東方大魔王伝 -mythology of the sun-   作:黒太陽

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第27話 豪魔追走曲

 

影とは光が有るから生まれる

 

避けられぬ表裏一体の関係……宿命とも言える

 

そして光が強くなれば当然、影も強く延びる

 

 

 

 

そう……当然の事なのだ……

 

 

 

 

だからオレはそう成らねばならなかった……

 

 

そう在りたかった……

 

 

 

 

だが……それを証明する事はもう出来ないのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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アレは天界を制圧し、魔王軍の総意をソル様に伝えた後の事だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガルヴァス参りました……どうされましたソル様?」

 

ある日、呼び出しを受けたオレはソル様の居られる大魔宮の主城へと向かった

 

「……うむ」

 

ソル様がオレを一瞥する

 

あの頃のオレはまだ弱く、ソル様の機嫌を伺う小心者でしかなかった、この時のオレは天界を攻めた際に封印を解いたヴェルザーに魔軍司令の立場を取られてしまうのではないかと心配していた程に心が小さかった

 

「ハドラー……勿論覚えておるな?」

 

ソル様の問いに肩が一瞬震えた

 

当然覚えている!

 

奴こそ影武者たるオレを魔界へ厄介払いした小者の極み!

 

成り代わろうと画策したくらいだ、忘れるものか!

 

「忘れよう筈がありません……!何故魔王となど呼ばれたかわからぬほど矮小な男、聞けばソル様を裏切り勇者との戦いで不様に戦死したとか……魔王軍の恥晒しな事この上無き愚か者です!」

 

目の上の瘤だったが奴がオレを地上から遠ざけた事で謀らずとも奴は死に、念願の魔軍司令の地位を手に入れれた事は感謝してやるがな

 

「……やはり影武者と言うべきか、お前は昔のあやつと同じだな」

 

ソル様が哀れむ様な目で見てくる

 

なんだ?受け答えを間違ったか……?貶す流れと思ったが……それよりも昔の……?どういう事だ?

 

「これを見よ」

 

ソル様が画面を出し映像が流れ始めた

 

ここは……大魔宮の外周か、悪魔の目玉が記録した映像の様だな、大魔宮が綺麗だ……ついこの間の映像の様だな

 

「これがどうされたのですか?」

 

「すぐにわかる、黙って見ていろ」

 

いったいソル様は何を見せたいのだ……

 

疑問に思いつつ映像を見ていると移動していく視点が何かを捉え近づいていく、それは異常な力を巻き上げる球体だった

 

「あの球体は……熱風を起こしていますな、アレが何か?」

 

「お前も聞いた事くらいはあろう?アレは真竜の戦いだ」

 

「なっ!?真竜の……!!?」

 

確かに有る!

 

ヴェルザーとボリクスが行った魔界の伝説!互いの魔力、闘気が最高位かつ互角のレベルでなければそうはならないと言われる完全決着の戦闘空間!

 

まさかこんなモノを見れるとは……

 

「誰が戦っているのでしょう?魔王軍の者ですか?」

 

気になる

 

これ程の実力者が誰なのかが

 

「熱気の中心を見るのだ、あの凄まじい熱風が送られてくる出所をな」

 

ソル様に言われ熱気の中心を凝視する

 

「……あっ!」

 

見つけた小さな子どもを見てオレは驚いた

 

「勇者……ダイ……!?」

 

直接戦った事は無かったが話にはよく聞いて姿も知っている

 

成程……ソル様を最も苦戦させた勇者なら納得がいく

 

(ならば相手は……もう一人は……!)

 

その勇者と真竜の戦いを起こせるくらい互角な者が気になり目を走らす

 

「……!?あぁ!!?アレは……あの男は……!!?」

 

もう一人を確認出来た時、オレは思わず驚愕の声を出していた

 

「ハドラー!!?」

 

そう、勇者と戦っていたのはオレが恨んでいたハドラーだったのだ

 

「何故奴が……!?あの姿はなんだ!?オレは知らんぞ!?」

 

そこに映るハドラーはオレが知っていたハドラーではなかった

 

地位に固執していた小さな男とは似ても似つかない、まるで別人

 

「あやつは自らを超魔生物に改造したのだ、不死身の肉体を捨て……勇者に勝つ為だけに」

 

「不死身の肉体を……!?」

 

そうだ、奴はソル様から頂いた不死身の肉体が有る!

 

それを捨てた……?保身しか考えていなかったあの男が勇者を倒す為だけに全てを捨てたと言うのか!?

