東方大魔王伝 -mythology of the sun-   作:黒太陽

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第23話 勇者、暁に死す

 

 

 

  ▼これは

 

 

        命の限りに燃えた

 

 

              勇者最後の物語である▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!!?」

 

妖怪の山に向かっていた青の勇者は足を止める

 

(これはなんだ……僕に似ている……勇気の力……?)

 

自分の力と同じ物を妖怪の山から感じる

 

(……僕と同じく勇気に目覚めた靈夢だろうか?いや……それにしては敵意が高過ぎる、むしろこれは男の様な……勇者……?)

 

敵に勇者が居るかもしれない

 

そんな有り得難い事を少し考えるもまた走り出す

 

(そうだ、勇者は特別なものじゃないんだ、幾人そして千差万別の勇者が居てもおかしくない……魔族に勇者が居てもなにも変な事じゃない)

 

考える時間が無意味、更に無駄な事

 

今はただ進むしかないのだから

 

(誰が戦ってるかわからないけど……気をつけろ)

 

同じく勇気を持った血の勇者は急ぐ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖怪の山・にとりの研究室前

 

 

「オアアアアアアアアア……!!」

 

 

バベルボブルの勇気が高まり続ける

 

「やらせない……皆は……俺達が守る……!!」

 

高まり続けた勇気は緑色の光に変わり輝きを増していく

 

「どうなってるんだロビン!?観測しろ!」

 

「……バベルボブルガモツミチノエネルギーガキョクゲンマデブーストサレテイル」

 

「そんな事はわかってるんだ!止められるのか!?」

 

「モウ……オソイ」

 

バベルボブルは緑光のオーラに包まれる

 

 

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 

 

緑光が目も眩む極光を放ち妖怪の山を鳴動させる

 

 

 

「……」

 

 

 

勇者は姿を見せた

 

「か……変わった……」

 

黒と紫だったボディは黒と白が半々になり所々に赤と金のラインや装飾が付いておりマントに似た有機パーツまで生成されている

 

「……ヤバイヨヤバイヨ」

 

ブレードは白銀に変わり明らかに鋭さが増している

 

「時の砂でやり直せないかな……無理か」

 

そして何よりもにとりをして冷や汗を掻く程の力が溢れていた

 

 

 

     「俺達の勇気は……死なない!!」

 

 

 

          それは 

 

         “最強の勇者”

 

 

 

 

          それは 

 

        “勇気の究極なる姿”

 

 

 

 

       魔界の勇者が辿り着いた 

 

       “大いなる可能性の果て”

 

 

 

 

 

    ー偉大な勇者を超え

 

              偉大な皇に成るー

 

 

 

 

その名は

 

 

 

 

【勇者皇帝】バベルボブル・カイザーエンペラーG(グレート)!!

 

 

 

 

「うおおおっ!さすが団長だぜ!イケー!やっちまえー!」

 

歓喜の機甲師団の声援を受けバベルボブルはロビンを睨む

 

「覚悟しろ河城にとり……勇者皇帝の怒りを思い知れ!」

 

自信に満ちた言葉を向ける

 

「ぐぬぬ……ちょっとパワーが上がったからっていい気になるなよ!?「天」のロビンに勝てると思うなぁ!」

 

レーザーを放つ

 

「効かん!」

 

ミス!バベルボブルにダメージを与えられない!

 

「はぁ!?これも勇気のちょっとした応用ってかぁ?ふざけんな!インチキ!インチキだろ!チートだチート!恥を知れ俗物!」

 

「特大のブーメランが返ってるぞ?」

 

「私は良いんだよ!」

 

「やはり悪魔……まぁいい、次はこちらの番だ!グレートスマッシャーパーンチ!!」

 

回転する拳が敵を穿たんと異常な弾速を持って飛んでいく

 

「バリアだロビン!……うおあっ!?」

 

飛ばされた拳はバリアを貫く事は出来なかったがバリアごと大きく打ち飛ばす

 

「オレ達の怒りの炎が……お前を焼き尽くす!」

 

胸にセットされていたブレードが赤熱し炎を点す

 

「食らえ!グレートブラスター!!」

 

ベギラゴンを遥かに越えた超熱線、ギラグレイド級の熱線がバベルボブルを視認出来ない程の規模を持ってロビンに撃たれた

 

「舐めるなよ!ロビン!デッド・ロン・フーンだ!!」

 

「リョウカイ!」

 

迫る熱線を前にロビンはバギクロスの竜巻を幾つも発生させ対抗する

 

「うぅ……なんて暑さの熱風だ……空調機能付けとけば良かった……暑いよぅ……お皿が干からびそうだ……」

 

完全には相殺しきれず来る僅かな余波、ロビンには大した事は無いがにとりには辛い

 

「コノママデハニトリサンガシンデシマウ!」

 

竜巻で無理矢理抉じ開けたロビンはバベルボブルと組み合う

 

