バカとE組の暗殺教室   作:レール

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寺坂の時間

雄二が考えた暗殺計画の準備も順調に進み、暗殺の実行は明日の放課後となった。今日はプール周りの仕込み以外に使う装備を点検して最後のシミュレーションに当てる予定である。いよいよ大詰めだ。

 

「雄二、もう殺せんせーには言ったの?」

 

「あぁ。明日の放課後、俺達の準備が整えば呼びに行くって言ってある。それまで殺せんせーは校舎内で待機してくれるそうだ」

 

「本当に暗殺に協力的な標的(ターゲット)じゃな……此方としては余計な手間が省けて助かっておるが」

 

「…………(コクコク)」

 

全くもって秀吉の言う通りだと思う。普通だったら秘密裏に暗殺を企ててバレないように標的を誘い出す必要があるのに、殺せんせーの場合は暗殺すると言えばある程度協力してくれるんだから非常に行動しやすかった。大っぴらに動いても標的が気を遣ってくれるので神経を使う必要がなくて楽なのだ。

 

「おい皆、来てくれ‼︎ プールが大変だぞ‼︎」

 

そんな風に明日の暗殺について話し合っていたところで、血相を変えて教室へと駆け込んできた岡島君によって遮られた。普段の彼らしからぬ焦りように教室にいた皆もプールへと向かうことにする。

いったいプールがどうしたというのか、それはプールに着いたら誰の目にも一目で分かった。

 

「……ッ、メチャメチャじゃねぇか……」

 

プールを見た前原君がその状況を一言で言い表す。二つあったプールのレーンは飛び込み台ごとなくなっており、プール脇に作られていたウッドチェアなども破壊されていてその木片がペットボトルや缶といったゴミとともに水面を漂っていた。野生動物とかじゃない、明らかに人為的な破壊の跡である。

 

「あーあー、こりゃ大変だ」

 

「ま、いーんじゃね?プールとかめんどいし」

 

皆がプールの惨状に目を向けている中、そんな軽い声が後ろから聞こえてきた。吉田君と村松君だ。当たり前のように寺坂君も横にいて、三人は他の皆とは違いプールの惨状を見ても笑みを浮かべている。

うわぁ露骨……証拠はないけど自分が犯人って言ってるようなもんじゃないか。そもそも裏山のプールの存在を知ってるのはE組関係者だけなんだから、その時点で犯人は絞られてるっていうのに……隠すつもりがないのかな?

その三人の様子から犯人だと思ったのは僕だけじゃなかったようで、何人かは寺坂君達へと視線を向けていた。特に渚君なんかは露骨に彼らへ視線を向けており、その視線を感じ取った寺坂君が渚君へと詰め寄っていく。

 

「ンだよ渚、何見てんだよ。まさか俺らが犯人とか疑ってんのか?くだらねーぞ、その考え」

 

「まったくです。犯人探しなどくだらないからやらなくていい」

 

渚君の胸元を掴んで凄む寺坂君だったが、ぬるっと現れた殺せんせーに驚いてその手を離してしまっていた。寺坂君って意外とビビり……?

そして次の瞬間には水面を漂っていた木片やゴミがなくなり、レーンやウッドチェアなどは修復されているという……劇的ビフォーアフターならぬ超速ビフォーアフターだ。まぁ小さな沢から実質四時間でプールを作れる先生の手に掛かれば造作もないことだろう。

 

「はい、これで元通り‼︎ いつも通り遊んで下さい」

 

完璧なまでに元通りとなったプールを見て殺せんせーは帰っていった。続いて寺坂君も面白くなさそうにプールから立ち去っていく。

あの反応を見る限り、グループ的にも主犯は寺坂君で間違いないと思う。だけど殺せんせーのおかげでプールは元通りだし、犯人探しもやらなくていいって言ってるからこの件は終わりだな。

これにて一件落着、とはならないだろう。根本的な解決になってないし、寺坂君が変わらないとまた同じようなことを繰り返すかもしれない。う〜ん、なんとかならないかなぁ……まぁなるようになるか。考えても良い案なんて思い浮かばないし。僕も教室へ戻るとしよう。

