いや〜、ミサイル来ないっすねぇ〜。
いつ来ても良いように、後悔は残すまいとR-18だけはバンバン書いてたんすけど、このままじゃ(頭の中で)この小説すら完結しちまうゾ〜。
短めですが、キリが良いので投稿です。
分かりにくいという点があればどんどん言ってください!
雄英体育祭、1年生の部。予選通過は42名となり、第二種目は騎馬戦となった。
2〜4名で騎馬を作り、予選の順位により各馬にポイントが振り分けられる。言わば、組み合わせにより騎馬のポイントが変わるポイント稼ぎ方式。
与えられるポイントは下から5ずつ。
42位が5、41位が10…と上がっていき、しかしながら1位の爆豪に与えられたポイントは、1000万ポイント。
何ともまあ、極端だなぁ…。
「ってことで、組まないかい?峰田君」
「うぇ!?し、白本!?なんでオイラに…」
「いい作戦を思いついたからね」
「ほ、ホントか!?」
3位の僕のポイントは200。峰田君のポイントと合わせても、逃げ切りで勝てるようなポイントではない。
まあ、逃げ切りなんてするつもりは無いが。
「な、なぁ。ホントに勝てるのか?」
「もちろん」
他の騎馬、轟君なんかはメンツを本気で揃えてきている。
周りを見てみると、皆がぞろぞろと移動を始める中。轟君はすぐさま、騎馬となる3人に声をかけ、2分とかからない内にメンバーを決めていた。
メンツは、騎馬に轟君。そして、前騎馬に飯田君、左翼に上鳴、右翼に八百万さんという、強個性の集まりだ。
見た限り厄介だが、大した脅威にはならないだろう。
「さてと、僕らもそろそろ準備をしようか」
「え?…いや、他の奴は?」
「いないよ?」
「…は?」
峰田君の表情がどんどん暗くなる。それはもう、見ていて面白い位には。
「僕が騎馬で峰田君が騎手。2人の騎馬だ」
◇
『さあさあさあ!あっちゅー間にメンバー決めの15分は終わったぜ!』
『…なかなか、面白ぇ組が揃ったな』
フィールドに立つ、10を超える騎馬。中には騎馬が1人にしか見えない騎馬や、珍しい組み合わせの騎馬。
「オイコラクソ髪コンビ!ちゃんと踏ん張れやカスが!」
「てんめぇ…!ちょっと予選のリザルトが良かったからってまだ調子に乗りやがって…!」
「落ち着きなよ、鉄哲」
「オメーもだぞ爆豪!今は仲間なんだ、煽るな!」
「「ケッ!」」
騎手に爆豪。騎馬に鋭児郎、B組から鉄哲君、拳藤さんという組。
「さー!来ましたよ1位の人!私のドッ可愛いベイビー達で、目指せ決勝!」
「う、うん!頑張ろうね、発目さん、麗日さん、常闇くん!」
「はいっ!」
「ああ…」
騎手に緑谷君。騎馬に常闇君、麗日さん、サポート科の発目さんという、一見、火力に欠ける組。
―そして、
「お、おい白本…ホントに勝てるのか…?」
「大丈夫だよ。必ず勝てる」
騎手に峰田君。騎馬が僕の2人騎馬。おそらく、2人で組んでいるのは僕達だけだろう。
「負けないよ、白本」
「耳郎さんも、頑張りなよ」
「へぇ、もう予選突破する予定なんだ」
「まあ、ね。そうでもないと、この2人騎馬を組んでないさ」
僕達2人だからこそ出来る戦法。
それを使って―
『んじゃあまたまた早速行くぜぇ!カウントダウン!』
僕と峰田君は
『3!』
この騎馬戦
『2!』
1000万を奪い
『1!』
首位で切り抜ける。
『スタートォ!!』
僕達がステージの真ん中に位置どっていた理由。
それは、ただ動くのが面倒だったから、どこに行けばいいか分からなかったからなどではない。
僕の範囲攻撃が一番有効的に効くと判断したからだ。
「っ、飛べ!クソ髪共!B組女!」
「皆!飛ぶよ!」