「ぐおおおッ!」

 

バベルボブルの膝蹴りが撃つ

 

「ギッ……ギギッ!?」

 

ワンツーパンチで怯むがサーベルが入った

 

「効か-ん!!」

 

バベルボブルにダメージは無く体当たりから押し倒されマウントポジション

 

「今までの非行を詫びれば命だけは助けてやらんでもないがどうする!」

 

「ざっけんなバーカ!何が勇者の皇帝だ!ガタガタにしてやる!」

 

「ならば慈悲は無い!!」

 

ロビンを押さえたままバベルボブルは魔力を集中させる

 

「命を燃やす時が来た……行くぞ!!」

 

頭上に局所的な雷雲が発生し雷を荒ぶらせる

 

「ギガデイン……!?自分ごと撃つ気なのか!?バカな真似はやめろ!正気か!?」

 

「正気さ、オレ達はデインに完全耐性を持ってるから効かない!それに……」

 

「ふん!だけどギガデイン程度バリアの出力を上げれば効きゃしないよ!」

 

「話は最後まで聞け!更なる変身を果たしたオレ達の雷がギガデインで止まってると思うか……?」

 

「なっ……まさかァ!?」

 

バベルボブルは雷雲へ命ずる

 

「これがギガデインを超えし皇帝の雷……ジゴデインだ!そして繰り出す勇気の一撃!これが必殺のォォォ!!」

 

掲げた手に落雷し帯電する皇の怒りを体現した極大電離呪文

 

「ふざけろ!次元連結システムの力が有れば……ロビンは……負けない!!」

 

そしてロビンに放たれた

 

 

「サンダーボルトブレーカー!!」

 

 

最高最大威力の紫電

 

ギガデインを超えた超雷が炸裂し余りの勢いに放ったバベルボブルを押し飛ばし皇雷は荒れ狂う

 

「河城にとり……貴様が狂気の悪魔でさえなければオレ達も討ちはしなかった……残念だが、さよならだ」

 

雷光に背を向けバベルボブルは歩いていく

 

「勝ったぞ……皆!」

 

「やったぜ団長!流石オレ達の勇者だ!ヒャッホー!」

 

バベルボブルを団員が迎え入れる

 

「これが偉大なる勇者皇帝の力だ!あのキラーマシンは気になってたがまぁいいか……よし!この山を制圧して他の奴等の援護に向かうぞ!」

 

「了解!!」

 

 

 

……その時!

 

 

 

「その必要は……無い!!」

 

 

 

ズオアッ!

 

 

魔力が爆発し光の柱を上げ雷を消し飛ばした

 

 

「ッ……!?河城……にとりィ……!!」

 

柱の中で健在していたにとりをバベルボブルは忌々しく睨み付ける

 

「何をした……何故まだ生きている!?」

 

「簡単な話さ、ジゴデインの威力を上回る魔力で消し飛ばしたんだよ……」

 

「上回る……だと!?」

 

自身の最大呪文攻撃を越えたと告げられ焦りの色を見せたバベルボブルだったが小爆発を起こし外装が剥がれ落ちるロビンの様子が目に入る

 

(ボディが耐えれていないではないか、つまりさっきのは無茶をしたのか……いや、オレ達のジゴデインを越える魔力だ、仮に完全だとしてもこうなるだろう)

 

見る限り瀕死、これ以上手を下す必要は無いとも思える

 

「これで決めてやる……!!」

 

だがバベルボブルは攻撃を決意した

 

決闘の作法でもあり許せない敵なのもあるが何よりも……

 

「そう来なくちゃね……私も次で決めてやる!!」

 

にとりが戦う意思を見せていたから

 

「ロビン!次元連結システム!最大出力!!」

 

「リョウカイ!」

 

多次元から集められる魔力がロビンのモノアイを強烈に発光させる

 

「本当なら山ごと吹き飛ばしたいところだけど研究室は壊せないから規模は小さくしといてやるよ、感謝しな!だけどお前だけは必ず倒す!バベルボブル……塵1つ残さず……!消滅させてやる!!」

 

ここまで来れば意地の世界

 

他の奴になら負けたっていい、だがバベルボブルにだけは負けたくない

 

無限の魔力をロビンが許す限り集め臨界に達する!

 

「オオオオオオオオオオッ!!」

 

再び勇気の力が満ちる

 

 

凄まじく打ち倒せ!(にとり)が二度と立ち上がらぬ様に!

 

 

(ソル)を超え、悪魔(にとり)すら倒さんと最強の勇者皇帝は構える

 

 

「ウラアアアアアアアアアアッ!!」

 

 

「ヌオオオオオオオオオオオッ!!」

 

 

ズドオッ!!