 

「……ところで岡島君。どうして君は着替えもせずにプールへ行ったんだい?」

 

「え?そりゃあその場で撮影すると殺せんせーにカメラを取り上げられるから、皆が来る前にカメラを設置しとこうとーーー」

 

と、僕の疑問に答える岡島君の肩へと誰かの手がポンッと置かれる。それによって言葉を切った彼が後ろを振り返れば、そこには笑顔だが目の笑っていない片岡さんの姿があった。

 

「岡島君、ちょっと私と話しましょうか?」

 

有無を言わせぬ片岡さんの威圧に逆らえるはずもなく、岡島君は身を縮こませながら彼女と向かい合うこととなる。この後、岡島君が片岡さんに説教されたのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

ところ変わってE組の教室。あれから何事もなく普段通りに授業を受けた僕らは昼休みを迎えていた。今日のお弁当は趣向を凝らしてシュガーウォーターだ。栄養補給にもなるし意外と甘くて美味しいんだよね。

そうして皆がお昼を食べ終えてまったり過ごしていた頃、殺せんせーがある物を押して入ってきた。それを見て教室にいる皆は興味を示しており、その中でも特にテンションを上げていたのは吉田君だ。

 

「うぉ、マジかよ殺せんせー⁉︎」

 

「この前、君が雑誌で見てた奴です。丁度プールの廃材があったんで作ってみました」

 

「すげー‼︎ まるで本物のバイクじゃねーか‼︎」

 

そう、教室でバイクに跨がる殺せんせーを見て吉田君は興奮を隠せないでいた。まぁバイクと言っても本物のバイクではなく、先生の言う通り廃材で作られた木造バイクである。

そういえば吉田君の家はバイク店だったかな。だからこそ素人以上に本物そっくりな木造バイクの凄さが分かるのだろう。っていうか普通に素人目から見ても凄過ぎだと思う。

 

「……何してんだよ、吉田」

 

と、そこでドアを開けて教室に入ってきた寺坂君が吉田君を見て表情を引き攣らせながら問い掛けてきた。そりゃあ自分と同じく殺せんせーに反発してた友達が先生と仲良くしてたら気に食わないよね。

吉田君もその思いは分かるのか、寺坂君に対して少し吃りながらそれでも楽しそうに答えを返す。

 

「い、いやぁ……この前、こいつとバイクの話で盛り上がっちまってよ。うちの学校、こういうの興味ある奴いねーから」

 

「ヌルフフフフ。先生は大人な上に漢の中の漢、この手の趣味も一通り齧ってます」

 

その後も楽しそうに殺せんせーと話し合う吉田君を見てどう思ったのか、寺坂君は大股で歩み寄ると木造バイクを蹴り倒した。倒れた衝撃で木造バイクは壊れてしまう。

それを見ていた皆も黙っていられなかったようで、木造バイクを壊した元凶である寺坂君へと詰め寄っていく。

 

「なんてことすんだよ、寺坂‼︎」

 

「謝ってやんなよ‼︎ 大人な上に漢の中の漢の殺せんせー、泣いてるよ⁉︎」

 

いや中村さん、寺坂君の肩を持つわけじゃないけど大人な上に漢の中の漢はきっと泣かないと思う。それが男泣きならまだしも身体を震わせながら声も出ないマジ泣きだからね。寧ろいい大人が情けないって言われてもおかしくないレベル。

寺坂君は煩わしそうにしながらも皆の批判の声を無視して自分の席まで歩いていき、椅子を引いて座らずに机の中へと手を突っ込む。

 

「てめーら、ブンブンうるせーな虫みたいに……駆除してやるよ」

 

そう言って机から取り出したものを床に叩きつけると、教室中が噴き出した白い煙によって覆われていった。

パッと見た感じ、寺坂君が床に叩きつけたのは殺虫剤のスプレー缶だ。亀裂が入って中身が溢れ出たのだろう。あっという間に教室内は軽いパニック状態である。

 

「寺坂君‼︎ ヤンチャするにも限度ってものが……」

 

