湿気の時間
六月に入った梅雨の時期。雨が降ってばかりで湿気が多く、古いE組校舎では雨漏りもあって何かと大変な時期である。僕は水道を止められた時のためにたくさんの雨水を溜められるから嫌いじゃないけどね。
そんな環境でも当然ながら授業は変わらずに行われている。所々にバケツやタライが置かれた授業風景の中、他にも普段とは違う部分があったりした。
「ーーーこの化学物質を加熱することで……」
教壇に立つ殺せんせーがいつも通りに授業を進めているものの、明らかに皆の集中力が下がっている。雨漏りがピチャンピチャン煩いから?それも普段だったらあり得ると思うけど、そんな単純な理由じゃないことは確かだ。
じゃあ何が皆の集中力を削いでいるのかというと、
『殺せんせー、33%ほど巨大化した頭部についてご説明を』
律が指摘したように、殺せんせーの頭がいつもより大きくなっていた。本当になんの説明もなく授業を始めたもんだから誰もツッコミを入れられなかったのだ。
授業の切れ目を狙って質問した律の疑問に、殺せんせーはまるで気にしていなかった様子で答えてくれる。
「あぁ、高い湿度で水分を吸ってふやけました。雨粒は全部避けられるのですが、湿気ばかりはどうにもなりません」
どんだけ吸水性があるんだ。水が弱点なのは知ってるけど、湿気だけでもふやけちゃうのか。手足となる触手が大きくなっていないところを見るに、頭は取り分けて吸水性が高いのだろう。
「……律、殺せんせーを撃って回避行動を分析してみてくれ」
“水を吸ってふやけた”という情報を聞いた雄二がすかさず律に射撃命令を出していた。殺せんせーが弱点である水を吸っている状態で、最も射撃能力が高い律に攻撃させるのは有効かもしれない。修学旅行以降、水をぶっ掛けての弱体化は難しいとぼやいていた雄二にとっては絶好の機会である。
『ですが坂本さん、授業中の発砲は禁止されていますよ?』
「構わん。罰は明久が代わりに受けてやる。だから気にせずぶっ放せ」
『了解しました‼︎』
なんかサラッと僕が生け贄に差し出された。律も笑顔の敬礼で返すと言われた通り気にせず武装を展開し始めたし……そんな奴に協調する必要なんてないと声を大にして言いたい。
「そこは構いなさい坂本君‼︎ 律さんも了解してはいけませんよ‼︎」
律の弾幕が展開される前に殺せんせーが止めに入った。そりゃそうだよね、律も言ってたけど授業中だもん。
先生は近くのバケツを引き寄せると、顔を絞って吸っていた顔の水分を絞り出していた。まるで雑巾だな。
「まったく……殺る気なのは結構ですが、ルールを守って暗殺しないと駄目ですよ。罰を受ける吉井君の身にもなりなさい」
「あれ、罰を受けるのは僕に決定なの?」
とばっちりにもほどがある。僕さっきまで一言も喋ってなかったのに……っていうか言い出しっぺの雄二が罰を受けろ。
殺せんせーは“ヌルフフフフ”と笑うと、いつもの大きさに戻った頭で皆に視線を向ける。
「まぁそれは冗談ですが、皆さんも少しは気が紛れましたか?それではじめじめした湿気にも負けず授業を再開しますよ」
どうやらさっきの発言は軽い息抜きだったらしく、殺せんせーは再び教科書を開くと化学式の話に戻っていった。
しかし授業もそうだけど、外が雨では身体を動かすことができない。それもこれも体育館がないことが原因である。体育の時間も基礎トレの身体作りが中心になっちゃうし、放課後は訓練も遊びも限られてきてしまう。となると今日の放課後は何をして過ごそうかなぁ。
★
「……あれ?雄二、もう帰るの?」
「おう、ちょっとした用事があってな」
今日の授業も終わり、さて放課後をどう過ごそうかと考えていたところで雄二が鞄を持って席から立ち上がった。
雄二が放課後に用事なんて珍しいな。E組になってからの放課後は訓練とか遊びとかが半々くらいだったのに……何か急ぎの用事でも入ったのだろうか?