 

 

ラストアタックを決める前の最後の攻防が始まった

 

 

「ウギィィッ!?」

 

肘打ちがロビンの装甲にヒビを入れる、格闘戦ならバベルボブルが上

 

「グウオッ!?」

 

レーザーがバベルボブルを貫く、魔力戦ならロビンが上

 

 

「チッ……負けそうになったらパワーアップだって?なんだそれ……バカにしやがって……卑怯だよまったく……奇蹟と一緒……何でもアリだ」

 

攻防の最中、にとりは呟いた

 

「知れば誰もが望むだろうさ!御都合主義の力が欲しいと!土壇場で進化するお前の様で在りたいと!」

 

機械の破片とボディアーマーの破片と青い血を散らしながら怒号は続く

 

「故に許されない……その勇気も!お前の存在もォ!!」

 

「グッ!?……好き勝手言ってくれる……!貴様等の中には勇気を持つ者は居ないとでも言うのか!?」

 

「居るさ……でもお前程理不尽じゃない!皆努力と根性で強くなった!お前みたいな卑怯な奴は一人だっていない!裏付けされる理由がちゃんと有るんだよ!!」

 

にとりがバベルボブルに負けられない理由

 

それは今までを嘲笑うバベルボブルの進化に有った

 

今まで頑張ってきたのに無駄な努力と言わんばかりのこの出来事はコツコツとロビンと共に改造に励んだにとりにとって許せない事なのだ

 

もちろんバベルボブルが本来持っていた潜在能力の顕現なのかもしれない事はわかっている、切欠を与えてしまったのかもしれないのもわかっている

 

でも許せないものは許せないのだ

 

理屈を遥かに越えた想いがロビンとの間に有るのだから……

 

「うー……どりゃああああッ!!」

 

「ぐぅ……ヌオオオオオオッ!! 」

 

互角の攻防を繰り広げる2体

 

「認めないぞ私は!そんな御都合主義に……私達が育てた絆が負けてぇたまるかァーーーーッ!!」

 

「悪魔が言う事かーーーーッ!!」

 

激しい衝撃に距離が離れる

 

「……ロビンッ!行っくぞォォォ!!」  

 

「今だ!4人の勇気を1つにしろ!!」

 

それがラストアタックの契機になった

 

「これが勇者皇帝の……真の剣だ!」

 

バベルボブルが持った2本のブレードを天に掲げると光輝き融合される

 

 

「雷鳴を切り裂け!エンペラーソード!!」

 

 

金色に煌めく柄から伸びた両刃の大剣、己の最強呪文であるジゴデインすら切り裂く勇者皇帝最強の武器、まさに形にされた勇気

 

「……」

 

対称的にロビンに動きは無かった、有ると言えばサーベルを捨て両手を胸の前で構えていただけ

 

「行くぞ!!」

 

バベルボブルが全速を持って突進してくる

 

「……ロビンの力の前に!」

 

にとりは動いた

 

 

「消え去るがいい……!!」

 

 

両手が合わせられるとロビンから波動状の魔力がドーム状に大きく広がり一定の大きさで止まった

 

これはロビンが別次元から集めた膨大な魔力を解き放つ最大の技

 

指定された範囲の中を波動に変えられた魔力で満たし続ける超高密度の波状攻撃の檻

 

入れば最後、絶え間無い全身攻撃で分子レベルで分解されてしまう最凶攻撃

 

計算上ではバーンですら何もしなければ5分で倒せる奥の手の更に奥に有る切り札

 

魔力の限り永劫に続く無限攻撃

 

「勇気の力を信じろ……ウオオオオッ!!」

 

勢いを弛める事無くバベルボブルは突っ込んだ

 

「グッ……ガアッ!?グワアアアアアアアアアアッ!!?」

 

その瞬間に全身を想像を絶する激痛が襲い勢いが衰える

 

「ッッ~~~!!?……グオオオオオッ!!」

 

歯を食い縛り己が力の源である勇気の剣を握り直しバベルボブルは吼える

 

 

「これが……無限を越えた!絶対勝利の力だァァァァァ!!」

 

 

カッ……!!

 

 

その瞬間、震える妖怪の山から音が消え、鳴動は治まった

 

 

 

「……」

 

消えた波動魔力の中心、そこでバベルボブルは膝を着いた

 

「グハッ……!!?」

 

その手に大剣は握られていない

 

 

「……まだ形が有るのかよ」

 

半壊状態のロビンが立っている

 

「システム……ハソン……」

 

その眼には大剣が深々と突き刺さっていた

 

 

「セントウ……ゾッコウ……フカノウ……」

 

そしてロビンは崩れる様に倒れた

 

 

「……相討ち……か……ク……ソッ……」

 

バベルボブルも崩れ合体が解けた4人は倒れた

 

 

 

プシュー……

 

ロビンのボディが開閉しコックピットからにとりが降り4人の前に立つ

 

「……トドメを刺すか」

 

バルが見上げる

 

「……」

 

見下すにとりは答えない

 

