ゴレイヌさんに会いに行こう!   作:丸焼きどらごん

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むかし話3:目の上のタンコブ共

 私には基本的に友達というものが居ない。というか、知り合い自体が少ない。

 

 稼ぎ先の天空闘技場にはむさくるしい男どもしか居ないから好んで話しかける事も無く、かといって受付の可愛いお姉さんに話しかける勇気もない。買い物先で話しかけられても基本的に沈黙で返し店員は愛想笑いで去っていく。知り合いと呼んでいいのは、リア充の巣窟である美容院に行く勇気が無い私が通う床屋のおっちゃんくらいだろうか。

 おっちゃんはいい人だ。無口だけど手先が器用で女性用のカットも難なくこなすし、いつの間にか洗髪とカットだけだったメニューにトリートメントを追加してくれていた。もちろん毎回お願いしているため、私のキューティクルはおっちゃんに守られていると言っても過言ではない。……まあそれはともかく、煩わしく世間と関わる必要性を感じなかった私は、金を手に入れてからというもの引きこもって特に親しい知り合いを作らなかったのだ。人間関係の面倒くささを徹底的に嫌った結果である。

 

 そんな私にとって知人である、という相手自体が貴重なのだが……。いくら貴重とはいえ、とにかく目障りで鬱陶しく目の上のたん瘤と称するにふさわしい相手とのつながりなどいらないと心底思う。

 

 

 

 具体的に言うと流星街時代の腐れ縁ども死ねってことだよクソが。

 

 

 

 

 

 

【ウボォーギンの場合】

 

 

 

「おい、久しぶりに()ろうぜ! ここんとこ退屈な仕事ばっかで溜まってんだ」

 

 そう言ってやってきた大男を見るなり、エミリアは生ごみを見るような目で一瞥した後無言で玄関の扉を閉めた。

 が、直後に扉は破壊された。

 

「毎回毎回お前はよぉぉぉ!! そんなに死にてェならぶっ殺してやるから表出ろクソ野郎が!!」

「おうおう、いいねぇその闘気! お前なりはちっこいが、毎回そのオーラ見ると痺れるぜ! おら、かかってこい!」

「死ね!!」

 

 住居を破壊されたことで容易く誘いに乗って来た女を見て、ウボォーギンは満足そうに野獣じみた笑みを浮かべた。

 

 昔から体が大きく単純な力だけなら同年代では負け無しだったウボォーギンであるが、そんな彼を初めて正面から負かし顔の原型が無くなるほどに殴り徹底的に叩きのめしてきたのがこのエミリアという女である。その時の衝撃は未だにウボォーギンの中に根付いており、何年経とうが忘れられずこうしてエミリアが流星街を去った後もシャルナークに居場所を特定させては戦いにやってくるのだ。

 そして期待に違わず、こちらが鍛えて負かせば次に会った時には必ず予想を超えて強くなっているのだからたまらない。強者を好むウボォーギンにとって、エミリアは最高の遊び相手であり好敵手であった。

 

 エミリアは見た目だけなら小柄で薄い体は貧弱そのものだが、その体に凝縮された筋肉とパワーをウボォーギンはその身をもって知っていた。また、そのオーラの総量も。

 正面から殴り合う時の打撃はいつも音楽のように心地よく、体の奥底から熱い熱が滾り湧いてくる。

 いくら殴り飛ばして骨を折ろうが血まみれにしようが、それを倍に返してやると言わんばかりに重機のような威圧感で向かってくるその闘志。怒りに染まった獣のような、感情むき出しの粗野な顔も好ましい。多分自分も同じような顔で戦っているのだろうとウボォーギンは想像する。違いがあるとすれば、むき出しにする感情が歓喜である事だろうか。

 

 

「ははぁ! 楽しいなぁ!!」

 

 

 ウボォーギンは心の底からそう叫び、右拳に全力のオーラを込めて何の躊躇いもなくエミリアの体に叩き込んだ。

 

 

 

 

 

 その後、とある念糸使いのもとに電話がかかってくる。

 