「なんじゃ、ムッツリーニもか?」
「…………(コクリ)」
教室を出ていった雄二に続いてムッツリーニも立ち上がり、二人して早々と帰っていってしまった。雨の日でやれることは少ないっていうのに、更に人数まで減ってしまうとは思わなかった。
「二人してなんの用事じゃろうな?」
「さぁ?特に何かあるとも言ってなかったし……僕らも今日は帰る?」
屋内で二人で出来ることとなるとかなり限られてくる。まぁ教室にいる誰かを誘うって手もあるけど、そもそも半分以上の人は雨だから訓練も遊びも出来ずに帰ってしまっていた。残ってるのは用事とか勉強とかがある人だと思うとちょっと誘いにくい。
「そうじゃのう……“キャッチナイフ”の相手をしてくれんか?ワシはまだ明久ほどナイフを上手く扱えんのでな」
「うん、いいよ。じゃあ……後ろの方でやろっか。教室だし軽くでいいよね」
教室内を見回して人の少ない広い場所を選ぶ。“キャッチナイフ”だったら屋内でも二人でも出来るし、周りに迷惑を掛けることもまぁ多分ないだろう。
対先生ナイフを取り出して席を立つと、まだ帰っていなかった神崎さんが近づいてきた。
「明久君、少し話が聞こえてきたけど“キャッチナイフ”って何をするの?」
どうやら僕らの訓練が気になるようで、神崎さんだけでなく他にも何人かの視線を感じる。そんなに特殊なことはしないんだけどなぁ。
「うーん、まぁナイフ捌きと動体視力の訓練ってところかな」
説明しながら秀吉へ向けて対先生ナイフを軽く投擲すると、それを秀吉は刃の部分を避けて柄だけを掴み取った。これは真正面から飛んでくるナイフを見極めて掴み取る練習だ。
その掴み取ったナイフを秀吉は流れるように投げ返してくる。余分な力を入れずにナイフを掴み取らないと投げるまでの繋ぎがぎこちなくなるから、投擲技術も含めて慣れてないと案外難しいんだよね。
「……この練習、自分達で考えたの?投擲で殺せんせーに当てるのは銃以上に難しいと思うけど」
「あー、投擲はついでだよ。当てられなくても牽制には役立つし、本当の目的は別にあるんだ。そっちはまだ練習中だけどね」
「明久よ、レベルを上げるぞ」
「ん、OK」
そう言うと秀吉は直線的に投擲していたナイフに縦回転を加えてきた。これで迫り来るナイフの軌道と速度だけじゃなく、回転まで見極めて掴み取らなければならないので難易度は格段に上がる。まぁ教室で安全に出来る範囲だから速度も回転も極端に速くはないけどね。
「ほいっと」
それを僕はさっきまでと同じ要領で掴み取り、こっちは縦回転ではなく横回転を加えて秀吉に投げ返した。こうやって変わらず投げ返せるようになるには苦労したもんだよ。
「っと」
秀吉はナイフを掴み取ることは出来たものの、投げ返すまでに少し時間が掛かっていた。見極めて掴み取ることに力を注いでるから繋ぎがぎこちなくなっているのだ。回転方向に合わせてナイフの掴み方も変えないとスムーズには投げ返せないから、こればっかりは練習するしかない。
「どうする?神崎さんもやってみーーーあたっ⁉︎」
見てるだけだった神崎さんにも勧めようとしたところ、いきなり横から何かが飛んできて頭にぶつかった。実際にはそこまで痛くなかったけど、咄嗟のことだとつい口から出ちゃうよね。
いったい何だ……と思って床に落下したものを見ると、そこには対先生ナイフが落ちていた。はて、どうして対先生ナイフが僕に飛んできたんだ?
「あ、ごめん吉井君‼︎ 取り損ねちゃった‼︎」
「これ、二人がやってる見た目以上に難しいわね」
謝罪の声が聞こえてきたのでそちらの方を向くと、そこには矢田さんと片岡さんが距離を取って並んでいた。
いったい何をしていたのか……というのは訊くまでもないことで、二人とも僕らの様子を見て“キャッチナイフ”を試していたのだろう。というか知らないうちに教室に残っていた全員が“キャッチナイフ”をやっていた。もしかして皆も暇だったの?