「――八百万、防御!」
「ラージア・ラディス!!」
地面に手を向け、肉体を消し去らない程度に弱めたラージア・ラディスを放つ。
察しの良かった組には防がれ、避けられたが、対処できなかった組に、容赦なく襲いかかる。
「嘘、だろ…!」
「足に力が…」
地を這うようにステージを一瞬で駆け抜けた消滅波は、反応出来なかった騎馬の脚力を、限界ギリギリまで弱らせた。
「さあ、峰田君。作戦通り、ハチマキを君のもぎもぎに付けるんだ」
「おう!流石だぜ白本!オイラ、この使い方は思いつかなかったぜ!」
「しっかりとしがみついておいてくれよ?そうすれば、僕らは勝てる」
峰田君の『個性』、もぎもぎ。
峰田君以外にはくっつき、峰田君には反発するという物。
一見、全く怖く感じないが、こういった競技では無類の強さを発揮する。
「あぁ!そこんとこもバッチリだぜ!オイラの手足を、お前の身体ともぎもぎで挟んでるからな!」
「なら、速度を上げるよ。リア・ウルク」
僕の背中に完全に固定された峰田君の身体。振り落とされないかは事前の準備時間で確認済みだ。
これで、好きに暴れられる。
「ということで、貰うよ」
ぐるりと辺りを見回し、動きが遅くなっている組を手当り次第に探り出す。
「蛙吹さん、物間君、心操君、葉隠さん」
「ケロ?」
「なっ…!」
「っ、すっげー…」
「えっ、何!?」
相手に心理的ダメージを与える意味もこめ、皮肉半分、名前を呼びながらハチマキを掠め取る。
取ったハチマキを、また峰田君のもぎもぎに取り付ける。
完璧じゃないか…!
『な、何が起こったー!!白本・峰田コンビ!まさかまさかのダークホース!いや、予選から白本はやると思ってたけど!2人騎馬が一瞬にして4本のハチマキを奪い取ったー!』
「う、うおおおお…!オイラが注目されてる…!」
「っ、来るよ。峰田君」
愕然とする組、すぐさま取り返そうとする組に紛れ、一つの爆発音が空中から向かってきている。
「調子に乗ってんじゃねぇぞ!クソチビ!白本ォ!」
「ひ、ヒィ!?爆豪!?」
「来るとは思ってたけどね」
現在、合計ポイントは600を超えている程度。1000万の爆豪が無茶をして動く意味は無い。
だが、こいつのことだ。すぐにこうして大量のハチマキを奪ってみせた僕と峰田君を狙うはずだと、信じてよかった。
「悪いが―」
リア・ウルクは解かない。この競技は、僕だけではなく峰田君の明暗もかかっている。僕の下らないプライドのために危険を犯すようなことはしない。全力で肉体強化を使っていく。
「今はお前じゃない」
「クソ!」
「落ち着けよ爆豪!」
強化された脚力による後方への跳躍で、爆豪から一気に距離を取る。
遅れてやってきた鋭児郎達に合わせ、空中でホバリングをしていた爆豪が下りる。
「てめぇ!1位を目指す姿勢を評価してやったのによぉ!何1人で暴走してんだ!」
「っせぇ!誰が騎馬でもカンケーねぇ!俺が1位になる!」
「落ち着けってのお前ら!…でもまあ、アツいのは嫌いじゃねぇ!」
「全く、問題児ばっか…」
爆豪組の右翼で、頭が痛そうに表情を変える拳藤さん。彼女も、峰田君被害者の会(仮)の一員だそうだが、今は関係ない。
「とりあえず、緑谷君かな」
地面を一蹴り。人口密度の少ないスペースまで移動。
さらに一蹴り。緑谷君組の目の前まで移動する。
「やあ」
「速っ…!」
「僕の速さは知ってただろう?麗日さん」
「うん、ちゃんと覚えとったけど…!」
予想外、という感じか?これでも、まだまだ足りないんだけどね。
「うぷ…、酔いそう…」
「吐いたらその時点で消し飛ばすからね」
「わ、わぁってるよ!」
