バカとE組の暗殺教室   作:レール

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八月
策謀の時間


期末テストで勝ち取った南の島での暗殺旅行が一週間後に迫り、今日はその訓練と計画の詰めとして学校へ集まっていた。

八月に入って殺せんせーの暗殺期限まで残りは七ヶ月。これほどまでに大規模な暗殺計画は暗殺教室が始まって以来初の試みだ。触手八本のハンデに先生の苦手な水で囲まれた環境。現状考え得る限り最大級のチャンス、今回の暗殺は何がなんでも成功させたい。

 

「まぁまぁガキ共、汗水流してご苦労なことねぇ」

 

……成功させたい、のだが此処に水を差す空気を読まない先生が一人いる。というかそんなことをする先生はイリーナ先生しかいなかった。ってか訓練している傍らで寛がれながら茶々を入れられると集中力が削がれるんだけど。

 

「ビッチ先生も訓練しろよ。射撃やナイフは俺らと大差ないだろうにさ」

 

そんなサボっているイリーナ先生に対して三村君が注意するも、先生は笑みを浮かべて注意なんて何処吹く風といった様子である。

 

「ふふ、大人はズルいのよ。あんた達の作戦に乗じて美味しいところだけ持っていくわ」

 

「ーーーほほう。偉いもんだな、イリーナ」

 

三村君を注意を聞き流したその直後、背後から聞こえてきた声にイリーナ先生の肩が跳ね上がった。三村君の注意だけじゃなくて冷や汗も額から流している。

表情を強張らせたイリーナ先生が恐る恐る背後を振り返ると、そこには如何にもな強面で初老の男性が険しい顔つきで佇んでいた。その男性を見た先生は驚きで目を見開く。

 

「ロッ、ロブロ師匠(センセイ)⁉︎」

 

「夏休みの特別講師で来てもらった。今回の作戦にプロの視点から助言をくれる」

 

烏間先生が連れてきた男性ーーーロブロ・ブロフスキさんは言葉通り殺しのプロ……殺し屋であり、イリーナ先生の師匠だ。前にも一度だけE組に来たことがあったけど、その時は僕らと話すこともなく帰っていったのであまり詳しいことは知らない。正確には元プロの殺し屋で今は殺し屋を派遣しているとかなんとか……今回は南の島での暗殺を行う前に計画の内容を評価してくれるようだ。

しかしロブロさんは弟子であるイリーナ先生の怠けた姿を見て分かりやすく怒気を露わにしている。

 

「一日休めば指や腕は殺しを忘れる……落第が嫌ならさっさと着替えろ‼︎」

 

「へ、ヘイ喜んで‼︎」

 

怒鳴られたイリーナ先生は駆け足で校舎内へと着替えに行った。やっぱり先生も師匠には頭が上がらないらしい。というか顔が怖くて普通に逆らえそうにない。

そうしてジャージ姿で戻ってきたイリーナ先生を加えて話は今回の暗殺へと移る。

 

「それで、殺せんせーは今絶対に見ていないな?」

 

「あぁ、予告通りエベレストで避暑中だ。部下がずっと見張っているから間違いない」

 

「ならば良し。作戦の機密保持こそ暗殺の要だ」

 

部下の人も大変だなぁ。わざわざ殺せんせーを追ってエベレストまで行かされるなんて……雄二みたいに暗殺の準備をするから近づくなって言っておけば大丈夫だと思うんだけど。

でも暗殺の話をする前にロブロさんが出てきたことで気になることがあった。それについては岡野さんが本人に問い掛けてくれる。

 

「ロブロさんって殺し屋の斡旋業者なんですよね。今回の暗殺にも誰かを……?」

 

「いいや、今回はプロは送らん。……というより送れんのだ」

 

「どういうことですか?」

 

ロブロさんの話では、これまで多くの殺し屋を送り込んだものの誰一人成功することはなく、二回目以降は事前に察知されて教室にすら辿り着けないそうだ。更に有望だった殺し屋達にも連絡が着かなくなったらしい。

 

「というわけで今現在、俺が斡旋できる暗殺者はゼロだ。慣れ親しんだ君達に殺してもらうのが一番だろう」

 

