異世界転生したカズマは召喚師になりました。   作:お前のターン

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今回は短めです。
すいません。先に謝ります。
今回は下ネタが多いです。予めR15タグ付けておきました。




麗しき暴君 ネロ・クラウディウス

美しい少女を見た。

彼女は、身の丈に合わない歪な形の剣を振るい、彼の強敵と剣を交えていた。

俺は、苦痛に意識を持っていかれそうになりながらも彼女の戦う様を見ていた。……いや、正しくは見ようとしていた。俺の意識は、いつの間にか途絶え、憑依も解けていった。

俺が目を覚ました時には、戦いは終わり、デュラハンの姿は無かった。

 

「…………あれ?お、れは……?」

「カズマさん!!?カズマさん、大丈夫ですか!!?あ、あのあの……!!あの、とにかく……大丈夫ですか!!?」

「あ、ああ……たぶん」

 

意識が戻ると、真っ先にゆんゆんが飛び付いてきた。

涙をポロポロ流して顔をくしゃくしゃにして、何度も何度も俺の安否を問いただしてくる。

 

「ったく、心配しすぎだって……。大丈夫だから、顔を上げてくれよ」

「でも、でも……うっ、カズマさん……あんなにも辛そうに……。ぐすっ、本当に……大丈夫なんですか?」

「身体中痛いけど、意識はしっかりしているからたぶん大丈夫だ」

 

そう、俺は嘘はいっていない。言った様に身体中痛むが、意識もある。ただ、記憶がはっきりとしていないのだ。俺が覚えているのは、新たなサーヴァントが現れ、彼女が剣技でデュラハンを凌駕する姿だ。

 

「かじゅま~!!」

「うぐっ!?……おい、めぐみん。いくら俺の事が好きすぎて心配で仕方ないからって怪我人にタックルは勘弁な……」

「かじゅま~、かじゅまかじゅまかじゅま~!!!」

 

ああもう、めぐみんもポロポロ涙流しながら抱きついてくるから、俺の服がくしゃくしゃだし濡れてる。なに?どんだけ俺の事好きなの、この子達。

 

「まったく……突然発狂した時はどうなるかと思ったよ、カズマ」

「御剣……。そうか、イケメンは滅んでなかったのか」

「突然何を言うんだ君は!!?……せっかく人が心配しているというのに。少しは素直になれないのか?」

「いいのか、おい?今の俺が素直になれば、この泣きじゃくる二人を抱いてクンカクンカするぞ?」

「それは君の自己責任でね……」

 

というのは冗談だ。

素直に言うと……美少女二人に抱き締められて心拍数がはね上がって超ヤバイです、はい。いいですか?本当にいいんですか?抱いても殴られませんか?殺されませんか?二人にドン引きされて冷たい目で見られませんか?

………………ま、俺にそんな度胸はないわけで。軽く頭を撫でてやった。

 

「ふむ、マスターよ。お主は少女趣味であるか。余の美的感覚に通じる物があるな」

「あ、えっと……君は?」

「うむ、よくぞ聞いてくれた!余の真名はネロ・クラウディウス。ローマ帝国五代皇帝である!」

「…………あ、ああ!なるほど、あのネロか、うん……なるほど」

「ほう、そなたは余の事を知っているのか!?」

(暴君とだけ……な)

「ええと、それで……君が――」

「よい、ネロと呼ぶがよい。余が特別に許可するぞ!」

「あ、うん……どうも」

(やりづらいな~……)

 

どうもこの方は噂に違わぬジャ○アン気質なのだろう。マスターは俺なのに、上から目線だ。いや、別にいいけど。……いいけど、どうして俺はジャンヌといい、ネロといい、いまいち掴み所の無い性格なサーヴァントばかり召喚してしまうのだろうか?