 

「バカな……」

 

雄々しく戦うハドラーの姿をまじまじと見せつけられてもまだ信じられず映像に釘付けにされる

 

「……」

 

そんなオレにソル様は何も言わず見守っていた

 

 

 

 

 

 

 

「これで終わりだ」

 

ハドラーの最期を見て映像が消える

 

「……」

 

オレは暫く放心したかの様に消えた映像の跡を見つめていた

 

「お前を呼んだのはこれを見せる為だ、どうであった?」

 

「……」

 

ソル様に問われたがオレは何も言えなかった

 

「……用は済んだ、下がるがいい」

 

「…………失礼します」

 

無礼な態度を取ってしまったがソル様は何も咎めず退室を命じたのでオレは主城から出ていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何だ、アレは……!」

 

自室に戻ったオレは思わず拳を壁に叩きつけた

 

「ハドラァァァ……!!」

 

抑えきれない怒りが自室の壁を打ち砕く

 

 

許せない

 

 

ソル様の前ではなんとか抑えた感情が爆発した

 

「ッッ!!?」

 

どうしてこんなに腹が立つのか?

 

決まっている!奴が強くなっていたからだ!

 

オレが知っていた頃よりも遥かに!ようやく追い抜いたと思っていたのにそんな事は全く無かった!オレが惨めに感じる程に差が有った!

 

「……」

 

自室を破壊しつくした後、怒りが冷えたオレは拳を握り締めていた

 

「……違うな」

 

そうだ

 

オレは……奴との力の差に怒っていたのではない

 

「……!」

 

オレは奴との間に広がった男としての格の差に怒っていたのだ

 

(何故貴様はそこまで成れた……何故そこまで……!)

 

あそこまで化けるには相当の覚悟が要る

 

それが昔のハドラーしか知らないオレには理解出来なかった

 

「…………」

 

いや……そうではない、本当は違う

 

オレがここまで荒れたのはそんな事が理由ではない

 

「ハドラー……」

 

憧れてしまったのだ!

 

誇り高き武人になった奴の姿に、オレは……見とれてしまっていたのだ……

 

オレもこうなりたいと……

 

それを認めたくなかったからオレはどうしようもなく荒れたのだ

 

 

 

 

 

 

 

「……いいだろうハドラー、オレは今だ影……お前の出した光に及ばぬ弱い影だ」

 

豪魔軍師ガルヴァスは誓う

 

 

「必ず追い付いて見せる……」

 

 

この後からガルヴァスは変わり、戦いを経て魔軍司令に恥じぬ男に成長し魔王軍のナンバー2としてその地位を不動の物にする事になる

 

既に居ない光に並び、越えるべくひたすらに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ここらで良いだろ」

 

太陽の畑から出発した萃香とガルヴァスは誰にも邪魔されないだろう戦場から遠く離れた平地に降り立った

 

「ではやるか」

 

すぐにガルヴァスは始めようとしたが萃香は手をかざす

 

「まぁ待ちねぃ……これは私とあんたのただの喧嘩みたいなもんだ、ちょっとくらい話してからでもバチは当たらんだろ」

 

「……戦争だと言うのに呑気な、いや……お前の印象から言えば豪気か……だがそれくらいの方がオレも好感が持てる、なにを話す……?」

 

戦気を納めたガルヴァスに萃香は問う

 

「いやなに……あんたの雰囲気が知り合いに似てたからちょいとばかし気になってね!」

 

「知り合いに?……鬼か?」

 

「アッハッハ!違う違う!そらあんたみたいな鬼が居たらこの先しばらくは安泰だろうけどね!魔族の知り合いに似てるんだよ」

 

「ほぅ……」

 

「そいつも武人肌でね!自分が決めた信念に生きる「漢」って奴だねぇ」

 

「……その魔族は強いのか?」

 

「さぁね……やりあった事無いから私と比べて、なんてのは言えんけど強いのは確かだよ……あ!サッカーはかなり強かったよ!もしかして知り合いかい?」

 

萃香が言っている魔族、それはハドラーの事を言っていた

 

「……残念だがそんな魔族は知らん」

 

しかしガルヴァスは今ハドラーが幻想郷に居る事を知らない

 

それに萃香の言うハドラーはガルヴァスと同じく平行世界のハドラー、この次元とガルヴァスの次元とも違う別次元の

 

だからガルヴァスは一瞬、頭に自分の世界のハドラーを思い浮かべただけで有り得ないと考えを消したのだ

 

(フッ……オレもどうかしている……奴は既に死んでいるというのに……)

 

思うのは今だ追い続けているからか……

 

既に居ないとわかっているから余計に思うのだろう

 

 

「聞きたい事はそれだけか?」

 

「ああ!ホントは酒でも飲みながら色々語り合いたいところだけど……そうはいかんよなぁ?」

 