「投げるだけならなんとかなるが……」
「直線ならともかく回転が加わると掴み取るのが難しすぎるな」
「なんかコツとかないのか?」
磯貝君と三村君、それに小柄ながら俊足の持ち主である木村正義君も意外と本格的にやっていた。でもいきなり回転を加えるのは幾らなんでも難しいと思うんだよね。そうやって気付けば僕と秀吉でレクチャーをしながらの“キャッチナイフ”が教室全体を使って行われていた。
しかしこれだけスペースに余裕があるんだったら他の訓練も問題なく出来るかもしれない。そう思って口を開こうとしたところで、僕と矢田さんと磯貝君の携帯が同時にメールの着信を告げる。
「誰からだろう……殺せんせーから?」
「え?吉井君も?」
「俺もだ。ということは一斉送信か」
僕の呟きを聞いた二人からも声が上がった。僕らに共通する点はあんまりない気がするけど……取り敢えずメールの内容を見てみよう。
タイトルには“極秘任務‼︎”と書かれており、本文には今日の帰り道にあったらしい前原君と本校舎の生徒達との出来事が簡単に記されていた。僕はその内容を次々と読み進めていく。
ほうほう、ふむふむ……へぇ。要するに前原君がカップル達から受けた屈辱に対する仕返しね。いいだろう、僕も参加することにしよう。そうと決まれば早速準備をしなくては……ということで教室で開催されていた“キャッチナイフ”はお開きになったのだった。
★
メールにて召集を受けた翌日の放課後。今日の授業を終えて殺せんせーから指示を受けた僕らは、各グループに分かれて時間差で山道を降りていた。バラけたのは烏間先生に暗殺技術の私的利用を気付かれないようにするためだ。
因みに僕は同じく召集されていたムッツリーニと、召集されてないけど何故か自主的に着いてきた秀吉の三人で下校している。雄二は今日も用事があるとかで一人さっさと帰ったからちょうどよかったのかもしれない。
後発組の僕らが聞かされていた民家の呼び鈴を鳴らすと、中から家主……ではなく倉橋さんが目を丸くしながらも秀吉を見て僕らを招き入れてくれた。彼女と矢田さんが家主に接待してこの家を提供してもらったのだ。
倉橋さんに言われて二階へ上がると、先発組の皆が既に準備を終えてスタンバっていた。
「皆、お待たせ」
「おう。来たか吉井、に土屋…………でいいんだよな?木下」
「うむ、合っとるぞ」
「杉野君、どうして秀吉に訊くのさ?」
さっき招き入れてくれた倉橋さんも秀吉を見るまで呆然としてたし、よく見れば杉野君だけじゃなくて全員が僕らを訝しげに見てきている。いったい何が皆の疑問を刺激しているのか。
「そりゃあ覆面とマントを着て鉄バット持ってたら誰だって分かんねぇわ。何処の武装派宗教団体だ」
「よく通報されなかったな……」
あぁ、そっちね。鎌じゃなくて鉄バットだから大丈夫だよ。っていうか暗殺訓練を積んだ今、街中の警察くらいだったら撒ける自信がある。
「あんたら、今から何するか分かってるの?」
そんな僕らのやり取りを聞いていた岡野さんが呆れたように問い掛けてきた。流石に目的を忘れてたら召集には応じてないって。
「もちろんだよ。リア充を抹殺するんでしょ?」
「…………ついでにモテ男も抹殺しておく」
「おい、俺もお前らの
ハハハ、やだなぁ
「安心せい、
あ、秀吉ってそんな理由で着いてきてたんだ。暴走なんてするわけないのに信用ないなぁ……その証拠に目撃者を想定して身元がバレるのを防ぐための覆面とマントを着る冷静さを保ってるじゃないか。
「
窓から向かいの喫茶店を覗いていた三白眼で銀髪の菅谷創介君が、標的である本校舎の生徒二人と接触するために渚君と茅野さんを呼び出した。彼は手先が器用な芸術肌でもあり、二人は改造した変装マスクで老夫婦へと変貌を遂げている。