「はあ? エミリアの左足と自分の右腕が千切れたからくっつけてくれ? またかい……戦うのはいいけど、そろそろ加減を覚えなよ。お金あるの? あんた欲しいものは全部盗るとか言って金は持たない主義だったろ。……エミリアの部屋からくすねたからある? じゃあいいけど。それぞれ3000万ジェニーから上用意しときな」

 

 

 

 

 

 

 

【フェイタンの場合】

 

 

「ふ~、やっぱ家が落ち着くわ……」

 

 そんな風に独り言をつぶやきつつ、エミリアが金蔓の天空闘技場から帰宅した時の事だった。両手に今回の稼ぎであるファイトマネーが入ったジュラルミンケースをぶら下げ、その戦果と己のテリトリーに帰って来たことで上機嫌だった彼女は完全に油断していた。

 エミリアの頭はこれからコンビニで仕入れてきたスナック菓子と炭酸飲料片手に楽しみにしていたDVDを鑑賞することで一杯だったのだが……残念ながら、その念願が叶うのはこの日より数日後の事である。

 

 鼻歌を歌いながら、エミリアは真っ暗な部屋の電気をつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間!! 粉砕される眼鏡!!

 

 

 

 

 

 

 

「ぐあああああああ!! 目が、目がぁぁぁぁ!!!!」

「新しい道具手に入れたね。お前ちょとつきあうよ」

 

 目をおさえて叫ぶエミリアなどお構いなしに、相手の意向を確認する気もなく決定事項と断じて口にしたのは鋭く細い冷酷な目をした痩身の男……フェイタンである。

 

 正面から戦えば強化系の実力者であるエミリアは容易い相手ではない。が、近眼のエミリアを無力化するのは実は簡単である。眼鏡を割ればよいのだ。

 アニメ鑑賞やゲームによって衰退した視力を眼鏡で補い眼鏡に依存する眼鏡族であるエミリアは、眼鏡を失った途端狼狽える。後にエミリアはこの時のことがきっかけで"円"という念による探知の精度を上げようと躍起になるのだが、少なくともこの時はそれほど円に優れることもなく眼鏡を失うことに対しての耐性も無かった。

 よって、狼狽したところに何やら薬品の仕込まれた針を刺され簡単に気絶してしまったのだ。

 

「ち、チビィィィィィ……!」

 

 否、すぐに気絶はしなかった。

 地獄の底から響くような唸り声にも似た憎悪の声を発したエミリア。……が、直後にとどめとばかりに脳天目がけて振り下ろされた傘の攻撃に白目をむいて気を失うことになる。

 

「お前も大してワタシと身長かわらないよ。腹立つ奴ね」

 

 エミリアが次に目を覚ましたのは、何やら怪しげな拷問器具に囲まれた手術台のような場所だったとか。ついでに言うと何かの毒で体を一ミリも動かせないというおまけ付きで。

 

 

 

 

 

 その後、とある念糸使いのもとに電話がかかってくる。

 

「え、いじりすぎて元に戻らなくなったからくっつけろ? リサイクル出来なくなると困る? あのね、あの子がいくら馬鹿みたいに回復早いからってそりゃ限度もあるさ。いい加減新しい道具手に入れるたびに実験動物扱いするのやめな。あんたの後処理ぐっちゃぐちゃでやり辛いんだよ。少なく見積もっても7000万ジェニーは用意……え? エミリアの部屋からくすねたから大丈夫? フェイタンあんた……。まあいいよ、金があるなら。すぐ行くからせめて応急処置はしときなよ!」

 

 

 

 

 

 

【フィンクスの場合】

 

 

 

 それは自室でベッドにうつぶせに寝そべり、最近そろえたばかりの長編漫画を夢中になって読んでいる時だった。"絶"という気配を絶つ技で忍び寄っていた陰に気づかなかったエミリアは、突如スウェットの中に手を突っ込まれ生尻を掴まれた事に喉からカエルがつぶれたような声を吐き出した。そして跳ねるように飛び起きたエミリアの尻に追撃が迫り、手のひらと思わしきもので思いきりひっぱ叩かれる。

 

