とある科学の超兵執事 【凍結】   作:陽紅

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あけましておめでとうございます! 

本年も、深音ともども、よろしくお願いいたします!


――後日談――

 

 

 

「……現実から、目を逸らしちゃいけないんだね? どれだけそれから目を逸らしても、必ずそれは、壁として君の前に立ちはだかるんだね」

「…………」

 

 信じたくない。誰が信じるものか。

 この目の前にいる医師は嘘を言っているに違いない。きっと、いや、絶対そうだ。

 

 ――言葉にしていないにも関わらず、そんな雰囲気をにじませる。頑として布団という殻から出ようとせず、また同様に頑として話を聞こうとしないその精神に、名医は軽くため息をついた。

 

 病院の、特別病棟。一般患者が入るとはなく、見舞い客などまず訪れることが出来ない空間だ。

 

 つまり、この場にいるのは。

 医師とその時別病棟に入ることを余儀なくされた患者――その二人だけということになる。

 

 

「信じられないかい? それとも信じたくないかい? ……まあ、どちらにせよ。ボクの仕事は患者に自覚させることから始まるんだね? 下手に言葉を濁して改善するなら、ボクは喜んで医学を捨てているよ?」

 

 その言い方は、卑怯だ。

 と殻の主は聞こえないように唸る。このカエル顔の医師が、どれだけの名医で、またどれだけ患者のことを考えているかをよく知っている。

 

 ――それに、どう返せば分からない大恩もあるのだ。

 

 

 殻からゆっくりと顔をのぞかせ、ゆっくりと体を持ち上げる。

 

 

 

 それを見た医師は、よかったとばかりに笑顔を浮かべ、

 

 

「検査の結果が出たんだね? ……君の体は70代のお婆さんと大差ないことがわかったよ?」

 

 

 ……容赦なく、どうしようもない現実(リアル)を、木山 春生に突きつけた。

 

 

「な、70――ですか?」

 

「うん。70。それも元気とはとてもいえない70だね。よくアレだけ動けたねってくらい筋繊維は劣化してたし、骨密度もスカスカ。内臓の大半は『さば』を読んで70だよ? ……肌年齢は管轄外で見なかったけどね?」

 

 

 それはせめてもの慈悲――では無いだろう。そこまでいわれ、震える手で自分の頬に触れて――木山は言葉を失い、そして記憶を辿ってみる。

 

(……最後に化粧品の類に触れたのは、いつだ?)

 

 

 それよりも、最後に鏡をみたのはいつだろうか? という疑問が浮かび上がる時点で、いろいろと、その……。

 

 ――女性として、よりも、これは人としてやばいのでは? と肩を震わせている患者にカエル医師は小さくため息をつき、手に持っていたカルテを脇の机に置いた。

 

 

「――今まで、子供達の治療を最優先にしてきたんだからそう強くは言えないけれど。君自身、もっと自分の体を省みないといけないよ? ……自分達のせいで君が身体を壊した、なんて子供達に思われたくはないだろう?」

「……はい」

 

 

 力なく首肯する木山に、カエル医師も頷き――しかしさて、どうするかと悩む。

 

 

 

 ――事件が終息を向かえて、早いもので四日が経っている。

 木山は再びアンチスキル預かりとなっているが、重大な惨事となる可能性のあった事件の解決に協力したとして大分温情をもらい――というより涙もろいアンチスキルの面々が目覚めた子供達の嘆願をそのまま受け入れ、形だけの拘留と相成ったわけである。

 

 まあ、それに関係なく。溜めに溜め込んだ疲労やら今までの不摂生がたたり――カエル医師に肩をムンズっと掴まれてめでたく入院しているわけだが。

 

 

(子供達を優先し過ぎてこうなったとしたら、大丈夫だとは思うんだけどね? うん、いやしかし――)

 

 あえて見えないように伏せたカルテに書かれた内容を思い出し、カエル医師は悩み続ける。

 

 木山の身体は、確かに相当ボロボロだが――別に何かしらの病気を抱えているわけではない。自宅でゆっくりリハビリをさせてもいいが、ボロボロすぎて正直帰していいものかどうか。

 

 たった数日だがしっかりと睡眠と食事を取っているため、血色も良いし目のクマもなくなっている。三度しっかりと栄養あるものを食べて十分な睡眠と適度な運動――それを数週間するだけで劇的に改善するだろう。

 

 しかし、悲しきかな。

 カエル医師の知る木山は子供を助けるべく自分を蔑ろにしていた最たる時期だけである。

 

 患者を誰よりも思う名医には、大きな不安材料であった。

 

 

 

「そういえば、彼は――深音君はどうしたんです? 確か、私と同じように先生に捕獲されていましたが」

 

