぉ……」

 

疲れ果て、手放した槍と共に力無く崩れ落ちた

 

 

 

「……!!」

 

魔物がレミリアを見つける

 

「ソル様ーーッ!!」

 

有無を言わずに襲い掛かる

 

「……カ……ァ……無……念……」

 

魔物が倒れ、背後に立っていた者がレミリアの横で屈む

 

「戦わないのぅ?」

 

妖夢が魔界に送られた為に一人で指揮し奮闘していた幽々子だった

 

「……」

 

何も答えないレミリア

 

「そうよね……戦ってたのよね、バーンの為に……うん、貴方にとっては幻想郷全てより大事な人だもの」

 

優しく微笑んだ幽々子はレミリアを庇う様に立つ

 

「大丈夫よ……私達がやるから」

 

同時に二人の少年と天狗が傍らに降りた

 

「博麗神社はもう完全に無視されてるから来てやったよ、何にもしてないってバレたら霊夢にブッ殺されるからね……」

 

「指揮が途絶えたから来てみれば……納得だな」

 

龍神と天魔が並び立つ

 

「遅くなりました!現状は!?」

 

「ヘカーティア様完璧に拘束したから来てやったよ!」

 

映姫と小町も駆けつけ、応戦する幻想郷の皆が結界を中心に集い始める

 

「敵の動きが妙だ、急に侵攻方向を変えて一斉に此処に向かい始めた」

 

何故か魔王軍は此処へ向かって来ている様だ

 

 

 

ドゴオッ!!

 

 

 

群れの後方が弾け飛ぶ

 

 

「逃げてんじゃないよお前等ァッ!!」

 

 

ミストと融合した萃香も魔王軍を追う内に此処へ誘われていた

 

「理由はコレだ……」

 

最後に皆の前に降り立ったハドラーが結界を指差す

 

「この結界に閉じ込められたソルを救う為にこいつ等は此処を目指しているのだ」

 

指を魔王軍に向ける

 

 

「ソル様ーーーーッ!!」

 

「我等の神を御助けするのだ!!」

 

「退けぇぇぇぇ!!」

 

 

ソルが危険、それを結界から予感した魔王軍は戦いの理念など二の次にソルと言う魔神を救う為に意思を完全に統一していたのだ

 

 

「絶対に甘く見るなよ、奴等はソルを救う為に死に物狂い、命すら厭わぬ気概で来ている」

 

「みたいねぇ……なら私達も覚悟を決める時ね、此処に残る全員を集めましょう、バーンが勝利するまで死守する……誰が、どれだけ死のうとも……!」

 

幻想郷は諦めない、最後まで諦めない

 

「……貴方は付き合わなくても良いのよ?ハドラー……?」

 

「オレは言った筈だ幽々子、「幻想郷に命を預ける」と……このハドラーに!幻魔司令に二言は無い!この程度オレが鎧袖一触に蹴散らしてくれるわ!!」

 

「あぁんもぉ!格好良過ぎよぉ……勝ったら愛人にして貰っちゃお!」

 

『……何やら盛った泥棒猫の気配がします、ハドラー家崩壊の危機!?ヤダ怖い!』

 

寧ろ誰もが命を燃やしている

 

「……そんな事よりも」

 

集結を急がせる指示を出したハドラーはレミリアの元へ行く

 

「何をしているレミリア!敵が来るぞ!戦え!!」

 

さっきから項垂れているレミリアが気に入らなかった

 

「お前はそんな女ではなかった筈だ!いつもの尊大な態度はどうした!総司令の責任は!吸血鬼の誇りはどうしたァ!」

 

優しさから幽々子達は何も言わなかったがハドラーは料理を教えた師弟の間柄であり対等な存在、理由はわからぬが情けない姿に我慢ならずに怒声を浴びせる

 

「……バーンが……死んでしまうのよ……」

 

「バーン様が……!!?」

 

驚愕するハドラー

 

(能力で運命を視たか……)

 

少し考えて口を開く

 

「諦めるな、バーン様が負ける筈が無い、必ず運命を覆し帰ってくる」

 

運命を感じるレミリアの能力は確定に近いと知っているハドラーはこんな気休めしか言えない

 

「……無理よ」

 

自失するレミリアは動かない

 

「……ならば!オレは信じて戦うのみだ!お前の分まで!!」

 

辛さをわかるハドラーはそれ以上は言わず、背を向ける

 

 

 

「行くぞォォォォォォォォ!!」

 

 

 

先陣を切り、駆けて行った

 

 

 

 

 

 

「バーン……バーン……ッ!!」

 

悲しさにうちひしがれるレミリア

 

 

 

……ヴンッ

 

 

 

「レミリア……?」

 

懐かしい声が聞こえ、顔を向ける

 

「どうしたんだよ?お前が泣くなんてらしくないぞ?」

 