「あじゃbgfderw4thjkm!!」

「何言ってるかわかんねーよ」

「おま、今、尻!!」

「ははは! だらしなく半ケツ出してるからだ。それよりなんか食いモンねーか?」

 

 たしかに今エミリアは半ケツを出していた。先ほど尻が痒くなってかいたためだ。

 着古しすぎてゴムの緩んだスウェットはそのままずれてしまっていたが、誰も居ない自分だけの城でそのような事気に掛ける必要は無い……はずだった。しかしたった今、それが原因で恥辱を味わったのだ。否、それが原因では無い。いくら半ケツを出していようが、目の前の眉毛が行方不明の男がすべて悪いのである。

 

 エミリアはすぐさま男……フィンクスの腹を内臓ごと吹き飛ばす心づもりで拳を振りぬいた。しかし体勢が悪く、それは簡単に避けられる。

 

「おい、危ねぇな。そりゃここにはなまった体鍛え直すつもりで来たけどよ、こちとら客だぜ? 茶と飯くらい用意するモンだろ。それから()ろうぜ」

「誰が客だ死ね殺す」

「おーおー、血気盛んだねぇ。でもケツ触られたくらいで過剰反応しすぎだろ。怒るくらいならもっと触る価値あるボーンと出たいい尻になってからにしろよ。あと乳も育てた方がいいぜ。そしたら触ったら金くらい払ってやるよ。まあ無理だろうけどな! だっははは!」

 

 

 生かして帰してなるものか。

 エミリアは心に決めた。

 

 

 

 

 

 その後、とある念糸使いのもとに電話がかかってくる。

 

「今度はあんたかい。何、腕一本もってかれた? ……1億ジェニー」

 

 端的な言葉の後、電話は切られた。

 

 

 

 

 

【ノブナガの場合】

 

 

 

「おい、ウボォー来てねぇか?」

「お前らの待ち合わせ場所にされるいわれはないから消えろよ髷男」

「何だよつれねぇな。あ、そういやこれ見ろよ! この間盗ったモンだがなかなかイカしてんだろ?」

 

 そう言って自慢するように一振りの刀を掲げた着物姿の男ノブナガ。そして見てろとばかりに振りぬかれた刀が飾ってあったフィギュアを真っ二つにしたところで、エミリアはすぐさまノブナガの腹に蹴りを入れた。そして蹴りの衝撃でノブナガの手から離れた刀に5kg入りの塩の袋を開封しぶちまけ、ついでにビネガーの瓶を容器ごと叩き付けて酸まみれにした。

 ノブナガが切ったフィギュアは出不精のエミリアが面倒くささで死にそうな思いを抱きつつもイベント会場までおもむき、人の群れに揉まれ数十時間の待ち時間を経て手に入れた貴重な限定品だったのだ。それが破壊された瞬間の憎悪は計り知れない。

 

 しかし同じく自慢のコレクションを錆の塊になれとばかりに塩と酸漬けにされたノブナガも黙ってはいない。

 

 

 その数時間後……戦闘が勃発した後に残っていたのは、その被害をもろに受け破壊または粉々に切り刻まれた他のフィギュアの残骸だったとか。

 

 

 

 

 

 その後、とある念糸使いのもとに電話がかかってくる。

 

「何、珍しいねあんたから電話……って、何泣いてるの。え、念糸で人形は継ぎ目なく治せるかって? 布ならまあ……いや、プラスチックとか合金はちょっと勝手が違……わかった、わかったやってみるから泣くんじゃないよ。とりあえず成功報酬は2億ジェニーね。用意しときな」

 

 

 

 

 

 

【シャルナークの場合】

 

 

 

「ウボォー達の訓練に付き合わせて悪いねー。お詫びにちょっとした旅行プレゼントしてあげるよ。……うわ無視? 残念、有名声優のレアイベント込みのアニメ聖地巡礼ツアーのやつなんだけど……」