流石にやり過ぎな寺坂君を咎めるため泣き止んだ殺せんせーが彼の肩を掴むも、その手はすぐに寺坂君によって弾かれてしまった。

 

「触んじゃねーよ、モンスター。気持ちわりーんだよ。てめーも、モンスターに操られて仲良しこよしのE組(てめーら)も」

 

その言葉で軽いパニック状態だった教室内が静まり返る。寺坂君が殺せんせーに反発してるのは皆も知ってたけど、まさかそこまで毛嫌いしてたとは思っていなかったのだ。

誰も何も言えなくなっている中、壁に寄り掛かってちゃっかりスプレーを回避してたカルマ君が口を開く。

 

「何がそんなに嫌なのかねぇ……気に入らないなら殺せばいいじゃん。せっかくそれが許可されてる教室なのに」

 

それで殺せんせーを殺せたら苦労はないって。まぁまずは殺ってみるべきだっていう意見には賛成だけどさ。

そんなカルマ君の物言いが癪に障ったのか、寺坂君はカルマ君に対して敵意を向ける。

 

「なんだカルマ、てめぇ俺に喧嘩売ってんのか?上等だよ。大体てめぇは最初からーーー」

 

しかし次の瞬間、寺坂君の言葉はカルマ君に顔面を鷲掴みにされて強制的に黙らされた。

 

「駄目だってば、寺坂。喧嘩するなら口より先に手ぇ出さなきゃ」

 

「うわっ、カルマ君野蛮。まるで雄二ぶべらっ⁉︎」

 

「おっと悪い、口より先に手が出ちまった」

 

まるで寺坂君へ手本を見せるかのように雄二の拳が僕の頰へ突き刺さる。な、何すんだこの野郎……僕はただ雄二の悪口を言おうとしただけじゃないか。殴られる筋合いはないぞ。

僕が雄二の拳で床へと倒れこんでいる間に、寺坂君はカルマ君の手を振り払って教室から出ていってしまった。寺坂君の態度にE組の皆からも溜め息が漏れている。

あんな調子じゃあ寺坂君自身も疲れるだろうに……皆と仲良くする切っ掛けがないから接し方を変えるのも難しいのだろう。ホント、なんとかならないもんかなぁ。

 

 

 

 

 

 

寺坂君がキレて帰った次の日。寺坂君の問題は残っているものの、それとは別に雄二の暗殺計画を決行する日がやってきた。装備の点検もシミュレーションも昨日のうちに済ませてバッチリである。……っていうかよくよく考えるとこれで殺せんせーを殺せたら寺坂君の問題も解決するんじゃない?

その寺坂君はと言えば、今日は学校にすら来ていなかった。もう既に午前中の授業は終わっており、今は昨日のいざこざから丸一日経って再び昼休みの時間である。ちなみに今日のお弁当は原点に立ち返って濾過した水道水(ボトルドウォーター)だ。ただそれだけだと味気ないので塩と砂糖も食べるために単品で持ってきている。

いつもと変わらない昼休みの光景……というわけではなく、何故か殺せんせーが教卓で一人涙を流していた。はて?昨日と違って今日は泣くような出来事もなかったと思うけど……

 

「何よ、さっきから意味もなく涙流して」

 

いい加減に無視できなくなったのか、イリーナ先生が殺せんせーに泣いている理由を問い掛けていた。

さて、殺せんせーが泣いている理由とはいったいどのようなものなのか……

 

「いえ、鼻なので涙じゃなくて鼻水です。目はこっち」

 

そう言って先生は目だと思っていた鼻の横にある鼻だと思っていた目を指差し……あれ、あっちが目でそっちが鼻?いや確か前に教えてもらった時はそこって耳だったような……あぁもう紛らわしいっ‼︎

もう目でも鼻でも耳でも何処でもいいけど、取り敢えず穴から粘液を垂れ流している殺せんせーは確かに調子が悪そうだ。

 

「どうも昨日から身体の調子が少し変です。夏風邪ですかねぇ……」

 

「え、先生って風邪引くんですか?」

 

殺せんせーが口にした新たな情報に僕はつい言葉を挟んでしまっていた。しかし先生も風邪を引くんだったら毒殺できるチャンスがあるかもしれない。前に奥田さんの毒殺は失敗してたけど、毒物を変えればもしかしたら行けるんじゃないか?