「団長を助けろ!行くぞ皆!!」

 

機甲師団が一斉に動き出す

 

「やめろお前等!」

 

手をかざしたバルが止めた

 

「手を出すなと言った筈だ!これは決闘!オレ達の戦いを汚す気か!?」

 

「し、しかし……」

 

「終わり方は勝った方が決める、それが決闘の作法だ……オレ達を卑怯者にしてくれるな」

 

「団長……」

 

敬愛する団長の意思に機甲師団は止められた

 

「悪かった、さぁ……やれ」

 

4人は死を覚悟し目を閉じる

 

 

「しないよ……」

 

掛けられた言葉に目を開きにとりを見上げる

 

「私はロビンのマスターだ、マスターは直接手を出さない」

 

「……だがこれは戦争だろう」

 

「戦争だろうともだ、それがモンスターマスターの誇りと矜持、外道には……なりたくないのさ」

 

「ではこの決闘はどう収拾をつける……?引き分けにでもする気か?」

 

にとりは少し考え答えた

 

「私の勝ちにしてよ、形は引き分けだけど実質は私達の勝ちだから」

 

「……フッ、わかった、良いだろう……オレ達の負けだ河城にとり……強かったよ」

 

「ハハッ……お前等もね……」

 

全てを出した激戦の終わりに出たのは笑顔

 

わだかまりも消え友情にも似た奇妙な感覚が微笑み合わせる

 

「……ねぇ、お前等……」

 

「どうした?」

 

「いやね……決闘が始まる前にお前等言ったじゃん?ロビンを寄越せって?断ったけど……」

 

「言ったな……それがどうした?」

 

「私が勝った時はどうするつもりだったのかなぁ……って、ふと思ったわけさ」

 

「……確かにな、負けるつもりが無かったから考えてもいなかった……そうだな、オレ達に出来る事なら何でも聞いてやろう」

 

「じゃあ……お前等の軍団はこの戦争から手を引く、これなら出来る?」

 

「わかった……後でソル様や司令に何か言われるだろうが致し方ないな……聞いたか皆!機甲師団はこの戦い不戦を貫く!いいな!!」

 

バルの命令に機甲師団は頷き健闘を讃える

 

「これで良いだろう?」

 

「ありがと……」

 

決闘は無事済んだのだ

 

「あ、そうそう……今から何があっても絶対に手を出すな、とも言っといてくれる?」

 

「疑り深い奴だ……これから何があっても絶対に手を出すなよ!……心配しなくとも機甲師団に約束を破る奴は一人も居ない、安心しろ」

 

「言質取ったからね!ロビンにも記録させてる!」

 

微笑み合う二人

 

「さぁて……それじゃあ……」

 

にとりが顔を下げ……上げる

 

 

「茶番は……終わりだ……!!」

 

 

その顔は悪魔になっていた

 

バル達は微笑みの幻覚を見ていたのだ

 

「は!?え……ちょ……おまっ……」

 

唖然とするバル

 

「ロビン!!」

 

「ガッテンダ!!」

 

元気良くロビンは跳び跳ねにとりの横に並ぶ

 

「あれ?さっき戦闘続行不可能って……」

 

「バーカ!戦闘は出来なくても一方的な制裁なら別なのさ!システムは壊されたけど今は魔力満タンだ!ちょっと私の気が収まらなくてね……覚悟しなぁ!!」

 

「いやだからどうして制裁……」

 

バルの抗議を無視してにとりは叫んだ

 

「ギラ!ギラ!ギラ!べギラマ!ギラ!ギラ!ベギラマー!」

 

「「「「ぐぎゃああああああああああああっ!!?」」」」

 

連続呪文に絶叫をあげる4人

 

「あがっ……ぐっ……き、貴様……!!?」

 

プルプル震えながらバルはにとりを睨む

 

「スゥゥゥゥゥ……」

 

(ヤロウ……息継ぎしてやがる……)

 

にとりは大きく息を吸い込んだ!

 

 

「バギ!バギマ!バギ!バギマ!バギ!バギ!バギマー!!」

 

 

「「「「ぎゃはうあぁああおおおおっ!!?」」」」

 

 

モンスターに変貌したにとりの無慈悲なる制裁

 

(なんて嬉しそうな顔してるんだ……)

 

約束故に見守る事しか出来ない機甲師団、と言うよりにとりが怖過ぎて動けてない

 

「「「「ア……アァ……」」」」

 

小刻みに痙攣する4人

 

(も……もう終わ……)

 

希望を胸に秘めにとりを見る

 

「ほら!美味いか?飲め飲めー!!」

 

「ギッ!マリョクゼンカイ!!」

 

(ヤロウ……エルフの飲み薬で魔力を回復してやがる……)

 

希望を打ち砕く悪魔の所業が映っていた

 

 

「メラ!メラミ!メラ!メラミ!メラ!メラミ!メラミ!メラゾーマー!!」

 

