さて、総理暗殺計画の当日を迎えた訳であるが……カズの意気込みようがとてつもないです。原作だとあんなにも弱気だったのに……何があったんだよ。それはさておき、そろそろ作戦開始だ。
「……絶対に阻止するぞ」
「おう!」
「ええ!」
「うん」
俺の呼びかけにみんなが応える。そして、皆の意識がこちらに近づいてくる宇崎さんに向いたところで、カズに小さく告げた。
「お前が頼りだ。頼む」
「へ?」
そのまま宇崎さんの方に向かう俺に、呆然とするカズ。それが最良かはわからないけれど、それでも俺は最短を行きたい。
だからこそ、俺はカズを利用するのだ。最低なことに。
○
「……」
狙撃ポイントに到着した俺はハンターのスナイパーライフルで暗殺用LBXに狙いを定める。
「落ち着け……俺なら出来る……バンに頼まれたんだ。絶対に成功させる」
バンは暗殺用LBXをすぐさま見つけた。だから次は俺の番だ。多分バンはこうなることを予測していたんだ。俺に賭けてくれたんだ。
俺は全力でそれに応えたい。
「お前はどうだ、ハンター!」
俺の思いに応えるようにハンターの照準がさらに正確になる。
そして、放たれた銃弾は、暗殺用LBXの狙撃銃と腕を貫通して爆発した。
○
「果てなく征け、アキレス」
「クノイチ出陣!」
「行って、アマゾネス」
敵は既に片腕のないLBXアサシンとその取り巻きのデクー五機。
「……ふたりとも暗殺用LBXを狙ってくれ。取り巻きは俺が潰す」
「わかった」
「了解!」
ふたりは自身のLBXをアサシンに肉薄させる。それに反応するデクーだが、アキレスがそれを妨げた。
「お前たちの相手は俺だ」
アキレスのメイスがデクーの一機を捉えた。重低音とともにデクーの装甲をへしゃげさせながら破壊した。
その次に二機目のデクーにメイスを投げつけ、メイスごとデクーが壁まで吹き飛んだ。そんなデクーに肉薄し、そのまま押しつぶす。
爆発四散し、アキレスはそれによって生じた煙によって隠れてしまう。その煙の中心に向かってようやく反応し始めたデクーが自分たちの武器を使って射撃を開始する。
銃弾が煙を引き裂いて、その下をアキレスはマントを盾にしながらかいくぐり、メイスを槍のごとく、突くように叩く。
反応するデクーだが、既に遅い。
内蔵された鉄芯が射出され、そのデクーを貫いた。
「残り二機」
アキレスに反応したデクーはアキレスを挟んで存在してる。
片方がこちらに向かって発砲してきたので、先ほど貫いたデクーを盾にして防ぎ、撃ってきたデクーにむかって盾のデクーを蹴り飛ばして押し付ける。その反動でもう一方のデクーに近づきメイスを叩きつける。その一撃でブレイクオーバーするデクーを片目に最後のデクーに狙いを定める。
そして……
「潰せ、アキレス」
最後のデクーに反応する暇を与えずに叩き潰した。
爆発するデクー。その中心にマントをたなびかせながら立つアキレス。
俺はそれにゾクゾクと、背筋に鳥肌が沸き立つのがわかった。
オリジナルLBXはいいんですね!?