そう言いながらロブロさんは南の島で行われる暗殺の概要が纏められたプリントに目を通していく。

 

「……先に約束の八本の触手を破壊し、間髪入れずクラス全員で攻撃して奴を仕留める。……それは分かるが、この一番最初の“精神攻撃”というのはなんだ?」

 

あぁ、それか。流石にプロの殺し屋でも暗殺で精神攻撃なんてしないだろうしね。

ロブロさんの疑問には精神攻撃のネタを多く提供してくれた渚君が答える。

 

「まず動揺させて動きを落とすんです。殺気を伴わない攻撃には殺せんせー、脆いところがあるので。揺するネタは幾つか確保していますから、まずはこれを使って追い込みます」

 

「……残酷な暗殺方法だ」

 

どうやらプロの殺し屋から見ても社会的な死の方が残酷らしい。いや、肉体的な死が身近にある殺し屋だからこそと言うべきだろうか?

取り敢えず“精神攻撃”の内容を理解したロブロさんは計画書の内容を読み進めていく。

 

「……で、肝心なのはとどめを刺す最後の射撃。正確なタイミングと精密な狙いが不可欠だが……」

 

「……不安か?このE組(クラス)の射撃能力は」

 

途中で言葉を切ったロブロさんに烏間先生は問い掛けるが、しかしロブロさんは口端を吊り上げて先生の問い掛けを否定した。

 

「いいや、逆だ。特に()()()()は素晴らしい。俺の教え子に欲しいくらいだ」

 

そう言うロブロさんの視線の先にいるのは、訓練の順番が回ってきて射撃中の千葉君と速水さんだ。まぁあの二人の射撃能力はE組の中でも断トツだからなぁ。プロの目から見てもかなりの腕前らしい。

 

「他の者も良いレベルに纏まっている。短期間でよく見出し育てたものだ。人生の大半を暗殺に費やした者として、この作戦に合格点を与えよう。彼らなら十分に可能性がある」

 

暗殺計画の内容だけじゃなくて技術でもプロの殺し屋のお墨付きを得ることが出来た。これは暗殺を始めて四ヶ月の僕らにとって大きな自信へと繋がるはずだ。そして自信は暗殺の成功率を更に高めてくれることだろう。

 

「それじゃあロブロさん、生徒達の射撃訓練を見てやってくれ。吉井君、土屋君。君達は俺と別メニューだ」

 

「はい、分かりました」

 

「…………(コクリ)」

 

ロブロさんに暗殺計画の概要と皆の実力を把握してもらったところで、僕とムッツリーニは烏間先生に連れられて射撃訓練をしている場所から少し離れた場所へ移動する。先生に付きっ切りで相手をしてもらうのは申し訳ないけど、こればっかりは格上の相手がいないと成り立たないからなぁ。

 

 

 

 

 

別メニューの訓練後、僕は一人グラウンド脇で休憩していた。烏間先生は事務仕事や他の皆の訓練を見たりと忙しなく動いており、ムッツリーニは精神攻撃も担当しているので先に校舎へと戻っていて今は周りに誰もいない。

 

「ふぅ……何とか形には出来たけど、完璧とまでは言えないなぁ」

 

失敗することはなくなったものの、偶に力んじゃって動きが固くなることがある。まぁ皆が援護してくれるし、あとはムッツリーニの技量を信じるしかないだろう。その点では僕よりも頼りになる奴なので心配はしていない。

 

「ーーーまるで曲芸のような訓練だったな」

 

「ぅわっ⁉︎」

 

そろそろ僕も皆の元へ戻ろうかと考えていたところで、いつの間にかすぐ近くまで来ていたロブロさんに声を掛けられた。僕に全く気配を感じさせないなんて、まるで凄腕の暗殺者みたいーーーじゃなくて本当に凄腕の暗殺者だったわ。

どうやらロブロさんは遠目に僕らの訓練を見ていたらしく、顎に手を当てながらさっきの訓練内容を評価してくれる。

 

「暗殺計画の内容を見た限り、君達の役割は成否を分ける一つの鍵だろう。実際の動きも見せてもらったが……概ね問題はなさそうだ」

 

う〜ん……概ね、ね。やっぱりロブロさんから見てもまだ無駄は多いらしい。とはいえ僕自身がそう感じているんだから妥当な評価だと思う。

 