そこには妹紅が立っていた

 

「……!!?」

 

妹紅を視た瞬間、レミリアの目が見開かれる

 

 

「妹紅ッ!!」

 

 

叫ばれる友の名

 

 

レミリアは……運命を視た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴハアッ!!?」

 

バーンは激しく吐血する

 

「フン……」

 

胸にメリ込む拳を開き暗黒闘気の塊を撃ち打ち飛ばす

 

「よく持ったと褒めてやろう」

 

広がり続けた差が遂に目に見える形で表れていた

 

「ハァ…………フフフ……」

 

ソルもダメージは受けている

 

「ハァッ!?ハァ……!?」

 

しかしバーンはそれ以上

 

「勝機は完全に潰えた、まさかは起きぬ」

 

もう間違いが起きようが埋まらぬ差が二人には出来ていた

 

「……オアアアアアアッ!!」

 

それでもバーンが仕掛ける

 

「……」

 

ソルが応戦する

 

「その意地は認めてやるがな……」

 

「ウグッ!?」

 

裏拳がバーンを打ちのめす

 

「もう潔くすればどうだ?」

 

「ウゥ……ググゥ……!?」

 

もはやバーンの攻撃は届かない

 

「……余は」

 

それでも体は止まらない

 

「負けられんのだ……!!」

 

魔力を手に集め、唯一ソルを上回るカイザーフェニックスを撃つ

 

「……愚か」

 

 

パキィィン……

 

 

ソルの前に光の壁が出現し、カイザーフェニックスを跳ね返した

 

「!!?」

 

「貴様がそれを使うのなら余はこうするまで」

 

フェニックスウィングで返せぬバーンの不死鳥

 

それは掌底の力不足から返せない

 

ならば魔法を返すマホカンタで返せば良い、マホカンタなら威力は関係無い、どんな威力だろうと、メドローアすら例外ではない魔法に対する絶対のカウンター魔法なのだから

 

今のソルにはそれをする余裕と差が有る

 

「ガハアッ!?」

 

炎爆に吹き飛ばされたバーンが倒れる

 

「貴様の負けだ」

 

歩み寄っていくソル

 

「当然の帰結だったのだ、負け犬の貴様の敗北と勝者の余が勝つ結果は」

 

「……どう……だろうな」

 

ソルの歩みが止まる

 

「クッ……」

 

バーンが震える体を起き上がらせ、ソルに顔を向ける

 

「……まだそんな余裕が有るのか」

 

絶対の窮地にも関わらずまだバーンはふてぶてしく笑っていた

 

(……ブラフでは無い、とするなら考えれるのはやはり……)

 

ソルは理由を考え、至る

 

(もし……貴様が内心勝利を確信しているのなら……)

 

「バーンよ……」

 

そして行う

 

「その余裕の理由(ワケ)……余は知っているぞ」

 

(これで余裕は消えるだろう……)

 

チェックメイトを決める為に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-幻想郷・魔界-

 

「……ぅ……」

 

咲夜が目を覚ます

 

「あ……お目覚めですね咲夜さん」

 

「美鈴……」

 

自分の傍で看病していたのは美鈴

 

「……!お嬢様は!……ッウ!?」

 

「ダメですよ!大怪我してるんですからまだ安静にしていてください!」

 

美鈴に押さえられ優しく寝かされる

 

「……貴方だってボロボロじゃない」

 

「そうなんですけどね……鍛えてたからでしょうね、休んだら軽くなら動ける様になりました、じっとは待てないので怪我人の手当てを手伝ったりしてます」

 

「そう……情けないわね私、紅魔館の……お嬢様のメイドなのに役にも立てずに……」

 

「お嬢様は気にしませんよ」

 

「そうかもしれないけど……私が許せないのよ」

 

「でしたら強くなるしかありませんねぇ」

 

「そうね……」

 

微笑み合う二人

 

「今は信じて待ちましょう」

 

「そうね……わかったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ……そういえば咲夜さん」

 

「なに?」

 

「いえ……ホラ戦争が始まる前の準備期間が有ったじゃないですか?その時、咲夜さんがバーンさんと何かしてたから何をしてたんだろうなぁ、って気になっただけです」

 

「あぁ……アレね」

 

「何をしてたんですか?」

 

「それが私にもよくわからないのよ、バーン様の部屋に招かれて能力を使えと言われて使っただけだから」

 

「能力、ですか……?」

 

「ええ、私の「時間を操る程度の能力」を使って時を止めた世界を数回見せただけよ」

 

「それだけなんですか?」

 

「そうよ、理由をバーン様に聞いたら「負けぬ為の切り札」と言っていたわね、「勝つ為ではないのですか?」って聞いたら「負けぬ為だ」って苦笑されていたけれど」

 

