僕らが転送された先は一面が真白い通路だった。
「ここは?」
「分かりません。マップ情報がないようです」
「……アスナの、アスナの居場所は分かるか?」
「――近い、近いです。こっちです!」
共に転送されていた親子は早速駆け出そうとする。普段のキリトならまずは考察から入るだろうに、アスナのこととなると見境がないというか猪突猛進型になるというか。
半ば諦めの気持ちで溜め息を吐きつつ、二人を制止した。
「ちょっと待って」
「何だ、レント?」
「さっきのカード貸してくれない? こっちはユイちゃんがいないからね」
「こっち、って一緒に来ないのか?」
「親子三人水入らずの場にお邪魔するのは忍びないからね。……他のSAOプレイヤーの居場所を探ってくる」
「っ――ああ。分かった。それじゃあそっちは頼んだぞ」
「二人も、どこに管理者がいるか分からないから気をつけて」
キリトは丸っきり他の未帰還者のことを忘れていたようで、少し気不味そうにしながら扉を開けるのに使ったカードを取り出した。
気を取り直して駆け出したキリトの背中を見送り、二人が向かった方とは逆に僕も歩き出した――走らないのは周囲に十分な注意を払うためである――。
しばらく進むと、壁に案内板らしきものがかかっていた。それを眺める。探すのは何かが行われている、もしくは何かが保管されている場所だ。
案内板の右下辺りに目的としているであろう名前が見つかった。《実験体保管室》。実に安直な名前である。向こうからすれば、中に潜り込まれていること自体予想外なのだろうが。
脳内に地図を叩き込み、僕はそこへ足を向けた。
ヒタヒタと足音が立ちそうな床を、周囲に気を配りながら無音で歩く。僅かな衣擦れもさせずに隠密行動をするなどという現実では不可能な動きができるのはVR空間だからだろうか。それとも茅場が言っていた、『この世界に適応している』ことがその原因なのだろうか。
茅場の発言は恐らくVR適性を指したものだ。例の帰還者学校では入学後にVR適性検査が行われるそうだから、それを受ければはっきりすることだろう。
やがて目的としていた扉の前へと辿り着く。まるで変化のない通路に、目を凝らさなければ分からないような扉。その全てが真っ白だ。目に悪い。代わり映えのない景色は人間の感覚を狂わせる。僕はそこに扉があることにすぐには気づかなかった。
ここまでは気を張っていたことが徒労であったかのように人の気配がなかった。この企ては少人数で秘密裡に行っているのだろうから、そもそも施設にいる可能性のある人間が少ない可能性が高い。
部屋の中には人がいる危険を考慮に入れつつ、扉に軽く触れる。
シュウオォォン
すると作動音を立てて滑らかに扉が開いた。この施設は隔離されているから、内部にセキュリティなど存在しないのかもしれない。好都合である。
中に敵影がないことを確認してから、扉の内側へと踏み込む。
学校の体育館ほどの広さのその空間には、僕の腰ほどの台座が均等に並んでいた。台座の上には人間の脳のようなものが浮かんでいる。それらは常に胎動するように動き続け、外に信号を送っているようだ。
台座に嵌め込まれているディスプレイを見ればその詳細を確認できるのだろうが、僕はそこから目を背けた。そもそも見たところで理解できるとも思わないが、これがSAO未帰還者の人々の脳なのだと思うと背筋が凍る。そんなことは絶対にないのだが、脳がこちらに直接話しかけてくるように感じた。
「なんでお前は自由に過ごしている」「俺らの代わりに捕まってくれよ」「家に帰りてぇよ」
幻聴を振り払うように頭を振った。
―――集中しろ、今は潜入中なんだ。
『実験体保管室』というよりも『実験室』が適しているようなここなら、実験データも保管されているはずだ。
一つ息を吐いて身を翻し、奥へと駆ける。台座ばかりの空間でそれは酷く目立っていた。この部屋の奥まったところで、一つの頂点を下にしながらプカプカと浮かぶ立方体だ。
駆け寄ると、立方体の表面に複雑な文様のようなものが刻まれているのが見て取れた。そしてそこには現実世界のレジについていた――今では使われなくなってしまった――カード読み取り機のような溝が入っている。
僕はそこにカードを差し込み、一気に下まで下ろした。
多重ウィンドウが一気に広がる。それに慌てた僕は、近づいてくる足音に気がつけなかった。
グググゥゥゥゥ
どこかから聞こえた重低音に警戒するも、足元に波紋が現れると同時に体に負荷がかかり膝をつく。
「……ぐ、ぅ。何、だ。これは」