 

「ところで、マスターよ。お主の名前はカズマで良いのか?」

「ああ」

「ふむ。では、カズマよ」

「何?」

「一つ問いたいのだが……」

 

ネロは、俺からゆんゆん達へと視線を写した。どうしたのだろうと思い、よーく彼女の顔を凝視した。……俺のセンサーが反応しているのだ。そう、もしや彼女も―――

 

「その者達を愛でさせて貰ってもよいか!!?」

「…………はい?」

 

そう。変態気質なのかもしれない、と。

 

「余は美少年も好きだが、美少女はもっと好きなのだ!!!」

「きゃ!?」

「な、なんですかこの人!?」

 

ネロは、未だ俺に寄り添っている二人に思いっきり抱きつき頬を擦り付けている。

…………え?なに?百合なの、この子?

 

「うむうむ!よい感触だ!!」

「か、カズマさん!助けてください!!」

「あ、ちょ……そんな強く擦り付けないで下さい!!」

 

う~ん……どうしよう?また変態が一人増えた。

とりあえず、重いので俺は二人を振りほどき離れた。

 

「ふぅ……。そういや、デュラハンはどうなったんだ?」

「彼女との死闘の果て、倒し損ねて逃げられたよ」

「そっか。まぁ、命があるだけよしとするか」

「それじゃ、僕はこれで。君が寝ている間にアクセルの街付近までおぶったから、後は君達でも安心して帰れるだろう?」

「待て。お前、俺をこの百合百合しい雰囲気で置いて帰ろうってのか?」

 

然り気無く帰ろうとする御剣の肩を掴み、無理矢理止める。

 

「カズマさん!お願いです、助けて下さい!!あ、だ、駄目っ!そこは……あんっ!ら、らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「か、カズマ!そこのぼっちは放っておいていいので先に私を……って、ああっ!!?や、やめろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「憂いやつ、憂いやつよの~!どれどれ、ここか?うむ、良い!実に良いぞ!!」

 

俺は、初めてガチモノの百合を見てしまった。ネロの一方的な愛情表現だが……。とりあえず、童貞の俺には少々刺激が強い光景だ。

 

「カズマ…………僕には苦しんでいる人々を救うという使命があるんだ。だから、こんなところで立ち止まってはいられないんだ」

「そうか。なら、目の前で気まずい空気に晒されて苦しんでいる俺を救ってくれ」

「…………」

「…………」

 

御剣は、瞬時に俺の手をほどき走り出した。

 

「待てお前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!俺をおいていく気かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

「離すんだカズマ!!!君の死は無駄にしない!!!」

「勝手に殺してんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!お前、こんな時のためのイケメンだろ!!?場の空気を取り持てよ!!?」

「断る!!!君は寝ていて知らないだろうが、彼女の二人を見る目は明らかにおかしい!!!僕に彼女をどうこう出来る力は無い!!!」

「諦めんなよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!松○修造も言ってたろ!!?諦めんなお前って!!!やれば絶対に出来るって!!!」

「僕はそんな元プロテニス選手なんて知らないし、勇者の僕には管轄外だ!!!」

「知ってるじゃねぇか!!!?諦めんなよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!お前なら出来る!!!絶対に出来る!!!できるできる!!!絶対に出来るから!!!響ちゃんはやれば出来る子だって母ちゃんに言われてたんだろ!!!?」

「勝手に僕の過去を捏造しないでくれるかな!!?」

 

くっ、こいつ!優男と見せかけ本当はずる賢い一面もあるみたいだ。一人だけ逃げ帰ろうとするがそうはさせん。

抵抗する御剣の両手を握り、『クリエイトアース』と『バインド』をかける。簡易手錠の完成だ。

 

「はっはっは!これでお前は逃げられまい!!」

「な、何て卑怯な……!?」

「卑怯?はっ!なんとでもいえ。一人だけ助かろうなんて考えなお前にはお仕置きが必要なようだな~!?」

「お主達……ホモなのか?」

「はっ!?ち、ちがーーーう!!!誰がこのクソイケメンなんかと!!?」

「よい。よいのだ……趣味嗜好は人それぞれだ。お主らの関係にとやかくは言わん……」

「やめろよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!そんな哀れみの目で見るなあぁぁぁぁぁ!!!お前だって百合百合しいだろうが!!!?」

 