「もう一人の方も難易度相当の技量は持ち合わせているようだが、君の場合は技量というよりも相手との連携が最も重要だろう。私が教えられることは残念ながら多くはない」

 

「そうですか……」

 

僕らの技量は認めてくれているみたいだけど、だからこそ残りの期間は連携を高めていくしかないってことか。ってことはまだ一週間あることだし、ひたすら訓練あるのみだな。

しかしロブロさんの話はそこで終わらなかった。

 

「だが教えられることも少なからずある……そこで少年よ、君には必殺技を授けてやろう」

 

「え、必殺技……?」

 

必殺技っていうと……相手を必ず殺す技。または思春期の子供が自分には特別な力があると思い込んで人知れず練習するっていう、将来の黒歴史を形作ってしまう恥ずかしい過去の代表格のことか。

 

「そうだ。プロの殺し屋が教える……必殺技だ」

 

「いえ、結構です」

 

うん、取り敢えず断っておくことにした。

僕の即答での拒否が予想外だったのか、ロブロさんは呆気に取られながらも理由を尋ねてくる。

 

「……何故だ?必殺技があれば窮地へ追い込まれた時に役立つぞ。それに雰囲気が出て格好良い」

 

「いや、窮地に追い込まれた時に雰囲気や格好良さは必要ないでしょう」

 

あれ、もしかして本当に中二病的な意味での必殺技だったりするのだろうか?

 

「それが一概に必要ないとも言えない。雰囲気が出るということはその場の空気を制するということでもある。対峙することのない暗殺ならばともかく、暗殺を躱されて戦闘に持ち込まれた場合の影響は大きい」

 

そう言われると雰囲気って重要なんだなぁと思わされる。そういう意味では必殺技があれば初見の相手には一発逆転の切り札になるし、既知の相手にはフェイントや警戒するポイントを誘導できるかもしれない。

 

「なるほど、一理ありますね……それで格好良さの必要性は?」

 

「……どうだ?必殺技が欲しくなっただろう?」

 

あ、格好良さの必要性はないのね。この人、顔に似合わず案外親しみやすい人なのかもしれない。

 

「……すいません。お気持ちは嬉しいんですけどやっぱり結構です。南の島まで時間もないですし」

 

確かに必殺技があれば戦況を有利に運べるだろうし興味もあるけど、まずは僕に与えられた役割を納得できるレベルまで仕上げることの方が先決だ。それに僕にだって必殺技じゃないけど奥の手がないわけじゃない。残念だけど必殺技は今回は見送らせてもらおう。

 

「……そうか。まぁ無理強いするつもりはない。南の島での暗殺成功を祈っている」

 

「はい、ありがとうございます。その代わりと言ってはなんですが、ナイフ術の指導をいただけると有難いんですけど……」

 

「うむ、いいだろう。では烏間の代わりに私が相手をしてやる。何処からでも掛かってきなさい」

 

その後は実戦形式でナイフの扱い方を教わった。烏間先生の軍隊式とは少し違っていてナイフ術に幅が広がったと思う。少しでも南の島での暗殺に活かせるように頑張らないと。

 

 

 

 

 

 

あっという間に一週間は過ぎ去っていき、今日は南の島での暗殺決行日だ。今は暗殺の舞台となる沖縄の離島に向けて船で移動している最中である。

 

「にゅやァ……船はヤバい、船はマジでヤバい。先生、頭の中身が全部まとめて飛び出そうです」

 

「…………(コクコク)」

 

そして殺せんせーは案の定といった感じで船に酔っていた。どうやら今回はムッツリーニも堪え切れなかったらしく、二人して顔色を悪くしながらぐったりとデッキの手摺りに(もた)れ掛かっている。僕はあんまり乗り物酔いしないから共感できない感覚だ。

 

「起きて起きて、殺せんせー‼︎ 見えてきたよ‼︎」

 

船首で水平線を眺めていた倉橋さんが振り向き様にナイフを横薙ぎしつつ殺せんせーを呼ぶ。もしこれが当たっていたら起きるどころか永眠していたと思うけど、先生は難なく倉橋さんのナイフを躱して視線を進路の先へと向けた。僕も同じように視線を向ける。