 

「「「「うふあぁああああああああああああ!!?」」」」

 

 

断末魔が妖怪の山に響き渡った……

 

 

「「「「悪魔……め……」」」」

 

力尽きた4人

 

「おい!」

 

にとりの声にビクッと跳ねる

 

「まだ私の制裁フェイズは終了してないよ?」

 

絶望の制裁はまだ続く

 

「ワハハハハー!次は氷だ!ヒャ……」

 

「もうやめろにとりー!!」

 

指令を出そうとしたにとりを戻っていたカメハが止めた

 

「バベルボブルのライフはとっくにゼロだ!もう勝負はついたんだ!!」

 

「は!な!せッ!!」

 

無理矢理押さえられついににとりは止まったのだった……

 

 

 

 

 

 

 

「お前等邪魔だからどっか邪魔にならないところに行ってろよ」

 

「……わかった」

 

渋々退きあげようとする機甲師団

 

「あと汚いから片付けておけよ、そのボロクズ共を……それと約束はちゃんと守れよ、じゃなきゃ……わかるよね?」

 

「ぐっ……わかっている……」

 

団長達を抱え退いていく

 

 

 

「……どうしてあんな真似したんだよにとり?」

 

カメハが聞いた、あんな真似とはさっきの制裁について

 

「……だって腹立つじゃん、勇気か何かしんないけど急にパワーアップして相討ちなんてさ……まぁ大丈夫さ、あいつ等は悪ってわけじゃなくてただ勝ちたいだけのバカだったからね、ほんの憂さ晴らしだよ」

 

「そうは見えなかったけどな……」

 

「それはそうと……あー!疲れた!あとよろしくカメハ!」

 

「あぁ!?……って言いたいけどわかってるよ、ロビンはもう戦えないからな」

 

「コア入れ換えたら大丈夫だけどボディが歪みまくってるからね……取り出してたら日が暮れちゃう」

 

「いいさ……その為にオレは来たんだからな!まだ妖怪の山にも敵は残ってるし行ってくる!」

 

「頼むよ……無事に帰ってこれたら膝枕してあげるから」

 

「それ聞いて俄然ヤル気出てきたぜ!行くぞ皆!」

 

ヘルゴラゴに乗りカメハ達は行く

 

「……もう戦えないからゆっくり修理してようかロビン?」

 

「ソウシヨウ……カテナクテゴメンナニトリ……」

 

「私達が未熟だっただけさ……気にしないの」

 

にとりが工具を取り出しロビンに寄り添う

 

 

「大丈夫か!?」

 

その時二人の前に青き青年が現れた

 

「おー、あんたも来てたんだ……その様子じゃ転移装置目当てかな?無事だから早く行きなよ」

 

「でも……ボロボロじゃないか……」

 

「あんたは何の為に来たの?私を助ける為?違うだろ?気にしなくていいから早く行きなって」

 

「……わかった……すまない、ありがとう」

 

青年は研究室に入り転移装置を使い月へ向かう

 

 

(頼んだよ……皆……)

 

妖怪の山の決闘は終着を得た……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いは依然として続いている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「霖之助!!?」

 

グレイツェルとの戦いで人形を失いながらも戦いを続けていたアリスが叫ぶ

 

「なんだ?こいつの女か?」

 

べグロムは倒した霖之助をアリスに投げ捨てる

 

「次はお前が相手をしてくれ」

 

超竜将べグロムは構える

 

「霖之助……くっ!?」

 

気絶している霖之助を寝かせるとアリスはべグロムへ向き構える

 

 

ドズッ!

 

 

べグロムの乗ったワイバーンの一撃がアリスを倒した

 

「……さっきの男は話にならなかったがこっちも本調子じゃなかったか、チッ……どうにも敵運がねぇ」

 

アリスと霖之助を掴み敵陣へ放り投げるとべグロムは飛んでいく

 

「次は強い奴であってくれよ」

 

期待を胸に最後にして最強の将は戦場を翔る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マズイわねぇ……拮抗が急速に崩れだしたわぁ」

 

幽々子は応戦しながら劣勢を確信していた

 

(経験の差が出始めた……やっぱりいくら呪法で対等になったと言っても相手は歴戦の古強者……数だってまだ倍以上、回復も途切れだしたし……厳しいわぁ)

 

皆の勢いも疲弊し衰え始めている

 

「まだソルを討った報告も無いし……どうしましょう……」

 

指揮官の幽々子にすら打開策が無いこの状況

 

他の場所も同じだった

 

戦いの年季の違いと数に押し込まれ出していた

 

 

「諦めるな!!」

 

 

剣の一閃が魔物を薙ぎ払う

 

「ハドラー!?」

 

薙ぎ払ったのは援軍に来たハドラー

 