背中にへばりつく峰田君が吐き気を催した。うっかりランズ・ラディスをぶっぱなしてしまいそうだったが、今はそんな場合ではない。
「常闇君!」
「承知…」
「それは悪手だよ」
常闇君の背後から現れた、黒影。常闇君の個性であり、機動力と戦闘能力に秀でているらしいが、それは僕も同じだ。
両手の連撃で僕を攻撃する黒影だが、大した威力ではない。リア・ウルクでの足技だけでも十分に対応できる。
「緑谷!このままでは決着が着かん!」
「とにかく、牽制しながら離れよう!宙に浮かないように!」
「ツヨイ…!イタイヨ…」
黒影の攻撃を蹴でいなす。
宙に浮かないように、か。なるほど。僕のしたいことは読まれているようだ。
「宙に逃げた方が得策かと思いますが!?」
「空だと自由が効きにくい!白本君なら、その隙にハチマキを奪える!」
「確かに、すごい身体能力やもんね…!」
「なら、黒影で盾を張りながら下がる!幸い、白本が弱めた騎馬にまだポイントが幾らか残っている!」
確かに全てを掻っ攫った訳では無いが、どこのを取ったか見られていたのか。それなりに本気で動いたつもりなんだけど。
「まあ、無駄には追わないよ。時間が惜しいからね」
「っ、白本君を注意しながら他のポイントに行こう!」
峰田君の『個性』によるハチマキ固定作戦は完璧だ。真正面から破られるのはたった1つの方法。だが、その方法も僕達が組んでいるお陰で気にする必要はない。
「常闇君。白本君からポイントの奪取は出来ないと思ってもいい」
「…なぜだ。確かに、峰田の個性と白本の身体能力は厄介だが、アレを解除する方法など…」
「あるよ、一つだけ。白本君が『個性』で峰田君の個性の粘着力を奪うこと」
「なるほどな…、通りで、その組み合わせという訳だ…!」
…また気づいたか。察しが良いな、緑谷君。
そう。この峰田君の『個性』を真正面から打ち破る手段を持つ個性は、1年生の間ではそう多くない。騎馬を崩す目的の攻撃が禁止されている中、爆豪の爆破等の強攻撃による強制解除は不可能。となれば、僕の消滅だけが、対峰田君の唯一の手段なのだ。
「そういう事だよ。卑怯なんて言わないでくれよ?これは立派な戦術だからね」
「うん…!凄いよ白本君…!峰田君の個性をそう使うなんて」
「褒めてもポイントは上げないよ?…じゃあ、また決勝で会えることを期待してるよ」
地を蹴り、緑谷君達から離れる。
次に狙うは、轟君の所だが―
「待ちなよ」
「…ん?物間君、かい?」
「あぁ。全く、君もA組だろ?馬鹿みたいにはしゃいでポイント取るために必死に走ってさぁ、正直ダサいよね!」
「なす術なく取られた方がダサいと思うのオイラだけか?」
「……ま、まあブドウ君の言うことは置いておいて、だ。君、その作戦を完璧だ、と思ってないかい?」
意味深な笑みを浮かべ、行く手を阻んだのは物間君だった。
開幕5秒も経たない内にハチマキを奪われたのがそんなに腹立たしかったのか、笑いながらも少し怒っているというのは凄い技術だと思った。
「簡単には破られない、とは思ってるけどね」
「…ははっ!まさか自分で自分の首を締めることになるとは予想してなかった訳だ!」
「おい物間、あんま動くな!」
騎手でありながら大きく手を広げる物間君に、騎馬から野次が飛ぶ。
「まあ、君ならこうして来ると思ってたけどね」
「へぇ…分かっていて対策を打たない訳か」
「いいや?打っているよ」
「何…?」
B組、物間寧人君。『コピー』という、触れた相手の『個性』をコピーしてしまうという万能個性を持ち、やや性格に難がある生徒。