「凄いね……傍目からじゃ絶対に渚君や茅野さんだって分からないよ」
「うん、そっちも傍目からは誰か全然分からないからね?」
「っていうか完全に不審者……」
その下りのやり取りはもう終わったからいいの。時間も限られてるんだからさっさと行ってきなさい。
そうして渚君達が上手くオープンカフェに座る
「ヌルフフフフ、首尾は上々のようですねぇ。では作戦を開始しましょう」
殺せんせーの言葉で、それぞれ与えられた役割を全うするために行動を起こしていく。僕とムッツリーニも殺るために突撃しようと思ったけど、秀吉に止められて先生に覆面とマントと鉄バットをマッハで奪われてしまった。仕方ないから所定の位置に着くとしよう。
とは言っても僕の役割は無いに等しいんだけどね。オープンカフェでコーヒーを飲んでる二人の気を老夫婦に扮した渚君と茅野さんが引きつけ、その隙に奥田さんの作ったBB弾型の下剤を射撃能力の高い前髪で目元が隠れた寡黙な仕事人である千葉龍之介君と速水さんがコーヒーに撃ち込む。その間に茅野さんが店のトイレを抑え、下剤入りコーヒーを飲んだ二人がトイレを求めて飛び出してきたところで杉野君から連絡を受けた磯貝君、前原君、岡野さんが妨害して全身をボロボロに汚す。汚れた姿で大慌てでトイレに駆け込むということはプライドの高い彼らにとってかなり屈辱的なことだろう。そして最後の僕に与えられた仕事なんだけど、
「すいません、入ってまーす」
「とっとと出てきやがれ‼︎ こっちはもう限界なんだよ‼︎」
「僕もお腹の調子が悪いのでちょっと……そんなに我慢できないなら適当な民家のトイレを借りればいいんじゃないですか?」
「そんなみっともない真似ーーーッ⁉︎」
トイレを求めて近場のコンビニへとやってきた彼らに対し、茅野さんと同じくトイレを抑えておくというものであった。当然ながらこの二人がこのコンビニへと駆け込んできたのは偶然ではなく誘導された結果である。
早く入り過ぎて籠ってたらコンビニにも迷惑となるので、トイレに入るタイミングはムッツリーニに教えてもらった。ついでに言えば彼らが今日あのカフェに行くという情報を掴んできたのもムッツリーニである。昨日の今日でそんな情報を仕入れてこれる辺り、この男の調査方法が気になるところだ。
そして限界を迎えている彼らにはもう漏らすか民家のトイレを借りるしか選択肢がない。黙って借りられるカフェやコンビニとは違い、民家のトイレを借りるためには家主の許可を取る必要がある。必然的に漏れそうなことを自己申告しなければならず、屈辱的でありながらこれ以上に恥ずかしいこともないだろう。
完璧なまでに復讐を成功させた僕らは、今回の作戦に参加していた全員で再度集合していた。そこで前原君が嬉しそうに、若干引いている様子で感謝の言葉を述べてくる。
「えーと、なんつーか……ありがとな。ここまで話を大きくしてくれて」
「どうですか、前原君?まだ自分が弱い者を平気で虐める人間だと思いますか?」
……ん?前原君が弱い者虐めをする?いったいなんの話だろう?今回の復讐は前原君をこっ酷く振った二股女と嘲笑った奴らに仕返しをするって話だったけど……その時に何かあったのかな?E組だからって理不尽な理由で振られたとか。
殺せんせーの問い掛けを受けた前原君は、少し考え込むと首を横に振ってその問い掛けを否定する。
「……いや、今の皆を見てたらそんなこと出来ないや。一見するとお前らも強そうに見えないけどさ、皆どこかに頼れる武器を隠し持ってるんだもんよ」
「そういうことです。それを
「……うん。俺もそう思うよ、殺せんせー」
