この素晴らしい百合に祝福を!   作:青戸礼二

3 / 3
3話:この気高い女騎士に調教を!

 

ある日、カズマの屋敷を訪れた来客を出迎えるカズマとアクア。

 

「「……あなた、だれ?」」

 

 

貴族の女性がふたりの前に立っていた。彼女はまくし立てる。

 

「私を忘れたのか!?」

「そう言われましても……、カズマ、あなた知ってる人?」

「いや? こんな美人な貴族のご令嬢の知り合いはいないな」

「!!」

 

しばし沈黙が流れる。

 

「いま、何と言った!?」

「いや、美人な貴族のご令嬢と……」

「はうぅっ!」

「なんだ? 何がツボったんだろう、この人……」

「美人貴族令嬢を犯してみたいと……」

「そんなこと言ってねー!」

「あらっ……、もしかして、あなた、ダクネス!?」

 

 

聖騎士(クルセイダー)ダクネスは、カズマのパーティの一員だ。そして、彼女は筋金入りの変態でもある。彼女にとって、くっ殺が似合う女騎士は天職だと言えよう。

 

彼女はお見合いのため、今まで一時的にここを離れ、実家に戻っていた。お見合いの日程が決まって、また一時的にこの屋敷を訪れている。

 

なんのためにこの屋敷に来たかというと、お見合いを破談にしてもらう手伝いを、カズマたちに頼みに来た。彼女は冒険を続けたかったのだ。

 

 

この日のダクネスは、ふだんの鎧姿ではなく、貴族らしいドレスを着ていた。そのため、ふたりはひと目見て、ダクネスだと分からなかったのだ。

 

「ダクネスは黙っていれば美人なんだよなー」

「そうねー。ちゃんと着飾れば美人さんよねー」

 

他愛もない世間話をしているようで、この日のアクアは違っていた。ダクネスをジト目で見ていたのだ。

 

 

日も暮れ、ダクネスは屋敷に泊まっていくことになった。そこで彼女は寝る前に風呂に入る。脱衣所でダクネスは服を脱いでいく。そして、彼女は浴室に入り、まず身体をお湯で流して洗おうとする。

 

「ガラガラッ」

「!」

 

とつぜん、浴室に入ってきた者がいた。だれかと思えば、アクアだ。ダクネスは一瞬驚いたが、女同士なのですぐに警戒を解く。

 

「アクアか。どうしたんだ?」

「ダクネスの背中を流してあげようと思ってぇ~」

「じゃあ、お願いしようかな」

 

 

アクアはダクネスの身体を手で洗っていく。ふたりの身体はだんだん石鹸の泡にまみれていく。アクアは自分の胸にも泡を立てているのだ。そして、ダクネスの背中に胸を押しつける。

 

「アクア? そのー、当たってるんだが?」

「当ててんのよ」

 

アクアは両胸をボインボイン弾ませて、ダクネスの背中を洗う。手も下半身に伸びていく。ダクネスは心地よさを感じながらも、同時に違和感を覚えていた。

 

「アクア? なんか、その……変な感じなんだが?」

「んー? なにがぁ~?」

「女同士とはいえ、その……ちょっと大胆すぎないか?」

「ダクネスは、めぐみんとゆんゆんをもう見たよね?」

「ああ……」

 

 

ダクネスはこの屋敷に来て、めぐみんとゆんゆんに会った。そして、そのイチャイチャぶり――ゆんゆんからの一方通行だが――を目の当たりにした。最初は少し驚いたものの、可愛らしくほほえましいカップルだと感じた。

 

「私はもう見たぞ。それが何か?」

「わたしね、あのふたり見てて、気づいちゃったんだ」

「なにに?」

「愛は性別を超えるって!」

「……!?」

 

ダクネスはハッとした。これはもしかして、女だからまったく予想していなかった展開? 心なしか、背後からのアクアの吐息が荒くなっているようだ。

 

「あ、あのー? アクアさん?」

「ダクネスって胸大きいし、スタイル良いわよね~?」

「そ、その、もしかして、アクアは……」

「わたし、女の子でも好きになれるから!」

 

これでハッキリした。ゆんゆんのように、アクアも百合に目覚めたのだ。

 

 

「いや、済まないが、私にはソッチの気はないから」

「ダクネスは変態さんでしょう~?」

「たしかに私は変態だが、レズではないぞ!」

 

ダクネスがアクアから離れて、自分の身体をギュッと抱く。そうして目をつぶって、顔を赤くしている。彼女に密着していたアクアの乳房が、プルルンと揺れた。

 

「じゃあさ、こう考えたらどうかしら? 好きでもない女に無理やり開発されちゃうって!」

「開発……?」

「開発された後に、調教されちゃうのよ!」

「調教……!?」

 

ダクネスの表情が変わった。レズに興味を示したようだ。いやそれどころか、興奮しているのか、身体を小刻みに震わせている。

 

 

「アクア! 私の女王様になってくれ!」

「おやすい御用よ。わたしは女神だから、格下の女王なんか、上位互換できるのよね」

「私は騎士だから、仕える女王様が欲しかったんだ」

「わたしも仕えてくれる人間が欲しかったのよ。まあ女王より女神が良かったけど……」

 

ダクネスは振り向いて、アクアの手を取った。そして、ブンブンと上下に振る。自分の未知の性癖を開発できそうで、感激しているのだ。

 

「じゃあ、ダクネス。さっそくひとつ試してみない?」

 

アクアはダクネスと正面から向き合い、ふたりの胸と胸をくっつける。そして今度は、胸同士で洗いっこを始めた。

 

「あっはぁ~ん!? さすがにこれは、女同士でも感じてしまう……!」

「はぁはぁ、ダクネスの胸大きいから、洗いがいがあるわね」

 

そして、アクアは心ゆくまでダクネスの肉体を堪能した。

 

 

次の日。屋敷にまた別の来訪者が来る。

 

「カズマ! サトウカズマはいるか~!?」

「だれだー!?」

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。