そう思って殺せんせーに質問したのだが、先生は僕の質問を聞いて少し考える素振りを見せると、

 

「……さぁ?そういえば先生、風邪を引いたことがないのでよく分かりませんでした」

 

「えぇ……」

 

なんじゃそりゃ……じゃあ本格的になんで粘液垂れ流してんの?いや、先生も分からないってことは逆に初めて風邪を引いたのかもしれない。どっちにしろ体調を崩してる今は暗殺のチャンスってことか?

と、そこに教室のドアを開けて来ていなかった寺坂君が入ってきた。てっきり今日はサボって来ないものだと思ってたのに来たんだ。殺せんせーも寺坂君が登校してきたことに喜びながら寺坂君の元へ駆け寄っていく。

 

「おぉ、寺坂君‼︎ 今日は登校しないのかと心配でした‼︎ 昨日君がキレたことならご心配なく‼︎ もう皆気にしてませんよ‼︎ ね?ね?」

 

「う、うん……汁まみれになってく寺坂の顔の方が気になる」

 

しかし殺せんせーが駆け寄ると身長差もあって垂れ流される粘液が全て寺坂君の顔面に降り掛かっていた。もうわざとじゃないかと思うくらい粘液まみれである。

でも寺坂君はそのことに文句一つ言わず粘液を拭き取ると、強気な笑みを浮かべて目の前に立つ殺せんせーへと人差し指を向けた。

 

「おいタコ、そろそろ本気でブッ殺してやンよ。放課後にプールへ来い。わざわざ弱点の水を用意したこと、後悔させてやるぜ。てめぇらも全員手伝え‼︎ 俺がコイツを水ン中に叩き落としてやッからよ‼︎」

 

昨日の不機嫌……というか不安定な様子とは打って変わって自信満々な様子である。カルマ君に言われて殺る気を出したのかな?もしくは何か良い暗殺計画を思いついたとか?

とはいえ皆の反応は寺坂君の呼び掛けに対してあまり芳しくない。まぁそれはそうだよね。その思いを代表するように前原君が立ち上がる。

 

「……寺坂、お前ずっと皆の暗殺には協力して来なかったよな。それをいきなりお前の都合で命令されて、皆がハイやりますって言うと思うか?」

 

そう、これまで寺坂君の態度は一貫して皆の暗殺に非協力的だった。それなのに何の説明もなく協力しろとだけ言われても誰だって協力的にはならないだろう。

雄二が協力を仰いだ最初の暗殺も似たような状況だったけど、雄二は皆の暗殺にも協力してたし命令じゃなくてお願いする形で必要最低限の説明もしていた。皆の対応が違うのも当たり前である。

 

「ケッ、別にいいぜ来なくても。そん時ゃ俺が賞金百億を独り占めだ」

 

だけど前原君の言い分を聞いても寺坂君は強気な態度を崩さず、命令口調のまま何も説明することなく教室から出ていってしまった。

その横柄な態度に今まで(つる)んでいた吉田君と村松君も呆れた様子である。当然のように皆からも否定的な声が上がっており、誰も寺坂君の暗殺に協力する気はなさそうだ。

そんな様子を見ていた殺せんせーが相変わらず粘液を垂れ流したまま皆の説得に入る。

 

「皆、行きましょうよぉ。せっかく寺坂君が私を殺る気になったんです。皆で一緒に暗殺して気持ち良く仲直りしましょう」

 

「まずあんたが気持ち悪いわ‼︎」

 

とうとう垂れ流される粘液は穴だけでなく身体全体から溢れ出し、教室の床が見えなくなるまで覆い尽くすしていった。そうして溢れ出た粘液は蝋みたいに固まって僕らの動きも固めてしまう。

寺坂君と違ってお願いする形を取ってはいるけど、殺せんせーのお願いは明らかにお願いじゃなくて強制だと思うんだよね。だって協力しなきゃ粘液の拘束が外れそうにないんだもん。