結局、御剣は自力でバインドを解除して逃げた。そのあとも暴君ネロによる愛情表現は続き、俺は、涙目になりながらも助けをこう二人を眺めていた。

 

「うっ……うっ……カズマさん。私がお嫁にいけなくなったら、貰ってくれますか?」

 

ゆんゆんはトラウマを背負ったようだ。泣きながら歩く彼女の後ろ姿は、さながら失恋した少女のようだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

魔王軍デュラハンとの戦いの後、俺はしばらくクエストに出ることはなかった。だってまだ病み上がりだし?別に、デュラハン撃退で得た賞金でしばらくは楽をしようだなんて思ってない。ああ、思ってないとも。……嘘だけどな。

 

「カズマ、今日も飲み明かそうぜ!」

「はは、まぁほどほどにな……」

「んでよ、実はこの前とっても素晴らしいサービス店を見つけたんだよ」

「何っ!?……その話、詳しく」

 

こんな風に、悪友のダストと昼間っから飲んだ暮れている。いつも一緒にいるんじゃないかと思うくらいに。しかも、こいつと話す内容はだいたい猥談ばかりで…………最近は女性冒険者の俺に対する目付きが冷たくなった気がする。

 

「それでな?俺は要望に……」

「……なっ!?そんな事も出来るのか!!?」

 

こういう話に付き合う俺もどうかと思うが……好きなものは仕方ない。素晴らしいサービスなのだ、満喫しない手はない。

※淫夢サービスです

 

「ぐふふ……!俺の聖剣エクスカリバーが唸るぜ!!」

「おいおい、まだ昼間だぜ?…………後で教えろよ、俺も行く」

「へっ!しょうがねぇな…………って、なんだよ? 」

「どした?……ああ、ネロか」

 

振り向くと、ネロがキョトンとした顔で俺達を見ていた。どうしたのだろう?何か用でも……?

 

「マスターよ、ひとつ聞くが……」

「……?」

「先程その男が言っていたお○んことはなんなのだ?」

「ぶふぉ!!!」

 

思わずシュワシュワを吹き出してしまった。この人、いきなり何言い出してんの!?しかも公衆の面前で!

 

「それに、ふぇ○チオ……だとか、あ○るだとか……何の事をーー」

「あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!やめて!!!やめてくれ!!!!それ以上は言ったら駄目だ!!!!!」

「なっ……!?どうしたのだ、余は何かおかしな事を言ったのか?」

 

言ってる。超言ってる。というか、おかしな事しか言ってない。こんないたい気な少女が平然と猥談してたら普通驚くぞ。まぁ、そういう知識を吹き込んでしまったのは俺とダストな訳で……。

 

「カズマさん、さっきジャンヌさんが呼んでましたよ?」

「むっ?ゆんゆんか。丁度いい、汝に一つ問おう。おま○ことはなんだ?どういう意味だ?」

「ちょ、やめっ……ち、違うぞゆんゆん!俺は悪くな…………ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?」

「カズマさんちょっと表に出ましょうか?大丈夫です、すぐに終わります。ええ、すぐに終わります。まずは何からしましょうか?そうですね、とりあえずごめんなさいと10000回公衆の面前で土下座しますか?ああ、それでも足りませんね。こんな無垢な方に穢れを教えてしまった罪は重たいですよ。死にます?いっそ死にますか?カズマさんはこういう事はしない方だと思っていたのに残念です。ええ、とても残念です。それでは行きましょうか?大丈夫です、ジャンヌさんには私から言っておきます。安心してください。カズマさんに満足していただけるようにとどめにめぐみんの爆裂魔法を撃ち込んでもらいます」

 

だ、誰かーーー!!?殺されるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!呪詛唱えてるし、まじで殺される!!!ゆんゆんの目が逝ってるんだけど!ゆんゆんの眼が俺を捉えて離さないんだけど!!ポキポキ骨ならしながら近づいてくる!!?

 

「どうしたのだ、ゆんゆん?カズマが言っていることは良くないことなのか?」

「ネロさん、そこのゴミ男達が言っていたことは忘れてくださいね?」

 

こっわ!ついに俺の事をゴミとか言い出したんだけど!!?

