ひだまりスケッチ&無敵鋼人ダイターン3withクレヨンしんちゃん(凍結) 作:越後屋大輔
マッハアタッカーに乗っていた校長先生、この状況では下ろすのも無理だ。
「何をしてるんですか、校長先生」
「可愛い我が校の生徒が襲われたのです、いてもたってもいられません」
「やれやれ、仕方ありませんね」ダイファイターがその姿を徐々に飛行機から人型へと変化させていき、ダイターン3となる。
「では今回はご一緒に」
「「世のため人のため、メガノイドの野望を打ち砕くダイターン3!この日輪の輝きを恐れぬなら、かかって」」
「来い!」
「来なさい!」
「言われるまでもない!」ベレー帽に黒いコート、テンプレな画家をそのまま悪人化したような格好の因幡は絵筆やパレットに模した武器を奮う。万丈は毎度お馴染みザンバーやジャベリンを使って勝負する、しかしひだまり荘とやまぶき高校を守りながらの戦いは次第に万丈を追い詰めていく、そして遂にやまぶき高校の校庭にその巨体が沈む。
「破乱万丈、覚悟おしっ!」因幡がとどめをさそうとしたその時、急に軸足が浮かび上がって体勢が崩れる。
「うぉ━━━━━━っ!私達のひだまり荘を、やまぶき高校をよくもーっ、許さーん!」なんと宮子がメガボーグの足を持ち上げていた、ダイターンが立ち上がると因幡を校庭に沈めてしまう。
「形勢逆転だな、因幡君、いやコマンダーイナバ!」
「み、宮ちゃん…凄い力持ち」固まるヒロ
「ホントに無茶するわね」嘆息する紗英
「宮ちゃん、頑張ってぇ!そんな人やっつけて」涙を拭いて宮子にエールを送るゆの。
「友達や学校を愛する気持ち、まことに素晴らしい、あの子こそ生徒の鑑、私達の自慢の教え子です」校長先生は感激している。ギャリソンからの通信がコクピットに入ってくる。
「万丈様、今回ばかりはおいしいところを持っていかれましたな」
「メガノイドを倒せるなら別にどうってことないさ、だが宮子君といったね、最後くらいは決めさせてもらうよ」
「合点でさあ、理事長!」ナゼか万丈と校長先生は声を合わせる。
「「日輪の力を」」
「借りて」
「お借りいたしまして」
「「今!必殺の!サン・アタック!」」ダイターンの額から発射された光線でコマンダーイナバの胴体に大きな円形の風穴が空く。
「「ダイターン・クラッシュ‼」」風穴目掛けて蹴りを食らわす、コマンダーイナバの体は爆発し、雲散霧消した。
メガノイド騒動も治まり、やまぶき高校では文化祭の準備が進んでいた。
「吉野屋先生、あーたは何を考えているんですか?!あっ理事長からも一言おっしゃって下さい。まったくいい年をして!」吉野屋は派手な衣装を沢山用意していた、どうも文化祭でワンマンライヴをやるつもりだったのが校長にバレてとがめられていたらしい。
「そうですねぇ」苦笑いする万丈。
「万丈様、悪ふざけが過ぎるようでしたらスパイとしてメガノイドに送り込んではいかがですか?」ギャリソンの提案に
「それはいい、こんな人がいては連中もいい迷惑でしょうから一石二鳥ですな」校長先生がのる。
「えー嫌ですぅ」周りから爆笑の渦が発生する。
ひだまり荘に帰ってきた4人と居合わせた万丈、ゆのは死んだ因幡を偲んでいた。
「因幡さんはなんでメガノイドになったんだろう」
「不老不死という魅力に囚われたのかもしれん、人間にとって永遠の夢だからね、勿論その時点で人間ではなくなるが」万丈が1つの仮説をだす、因幡本人が死んだのでその真意は誰にも分からないが。
「私はメガノイドになんて絶対なりたくないなぁ」宮子がいう。
「ほぉ、なぜだい」
「だってメガノイドはご飯たべられないんでしょ」ズッこける万丈。
「それじゃ夕ごはんにしましょう」ヒロがゆのと宮子に声をかけるとギャリソンが万丈を迎えにきた。
「せっかくならみんな、今夜は我が家で夕食にしないか?なぁギャリソン」
「いいんですか?」紗英が思わず聞き返す。
「勿論です、今回の功労者とそのお友達ですからな」
「わーい、今夜はご馳走だぁ!」
「宮ちゃん食べすぎちゃダメだよ」ゆのが注意する、彼女は笑顔を取り戻していた。
「ヒロも気をつけないとね」紗英がヒロをからかうと
「太るぞ~」宮子が追い打ちをかける。
「宮ちゃん、待ちなさ~い!」彼女達にとってはいつも通りの鬼ごっこが始まる。万丈はその様子を笑いながらも心の中で改めて決意を固める。
「メガノイド、僕は必ずお前達を打ち倒す」太陽が沈みその日は暮れようとしていた。