 

 ……木山がムンズ、っと肩を掴まれた姿を苦笑して見送ろうとした深音。しかし、カエル医師の手はなんと二本あるのだ。

 そのまま二人は別々の特別病棟に押し込まれ――木山はいまだ、ちゃんとした礼を出来ないでいる。

 

 

「ん? 深音君ならいつもどおり、検査の途中で馬鹿らしくなるくらいの健康優良度合いを見せ付け――ああ、彼がいたんだね? 試してみる価値はありそうだ」

 

「……?」

 

 

 掌を軽く打ち、木山に断ってから席をはずすカエル医師。

 携帯を取り出しているあたり、電話――そして流れからして深音にかけるのだろうと判断する。

 

 

「……ああ、深音くんかい? 少し聞きたいことと、もしかしたらお願いしたいことがあるんだけど。――いや、ボクの聞きたいことに答えてからその言葉を言おうね? 君にとって難題だったら、……いや、うん。それはそうなんだけどね?」

 

 ……なんとなく、だが。電話越しの深音が言った言葉が簡単に想像できた木山は、ほんのりと苦笑を浮かべていた。

 

 

 カエル医師が笑顔を浮かべつつ話を進める中――チラリと置かれたままのカルテに目をやり、自分がどんな状態なのか確認するべく手にとって確認していく。

 

 

 記入されている診断結果による数値は綺麗に真っ赤。

 同年代の平均値・理想値グラフのはるか下方を低空飛行。

 

 

 ……何枚かあるカルテの書類の一番上だけ流し読み――木山はそれを見なかったことにした。

 ……とくに、70後半の数字は念入りに。

 

 

 

「突然すまないね? 少し試してみたいことがあっ――どうしたんだい? なにかやたらと消沈しているように見えるけど?」

「――大丈夫だ、問題ない」

「それは大丈夫じゃないフラグなんだね? 木山君」

 

 

 さて。自分達は何を言っているのだろう――と二人揃って首をかしげ、答えが出なかったので些細なことと流すことにした。

 

 

「それより、試してみたいこと、とは?」

 

「ああ、ちょっとね。もしかしたら、の可能性なんだけど――まあ、それは彼が着てから――」

 

 話すよ、と。カエル医師のその言葉を飲み込み。

 

 

 窓の外にいる深音(・・・・・・・・)を迎えるために、鍵をあけるべく立ち上がった。

 

 

 

「先生、お呼びですか?」

「お呼びだけど早すぎるよ? まだ三分も経ってないよ? ……それで、出来そうかい?」

 

 ヒラリと軽やかに進入してきた深音。――地上、12階というある意味で彼の記録更新である。カエル医師は別段それに物申すことはせず、木山だけがあんぐりと口を開けている。

 

 

「似たようなことは何度も経験がありますので、やれるかと。――それより、外出の件は?」

「うん、いいよ? ……ただ医者として、羽目をはずし過ぎないように、とだけ言わせてもらうけど」

 

 

 

 一人置いてきぼりを受けて、話についていけない木山を見て。深音とカエル医師は穏やかな笑みを浮かべていた。

 

「では木山先生。流石に病院服ではまずいので――着替えてもらってもよろしいですか?」

 

 

 ――先ほどから理解の追いつかない頭で、とりあえず、頷いておいた。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「準備はよろしいですか? それじゃあ、行きますよ」

 

 

 頷いたことを、盛大に後悔しだしたのは。着替えが済んで、病院から出るべく一階のロビー……ではなく、屋上へ上がった時からだろう。いや、エレベーターでは行けないからと階段を上へと上り出した時だろうか。

 

 入道雲は高く、空は青く。町の喧騒はやや遠く、なにもなければ、「ああ、久々に空を見上げたな」くらいの感傷に浸っていたい木山。

 

 

 しかし、その顔は血色の良さ以上に赤く――キョロキョロと視線をさまよわせて落ち着きが無い。

 

 

「ま、待て。待つんだ深音くん。理解が出来ない。というよりしたくない。ここで何をするつもりなんだ君は」

 

 年齢が離れているとはいえ、男性とここまで接触したことがあるだろうか、いや、ない。

 

 

(か、顔が近い!! なんだこれは!?)