 

「東京から六時間‼︎ 殺せんせーを殺す場所だぜ‼︎」

 

そうして視界に入ってきたのは、お待ち兼ねの南の島……普久間島だ。いよいよ世界の命運を懸けた暗殺が始まるーーーが、その前に、

 

「いやー、最高‼︎」

 

「景色全部が鮮やかで明るいなぁ〜」

 

サービスで配られたトロピカルジュースを飲みつつ南の島を堪能する。リゾート地で色んなレジャー設備もあるみたいだし、折角の南の島なんだから楽しまなきゃ損だよね。

 

「例の暗殺(アレ)は夕飯の後にやるからさ、まずは遊ぼうぜ殺せんせー‼︎」

 

「修学旅行ん時みたく班別行動でさ」

 

「ヌルフフフフ、賛成です。よく遊びよく殺す、それでこそ暗殺教室の夏休みです」

 

村松君と吉田君の提案を受けて僕らは殺せんせーとともに遊びに繰り出すことにした。

とはいえもちろんただ遊ぶわけじゃない。遊びに見せかけて計画書通りに暗殺が出来るかどうか綿密に現地をチェックして回り、殺せんせーが一つの班と遊んでいる間に残った班で着々と暗殺の準備を進めていく。

殺せんせーのことだから堂々と準備を進めても探ってくることはないと思うけど、少しでも準備を見られたりして計画を察せられたら全てが台無しだからね。念には念を入れていかないと。

そうしてバレないように全ての準備を終えて日が沈み始めた頃。

 

「いやぁ、遊んだ遊んだ。おかげで真っ黒に焼けました」

 

そう言う殺せんせーは触手の表面どころかお歯黒のように歯まで文字通り真っ黒だった。っていうか歯って日焼けするもんだったっけ?もう表情が読み取れないくらい全身真っ黒なんだけど。

 

「じゃあ殺せんせー、夕飯の後に暗殺なんで、まずはレストランへ行きましょう」

 

磯貝君が先導する中、鼻歌交じりの殺せんせーとともに浜辺を後にする。ってかマジで南の島を満喫してるな、殺せんせー。でも南の島の本番はここからだ。先生にはもっと楽しんでもらわないとね。

そのまま皆で移動した先は殺せんせーの苦手な船の上だった。

 

「夕飯はこの貸し切り船上レストランで、夜の海を堪能しながらゆっくり食べましょう」

 

「……な、なるほどねぇ。まずはたっぷりと船に酔わせて戦力を削ごうというわけですか」

 

「当然です。これも暗殺の基本の一つですから」

 

まぁ殺せんせーの場合は乗り物酔いしていても暗殺はきっちりと躱してくるので、戦力を削ぐとは言っても万全の状態は崩しておこうという気休め程度のものである。でもやらないよりはいいだろう。

僕らの暗殺に対する姿勢に殺せんせーも恐らく真面目な表情で返してくる。

 

「実に正しい。ですがそう上手く行くでしょうか?暗殺を前に気合の乗った先生にとって船酔いなど恐れるにーーー」

 

「「「黒いわ‼︎」」」

 

あ、とうとう殺せんせーの日焼けに皆からツッコミが入った。そりゃあ全身真っ黒だったら暗殺前とはいえツッコミたくもなるよね。ちなみにさっき“恐らく”と言ったのは全身真っ黒すぎて僕も表情が読み取れなかったからだ。

皆からの総ツッコミに多分キメ顔を作ってたっぽい殺せんせーも出鼻を挫かれる。

 

「そんなに黒いですか?」

 

「表情どころか前も後ろも分かんないわ」

 

「ややこしいからなんとかしてよ」

 

中村さんと片岡さんの言い分は尤もだった。普段は全身黄色でも目と口があるから顔が分かるのに、その目印すら塗り潰されて探偵物の漫画の犯人みたいになっている。いや寧ろあっちの方が輪郭はあるから分かりやすいか。

しかしそんな二人の抗議を受けても殺せんせーは不敵に笑っている。

 

「ヌルフフフフ、お忘れですか皆さん。先生には脱皮があるということを。黒い皮を脱ぎ捨てれば……ホラ、元通り‼︎」

 