「苦しいのは当然!だからこそ踏み留まれ!後ろへ逃げるな!最初から背水であると我等は知っていた筈だ!!そこに道は無いぞ!進めッ!前へと!!」

 

引き連れた者達と雄々しく戦う幻魔司令ハドラー

 

「持つべきは不屈の魂!最後の最後まで諦めない強い心の力を最大の武器にしろッ!!」

 

「!!……ウオオオオオッ!!!」

 

ハドラーの叱咤激励に息を吹き返した幻想達が心を燃やす

 

「助かったわぁハドラー」

 

「礼など要らん、お前もわかっているだろうが……こんなものは一時凌ぎに過ぎん事など」

 

「ええ……だけどその一時凌ぎが大事なのよ、命運を分けるかもしれないのだからね」

 

ハドラーと幽々子が話す通り時間が大事なのだ、1分1秒でも長く耐えソルを討つ時間を稼ぐ為の戦いなのだから

 

だがそれでもやはり差は絶対であり苦しいのは変わらない

 

「ウッ……」

 

「すまん……あとは……任せた……」

 

一人、また一人と倒れていく

 

戦いが始まってから一時間足らずで既に3分の1が散っていた

 

「オレはこのまま他へ回りながら戦線を鼓舞して回る、すまんがここは頼むぞ」

 

「もう行っちゃうのね……もうちょっとだけ居てよぉ!幽々子心細いの……」

 

「それだけ軽口が叩けるなら心配いらんな」

 

「もぅいけず~!……でも貴方だけ無理し過ぎよ、傷だらけじゃない」

 

戦場を回りながら人一倍に戦っているハドラーの体は相応のダメージが有った、中には深い傷もある

 

「この程度なんの事はない、むしろ誉れだ」

 

「だけど……」

 

飛び立とうとするのを見送る幽々子

 

「……言った筈だ幽々子、諦めない強い心の力を持てと……例え何があろうがオレはもう折れる事は無い、それに……オレを応援団の様に思うのは心外だ」

 

ハドラーは幽々子へ振り向く

 

「別にオレが全滅させてしまっても構わんのだぞ?」

 

ニヤリと笑って飛んで行った

 

「……格好いいわねぇ、惚れちゃったかも……ジゼルちゃんの新しいお母さんになるのも悪くないかもしれないわねぇ……ウフフ!」

 

元気を貰った幽々子は戦気を上げ戦いに戻って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は前後し、月組がソルパレス内を進んでいた時に戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒャハハハハ!!」

 

兄が闘気を纏った指を伸縮させ襲う

 

「フン……」

 

それを軽く打ち払うミスト

 

「その程度なら私も出来る……ビュートデストリンガー!」

 

暗黒闘気を操作し伸ばした指を兄の心臓部分に突き刺す

 

「残念……ハズレだ」

 

だが体の重要器官を自由に動かせられる兄にダメージは無い

 

「やはり厄介だなその能力」

 

先程から幾らか攻撃を当てれてはいるが決定打に成り得ていない

 

「お前もな……武術を嗜んでやがるから当たらん」

 

兄も同じくミストにダメージを与えれていない、全身から触手を伸ばし密度で攻撃もしたが美鈴と武術を修行したミストには事前に察知され霧になり避けたり接触部分に空間を作ったり今の様に打ち払われていた

 

「それは貴様も同じだろう、もっとも妖怪の能力にかまけた貴様の武術は拙いレベルまで落ちているがな」

 

「チッ……面倒だな……オイそこの!」

 

兄は近くで戦っている魔物に声を掛ける

 

「こいつの動きを制限するだけでいい、加勢しろ」

 

なんと臆面もなく加勢を命じた

 

(こいつ、何の躊躇も無く……以前会った時から感じてはいたがこいつは他の者達とは明らかに違う、他は戦いに誇りを持っているがこいつにはそれが無い……己の愉悦しか考えていない快楽殺人者……)

 

内心評するミストの前で兄は早くしろと魔物に呼び掛ける

 

「……御断りします」

 

魔物は拒否した

 

「何だと……貴様……死にたいのか?」

 

兄は脅すが魔物はそっぽを向き自分の戦いに戻って行った

 

「フラれたな……だが気にするな、貴様の様なクズは味方からもそうされるのが似合いだ」

 

「黙れ……楽にお前を殺してやりたかっただけだ、面倒な事をしたくなかっただけの事」

 

再び攻防を開始する二人

 

「あの女……紅美鈴と言ったか」

 

最中に兄は口を開く

 

「まだ生きているか?」

 

「当然だ、美鈴を甘く見るな」

 

「そうか……ククッ!それは不幸な事だな」

 

「……何故だ?」

 

「弟が狙っているからだ!お前はわかってはいるだろうが弟は俺など比にならん強さを持っているぞ!俺のランクはA級……弟はS級だ!あんな女では勝てん、すぐ死ぬな」

 

「……そうか」

 

攻撃を捌きながらミストは兄を睨む

 

(加勢が不可能なら次は動揺を誘い隙を突く気か……やはりこいつが魔王軍の中で一番危険だ、勝つ為に何でもしてくる……)

 

その胸中は冷静だった

 

「……くだらん」

 

何故なら乱される理由が無いのだから

 

「美鈴は負けん、それが私との交わした約束だ……ならば私は己の務めを全うするのみ」

 

スッ……

 

ミストは構える今まで美鈴に教わった武の構えを

 

「あの時は披露する間も無かったが相手が貴様だけの今なら存分に出せる」

 

美鈴を師として共に鍛えた絆の証

 

(信じている……美鈴!)