殺せんせーのお願いという名の命令に根負けした皆は、仕方なくといった感じで寺坂君の暗殺に協力することとなった。皆の了承を得て先生も嬉しそうにしている。

 

「……さて。話の流れで寺坂君の暗殺を受け入れてしまいましたが、坂本君達の暗殺はその後でも大丈夫ですか?」

 

「ん?あぁ、別にいいぞ。早いに越したことはないが順番に拘る理由もないしな」

 

あ、雄二の暗殺を忘れてたわけじゃないんだ。そういえば僕らの暗殺も今日の放課後にする予定だったっけ。すっかり忘れてたよ。

先生の言葉を聞いて皆の視線が僕らへ向けられる。

 

「なに坂本達、また暗殺企んでたの?」

 

「そうみたい。数日前から準備してたよ」

 

僕らへ問われたカルマ君の疑問には茅野さんが答えていた。茅野さんが答えたことにもカルマ君は疑問の声を上げる。

 

「あれ、茅野ちゃんは知ってたんだ?」

 

「私も知ってたわよ。ちょうど暗殺の仕込みに来たところで会ったの」

 

茅野さんに続いて片岡さんもカルマ君の疑問に返していた。あとは渚君も知ってるけど……あれ?見当たらない……何処へ行ったんだろ?

まぁ何はともあれ、まずは寺坂君の暗殺だ。僕らの暗殺はその後だから、少しでも殺せんせーを追い詰めてくれることを祈っておこう。せっかくの仕込みや準備が無駄になるのは嫌だから、寺坂君の暗殺で先生が殺されるかもしれないというのは考えない方向で。




次話
〜実行の時間〜
https://novel.syosetu.org/112657/28.html



明久「これで“寺坂の時間”は終わり‼︎ 皆、楽しんでくれたかな?」

吉田「今回は反発をやめたってことで俺と村松が後書きに呼ばれたぜ」

村松「っつーことは次の後書きでは寺坂の奴が呼ばれんのか?」

吉田「多分そうなんじゃねぇの?」

明久「コラそこ二人‼︎ 憶測でお茶の間の皆様にネタバレをするんじゃない‼︎」

村松「“ネタバレ”ってことは事実なのか」

吉田「最後は自分で言っちまう辺り、やっぱ吉井は馬鹿だな」

明久「黙らっしゃい‼︎ さっさと後書きに入っていくよ‼︎」

吉田「そーいやよ、前回あんな終わり方しといてお前らの暗殺は今回やんねぇのかって思ったわ」

村松「それな。ここで寺坂の話を挟んじまったら次もお前らの暗殺できねぇじゃん」

明久「し、仕方ないじゃないか。原作では片岡さんの話の後すぐだし、暗殺の仕込みでその短い間隔も使っちゃったんだから」

村松「あとな、お前もっとマシな昼飯用意できねぇの?今までに持ってきたお前の昼飯、塩水と砂糖水と水しかねぇぞ」

明久「あぁ、それなら心配ないよ。月初めは仕送りで買い溜めしてるし、月半ばからは採ってきた山の幸で凌げてるから」

吉田「安心できる要素が全くねぇよ……よく生きてられんな」

村松「偶にはうちのラーメン屋に来い。サイドメニューの試作品くらい味見させてやるから」

明久「ホントに⁉︎ じゃあ毎日行くよ‼︎」

村松「偶にっつってんだろ‼︎ 毎日サイドメニュー試作してたら金欠で店潰れるわ‼︎」

吉田「清々しく感じるほど厚かましいな……」

明久「それじゃあ今回の後書きはここまで‼︎ 次の話も楽しみにしててね‼︎ ……確か村松君の家のラーメン屋って“松来軒”って名前だったよね?」

松村「今から来る気か⁉︎ 金無いんだったら食わさねぇぞ‼︎」





寺坂「あいつら、俺の回なのに一つも俺の行動に触れてねぇ……」

狭間「仕方ないわよ、寺坂なんだから」

寺坂「仕方なくねぇよ‼︎」

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