萃香の表情が変わる

 

戦う鬼の顔に

 

「じゃあ……やるかね」

 

口元が吊り上げる

 

楽しそうな餓鬼の様に

 

 

「フッフッフッ……」

 

ガルヴァスも笑う

 

かつてない強敵に魔軍司令の肩書きは消える

 

「そうだな……やるか」

 

笑みは消え表情が変わった

 

追い求めた男と同じ、漢の顔に

 

 

「姓は伊吹!名は萃香!霧の鬼……行くよ!!」

 

「豪魔軍師ガルヴァス!参る!!」

 

 

友の為に動いた霧と今は一人の漢になった豪魔がぶつかる

 

 

「オレの戦いに様子見など無い!最初から本気で行く!」

 

ガルヴァスの周囲に六つの魔玉が浮かび上がる

 

「豪魔六芒星の魔宝玉!」

 

これはガルヴァスの強さの根幹

 

昔は六大将軍であった六将に預けて力の向上を図っていたが決意したガルヴァスに六将も着いてくると言ってくれた時に返却された力の源

 

その力を1つに束ね禍々しい気を漂わせ強烈な力を放つ武器に変化する

 

「豪魔六芒槍!!」

 

魔槍を携えし豪魔が切り掛かる

 

 

ズドォッ!

 

 

風圧が走り砂塵を巻き上げる

 

「ヌッ……」

 

ガルヴァスが僅かに目を見開く

 

「ハッハー!やるじゃないかあんた……!」

 

槍は見えない何かに止められていた

 

「鬼哭・萃霧想……!」

 

萃香の力が集められた不可視の腕、それがガルヴァスの槍を止めていた

 

「こうしなきゃ腕が吹き飛んでたよ」

 

鬼神と謳われし萃香の秘技をしてこうも言わせる

 

「……やはり彼処で待っていて正解だったな」

 

ガルヴァスの強さは本物だった

 

「ハッハッハ……」

 

「ククク……」

 

二人に恨みだとか殺意の様な敵愾心は無い

 

だから笑うのだろう

 

「……そらあああッ!」

 

「……おおおおおッ!」

 

そこに居るのはただ戦いを楽しむ二人の子ども

 

純粋な餓鬼の力比べ

 

「アツッ!?……ウラァ!」

 

「グウッ!?……オオッ!」

 

そう言えば微笑ましく見えるかもしれない

 

 

ビシビシビシ……!

 

 

だがそれを行うのは幻想郷で頂点に次ぐ霧の鬼と百戦錬魔の豪魔の戦士

 

ほんの数手を交わしただけで既に地形が変わり始めていた

 

「槍技・狼牙突き!」

 

渾身の矛先が萃香の脇を掠める

 

「!!?」

 

ドウッ!

 

後から発生した衝撃波が萃香を大地に吹き飛ばす

 

ドウッ!

 

「ヌグゥ!?」

 

大地に触れ、威力に砂が巻き上がったと同時に飛び出てきた萃香の見えない腕が反応したガルヴァスを槍ごと殴り飛ばす

 

「どしたぁ!こんなもんじゃないだろうよ!」

 

「当たり前だ!オレをナメるなよ!」

 

追撃に飛び込む萃香にガルヴァスは半身で槍を水平に構える

 

「迅雷一閃!!」

 

狙い済ました突きが一閃!

 

「こんなもん……!?」

 

力を萃めた腕で受けてそのまま蹴り飛ばそうと考えた萃香だったが矛先から感じた力が結果を鮮明に予感させ顔を引き吊らせた

 

「何だと!?」

 

ガルヴァスが声をあげて驚く

 

会心の一撃を放てた手応えが有った、当たれば間違いなくあの強力な腕ごと貫けるにも関わらず不発

 

(霧になって緊急回避か!流石に霧の鬼と言うだけある!やるな!)

 

何も貫かなかった矛先から視線を外し周囲を探る

 

「……そこだ!」

 

背後に幾つかの気配を感じたガルヴァスが振り向き様に槍で薙ぎ払う

 

「分身!?囮か!」

 

「当たりぃ!」

 

背後の足元から萃香が答えた

 

「そらああーーーッ!!」

 

足首を掴み持ち上げた勢いのまま大地に叩きつける

 

「グッ!?……グオッ!?……ヌグッ!?」

 

往復で何度も叩きつけられ陥没した大地から血と岩片が巻き上げられ飛散する

 

「萃鬼「天手力男投げ」!!」

 

最後に渾身を持って遠くに見える岩壁に投げ飛ばし岩壁を元から更地に変える

 

「ハッハー!これで終わりなんて言うまいねぇ!」

 

萃香が問うた瞬間、粉塵残る更地から呪文が弾幕の如く飛び出して来た

 

「中級呪文かい……数こそ大したもんだが、こんなもんが私に……!」

 

イオラの弾幕を同じく弾幕を持って粉砕せんと発生させた萃香

 

 

ドシュッ!