 

名を貰った友情の証

 

 

「暗黒真空拳……その身で味わうがいい!」

 

 

黒き霧は新たな力を振るう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大魔宮・帝王の間

 

「まずはお前の実力を正確に測るところからいくかね……50%で行くぞ!」

 

ドムッ!

 

戸愚呂の筋肉が膨張する、その姿は以前見た時より肥大化している

 

「どうぞ御自由に」

 

対峙する美鈴は何の驚きもなく極めて冷静に凛と構える

 

「……」

 

ビッ!

 

戸愚呂は無造作に親指を弾いた

 

スッ……

 

美鈴は顔をほんの少し動かし何かを避けた

 

「指弾……その程度が通用する相手とでも?」

 

「ほぉ……やるねェ」

 

戸愚呂が放ったのは指弾と呼ばれる不可視の空気弾丸だったが美鈴には見切られていた

 

「なに……最終テストだよ、俺の敵に成り得る相手か否かの確認だ」

 

親指を高速で弾き不可視の弾幕を美鈴へ撃つ

 

「やれやれ……」

 

溜め息を吐いた美鈴は弾幕へ向かい、飛び込んだ

 

弾丸を最小の動きで避け、あるいは最小の動きで弾き、逸らし、戸愚呂との距離を最短かつ最速で詰める

 

「ムッ!?」

 

戸愚呂が気付いた時には既に懐へ入っていた

 

 

ドンッ!!

 

 

天魔の塔を揺らす踏み込みから放たれた拳が戸愚呂の腹に炸裂し壁に叩きつける

 

「まだ確認しますか?」

 

美鈴の問いに膝を着いた戸愚呂はスッと立ち上がり口から流れていた血を拭う

 

「失礼50%では不足だったようだな」

 

血が流れてはいるがダメージなど無いかの様に戸愚呂は口元を吊り上げる

 

「80%で見るとしよう」

 

ボムッ!

 

筋肉が更なる膨張を果たす

 

「……」

 

美鈴の表情が変わった、さっきまでのどこか余裕がある顔は薄れ引き締まっている

 

ズズズッ……

 

戸愚呂から黄金の気が溢れてくる

 

「これは妖気でも霊気でもない、聖光気……と呼ばれる究極の闘気と言う物らしい、俺の世界の魔界に居た大妖怪がそう言っていた」

 

 

ゴゴゴゴゴ……

 

 

高過ぎる闘気の力は大魔宮に影響を与え振動させる程

 

「お前が覚えているかは知らんがお前の相方に流した闘気だ……あの時は僅かに流すのが精一杯だったがこの状態から完全に使用できる」

 

 

ドウッ!

 

 

巨体からは想像できない速さで戸愚呂は詰め寄り拳を振るう

 

 

ガウンッ!

 

 

衝撃が走りこの間の本来の主である災厄の王を閉じ込める為の頑丈な壁を陥没させる

 

さっきまでとは比べるに値しない程の尋常ではない威力であるのは間違いなかった

 

「聖光気……と言うんですか」

 

間違いはなかった、ただ衝撃は走っただけだったのだ

 

「ムゥ……!?」

 

受け止めた美鈴の背後を……

 

ズズズッ……!

 

受け止めた美鈴の手から黄金の気が立ち昇っていく

 

「私も持ってるんですよ……それ」

 

黄金の気を纏い、美鈴は微笑んだ

 

「やるねェ……ッ!!?」

 

戸愚呂は連続殴打を受け殴り飛ばされる

 

「ふぅ……ハッ!!」

 

呼吸を整え解放された美鈴の聖光気は戸愚呂の持つ聖光気より量も質も越えている

 

「フゥゥゥゥ……」

 

これが美鈴の本気の力、光の闘気の行き着く先である究極の闘気を纏い不敗の武道家は凛として構える

 

「……!」

 

折れた肋骨を治し戸愚呂は美鈴へ殴りかかる

 

スッ…… 

 

流麗な動作で豪腕は避けられるがそれに応じた戸愚呂の腰の回転からの裏拳

 

スゥゥゥ……

 

それすらも緩やかに避け美鈴の拳が戸愚呂の腹に伸ばされ、置かれた

 

「フンッ!!」

 

ズンッ!