偶然、彼の訓練風景を見れて良かった。個性を知っている、というのは大きなアドバンテージになる。
開幕、すぐにハチマキを奪った時。物間君は一瞬だけ、僕に触れていた。恐らく、それで僕の個性をコピーしたのだろう。
「君の作戦は読めているからね」
「どういう…」
「っ!お、おい物間!やばい!」
確かに、それで使いこなせるのなら脅威になる。
だが、『ラディス』と『スプリフォ』を使い分ける技術も、編み出す技術も彼にはない。
アレらは、『消滅』という個性から僕が数年かけて派生させて編み出した技だ。
こんな数分で再現出来るほど、簡単じゃない。
彼に出来るのはただ『消滅』を暴発させることだけ。それだけなら全く怖くないが、今回はさらに別の手段で封じている。
「…ナイスアシスト。峰田君」
「ったりめーよ!オイラだって、ただ背負われてるだけじゃねぇんだ!」
「まさか…!」
物間君が勢いよく騎馬の足元を見る。
そこには、いくつものダマになった峰田君の『もぎもぎ』があり、騎馬の足元を覆っていた。
ただでさえ動きにくい騎馬。そして、物間君の僕に対する大袈裟な動き。それらがあったからこそ、峰田君がこっそりと仕掛けていたトラップにハマってしまったのだ。
「峰田君には始まる前から、好きな時に好きなところに投げていいと言っていたからね。見事に踏んでくれるとは」
「自分が踏んでも消せるから取れる作戦、か…!」
「そういうこと」
僕が激しい運動をしていない時に、峰田君が僕の背中から手を離し、適当にばら撒く。そして、また個性で背中に張り付く。
先ほど緑谷君も言っていたが、これは僕と峰田君にしか出来ない作戦だ。
同じように拘束に長けている瀬呂君や、B組の骨抜君では2人騎馬は体格上できない。
遠くのハチマキを取れる蛙吹さんという案もあったが、彼女なら僕の動きに振り落とされてしまう。
「物間君。君はどうやら僕達A組を好いてないようだね」
「あれ?もしかして、嫌われてるのを気にしてるのかい?気にしなくても大丈夫さ!ただ会敵しただけで僕らよりもチヤホヤされるんだからいいだろう?」
「いいや、別にどうとも思わないさ。ただ、会敵しただけ、というのは違う。皆、戦い生き残ったんだ。逃げただけじゃない。…そういう意識の差だよ」
彼を落とすにはここしかない。そう判断した僕は、メンタルから崩すことにした。
正直、彼の喋りに腹が立っていたことも事実なので、言いたいことを言ったに過ぎないのだが。
「確かに恵まれたとは思っている。でもそれで、他者を妬み、羨み、捻くれていてはいつまでも強くはなれない」
「上から目線かい?」
「あぁ。今、この状況を見れば分かると思ってね。…じゃあ、健闘を祈るよ」
物間君の性格は、人を煽るという意味で対人では有利に働くかも知れない。
だが、成長するという意味では鉄哲君のような、強者なら誰でも、といったようなさばさばした性格の方がいい。
他人にケチを付けていても、自分には何も残らない。
「さて、峰田君。そろそろ準備は良いかい?」
「おう!お前がアイツと話してる時も、そこら中にばら蒔いてやったぜ!」
「ナイスだ。…なら、ギアを上げて奪いに行こうか」
「しっかり捕まってるから、安心して暴れてくれ!」
残る主な標的は、緑谷君、轟君、爆轟のポイント。
それら全てを奪い、機動力を削げば完全勝利だ。
―だが、
「甘ぇよ。…そろそろ、降りてもらうぞ、白本」
「轟君…」
そうも上手くは、いかないようだ。
オリ展開むっず(自業自得)
モチベガン上げマンになりたい(切実)
いやぁ…クッソ可愛い彼女とか居たら…。あっ、こっち手付かずになりますね。
このまま彼女無しで突っ切るゾ!(白目)