 

 

それが遅れて飛び出た槍に気付き反応するのを一瞬鈍らせた

 

 

ズドウッ!

 

 

槍が炸裂し大爆発を起こす

 

「効いたぞ……」

 

「ゲホッ……ヤロォ……!」

 

粉塵から新たな槍を生成しながら歩み出てくるガルヴァスと口から流れる血を拭いながら面白いと笑う萃香

 

「ウラアアアッ!」

 

「オオオオオッ!」

 

二人にそこまでの差は無い、攻撃力は同等、防御力とスピードもそう違いは無い

 

有るとすれば特殊な能力

 

「ンノヤラァァァ!」

 

萃香で言えばその都度霧になりガルヴァスの攻撃を避ければ優位に立てるが回避に徹するそれは喧嘩の礼を欠くと考える萃香の性格から絶対に無い、勝つにしても満足する勝ち方でなければ自分が納得出来ないのだ

 

「ヌアアアアアツ!」

 

そしてガルヴァスにも豪魔六芒星の魔宝玉を利用した封印術という力とは趣が異なる技を隠し持っていたが使う気は更々無かった、戦いにならない厄介な敵に対する最終手段的な技だからだ、真っ向から戦う萃香に戦士として、漢として小細工無しで戦うと決めているのだ

 

 

それが一進一退の攻防を繰り広げる結果

 

 

「「グハアアッ!?」」

 

ならば引き分けになるのか?

 

答えはならない、なるわけがない

 

矜持の喧嘩にそんな不粋な決着は互いに認めない、心が限界を迎えた時に勝負は決まるのだ

 

 

 

「いんや、勝つのは私だ……霧の名を背負って負けるなんざ私が許さない、誇りを懸けて勝たせて貰うよ!」

 

「オレとて魔王軍の司令!この名に懸け……そして散っていった部下に恥じぬ為にオレが勝つ!」

 

 

 

相手の矜持を捩じ伏せる喧嘩は佳境を迎えようとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

飛び続ける男が居た

 

敵の追撃を振り払いその場所へ向かう魔族の男

 

「……急がねばな」

 

因果の元へ急ぐ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グオオッ!」

 

「ダラアァ!」

 

喧嘩は更に勢いを増していた

 

「ウゴッ!?……クハハハ!」

 

「ウギッ!?……アハハハ!」

 

強敵が心を奮わせる

 

「ゴフッ!!?」

 

鳩尾に受けた拳にガルヴァスが数歩下がる

 

「クク……ククク……心地好き痛みと言うべきか」

 

笑みを萃香に向ける

 

「ハハ……お前さん強いねぇ、今まで本気でやり合った中じゃ例外除けりゃ一番だよ」

 

口内に溜まる血を吐きながら萃香も笑う

 

「だけどねぇ……」

 

だが次に萃香は困った様に眉間に皺を寄せる

 

「なぁんかあんた違うんだよ、迷い……じゃないね、強いんだけどこうなんていうか……」

 

「……?」

 

言いたい事がわからず見つめてくるガルヴァスに萃香は告げた

 

「強さに自信が無い」

 

「!!?」

 

それがガルヴァスを強く打ちのめした

 

「そう、自信だ……あんた自分の強さを信じきれてないんだろ?言い難いけど……強くなったからこそ信じきれない、最後の確証だけが無い……そんな感じだ」

 

「……そうだな」

 

ガルヴァスは肯定した

 

「オレには越えるべき壁が有った、それを成す為に数百年以上戦い続けていた……」

 

「そんなに強いのかいそいつ?」

 

「いや……奴も強かったが単純な強さだけで言えば今は越えていると思う」

 

「ならどうしてだい?」

 

「……もうそいつは居ないからだ」

 

「……成程ねぇ」

 

萃香はガルヴァスの違和感が理解出来た

 

比べる目標が居ない努力

 

確認する術が無いから真に強さを信じきれてなかったのだと

 

「ふぅん……」

 

その揺らぎが僅かな差となり数手分だが萃香が有利となっていた

 

「どうした?続きをするぞ」

 

「……」

 

萃香はガルヴァスを見つめる

 

(ありゃ覚悟を決めた漢の目だ……何言っても意味無いだろうねぇ……)

 

その目に確固たる決意を見ていた

 

誰が越えたと言っても信じない、越えたと自らが証明するまでは例えソルに言われようが納得しない意地を見せていた

 