晴れやかな表情でそう言う前原君を見て、今回の復讐もただの仕返しじゃなくて殺せんせーの手入れの一環だったんだと思った。この先生は無駄に力をひけらかして悦に浸るようなことを教える先生じゃないし、敢えてこんな大人数を召集したのも弱者の立場にいる
殺せんせーらしいというかなんというか、いつも通りに生徒に必要なことを教えて一件落着ーーー
「あ、やばっ‼︎ 俺これから他校の女子と飯食いに行かねーと……じゃあ皆、ありがとな。また明日‼︎」
爽やかに別れを告げる前原君を前に、僕らは何も言えず呆然とすることしか出来なかった。
「……これは殺っちゃってもいいよね?」
「…………この世の全てのモテ男に鉄槌を」
「気持ちは分かるが抑えるんじゃ」
いやいや、寧ろ抑える理由が思い当たらないよ。あんな女誑しがいるから世の中にはモテない男が量産されてるんだ。っていうか前原君も普通に二股してるよね?今回の騒動も結局のところ因果応報なんじゃ……
なんか無性に遣る瀬無い気持ちになりながら、作戦を終えた僕らも解散することとなった。
そして翌日の朝、暗殺技術の私的利用が烏間先生にバレたことでお説教を食らったのは言うまでもないことだった。
次話
〜転校生の時間・二時間目〜
https://novel.syosetu.org/112657/19.html
明久「これで“湿気の時間”は終わり‼︎ 皆、楽しんでくれたかな?それじゃあ次の話も楽しみに待っててね‼︎」
土屋「…………それではモテ男の抹殺に繰り出すとしよう」
前原「ちょっと待て、二人とも落ち着け。まずは後書きを終えてから冷静に話し合いをしよう。な?」
明久「うーん、まぁそこまで言うならいいよ。早いか遅いかの違いでしかないしね」
土屋「…………遺言くらいは聞いてやる」
前原「(やべぇ、後書き中になんとかしねぇと)そ、そういえばお前らってあんな訓練を他にもやってんだよな?」
明久「そうだよ。烏間先生から技術は教えてもらってるけど、他にも必要なことは色々あるからね」
土屋「…………明久と雄二は殺せんせーだけでなく烏間先生を倒すことも目標にしている」
前原「一人でも一撃入れられるようにか?初めに烏間先生と戦った時から目標にしてるっぽかったもんな」
明久「うん、絶対に一撃入れてやるんだから」
前原「ハハハ、難しいだろうけど応援してるよ」
土屋「…………そろそろ終わったか?(スチャ)」
前原「待て、まだ後半の話が残ってる。だからその鎌を仕舞え」
明久「でも後半なんて原作とほとんど同じだよ?更に追加で追い討ちを掛けたくらいでさ」
前原「うぐっ、確かにそうだけどよ……だ、だったら吉井はどうなんだ⁉︎」
明久「へ?僕がどうかした?」
前原「最近はよく神崎とかと話してるじゃねぇか。クラスのマドンナ、神崎と仲良くなってるんだろ?俺の目は誤魔化せねぇぞ」
土屋「…………なるほど、此処にも裏切り者がいたか(スチャ)」
明久「待つんだムッツリーニ‼︎ これは前原君の陰謀だよ‼︎ 僕らから逃げるために罪を擦りつけているんだ‼︎」
前原「いいや、俺と吉井だったら土屋は吉井を殺るはずだ。何故ならーーー」
土屋「…………そう。何故なら俺は、単純に明久の幸せがムカつくからだ」
明久「クソッ‼︎ 前原君、覚えてろよッ‼︎」
土屋「…………明久、今日こそ仕留めてやる」
前原「ふぅ、なんとか助かったぜ。吉井だったら簡単には殺られないだろうからな。それじゃあ皆、次の話も楽しみにして待ってろよな‼︎」
殺せんせー「ヌルフフフフ。実は今回の話で漸くE組全員の名前が出てきたんですよ。これでやっと暗殺教室の仲間が揃ったって感じがしますねぇ」
秀吉「殺せんせーよ、その仲間が一人欠けようとしているがそれは良いのか?」