 

 

 全国夢見るお姫様連合が推奨の……いわゆる、お姫様抱っこである。木山が小柄ためか、それとも深音が長身なためか――意外と違和感がない。

 

 

「と、とりあえず下ろしてくれ――!」

 

 

 人目がないとはいえ大変恥ずかしいのだが、暴れれば危ないと分かっているため大した抵抗も出来ず――。

 

 

 その大した抵抗もむなしく、深音は駆け出し――屋上の柵を軽々と飛び越えた。

 

 

 ――ああ落ちる今に落ちる星の引力が重力になって地面にああそういえば彼の体はいろいろと強化されているんだったかだったら大丈夫じゃない私が危ない骨スカスカなんだぞ着地で折れるどこかしら絶対折れるというかやはり彼の体は凄いないやそんなことは今はどうでもいいというか

 

 

 目をギュッと閉じて、ほんのり目じりに涙をためて。

 首をすくめて衝撃に備えて――

 

 

「ん……?」

 

 

 数えること、十数秒。

 落下時に感じる妙な浮遊感も、内臓が持ち上がるあのいやな感覚も、無い。顔に顔に感じる風も、下方からではなく正面から。

 

 まず浮かんだのは何故? という疑問。目を強く閉じているため視覚情報は一切無いのだが、それ以外の感覚が落下を否定している。

 

 しかし、最後の視覚情報には柵を飛び越え、下方はるか遠くにある地面があったのだが――

 

 

「これ、は……?」

「んん! ……本日は木山春生様のエスコートを拝命いたしました、常盤台執事の御坂 深音と申します」

「――は?」

 

 

 もうわけが分からんことばかりで、どうにでもなれと頭が思考することを放棄した木山。

 いきなり口調が格式ばった――その装いに当てはまるものになり、凛とした顔つきで温かい笑みを浮かべている、という彼の表情がスッと心地の良い冷たさを帯び……。

 

 

「っ!? んん! ――それで? 私をどこにエスコートしようというんだい?」

 

 

 抱えられながら腕を組み、ついでに足を組んで大人の余裕で対応。大人の女性の意地である。――年下の少年に、いいようにドギマギさせられるのは流石に悔しいらしい。

 

 

「それは着いてからのお楽しみ、とさせていただきます。――まずは、空の旅をお楽しみください」

 

 

 深音の足は、先ほどから、一度たりとも着いていない。

 にも関わらず、時に上昇し、時には旋回し――重力という概念を大いに無視していた。

 

 

 

「なるほど、多重能力者――これは、『空力使い(エアロハンド)』か? それとも『念動能力(サイコキネシス)』かな?」

「現象事態は念動能力と大差ありませんが――演算方程式や実際の力場運用がかなり違いますので――『重力操作』(グラヴィティオペレート)。そう呼ばれている能力です」

 

 

 また珍しいものを、と木山がため息をつく中で、言われてみれば何度か重力を無視した動きをしていた深音を思い出す。

 旧式である深音のストリームラインが空中でアレだけ縦横無尽に飛び回っていたのに、テレスティーナの新型は空を飛ぶことさえしなかった。そもそも飛行装備らしいものも無かったのだが。

 

 

「君には本当に驚かされるよ……しかし、学園都市もこうやって見ると、なかなかいいものだな――」

 

 結構な速度が出ているにも関わらず、二人を押し返そうとする向かい風は心地良いそよ風程度。目を細めることもせず見渡せる絶景は、暮らしなれているはずの都市の、別の顔を見せていた。

 

 

 

 

「これが――木山先生の、守られた(モノ)です」

「……守ったのは君達だ。私は何もしていない。それに、一度は敵に回してしまったからね」

 

 暗に、その資格は自分には無いという木山。

 それは事実であり、現に『学園都市を敵に回してでも』と彼女は宣誓している。

 

 

 ……しかしそれでも、深音は首を横に振った。

 

 

「守られていますよ。――子供達を目覚めさせようと思えば、すぐに出来たはずです。学園都市の敵というのであれば、むしろ真っ先にそうしていなければおかしいんです。……ですが、木山先生はその最終手段さえ手段の一つに考えようともしませんでした」

 

 

 学園都市の敵、と豪語しながらも。学園都市を犠牲に、とは終に考えなかったのも、また事実なのだ。それを深音は否定せず、させるつもりも無い。

 子供達に罪の意識、というのも勿論あるだろうが――木山は学園都市も守ろうとしていた。

 

 

「考えなかったわけじゃない。私の重きは子供達にあった――自分でも分からないんだが、どうにも君の妹君の顔がチラついてね」

 

 

 『あきらめない』――その精神は、広がっていくらしい。

 同じく広められた深音はその先輩として、執事としての顔で隠しながらも苦笑を浮かべる。

 

 

 そして、そのまま二人は驚くべき速度で学園都市空中遊泳を周り――深音は明らかにある場所を目指して進行方向を変えた。

 

 

「ここが、君のエスコート、先か?」

 

 

 男性が女性を連れて行くならば? というアンケートにまず載りそうに無い場所だ。遊園地などの楽しげな場所でもなく、時間的にランチを楽しむような食事どころでもなく。

 

 住宅地の一角にある、ひときわ眼を引くマンション。

 

 

 

「私の自宅になります。――もう少々お待ちください」

 

 

 は? 