それ程にガルヴァスの中でそれは確かな事だったのだ

 

もう比べる事が出来なくともそれだけは曲げられない生き様とまでなっていたのだから……

 

(まぁ……気持ちは大いにわかるけどね)

 

内心微笑むと萃香は口を開いた

 

「下らないねぇ」

 

「何……?」

 

鼻で笑った萃香にガルヴァスの目が鋭く細まる

 

「だってそうだろ?あんたは私を相手にしながら別の奴を見てた……私なんざ眼中に無かったわけだ、そんで聞いてみりゃあそいつはとうの昔におっ死んでて確かめようが無いときた……これを下らないと言ってなんて言うんだい」

 

「貴様……!」

 

侮辱にガルヴァスの目が血走る、萃香はガルヴァスの生き様を貶しているのだ、言うならばガルヴァスの逆鱗を触れるどころか殴っている

 

「女々しい奴だよあんた、いつまでもいつまでも阿呆みたいに……」

 

「そ、それ以上……喋るな……!」

 

怒気を膨れ上がらせるガルヴァスに萃香は何の遠慮も無しに言い放った

 

 

「どうせあんたの言うそいつも女々しい下らない奴だったんだろうねぇ」

 

 

逆鱗を引き千切る言葉を

 

 

 

「キサマァァァァァ!!」

 

 

 

ガルヴァスの怒気が爆発し萃香を圧で下がらせる

 

「許さんぞ……!奴を侮辱した事……万死に値する!!」

 

殺意すら出し萃香を睨む

 

「ハッ!ようやく私を見たね!女々しさもそこまで行ったら大したもんだ!」

 

「まだ言うかァァァァァァ!」

 

怯まず返す萃香にガルヴァスは槍を構える

 

「祭も潮時……締めには申し分ないね、さぁ来な豪魔の大将……カタつけてやるよ!!」

 

「伊吹萃香ァッ!!」

 

決着への前奏は右腕と槍の正面衝突から始まった

 

「ヌグアッ!?ウオオオッ!」

 

打たれようが構いなく前進し侮辱した萃香を穿たんと槍を振るガルヴァス

 

「ヌラアアアアッ!」

 

反撃が身を裂こうとも意に介さず打ち続ける萃香

 

「……悪かった」

 

攻防の最中、ガルヴァスが言った

 

「お前の言う通り心ここに在らずだった事を詫びる……要らん手間をかけさせたな」

 

「……気にしなさんな」

 

激しい戦いの中に有る静かな会話

 

ガルヴァスはわかっていた、さっきの萃香の貶しは発破をかけただけで本心からではないと

 

「こっちにも同じだった奴等が7人も居たからね、あんたの悔しさはなんとなくわかる」

 

「……そうか」

 

形勢が急変していく

 

「グゥ……」

 

ガルヴァスが押されている

 

「せっかく手間をかけてくれたのにすまんな……オレはお前には勝てない」

 

「そうさね……残念だよ、完全なあんたとやり合いたかった」

 

槍が弾き飛ばされ無防備なガルヴァスへ右腕を放った

 

「終わりだよ……」

 

突き抜けた拳を腹から引く

 

「……」

 

無言のままガルヴァスは仰向けに倒れ

 

「私の勝ちだ」

 

勝負は着いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ戦争は終わっていない……早く行け」

 

死を待つだけのガルヴァスが言う

 

「そうさせて貰うよ……楽しかったよガルヴァス、あんたの事は忘れない……じゃあね」

 

背を向け戦場へ戻ろうと歩き出す

 

「イツツ……流石ナンバー2だ、ちょいと酔狂が過ぎたかねぇ」

 

傷を押さえ若干ふらつきながら苦笑いする萃香だが後悔はしていない

 

(誰なんだろうね、ソルじゃないみたいだし……アレだけの男が目指す奴……気になるけど今はこっちを急がないと、勝手しちゃったからレミリア怒ってるだろうしねぇ)

 

飛ぼうとした時だった

 

「!?」

 

気配を感じ振り向いた萃香の顔が驚愕に染まった

 

「あんた……」

 

ガルヴァスが立っていたのだ

 

(腹に風穴空けたってのに立てる筈が……)

 

そして気付く

 

立ち上がったガルヴァスが自分ではなく戦場の方を見つめていたのを

 

(……あぁ、そういう事だったのかい)

 

同じ方向を見て感じた萃香は全てを理解し微笑みながら踵を返す

 

「せめて悔いの無い様にやんな」

 

長居は不粋だと飛んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだよ……これ……」

 

妖怪の山から元居た戦場へ戻ったカメハは広がる光景に愕然としていた

 