まるで重力が何倍にもなったかのような感覚に、臓腑の空気が抜ける。
「あれぇ~、この間といい客人が多すぎやしないかい?」
「そうだねぇ~、今度セキュリティー強化の申請書上げてみるか」
二つの声があり、力に抵抗しながらそちらを向けば、そこにはモンスターがいた。
高さだけでも人間ほどのサイズはある、紫色の巨大なナメクジだ。ぶよぶよとした何本もの触手を持っており、軟体生物のように気味悪く動いている。
「あなた、たちは、誰、ですか?」
何とか声を発する。
「誰って聞きたいのはこっちなんだけどねぇ~」
「おいおい、こいつプレイヤーじゃないのか?」
「いやいやまさかそんなはずが、……多分そうだね」
「どうする? あの人に聞いてみる?」
「いや、今はあの小鳥ちゃんのところに行ってるはずだろ。機嫌を損ねたくはない、後にしよう」
「ああ、そうだそうだ。君の質問に答えていなかったね。僕らは管理者、要するにGM側だよ」
二人で会話をしながら冷静に答えを出す二人。二人、というよりは二体か。彼らみたいなのはやりにくい。二重でチェックしているために間違えが少ないからだ。
片方がその触手で僕を持ち上げる。触られた感触は非常に粘液質だった。
「これはねぇ、今度のアップデートで追加する予定の《重力魔法》なんだけど、ちょっと強すぎるかな」
「そうだねぇ、こいつもかなりのステータスを持っているのに抵抗できてないもんねぇ。要調整かな」
持ち上げられている身体が、重力に引かれるのとモンスターに引かれるのとで上下に引き裂かれそうだ。ダメージを受けているわけではないからダメージフィードバックは存在せず、また痛みもないため奇妙な感覚のみが体に満ちる。
「それにしても君どうやってここに来たんだい? ここにプレイヤーは侵入できないと思うんだけど」
「いや、コンソールを見てくれよ。多分こいつあの紛失したカードを使ってここまで来たんだよ」
「うぅん、そうなのか、まあ関係ないけどね」
「僕、が、ここでの、ことを、通報、したらどう、するつもり、ですか?」
「いやあ、ここまで見られちゃってるからねぇ。そもそも返す気はないよ」
「な、に?」
「この世界に閉じ込めるんだから」
「そんなこと、できるはずがっ」
「できるんだなぁ、それが」
「アミュスフィアについてる緊急ログアウトシステムは簡単に解除できるからねぇ」
「内部からの自主ログアウトをできなくするのも簡単だからねぇ」
「外からっ、外してもらえば――」
「例えば、郵便でこんな文書を送ったとする。君の知り合いは外せるかな?」
「『彼のアミュスフィアを外すと、意識が永遠に電脳の世界を彷徨うことになる』ってね」
「もちろんアミュスフィアじゃそんなことはできないけど、SAO事件からまだ二ヵ月しか経ってないし、下手に触れないでしょ?」
「それにナーブギアのダウングレードだとしても、時間をかければ脳の操作はできるからねぇ」
やはり奴らは脳の操作という実験をしていたようだ。片方のナメクジが嫌らしい視線を台座達の方へと向けた。
なぜか突如として一段と強くなった重力に顔を顰める。
「おや? あの人も重力魔法使ってるのかな?」
「そうみたいだねぇ。さてさて、あの人が戻ってくるまで遊ぼっか」
「何をして?」
「脳を弄って」
「な、に、をするっ」
「ああ、君のじゃないから安心して。さてさて、誰のをやろっかなぁ」
「この《Haruka》も良いよねぇ。《Yakisoba》に《Kamui》、うぅん《Tak》でも良いかなぁ。いや、やっぱり《Yuna》にしよう」
「そうだねぇ、じゃあその子には今までやったことのないことをしてみよっか」
「いいねぇ、じゃあ恐怖のラインナップで行こっか」
「や、め……やめ、ろ……やめろ、やめろ!」
「ん? 君は黙って見てれば、良いんだ、よ!!」
目の前で誰かの脳を弄ばれることに恐怖を感じ、声を上げる。猛烈な重力の中、必死に上げた声も、モンスターに届いた瞬間その声に掻き消される。
僕を捕まえていた一体が触手ごと僕を床に叩きつけた。
「ぐっ、がぁぁ!!」
「う~ん、良い声で啼くねぇ」
そしてそいつは、僕の腰に佩いていたソウル・ソードを抜き取って僕に突き刺した。
「ぎ、ごっがぁ」
元々が性能の良い剣だ。ただ上から突き刺しただけでもかなりのダメージが入る。それが全て不快感へと変換され、声が口から洩れる。
―――!
「ぐぅあぁぁぁぁ!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!