 

 

 ――という言葉を、木山は本当に、本当にかろうじて飲み込んだ。

 

 自宅。マイホーム。借りているのか、買ったのかはさておいて。

 

 

 ……男性が、女性を自宅に連れ込む。その真意とかその他諸々をゴッチャにして考えた木山は、一気に血圧を上げて顔を紅蓮に染め上げた。

 

「待て!! 頼むからちょっと待ってくれ!! 君は一体何を考えているんだ!?」

「落ち着いてください。木山先生」

 

 

 君は落ち着きすぎだ! と叫びそうになる。

 

 『その手』の話に疎い木山は、断り文句の一つも知らないし、あしらい方もまた同じ。恥ずかしいというのが全面にあって嫌という感情が欠片も無いことに驚いているが、些細――ではないにせよ置いておこう。

 

 

 深音の完璧な重力行使により、一切の衝撃なく――おそらく目的地だろう部屋の前に降り立つ。

 

 

「ま、待って。……こ、心の準備を」

 

 無意識に体が縮み上がり、僅かに震えてせめて(・・・)、と懇願する。

 ――とある少女に『強引』といわせた彼に、そんなものは通用せず。

 

 

 

 木山を抱えたまま、器用に扉は開かれ――。

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「「木山センセー!!! お誕生日、オメデトォォォオ――――!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

「……ほえ?」

 

 

 

 

 僅かな火薬のにおいと、軽快な破裂音。

 舞い散る紙片と、頭に降りかかってくる細いカラフルな糸。

 

 無数のクラッカーに襲撃された木山は、深音の腕の中で呆然としていた。

 

 

 

「……うっしゃあ!! ドッキリ大成功!!」

「ドッキリじゃなくてサプライズですの、佐天さん」

 

 

 いまだ眼をパチパチと瞬きさせて、それなりに広い玄関で待ち構えていた一同を眺める。集合写真を撮るように三列になっている全員の手にクラッカーが握られており――。

 中には、いまだ車椅子だが、楽しげに笑っているかつての生徒もいた。

 

 

「なん、で――?」

「アタシが保護監督者で一時退院の許可もらってきたじゃんよ。こういうことは、全員でわいわいやんなきゃな!」

 

 ひときわ馬鹿でかいクラッカーの名残を肩に担ぎ、カラカラ笑う黄泉川と苦笑している鉄装。

 先ほどまでなにか調理でもしていたのか、エプロンをつけたままの固法も笑っている。

 

 

「ほーら! 主役がいつまでも呆けてないの! 深音は深音でさっさと下ろしなさい!」

「かしこまりました」

 

 美琴に手を引かれ、初春に促され、枝先たち車椅子組みがその後に続き。

 

 

「これ、は――」

「枝先さんたちの提案で慌てて準備したんですよー。でも! 味に自信はありますよ!」

 

 

 広いリビングは、なんとも手作り感あふれる飾りが施され、クロスがけされたテーブルにはパーティ料理が並び――これまた手作り感のあふれる大きなケーキが蝋燭をともしていた。

 

 

 

 ――変な勘違いをした自分と、させた深音に物申したい気持ちはあるが――

 

 

 

「……あり、がとう……っ!」

 

 

 自分でさえ、忘れていた誕生日。

 祝ってくれる、大切な存在に、感謝伝えるほうが先だ。

 

 

 

 

 ……そこにいる誰もが求め、望んだもの。

 

 

 ハッピーエンドが、そこにはあった。

 

 

 

 

 

《 おまけ 》

 

 

 

「……? なんか、木山先生綺麗になったね」

 

「――はは、お世辞か?」

 

 

 診断の結果を思い出し、乾いた笑いを浮かべる木山に、全員が首を振る。

 

 

 

「いや、マジでなんか肌とか髪とか綺麗になってますの。この髪質――?」

 

「これ、卵肌って――あれ、なんかデジャブ……」

 

 

 そこまで言われて、自分の頬に触れる。

 触れて愕然とし――原因として考えられる唯一の人物を見た。

 

 

 

 

「――常盤台の執事たる者。この程度のことが出来なくて、どうしますか」

 

 

 

 騒ぎたてることはせず、当然とばかりに笑みを浮かべる出来る執事(オトコ)が、そこにいた。

 




読了ありがとうございました。


 これにて、とある科学アニメ版第一期、終了にございます。

 このような稚拙な物語に、これまでお付き合いいただき、感謝の言葉で一杯です。

 
 今後とも、とある科学の超兵執事、よろしくお願いいたします。



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