カメハが連れてきた魔物達が全滅していたのだ

 

「皆!大丈夫か!?」

 

慌てて駆け寄り息を確認する、どうやら皆かろうじて生きてはいるみたいだ

 

「誰がやりやがった……!!」

 

仲間がやられた事に怒るカメハに空から風切り音が近付いてくる

 

「おぉ?まだ残ってると思ったら……もしかしてお前マスターか?」

 

現れたのはワイバーンに跨がるベグロム

 

「テメェがやったのか!?」

 

「ああそうだ、中々強かったからテンション上がってなぁ……楽しかったぜ、お前が育てたのか?」

 

「ヤロォォォ!!」

 

直ぐ様3匹に指示を出すカメハ、3匹も仲間がやられた怒りもあり憤怒の形相でベグロムに向かう

 

「ルアアアァ!!」

 

だがワイバーンの翼擊とベグロムの出した衝撃波で吹き飛ばされる

 

(コイツ……なんて強さだ……!?)

 

それだけで力量を察したカメハは焦りを見せ下がる

 

「どうしたぁ!仇を取らないのかぁ!?」

 

ベグロムが攻撃を仕掛けてくる

 

「くっ……」

 

だがその力は圧倒的で自慢の3匹を持ってしても防ぐのが精一杯

 

「悪いな!ガルヴァス様が張り切ってるのを感じてな……六将最強のオレが不様な戦い出来ねぇからよ!すぐ倒してやるよ!」

 

(ヤバイ……!?このままじゃ……)

 

敗北を感じた時だった

 

 

ズドドォッ!

 

 

飛来した弾幕がベグロムとカメハを引き離す

 

「なんだ……うおっ!?」

 

弾幕が来た方向を睨むベグロムは異なる方向から来た弾幕に気付き慌てて回避する

 

「クソッ!遅かったか……!?」

 

「救援要請を受けて来ましたが……すいません、間に合わなかった……ですね……」

 

持ち場に戻って来た正邪と幽々子から来た救援要請を引き受けてやって来た靈夢がカメハの横に並ぶ

 

「助かった……オレも今戻ったばかりで状況がわからないんだ、西行寺の姉さんは無事なのか?」

 

「一応は……アレを避ける為に戦線を下げてなんとか持たせています」

 

「あんなのが来たら誰だってそうするさ、私だってそうする……アレはちょっとヤバイ」

 

明らかに他と違うベグロムの雰囲気に3人は冷や汗を流す

 

「おー!マシそうなのが増えたじゃねぇか!良いぜ!来いよ!お前等纏めて叩きのめしてやる!」

 

上機嫌に更に闘気と魔力を上げベグロムは手を招く

 

「一斉に行くぞ!」

 

「わかった!」

 

「了解です!」

 

カメハの操る3匹の魔物、正邪、靈夢が同時に攻撃を仕掛ける

 

「翼竜の咆哮!!」

 

ワイバーンの出した音衝が全てを打ち払った

 

「……これは想像以上だ、マジでヤバイぞ」

 

「だね……こんな奴自由にさせられるか」

 

「私達で止めましょう!」

 

「「「よし!!」」」

 

挑むは力を合わせた3本の矢

 

「いいぜお前等……オレはベグロム!最強の騎竜(ドラゴンライダー)!さぁ……かかってこい!!」

 

迎え討つは主の為に努力したかつての最弱の将

 

時を経て最強の将にまでなった覚悟の力を振るう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ズシャ

 

 

 

「間に合ったか……」

 

入れ違いに現れた者がガルヴァスの前に立った

 

「やはりお前だったか……オレの影武者……ガルヴァス……」

 

それは追い焦がれた者、因果が導いた因縁の相手

 

「ハドラー……!!」

 

ガルヴァスにとっての光だった

 

「お前の存在は聞いてはいたが会うとは思わなかった……死にかけだな」

 

「何故……貴様が此処に居る!?」

 

存在を聞いて知っていた故に冷静に話すハドラーとまさかの邂逅に興奮気味に返すガルヴァス

 

「義によって助太刀に来た、それ以上の理由は無い」

 

「貴様はオレの世界の……!?いや……そうか、そうなのか……」

 

ガルヴァスは笑みを見せながら項垂れる

 

「……我が神に……!ソル様に仕えた事を感謝するッ……!!」

 

上げた瞳がハドラーを鋭く睨み付けた

 

「ハドラァァァァァ!」

 

覇気満ちる漢の顔で雄々しく叫び

 

「オレと……勝負をしろ!!」

 

願いでる

 

「……その傷でか?」

 

既に致命傷を受けていると知るハドラーが問うとガルヴァスがまた頭を下げた

 

「その前に聞かせろ……オレの部下達はまだ戦っていたか?」

 

「……ダブルドーラとザングレイの遺体は確認した」

 

「……そうか」

 

ガルヴァスは見えない様に歯咬む

 

(やはり散っていたか……デスカール、メネロ、ブレーガン、ダブルドーラ、ザングレイ……そして……今も戦い続けている筈の六将最強の男、ベグロム……)

 

拳を握り締める

 

(お前達の忠義……応えて見せる!!)

