ひだまりスケッチ&無敵鋼人ダイターン3withクレヨンしんちゃん(凍結) 作:越後屋大輔
影山明先生へ。『ひだしん1』の文面一部使わせて頂きました、ご了承を。
さて、ゆのと万丈が束の間の恋人を演じていた頃、野原家では…
「え?でも私、その手のモノは書いた事ないし。はあ、分かりました。善処します」担当編集からの電話を終えた沙英は頭をかきながら居間に戻ってきた。
「沙英ちゃん、編集さんは何のご用だったの?」みさえに問われる。
「ええ、今度『月間きらら』の姉妹誌でグルメ小説を特集するから私にも短編を書いてほしいそうなんです」
「そういや最近流行ってるらしいな」ひろしが1つの記事が見えるように新聞をたたんで沙英に渡す。そこには
『今、グルメ小説が熱い!』大きい見出しとともに売れ筋ランキングやそれらの解説が載っていた。解説文によると一口にグルメ小説といっても異世界物から時代劇や日常系、恋愛物やサスペンスまで様々なタイプがあるらしい。
「う~ん、却って何書いたらいいか分からなくなってきた」
「沙英、考えるのは後にしない?そろそろ夕食の時間よ」エプロン姿のヒロが沙英を落ち着かせようと側による。
「おかえり~」しんのすけが宮子と一緒に帰ってきた、今日は休日だったので2人でめいっぱい遊んだのだ。
「ただいまでしょ」いつも通りみさえが突っ込む。
「ヒロさ~ん、今日のご飯は~?」宮子が当たり前のように尋ねる、これもいつもと同じやりとりだ。
「そうだ!」いきなり沙英が立ち上がり大声を出す、そして一心不乱にテーブルに並べられた料理の写真を撮りだした。
「これよ、この料理を題材に小説を書けばいいじゃない!」
「沙英さん怖い」しんのすけはドン引きしていた。
夕食後、沙英は写真を見ながら1人小説の構想を練っていた、テーマを恋愛物に絞って書き始める。
「美加は健一の為に手料理を振る舞う事にした、スーパーで買い物を済ませた美加は不良達に絡まれる、『キャー助けて!』とここで現れたのが…」
「ぶりぶりざえもん!」しんのすけが囁く。
「ぶりぶりざえもんっと」
「でも弱かった」
「弱かったっと」
「アクションレンジャーとカンタムロボが現れてアクションナインキャノンとカンタムパンチでやっつけて」
「やっつけてっと、最後はみんなで食卓を囲んで…って違ぁーう!しんちゃん、居間に戻りなさい!」
「ホッホーイ」ニヤケながら姿を消すしんのすけ。
「ああもう、書き直しじゃないの!」イラつく沙英だったが何とか〆切前に書き上げて編集部へファックスする。
~翌日~
「沙英ちゃん、昨日送ってくれた小説だけど編集部内でスッゴく評判いいわよ」担当編集さんから褒められて思わず顔が緩む沙英。
「ありがとうございます、今回はちょっと自信作でして」
「ウン、特にアクションレンジャーやカンタムロボが登場するシーンはよく書けてるわ。原作者への許可申請は任せといて」
「えっ?」
「橘文の新境地開拓よ、次回もこの調子でヨロシクね」ガチャ、電話が切られる。
「直居さん?もしもし?もしもし?」なんとしんのすけのせいで書き損じた原稿も混ぜて送ってしまったようだ。茫然とする沙英だったが、
「しーんちゃん、あーそーぼっ」チェブラーシカの声で我に返ると
「コラーッ!ジャガイモ小僧‼今日という今日は許さーん!」しんのすけは沙英から渾身のグリグリ攻撃を食らい意気消沈してチェブラーシカにイー子イー子される、尚アクションレンジャーの原作者三手八郎とカンタムロボの原作者喜野富幸は今回の件について編集部に快諾の返事をしたそうだ。
三手八郎と喜野富幸はそれぞれ元ネタ原作者をモジってます、ってわかりますよね。
(トンだ手抜き)