「待て内容詳しく」

「作品名は洗礼のファミリアで声優は○○=◇▽〇。で、肝心の聖地巡礼の聖地は物語のモデルになったアンダラント遺跡群を含むキメシカ共和国自然公園。遺跡の他にリゾート地としても有名だからクルーズやダイビングも楽しめるし、何より食事が美味しい。現地でしか買えない限定品もあるみたいだよ」

「行く」

「あっはっは、現金」

 

 しかし安易に誘いに乗ったことをエミリアは後悔することになる。

 

 

 

 

 その後、とある念糸使いのもとに電話がかかってくる。

 

『あ、マチ? ちょっと面白い事思いついたからさ、念糸をエミリアの服にくっつけてくれない?』

「何する気?」

『オタクイベントと偽って連れ出して秘境に眼鏡を割った状態で置き去りにしたら帰ってこられるかなって実験』

「その意味は?」

『え、暇つぶしだけど。果たしてあのゴリラは帰ってくるのか、それともゴリラとしての本能に目覚め秘境にいついてしまうのか! みたいな。あ、それで置き去りにする秘境だけどそこって磁気狂ってて電子機器意味無いんだよね。居場所だけ把握しときたいからマチにお願いしたいんだ』

「…………3000万ジェニー。期間によって追加料金」

『高くない? でもまあいっか。たしかエミリアの部屋に現金転がってたし……ああ、いや何でもないよ。そうそう、帰ってこられるかこないか、あと帰ってくるならそれまで期間はどれ位かかるか賭けようと思うんだけどマチは参加する?』

「……あたしはいいよ」

『そう。じゃ、追跡だけよろしく~』

 

 

 エミリアが秘境から帰って来たのは2か月後の事であった。

 

 ちなみについでの嫌がらせとばかりに、留守の間に複数のゲームやネットゲームのデータが初期化されていた。それに気づいて地団太を踏み悔しがるエミリアの姿は最高に滑稽だったとシャルナークは後に語る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【クロロの場合】

 

 

「ボーボボの新刊はあるか」

「この間連載終了したぞ」

 

 言った途端珍しくややショックを受けたような顔をしたA級盗賊幻影旅団の団長に、エミリアは勝手に部屋に侵入されていた事実にはいったん目を瞑り最終回が収録された単行本を差し出した。内心「自分で買えよ……」と思いながら。

 しかし好きな漫画やアニメが終了した時のロス感には共感できるものがある。目障りではあるが、今だけは同情してやろう。

 

 クロロ=ルシルフルという男はビブリオマニアと呼ばれる程度には本が好きで、その好みの範囲は広い。だいたいは貴重な古書から最新の本に至るまで盗むなり買うなり自分で手に入れるが、漫画に関しては自分の好みの作品はたいていエミリアの家に集まっていると知っているため手間を省くためにこうしてたまにやってくる。

 その場で読んでいく場合は淡々と涼しい横顔でギャグマンガを読む盗賊団頭目という嫌な光景に、エミリアは本の置かれた部屋をそっと封印する。自分は何も見ていない、この家に自分以外の者などいないのだと言い聞かせて。そうすれば満足すればいつの間にか消えているため、不法侵入されているものの他のメンバーよりは圧倒的に実害が少ないのだ。半ば本の妖精か何かだと思い込むことで精神衛生を保っている。時々冷蔵庫からコーヒーゼリーやプリンが消えることは腹立たしいが、そんな時は代わりにバナナを中心とした高級フルーツが入っているので良しとしている。フルーツに貼られた「餌」と書かれた紙は即座に握りつぶすが。

 

 

 

 が、だからと言ってけして油断していいわけでは無い。

 

 

 

「おい、ここにあった漫画は……」

「ああ、ブック〇フで売っておいたぞ。ほら金だ。スペースは空いたからさっさと別の作品を集めるんだな。そろそろ趣向を変えたものに手を出せ。飽きてきた」

 

 そう言って手のひらにチャリンと落とされた数枚の硬貨。そして見渡せば商業漫画や同人誌で所狭しと埋まっていたはずが、ガランと空洞を晒している壁一面の本棚。

 

 

 