 

再び顔を上げたガルヴァスの顔は断固たる覚悟と決意に満ちていた

 

「笑止!この程度!傷にも入らぬわ!!」

 

増した覇気、そのままハドラーへ吼える

 

「……だが闘気と魔力、そして力の源である魔宝玉すら使い果たしたお前にこれ以上……は……!!?」

 

諭そうとしたハドラーの言葉はガルヴァスの体から吹き出した力と出した魔槍で止まった

 

「それは……生命の……」

 

出し尽くしていたガルヴァスから溢れる力をハドラーはよく知っていた

 

それは生命の力、命を使った最期の力

 

手に持つ槍は六芒槍ではなく……生命の槍

 

「そこまでして何故お前はオレを……」

 

既に死期が迫っていたガルヴァスの少ない生命の力では不可能な事だった

 

だがそれを蝋燭が最期に強く燃え上がる様に生命を爆発させたのだ

 

「……どうせ死ぬのだ、最期くらい……はな……」

 

ガルヴァスは微笑みながらハドラーを見る、その目は敵対心ではなくもっと別の何か特別なモノを感じさせる瞳だった

 

「生命には賭け時というものがある……お前も……そうだったのだろうが?」

 

「!!?」

 

ハドラーの脳裏に勇者と行った最期の戦いが浮かぶ

 

勇者に勝つ、保身と虚栄心を超越した絶対の覚悟から成る最後の望み

 

それを叶える為に己の僅かな未来すら顧みず貫き通したまるで閃光のごとき儚くも生涯で最高の瞬間だったあの時間

 

(……そうか、お前は光であったオレに……)

 

だからその言葉だけでわかったのだ

 

何故ガルヴァスがここまでの男になったのかが、何故自分にここまで拘るのかが

 

刹那に燃える生命の理由が……

 

 

「……ウオオオオオオオッ!!」

 

ハドラーの闘気が爆発し溢れ、鎧の魔剣に集められる

 

「待たせたな」

 

ハドラーはもう何も言わずただ応えた

 

そうしてやるのがガルヴァスの望みであり、自分の果たさなければならない使命だと悟ったからだ

 

 

「……」

 

「……」

 

ほんの数秒見つめ合う

 

「「フッ……」」

 

互いに微笑み合ったのを契機に

 

 

「「行くぞ!!」」

 

 

二人は駆けた

 

「ヌゥゥゥゥ……!!」

 

ハドラーが右手首を左手で抑え必殺技を放つ体勢に入る

 

「やはり!そうでなくてはなぁ!ならばこちらも最強最後の技でお前に挑むッ!!」

 

生命の槍を構えたガルヴァスが猛る

 

「我が全生命を懸けた……これが……!!」

 

萃香との戦いでは出せなかった最大技、光を越える為に編み出した究極槍技

 

 

 

「「ウオオオオオオオオオオオオオッッ!!」」

 

 

 

陰陽の因果で繋がる二人の漢達が鳴り交わす最初で最後の戦律

 

 

 

「超魔爆炎覇!!」

 

「豪魔絶炎霸!!」

 

 

 

ズドォッ!!

 

 

二大奥義の衝突は尋常でなく、弾けたエネルギーが大爆発を起こす

 

 

「グオオオ……!!」

 

「ガアアア……!!」

 

 

全霊で勝負をかける二人

 

 

ピシッ……

 

 

「!!?」

 

鎧の魔剣にヒビが入る、生命が続く限り折れない生命の槍と違い鎧の魔剣には限界が有る、武器そのものがエネルギーに耐えられなかったのだ

 

 

「ハドラァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

バキャア!

 

 

魔剣は折れ、超魔爆炎覇が消えた

 

 

「オレの勝ちだ!ウオアアアアーーーッッ!!」

 

 

遮る壁を乗り越え、雄叫びをあげた勝利の槍がハドラーの心臓へ向かう

 

 

 

「まだだァッ!!」

 

 

 

ハドラーが叫び、折れた魔剣をそのままに力を込める

 

「これが今のオレが持つ真の……全霊の一撃だッッ!!」

 

「こ、この闘気は……まさかァァ-!!?」

 

驚愕するガルヴァスにその右腕を突き出した

 

 

竜闘熱気拳(ドラゴニック・オーラヒートナックル)!!」

 

 

槍を掻い潜った会心の一撃が胸を打ち、衝撃が弾ける

 

(み……見事だ……!)

