ひだまりスケッチ&無敵鋼人ダイターン3withクレヨンしんちゃん(凍結) 作:越後屋大輔
万丈達と一旦別れて野原家へ戻ってきた沙英、幸太、しんのすけ。みさえに先程の事を伝えて出掛ける仕度をする、ひろしはみさえから連絡を受けて直接破嵐邸に向かう。
「あれ、しんのすけは?」
「智花もいないわ」
「宮ちゃんも!」
「俺、呼んできます!」家を飛び出す幸太をヒロが呼び止める。
「呼ぶって、どこにいるか分かるの?」
「声が聞こえますから。そんなに遠くにはいないっすよ」
「声なんてきこえないわよ」
「幸太、凄く耳がいいのよ。30キロ先で落ちた1円玉の音も聞き分けるくらい」
「「「嘘っ?」」」
「悪口とか言ったらすぐバレますね」
幸太がしんのすけ達を近所の公園で見つけるとあのトリオと一緒だった。
「ふかづめ竜子!」
「魚の目お銀!」
「吹き出物マリー!」
「野生児宮子!」
「桃尻しんのすけ!」
「かぶき者智花!」
「「「我ら埼玉紅さそり隊!」」」
「またお前ぇらか!後こいつは誰だ?!」
「新メンバーの智花ちゃん」
「勝手に入れんな!」
「智花ちゃん、初めてにしては馴染んでるねぇ」
「私、お笑いの才能あるかな?」
「だからお笑いじゃねぇつーの!」
「何やってんだか。大体『かぶき者』はアウトロー、変人を意味するけど?」ただ一人傍観している幸太、ふと真剣な表情になるとナゼかわざとらしく大声で自己紹介をする。
「俺、神幸太!親父は軍開発局マリネラ支部に勤務する神隼人!」
「チッ」幸太にだけ誰かが舌打ちする音が聞こえた。
「どったの?幸ちゃん」
「何でもない、それより少し早いけど万丈さんトコ行くか。あ、貴女達も一緒に」
「は?なんでアタイらが?」
ゆの達より一足早く破嵐邸についた一行。幸太は万丈に話があるので人払いを頼む、万丈の私室には彼らとギャリソンだけがいる。
「防衛庁の人間が宮子君達を騙して誘拐しようとしていた?」
「ええ、数キロ先で会話が聞こえたので間違いないっす。多分例の『PS』に関係していると思います」
「恐らく無理やりあの学園にスパイとして潜入させてあわよくば利権を奪う魂胆だったのでしょう、政治家が人拐いとは世も末ですな」
「君が一緒にいたから誘拐するのを諦めたのか、開発スタッフの息子じゃ騙しようがないし武力でも敵わないからね。しかし相変わらず地獄耳だな」
「尤も宮子様にバレても結果は同じだったでしょうな」
「彼女はメガノイドのソルジャーを6人程あの世行きにしているからね」
「マジっすか?!」
「何はともあれ防衛庁長官に話を聞く必要があるな、総理とマリネラのパタリロ殿下にも連絡しておこう」
「殿下?陛下じゃないんすか?」
「あそこの国王陛下は病床にある、それに『PS』の発明したのは殿下ご自身だからね。後は僕に任せてくれ、君はパーティーを楽しむといい」
「ありがとうございます、では失礼します」
その後、万丈の調査で犯人は防衛庁長官の部下達である事が判明した、動機はギャリソンの推察通り誘拐した若者を学園に潜入させて『PS』の秘密を探りその利権を奪い私腹を肥やす目的だったらしい、彼らは全員逮捕されて政治の世界はおろか社会的にも生きるのに厳しい状況まで堕ちた。長官は責任をとって辞任してPS学園は向こう2年、日本からの入学希望者を拒否すると発表した。
「アタイら、あいつのおかげで助かったんすね」
「怖えー話だな」ニュースで真実を知った紅さそり隊は震えていた。
「そんな奴ら私がぶっ飛ばしたのに」
「ねぇねぇ幸ちゃんと宮ちゃんが闘ったらどっちが強い?」
「煽るなっ、家が壊れる!」
「そういえば智花ちゃんと幸太君、またいなくなったけど」
「は~な~せ~!」
「キャハハ、照れちゃってカワイイ❤」智花にはしゃぎながら背中から抱きつかれて顔を真っ赤にしている幸太がいた。
「智花ちゃんってロリコン?」
「しんのすけ殿、あれはショタコンというのだよ」
「どっちにしろ開放してあげなさい!」
そして智花が茨城に帰る日、
「じゃ~ねぇ。幸太君、また来るよ」
「2度と来るな!」
「同感」沙英が深く頷く。
「ホォホォ、2人とも豚汁ですなぁ」
「だからツンデレでしょ?」
「だ・れ・が・豚汁ですってぇ?」今回はヒロにグリグリ攻撃されるしんのすけ、その叫びは発車のアナウンスにかき消された。
中途半端感はありますが幸太編はこれで一旦終了します