 

気を籠めた一拍子突き

 

「グッ……」

 

吹き飛ばさない衝撃のみの打拳が戸愚呂を前のめりにし頭を下げらせる

 

ガキッ!

 

密着状態からの垂直蹴りが顎を捉え逆に頭を反らせる

 

「ハアッ!」

 

塔を揺らす震脚から放たれた鉄山靠が打ち飛ばした

 

「……こんなものかね?」

 

しかし戸愚呂は直ぐ様体勢を直し飛び込んできた

 

「!!?」

 

その時、戸愚呂は見た

 

「まさかまさか……」

 

一瞬とも言える凝縮された時の中、舞う様に構えられた美鈴の姿を見た

 

 

「構符「天地魔闘」!!」

 

 

受け継がれた至高の技が爆発する

 

「気符「地龍天龍脚」!!」

 

高められた剛脚が殴り掛かる戸愚呂の腕に触れ、へし折った

 

「彩符「極彩颱風」!!」

 

発生させた数百の弾幕を一挙にそして同時に叩き込む

 

「ハアアアッ!」

 

爆煙で戸愚呂の姿は見えないが気を感じれる美鈴には見えている、溜め込んだ最後の一打を放つ

 

 

「華符「彩光蓮華……!!?」

 

 

爆煙に飛び込む刹那

 

 

ゾクッ……

 

 

「ッ……!?」

 

強烈な悪寒を感じ美鈴は飛び退いた

 

「フフン……」

 

爆煙から姿を現す戸愚呂、その体は先程までの筋骨粒々ではなくまるで何日も食べていないかの様な酷く痩せた姿だった

 

「……」

 

美鈴の表情が更に鋭くなる、明らかに弱そうなのに底知れぬモノを感じていた

 

「久し振りに敵に会えた……」

 

聖光気が消える

 

「100%……」

 

不気味に微笑む戸愚呂の纏う空気が変わった

 

 

「いい死合いをしよう……」

 

 

静寂が一瞬間を包む

 

 

 

「ルアアアアアアア--ーッッ!!!」

 

 

 

高められた妖力の圧が美鈴を押し退けそれは始まった

 

「がふ……がふっ……!?」

 

体液を吐き出しながら肉体が変貌していく

 

(き、筋肉の超蠕動……)

 

異常を越えた変化に息を飲み以前戸愚呂が言っていた自らのスタイルの究極になろうとしているのだと知るも体は動かなかった

 

(これは怖いんじゃないですね……私は見たいんだ、あの男の本気を……)

 

美鈴が見守る前で……

 

「……」

 

変貌は終わった

 

「待たせた」

 

今までが遊びに見える程に発達した全身の超筋肉、完全体故なのか肌色だった皮膚は灰色に変わり鋼鉄の様になっている

 

「……凄い」

 

その突き詰められた力への肉体は思わず美鈴が感心する程に完成されていた

 

「……ムンッ!」

 

ゴウッ!

 

戸愚呂が力を込めると体から再び聖光気が溢れだす、その強さは先程までとは比べるべくもなく強烈

 

「ッ……」

 

戸愚呂の持てる全てを見た美鈴の頬を冷や汗が流れ、落ちる

 

しかしその顔は苦しそうだが笑っていた

 

(不謹慎なのは承知してますがどうにもこんな顔になっちゃいます……ワクワクしますね、自分より強いかもしれない者に挑むというのは……)

 

武の道で上を目指す美鈴にとって戸愚呂は求めていた相手その者だったから

 

この嬉しさはどうしようもなかった

 

 

 

「お前とはあくまでフェアにいきたい……今の俺の強さはこんな感じだ」

 

戸愚呂が喋った瞬間

 

「!!?」

 

美鈴の目に映っていた戸愚呂の姿が一瞬にして膨張した様に見えた

 

「ッッ!!?」

 

繰り出された拳を受けるが踏み留まれず壁に叩きつけられる

 

「どうかね?」

 

腕を組んだ戸愚呂は苦悶の顔で着地した美鈴を見据える

 

「くっ……」

 

受けた手から激しい痺れを感じながら美鈴の冷や汗の量は一気に増加した

 

(負けませんよ……ミスト……!)

 

武道家の妖怪と元格闘家の妖怪

 

奇しくも似た者同士の闘劇は死闘の領域へと向かう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




バベルボブルは死にました……(嘘)

テンション上がってにとりを頑張り過ぎた……でも反省はしてますが後悔はしてません!

次は美鈴とミストを始めに上位勢へと入っていきます、まだ先は長い……


・現在の主な犠牲者(リタイア含む)
幻想郷 永琳、咲夜、白蓮、チルノ、にとり、霖之助、アリス

魔王軍 ザングレイ、ダブルドーラ、キルギル、親衛騎団(3/6)、純狐、へカーティア?、バベルボブル

次回も頑張ります!

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