「ここはお前の漫画図書館じゃねぇんだよ!! あと何でわざわざチェーンの中古屋で売るんだよ嫌がらせかよそうだよなそうに決まってるよなクズみたいな値段になるに決まってんだろふざけんな二度と手に入らない絶版の貴重品もあったんだぞ!! つーか盗賊団の頭がわざわざブッ〇オフに本売りに行くとかギャグかよ笑えないんだよ!! そんな無駄な労力かけてまで嫌がらせするとか暇か! 暇なの!? 上等だよお前の将来ハゲるだろうそのサラサラの髪の毛今すぐむしりとってやるから表出ろやカス!!」

「誰がハゲだ。まあいい、丁度新しい能力を手に入れたからついでに試してみるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、とある念糸使いのもとに電話がかかってくる。

 

「今度は何処がちぎれたんだい。それともやりすぎて誰か達磨にしたとか? え、違う? なんだ、依頼じゃ無いのか。……あいつらどうにかしろ? 無理だよ。しばらく仕事も無いから居場所も分からない。それだけなら電話切るよ……金を払うから聞け? じゃあ1分につき800万ジェニーね。それで今回は何されたわけ。……ああそう、能力の練習台に散々利用された挙句に仕返しする前に逃げられたと。あんた力は強いけどおつむじゃ団長に勝てないんだから、もう少し学習したら? 団長が何の勝算も無くあんたと正面から戦うわけないだろ。面倒くさいし」

 

 電話は2時間続いた。

 

 

 

 

 

 

 

++++++++++++

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トリックタワーにて50時間の経過を待つ間、私は改めて己の人間関係を把握し絶望する。いくら知り合いが少ないとはいえこれは酷い。というかあいつら、不本意だけど結果的に私から念能力の使い方を学んだわけだからある意味私は念の師匠だろう。敬えとか贅沢は言わないからせめて関わってくるのをヤメロ。

 ……精神衛生のために嫌なことは出来るだけ思い出さないようにしてきたが、今まで受けた被害が思ったより酷くて考えれば考えるほど次々と怨嗟の念が湧いた。奴らがやってくる頻度はそう高くないが、来た時の災厄は確かに私の中に恨みつらみとなって蓄積されていたようだ。あいつら忘れたころになってぽっと現れるから質が悪い。

 

 私とてやられているだけではない。やられたら可能な限り……それこそキレて理性なんて吹き飛ぶから、殺すつもりでやり返す。だがどうしても搦め手に弱く、結果私の方が損をする割合の方が大きいのだ。脳筋共はぶちのめしたらぶちのめしたでいらんパワーアップをしてまた挑んでくるし鬱陶しいことこの上ない。

 いやマジであいつら害悪以外の何ものでも無いな! いったい私のコレクションがどれほど被害に遭ったか。あと主に細目チビのおかげで無駄に毒耐性だの拷問耐性だのまでついたわ嬉しく無ぇ。どこのゾルディックだよ。奴らの襲撃に備えるために苦手な円も随分練習したし……。秘境に置き去りにされた時は便利な生活に慣れていただけに自然の驚異というものを思い知り、最初普通に死にかけた。そして極限状態の中で一時期本気で野生に返りかけた悪夢。……あの時私、秘境の魔獣達の頂点に君臨したよな。

 

 

 

 とにかく、ろくな思い出が無い。

 

 

 私は目を瞑り、呪いを込めて心の中で吐き捨てる。

 

 

 

 

(少なくとも6人は死ね!!)

 

 

 

 

 けど念糸使いは金はむしるが世話になっているので生きててもいいかもしれない。

 そう思ってしまう私は多分他の比べる対象がひどすぎて、感覚が麻痺しているのだと思う。

 

 

 

 

 ……そろそろ人間関係煩わしいとか言ってないで、結婚式に呼べるようなまともな知人を作りたい。

 

 

 

 

 

 




(流星街時代の知り合い内での)無害枠:パクノダ、フランクリン、マチ
特に連絡も取って来ず接触もないので主人公的には生きてても死んでてもどっちでもいい。でも怪我の縫合で世話になってるのでマチだけは生きてていいと思っている。けして作者の贔屓ジャナイヨー(マチ可愛いよマチ


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