「はあ……負けない為……ですか」

 

「よくわからないけど一応は成功されたみたい、時間でも止める気なのかしら……?」

 

「時間を……止める……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう、貴様は余に……」

 

「……」

 

それをソルは告げる

 

「こお……」

 

「!!?」

 

僅か2文字、その瞬間、バーンの表情が激変した

 

「カアアアアアッ!!」

 

即座に手をかざすとソルの周囲に光の輪が出現する

 

 

「フン……!」

 

 

バシュ……

 

 

両手を左右にかざしたソルの一喝で光輪は弾け飛んだ

 

「ッ!!?」

 

「……やはりな」

 

驚愕を浮かべるバーンにソルは笑みを向ける

 

「凍れる時の秘法……それが貴様の余裕の源」

 

「バ……バカな……」

 

バーンの信じられぬと叫ぶ歪んだ表情が推測が真なのだとわかるのには充分過ぎた

 

「「真の勝者は最後の一手を決して悟られないように駒を動かすもの……」とは余の言葉でもあるが良く言ったものよ、何せ最後の一手が己ではなく、勝利出来なかった際の保険だとはな……どうりでいつまでも余裕が消えぬ訳だ」

 

「ッ……!!?」

 

バーンは奥の手を用意していた

 

 

-凍れる時の秘法-

 

 

対象の時を止めると言う禁呪法の中でも最難度の邪法

 

 

 

あくまで自らの力だけで勝利するつもりで挑んでいたバーンだが万が一自分が負けてしまった際の保険を用意し、それを凍れる時の秘法にする事は敵の頂点が平行の己だと判明した時から考えていた

 

だが凍れる時の秘法は皆既日食の時にしか使用出来ない、そこで咲夜の能力に目を着けた

 

咲夜の能力が皆既日食の代わりになる事は115年前に幻想郷で目覚めた日に知ったバーンだけが知り得る秘事

 

それを元に試行錯誤を続け、バーンは時の秘法の使用を成功させていた

 

しかし本来の皆既日食ではない為に止められる時間は3日も持たないがそれだけ有れば魔王軍を自らも参戦し退け、回復した後でソルを討つには充分と言える時間

 

 

勝てずとも負けぬ為の切り札……だった

 

 

「何故……わかった!?皆既日食ではないと言うのに……!?」

 

今や絶望の証明と成り果てているのだから

 

「……貴様の内心を読ませぬふてぶてしい余裕、それが時の秘法に至らせた」

 

そうなった原因はバーンに有った

 

「余に遊びが過ぎた様に……貴様は余裕が過ぎたのだ」

 

ソルが凍れる時の秘法に至った理由

 

「対峙した時から見せていた余裕、最初は貴様が既に鬼眼王だったからだと思っていた、余も鬼眼王に成った際には崩せぬとまで言っていたがそれも余を逆上させる為だと思い気にはしていなかった」

 

「だが貴様は余がこの状態に成り、劣勢を知って尚も必死の気概でも諦めでもなく、余裕を見せた……そこで余は疑問に思ったのだ「覆す何かを持っているのでは?」と……」

 

それこそが同一でしか有り得ない因果の鎖

 

「貴様に出来る事、つまり余に出来る事から劣勢を覆す方法を考えた時……答えはすぐに出た、使用出来る可能性は余では皆無だったがそれしか覆す方法が無いのも確か、そして余とは異なる道を行ったが故にまさかの可能性を考え打ち消す為に常に備えていた」

 

「……!!?」

 

「至れてなければ余とて防げはしなかった、自らの勝利を求めた貴様の意地こそが敗因……残念だったな」

 

バーンはソルが己と同一故にソルがレミリアを狙うと読み、罠に嵌めた

 

そしてソルが切り札を潰したのもまた同一故

 

同一故に追い詰め、同一故に首を絞められていたのだ……

 

 

 

「どうした?笑うがいい……バーン……」

 

 

 

太陽神の威光に全てを焼き尽くされ

 

王の勝利は今……完全に潰えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        それでも……余は……

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まだ諦めぬのか」

 

ソルはバーンを見つめる

 

「時の秘法に残していた魔力の殆どを使い果たしたそんな様でこれ以上何が出来る?勝機が残っているように思うのか?」

 

「……0では……ない……!」

 

「ならばいくらだ?千に一つか万に一つか?億か兆かそれとも京か?……諦めよ、余の完全勝利だ」

 

「例え那由多の彼方でも……!余には充分だッ……!」

 

バーンは叫ぶ

 

「負ける訳には……いかぬ……!!」

 

立ち上がる

 

「負けられんのだッ……!余はッ!!」

 

望みが無かろうとも、どれだけ深い絶望に落とされようともバーンは諦める事は無かった

 

「……」

 

突き動かすのは情景

 

最愛の友と幻想郷で生きると言う願い

 

「ソルゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

幻を想う様に

 

不確かな、それでいて素晴らしい幻想の未来を諦めきれないのだ

 

 

「オオオオオオオオオオッ!!」

 

 

手刀を構え、斬りかかった

 

 

「……その意志、不様なれど称賛に値する……これが余が貴様に贈れる、最大の賛辞……」

 

ソルの手刀に炎が宿り、流麗な軌跡を描いて天に翳される

 

 

「フェニックスエンド……チェックメイトだ、バーン……」

 

 

ドシュッ……

 

 

太陽神の放った終刃は王の手刀を腕ごと両断し、体を切り裂いた

 

 

「……!!?」

 

青い鮮血が噴き、降り注ぐ血の雨の中で

 

 

「…………」

 

 

バーンは地に伏した……

 

 

 

「……もう一人の余よ、貴様は今までの誰よりも強かったぞ」

 

動かぬがまだ生きてはいるバーンへソルは語りかける

 

「決着は着いた、結界を解くがいい……それを敗北の証として幕を引いてやろう」

 

「……」

 

「トドメを刺されたいのならやぶさかではないが、な」

 

「…………」

 

バーンは何も答えない

 

 

(また……またか……)

 

ソルの言葉など聞こえずバーンは悔やんでいた

 

(また余は……勝てぬのか……)

 

己の無力を一人悔やんでいた

 

幻想郷に来てからバーンは誰にも勝っていなかった

 

(ダイに敗北した……負け犬だから……か……)

 

勇者に敗北し幻想郷に来てからバーンに勝利は無い

 

幻想郷の民からの勝利は有るがそれは意味が無い

 

ムンドゥスやエスタークと言った幻想郷の敵

 

そう……本当に勝たねばならない戦いにおいてバーンは勝った事が無かった

 

ムンドゥスは卑劣な手を使われたが力及ばず最後は皆で、エスタークは倒せず破壊神の降臨を許し惨敗、こちらも最後は皆で撃退したに過ぎない

 

バーンは一人で勝った事が無かったのだ

 

 

(すまぬ……許せ皆よ……この不甲斐無き余を……)

 

戦いの度に都合良く奇蹟が起きる筈が無い、己の力だけで必ず勝つ

 

そう心に決めたのに……負けてしまった

 

(許せレミリア……約束を違えた余を……)

 

バーンの心が静かに……折れようとしていた

 

 

「仕方あるまい……」

 

ソルがトドメを構える

 

「さらばだ……異なる太陽を得た……幻想の敗者よ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バーン!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

折れる刹那の絶望の淵、少女の声が引き留めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……!!?この……声は……!?)

 

反応したバーンが顔を向ける、そしてまるで奇蹟が起きたかのように驚愕した

 

「妹紅……」

 

有り得ない、信じられない事が視界に映っていたのだから

 

 

 

 

 

「……この感覚、覚えが有るな……それよりもどうやって此処に来た?何者だ……女……」

 

不可侵の結界を突破して来た事実を警戒しトドメを止めてソルは一人の少女を睨む

 

 

 

 

 

「私は……」

 

少女は言う

 

出せる有りったけの声で叫ぶ

 

 

「バーンの友達だ!!!」

 

 

託された想いを己の翼に乗せ、彼女は来た

 

 

「助けに来たぞ!バーン!!」

 

 

来たる最後の使途は王が誇れる最高の友

 

誇りを同じとする皇帝不死鳥・藤原妹紅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

揃う3羽の不死鳥が、約束の地で最期の時を迎える……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皇帝不死鳥再び……!!幻想郷の主人公再臨!!

バーン様は負けてしまいました……1回くらいは勝たせたいと思ってましたがこれで良いんだと思っています、これはバーンの物語ですが幻想郷の物語でもあるのですから……


・現在の主な犠牲者(リタイア含む)
幻想郷 永琳、咲夜、白蓮、チルノ、にとり、霖之助、アリス、美鈴、幽香、竜王、紫、青娥、芳香、輝夜、常闇ノ皇、忍、バラモス、靈夢、正邪、カメハ、ロラン、ルナ、フラン、大妖精、魔理沙、パチュリー、早苗、藍、諏訪子、さとり、神奈子、橙、依姫、妖夢、豊姫、ゾーマ、文、勇儀、ロン、レミリア? 計40名 

魔王軍 六将(5/6)、キルギル、親衛騎団(6/6全滅)、純狐、へカーティア?、バベルボブル、戸愚呂、戸愚呂(兄)?、テリー、ゴリウス、キル、ガルヴァス、グレイツェル、ヴェルザー、ゼッペル、災厄の王(ジャゴヌバ)、ナイト(ダイ) 計26名 
                  もこたん復活!!


いよいよ決着かも?しれません。

次回も頑張ります!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。