 

打ち飛ばされたガルヴァスはそれでもなお倒れる事はなく、その毅然たる顔で全てを余す事なく受け入れ、堂々と立っていた

 

 

「我が全霊全霊……敗れたりッ!!」

 

 

そして全身から青い鮮血が弾け、嬉しそうな笑みを浮かべたまま……ゆっくりと倒れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「付き合ってくれた事、感謝する……」

 

本体の魔剣が折れた事で鎧が砕けたハドラーにガルヴァスは告げる

 

「お前がオレの追い求めた世界のハドラーとは違う事はわかっていた……」

 

最期に語るは本心

 

「だが……お前もハドラーには違いない、そう思うと……押さえきれなかった……越えたかったんだ……オレの……悲願だったから……」

 

「……わかっていたとも」

 

「フフッ……越えは出来なかったが満足出来た……やはりオレが求めたお前は強かった……」

 

手を上げるがもう力が入らず落ちてしまう

 

「当然だ、光なくして影は生まれん……オレはお前にだけは負けられぬ」

 

ハドラーが手を取り抱き抱える

 

「フフフ……やはりソル様に着いて行ってよかった……」

 

憧れた男に抱かれガルヴァスは笑った

 

「オレの死に場所を……お前の腕の中にしてくれたのだから……な……」

 

「ガルヴァス……」

 

光と影の漢がそこに居た

 

「悔いは無い……」

 

体が崩壊していく

 

(いや……有るな……)

 

想いを果たせた今……ガルヴァスに残ったのはただ1つ

 

(魔軍司令として……貴方様と共に歩めぬ事……お許しください……)

 

そしてガルヴァスは叫んだ

 

 

「ソル様ーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 

 

その声は月まで届くかの如く響き渡る

 

 

「御先に……」

 

 

穏やかに告げ、静かに目を閉じ

 

 

「…………」

 

 

ガルヴァスは死んだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソルパレス

 

(!!?)

 

ソルは映像に目を走らせる

 

「……」

 

しかし見つからなかった

 

戦場から遠く離れた場所までは映されていないのだ

 

(ガルヴァス……)

 

だがソルは確かに己が片腕から呼ばれたと確信していた

 

「惜しい男を亡くしたな……」

 

残念に思う……

 

そうソルが評するまでにガルヴァスは魔王軍にとってなくてはならない存在になっていたのだ

 

(本心から思うのは久方振りだ……)

 

今は余裕が有るからなのか……

 

かつてミストが死んだ時の様に一瞥もしない非情な王の姿は無かった

 

「今日までの働き……大義であった」

 

最も信頼した漢へ敬意を持ってソルは告げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

立ち竦むのは残された光だった男

 

「お前は……オレの生涯の可能性の1つだった、もしオレの世界のガルヴァスがお前の様になれていれば……共に並び立てていたのかもしれん」

 

超魔と豪魔

 

二人の漢が再会した因果平行の魔日

 

「最期のお前はまさしく……友だった……!」

 

 

 

 

        その最後は……

 

 

 

 

  ""

    誇りを抱いて眠れ……

     望んだ存在となった強く気高き……

 

                  

    さらば我が影……光を追った最強の……

                      ""

 

 

 

 

   仕えた主と目指した男の言葉で幕を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

          ""漢よ……""

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




豪魔軍師、墜つ……!

萃香と見せかけてのハドラーとガルヴァスがメインのお話でした。
ハドラーの最後の技に関してはコラボ元である「ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編 東方サッカー最終回」を御覧ください。

色々と優遇されていた萃香は控えめ……期待してくれていた方が居たら申し訳ない、「だがそれがいい!」と言われれば何か考えるかも知れません。

そしてハドラーをお貸ししてくださったウジョー様にこの場を借りて御礼を申し上げます!
ありがとうございました!お陰で思い描いた場面を書く事が出来て感無量です!本当にありがとうございました!

・現在の主な犠牲者(リタイア含む)
幻想郷 永琳、咲夜、白蓮、チルノ?、にとり、霖之助、アリス、美鈴?

魔王軍 ザングレイ、ダブルドーラ、キルギル、親衛騎団(3/6)、純狐、へカーティア?、バベルボブル、戸愚呂、戸愚呂(兄)?、テリー、ゴリウス、キル、ガルヴァス


次は大魔王と竜の王様どちらにしましょうか……

次回も頑張ります!

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