ひだまりスケッチ&無敵鋼人ダイターン3withクレヨンしんちゃん(凍結) 作:越後屋大輔
「万丈様、そろそろお支度なさいませんと、ってどちらにお出でになりました?万丈様ぁ~!」ギャリソンが珍しく取り乱す、学校が土曜日で休みであるこの日、万丈はあるパーティーに呼ばれたのだが当の万丈本人が行方を眩ましてしまったのだ。
「全く、何で僕が見合いなんてしなくちゃならないんだ?」パーティーとは名ばかりで実は万丈の婚約者を決める大規模なお見合いが計画されていた。それも殆どが万丈の財産目当ての連中が自分の娘や姪を押し付けようとしている、いくらメガノイド以外には温厚な万丈といえども金の亡者に食い物にされるのはゴメンだ。
マッハパトロールを使えばすぐバレる為タクシーを捕まえてやまぶき高校の体育館まで逃げてきた。ギャリソンとてまさか土曜日の学校にいるとは思うまい、一安心して気の抜けた万丈の足下で急に携帯が鳴る、ギョッとして思わず拾い上げたら目の前にゆのが現れた。
携帯が見つからないゆのは野原家の固定電話を借りて自分のケー番にかけてみるが一向に鳴らない。
「学校に忘れたんじゃない?」沙英にそういわれて昨日の体育で制服に着替えてから一度も手にしてないのを思い出した。
「徒歩で行ける距離だし探しにいったらどう?着いた頃を見計らってまた鳴らしてあげるから」みさえの好意に甘える事にしてやまぶき高校へ向かうゆの。
「アレ?校門が開いてる」いつもの休日にはかけられているハズの校門の鍵が開いていた。
「まさか!泥棒さん?」ビクビクしながらも校庭に入り体育館へ向かう。慎重に扉を開けたら彼女の携帯を拾い上げた万丈にでくわした。
「理事長?何してるんですか?」(○□○)こんな顔になって聞いてくるゆの、バツが悪そうに事情を話す万丈。
「で、ゆの君は何をしに、ん?これは君の携帯か」気がついた万丈は手にした携帯をゆのに返すとふと悪巧みを思い付く。
「今から僕についてきてくれ!頼みたい事がある」
「ヘッ?」
野原家の固定電話が鳴る、ゆのからだ。
「もしもし、ああゆのちゃん。携帯見つかったの?」
「はい、それで今、理事長に出くわしまして。帰るの遅くなりますのでよろしくお願いします」一方の万丈もギャリソンに連絡を入れる。
「ギャリソン?今日のパーティーだが、やはり出席するよ。ただしゆの君と2人でね、女性用のパーティードレスを1着大至急準備してくれ」
「理事長、パーティーってお見合いなんじゃ…」
「ああ。申し訳ないが君には僕のフィアンセの振りをして一緒に出てもらう」
「えーっ!そ、そんなのすぐバレますって!大体普通にお断りすればいいじゃないですかぁ」
「それが出来ないから逃げていたのさ、しかし奴さん共もこれで諦めてくれるだろう(個人的には本物のフィアンセにしたいんだが)」
そしてパーティー会場にて。万丈は美しく着飾ったゆのを参加者各位に自分のフィアンセとして紹介した、皆一様に笑顔がひきつり壮年の男性達は後にガックリと肩を落とした。お金持ちな上にイケメンで男気もある万丈であるから中には本気で惚れている女性もいて彼女達は一晩中枕を涙で濡らすハメになった。
パーティーがお開きになり万丈はゆのを野原家まで送っていく。
「破嵐万丈、今日こそ決めろ!今がチャンスだぞ‼」思いを告げようとしたその時だった、後部座席で何かがモゾモゾ動いている。ナゼかチェブラーシカがマッハパトロールに乗っていた。
「僕、今日ずっと1人だったよ。淋しいからついてきた」万丈はしくじったと額を手の平で押さえる。
「人一倍淋しがりやなチェブラーシカをほったらかしにしたのはマズかった、逃げる時連れ出しとけば今頃疲れて寝てたハズ」激しく後悔する万丈だがそれに気づいてないゆのは
「チェブちゃん、明日は日曜日だしみんなでいっぱい遊ぼっか」
「ウン!」こうして万丈の2度目の告白も未遂のまま失敗に終わった。
原作に比べて万丈のヘタレ感は否めない、
「ヤレヤレ」byしんのすけ