一瞬にして脱皮した殺せんせーは見事なまでに元の全身黄色状態へと早変わりした。

なるほど、そういう使い方もあるのか。とはいえ月一の脱皮を暗殺前に使っちゃうなんて、僕らも随分と舐められたもんだ。その余裕をあとで後悔させてやろう。

殺せんせーは脱皮した皮を見せびらかすように掲げて言葉を続ける。

 

「脱皮にはこんな使い方もあるんですよ。本来は()()()()()()()()ですが…………あっ」

 

途中で言葉が途切れた殺せんせーは顔を触手で覆って項垂れてしまった。いや、何も考えずに脱皮したんかい。あとで後悔させてやるつもりが既に後悔してるし。なんでこんなドジを未だに殺せないのか甚だ疑問だ。

そうやって項垂れる殺せんせーの元へと雄二が歩み寄る。

 

「殺せんせー、その脱皮した皮邪魔だろ?捨ててきてやるよ。海にでも投げ捨てればいいだろ」

 

「坂本君、そう言って私の脱皮した皮を確保する魂胆でしょう?もうその手には乗りませんからね」

 

「……チッ、流石に同じ手は無理か。また実験素材が手に入ると思ったってのに」

 

殺せんせーに申し出を断られた雄二はあっさりと引き下がっていった。無理だと思ってたんだったら最初から言わなければいいのに……何か考えでもあるんだろうか?

まぁとにかく今は暗殺前の腹拵(はらごしら)えだ。一週間の訓練で今回の役割に必要な技術はほぼ完璧に仕上がったし、南の島に来てからの仕込みも計画通り万全である。あとは貴重なカロリーを涙を呑んで腹八分目に抑えてコンディションを整えるだけ……うぅ、滅多に摂れない豪華カロリーが……よし、食べ物の恨みも込めて暗殺しよう。今度こそ殺せんせーに僕らの刃を届けるんだ。




次話 本編
〜決行の時間〜
https://novel.syosetu.org/112657/37.html



明久「これで“策謀の時間”は終わり‼︎ 皆、楽しんでくれたかな?」

磯貝「いよいよ南の島での暗殺開始だ。一学期の集大成だから気合いを入れていかないとな」

片岡「今回は大規模ってだけじゃなくて、E組が一丸になって初めての暗殺だからね。絶対に成功させたい……んけど」

明久「残念ながら原作では失敗しちゃってるんだよねぇ」

磯貝「それは二次創作なんだから言っちゃ駄目だろう……」

片岡「で、でも吉井君や土屋君は原作とは違うことをするでしょ?何か坂本君も匂わせてる感じだったし、少しでもいいから殺せんせーを原作よりも追い詰めてよね」

明久「任せてよ。殺せんせーには豪華カロリーを満腹まで食べられなかった恨みがあるからね。食べ物の恨みは怖いってことを教えてあげる」

片岡「いや、思いっきり八つ当たりなんだけど……まぁ殺る気を出してくれるならいっか」

明久「うぅ、せめてタッパーでも持ってくればよかった……」

磯貝「ははっ。馬鹿だな、吉井は。ホテル内で発生する費用は全部学校が負担してくれるんだから、お土産っていう体で怪しまれないギリギリまで郵送すればいいじゃないか」

片岡「ちょっ、磯貝君⁉︎ まさか本当にそんなことしてないわよね⁉︎」

磯貝「えっ……………………うん、してないよ?」

片岡「その間は何っ⁉︎ いつもの爽やかなスマイルに裏を感じるんだけど‼︎」

明久「なるほど。郵送だったら帰りに荷物にならないし、何よりも学校が出してくれるからタダ……うん、それじゃあ今回の後書きはここまで‼︎ 次の話も楽しみにしててね‼︎」

片岡「あ、こらっ‼︎ 何強引に後書きを終わらせてフロントへ駆け出してるのよ⁉︎ ちょっと吉井君、待ちなさい‼︎」





秀吉「金銭的なことになると磯貝は明久と大差ないのぅ。というか原作より悪化しとらんか?」

土屋「…………クロスオーバーに毒されてきてる」

前原「アイツは金魚で料理を作るような奴だからなぁ……そこんところは元から似た者同士なんだろ」

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