痛みだ。不快感ではない痛みが急激に襲ってきた! そのあまりの衝撃に悲鳴が出る。
「おぅわっ! 何だよ、ペインアブソーバは働いてるんだから……ってレベル八じゃん!」
「まったくあの人も何をしてるんだか。まあ、こいつの泣き顔が見れるんならそれも良しか」
「そうだねぇ」
「それじゃぁ、《Yuna》の方もやっちゃおっか」
「うん。この子はさぁ、何か歌うのが好きみたいだねぇ。てことで、上げてから落とそっか」
「じゃあ、まずは自分のライブ映像を」
「おお、反応してる、反応してる。これは……A19かな? それからH8も。凄いねぇ。絶望が楽しみだねぇ」
痛みも感じるのだが、それよりも悔しさを感じる。こんな蛮行を目の前にしながら指一本動かせない自分に。《Yuna》はSAOでの知り合いだった。そんな彼女の危機をただ眺めていることしかできない自分が、どうしようもなく惨めだった。
「くそっ、くそ、がぁぁぁ!! その子に、触るなぁ!!」
過ごした時間は少ない。しかし、少ないながらも作った思い出が脳裏を過る。その感情をそのままに舌に乗せるも、化け物には届かない。
「ん? なぁんだ。君の知り合い、この子? なら、早くやっちゃおっか」
「そうだねぇ、この子が絶望に落ちる様を眺めて、お前も絶望すればいいよ」
そうして手を止めることもなく、下卑た笑みを浮かべながら怪物の触手は動き続ける。
―――これは『罰』、なのか?
―――
―――かつて何人も手から取り零したのに、今度こそは誰かを救えると思い込んだせいなのか?
―――僕には、誰も救えないのに……。
気づけば、涙が零れていた、気がする。もう何が頭の中の出来事なのかが全く分からない。痛みと絶望で視界が波紋のように歪む。
『逃げ出すのか?』―――違う、僕には誰も救えない。それが事実だ。
『屈服するのか? かつて否定したシステムの力に』―――仕方ないことなんだ。僕はプレイヤーで、奴らはGM側なんだから。
『それはあの戦いを汚す言葉だ』
脳内に響く声、聞き覚えがあった。幻聴でないようなそれに困惑する。
『私にシステムを超える人間の意志の力を知らしめ、未来の可能性を悟らせた、我々の戦いを』
顔を上げれば、そこには憧れた人がいた。
「貴方はっ……」
『立ちたまえ、キリト君、レント君』
逃げ込んだ白い空想の世界が崩れる。
「ぐっ、ぐうぁぁぁぁ!!!!」
剣に刺し貫かれた体を、必死に起こす。
視界が重なって見えた。
「こんな魂のない攻撃にっ!!」
ここにはいないキリトの声が聞こえた気がした。
「あの世界の刃は、もっと、重かった!!」
違う、これは、繋がっている? 聞こえてくる声に、自分の声を乗せる!
「「もっと、痛かった!!!」」
起き上がると身体から二本の剣が抜けた。キリトの感覚も混じっているのか。
「ん?」
「どうして、起きてるんだ、よ!!」
触手が襲いかかってくるが、それを片手で受け止める。
「システムログイン、ID《Heathcliff》」
キリトが茅場に授けられた言葉を口にする。すると、僕の周りに何個ものウィンドウが出現した。ぼんやりと見えるキリトの視界にも同じウィンドウが浮かんでいる。
「システムコマンド、管理者権限の変更。ID《Oberon》をレベル一に」
キリトが、対峙している相手の管理者権限を剝奪した。
僕も二体を見やる。二人の上には先程まで見えなかったIDがしっかり確認できた。
「システムコマンド、管理者権限の変更。ID《Cloud》、《Rain》をレベル一に」
「なっ、僕らよりも高位のID!?」
「それは、創造主、この世界の神であるあの人しか持っていないはずだぞ!?」
キリトの方でも、緑の長衣を着た男が同じことを言っていた。
思わず失笑が漏れる。
その想いを舌に乗せる。キリトも、全く同じ言葉を口にしていた。
「「違うだろ。お前らは盗んだんだ。世界を、そこの住人を! お前らは盗み出した玉座の上で踊っていただけの簒奪者に過ぎない!」」
「何を言う! この侵入者が!」
「お前らみたいなのは大人しく従っておけばいいんだよ!!」
「この、このガキがぁ! 僕に、この僕に向かってぇ!!」
キリトの感覚も共有しているため三人分の罵倒の声が響く。罵倒は様々であったが、面白いことにその後の反応は同じだった。
「システムコマンドぉ! オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!!」
「システムコマンド! オブジェクトID《クラウ・ソラス》をジェネレート!」
「システムコマンド!! オブジェクトID《シェキナー》をジェネレートぉ!!」
三重に聞こえる声が空しく響く。どの声にもシステムは反応しなかった。その事実に悪態を吐く三人。
「オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!」
「オブジェクトID《クラウ・ソラス》、《シェキナー》をジェネレート」
既にその醜態に怒りの熱は静かになっていたが、確実に燃えている。僕とキリトは召喚した武器を三人に投げ渡した。渡された武器をおっかなびっくり持ち上げる三人。
「ペインアブソーバをレベル零に!!」
―――おいおい。
それは流石にやり過ぎではなかろうか。共有された視覚にはあられもない姿のアスナがいるから、大方それに怒っているのだろうが。
「さて、決着をつけましょうか。簒奪者の子分と、勇者になれなかった男の!」
一旦キリトの方からの情報を意識の外に出し、目の前のモンスター達に集中する。
彼らは僕の言葉を聞き逆上して突撃を敢行した。しかし構えも何もあったものではない。嘆息する。
輝いている剣を手にした怪物をすれ違いざまに斬りつけ、矢を放ってきた怪物との距離を縮めて引っ掻く。それだけで大騒ぎだ。悲鳴を上げる化け物。ただ、どんな姿を見せられようとも止める気はない。人の脳を散々弄りまわしたのだ。この程度では、温い。
拙い攻撃を躱し――躱す必要もないかもしれない――、二年間連れ添った相棒で触手を落とす。
「「痛い、痛い、痛いィィィィィィ!!!!!」」
全ての腕を斬り落としたときには、既に狂乱していた。無駄に斬る部分の多いアバターにしたのが悪い。解剖は続く。
身を削ぎ、皮を剝ぐ。喉まで貫き、身体を両断する。人の胸ほどのサイズのブロックにして、放り投げる。落ちてきたところを、剣で一気に突き刺す。
それで二体の化け物は呆気なく塵になった。
「そこにいるんだろ? ヒースクリフ」
その声を境に、キリトの感覚がなくなった。仕方がないのでこちらでも呼んでみる。
「茅場さん。悪いですが僕にも説明していただけませんか?」
「ああ、久しいな。レント君」
何もない中空にポリゴンが集まり、SAOの締め括りに水晶の床で見た茅場晶彦のアバターが降りてくる。
「生きていたんですか?」
「そうであるとも言えるし、そうでないとも言える。私は、茅場晶彦という意識のエコー、残像だ」
「……相変わらずですね。助けてくださり、ありがとうございます。このお礼はただの気持ちですから、受け取ってください。それに、どうせ僕らを助けた代償はキリト君の方に渡しているんでしょう? 貴方はキリト君を気に入っているようですから」
「君こそ相変わらずだね。私のことをよく分かっている。――キリト君に渡したのは世界の種子、《ザ・シード》だ。芽吹けばどういうものか分かる。その後の判断は君達に任せよう。消去し、忘れ去るも良し。しかし、もし君らがあの世界に憎しみ以外の感情を残しているのなら……」
「ええ、分かりました。茅場さん」
「ふ、君ならそう言うと思っていたよ。それに君達が見せてくれた感覚の共有も実に興味深かった。まあ、それはさておき私はこれで行くよ。いつかまた会おう、レント君」
それだけ言うと、再び浮かび上がって茅場は虚空へと消えてしまった。
「茅場さんの残滓、か。ここにいたってことは脳の高出力スキャンは成功していたのかな? ……まあ、関係ないし作業を始めますか」
あの二体の研究員に邪魔された作業を継続しなければならない。頭をクールダウンする時間を取って、立方体を振り返った。
立方体にカードは刺さったままだ。上まで上がっていたカードを再び下まで下げる。
出現するたくさんの窓。その内の一つの内部検索窓を使用する。対象範囲はALO内と、運営のレクトプログレスだ。ここのコンソールでは実験関連のことしか出ないだろうが。
検索窓に『実験 研究』と打ち込み検索をかける。ずらっと検索結果のデータが並ぶが、そのデータをフィルタにかける。アミュスフィアは脳と直接繋がっているため、イメージでフィルタリングを行うことができるのだ。VRワールドではなくこの機能を目的にアミュスフィアを利用する人も多い。
人体実験の内容だけをウィンドウに残す。そしてそれをメニューウィンドウの一番下に追加されている《外部端末》に写し込んだ。
流石は最新技術の塊。あれだけの膨大なデータを二分とかけずコピーし終えてしまった。写し終えたデータは全選択して削除する。削除完了まで見届け、僕はほっと息を吐いた。
「ようやく終わった、のかな。プレイヤーの解放は菊岡さんがしてくれるだろうし、感覚遮断を切ってあれだけしたんだからあの二人もしばらくは悶えてるだろうし」
そう、全て終わったのだ。
僕はメニューウィンドウを開き、慣れた手つきでログアウトした。
はい、躊躇なくデータを削除する主人公でした。次話でラスト、だと思います。収まるかなぁ……。