 

「まったくカズマは卑猥な事ばかり言うからな~!ハハハ、マイッタナ~!!」

「てめぇ、ダスト!!自分だけ逃れようとしてんじゃねぇ!!?」

「は、離せカズマ!お前、あの子に聞かれてるんだから答えてやれよ~!?」

「ふざけんな!口が裂けても言えるか!!そもそもお前が言い出した事だろうが!!?」

「カズマよ、余は気になって仕方ないのだ。早く教えるがよい」

 

いやいやいやいや!無理、無理です!!男の俺がんなこと白昼堂々と言えるかよ!!ダストも逃げ腰だし、ゆんゆんは超怖いし、ネロは無垢で純情で素直すぎて逆にその態度が辛い!!!こんな無垢な子に言えるかよおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

 

「ねぇ、ちょっとカズマ。そろそろ今月のお小遣いよこしなさいよ。金欠で酒も飲めやしないわ」

「うむ、この際そなたでも構わんか」

「なに?要件は手短に言いなさいよ?酒が飲みたくてウズウズしてるんだから」

「まぁ、そう邪険にするでない。余が聞きたいのはカズマが言っていたセッ○スとはどういう意味なのかと言うことなのだ。ジャンヌは知っておるか?」

「…………………………ゆんゆん。あいつ、殺しなさい」

「分かりました。カズマさん、ちょっとこっちに来ましょうか?」

「いぃぃぃぃぃぃぃぃやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

駄目だ、もう駄目だ……。ジャンヌまで俺を蔑んでる。これはもう絶体絶命だ。誰も俺を助けてくれない。どうする、まじでどうすりゃいいんだ。

 

「よさぬか。カズマに非はなかろう?勝手に盗み聞いていたのは余の方だ。カズマを責めるのは検討違いであろうに……なぁ、カズマよ?」

(すいません僕が悪いです日頃からこんな話ばっかしててごめんなさい生きててごめんなさい)

「だとよ。良かったな、カズマ」

「ダストさんも後で一緒に来て下さい、ネロさんに卑猥な事を教えたお礼をしたいので」

「えっ?いや、俺は……」

「大丈夫です。楽には逝かせませんから」

 

ゆんゆんはにっこりと笑ってそういい放った。

俺とダストは、もはや恐怖で言葉が出なかった……。

 

「カズマ……あんた、懺悔の用意はできているのかしら?」

「頼む、頼むから許してくれ!ほら、酒代ならここに……」

「ああんっ!!?」

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?」

 

怖い、怖くて怖くて堪らない。俺は、かつてここまで恐怖を感じたことがあるだろうか…………いや、ない。

それほどまでに、ゆんゆんとジャンヌが怖いのだ。二人は臨戦態勢に入り、殺る気満々だ。俺とダストにもはや逃げ場はない。

 

「ねぇ、ゆんゆん?せっかくだから、あんたの新しい魔法の実験台になってもらいなさいよ」

「そうですね、それはとてもいいアイディアです。実は試す機会が中々無くて困ってたんですよ」

「こ、こら!そなたたちは何を物騒な事を言っておる。カズマ達が可愛そうであろう?」

「そ、そうたそうだー!人権侵害だ!!俺達は無罪だ!!!」

「え?何言ってるんですか?ゴミはゴミらしくしててください」

「あ、はい……すいません」

 

最早聞く耳持たずだ。ダストにははなから期待などしてないが、せめて俺の言葉ぐらい聞いてほしい。

 

「なぁ、ゆんゆん?俺が悪かったって、謝るから。この間欲しがってたうさちゃん人形買ってやるから、な?」

「えっ?…………そ、そうですね。カズマさんがそこまで言うなら。仕方ありません」

 

よし!かろうじて俺だけは束縛から逃れたぞ!!

 

「ようし、それじゃあ今から買いに行くか」

「は、はい……!」

「ふむ。そなた達は仲が良いな。もしや恋仲なのか?」

「えっ!!?」

「ははは、違うよネロ。まだ友達だよ、な?ゆんゆん」

「そ、そうですね……!」

 

ふっ、ナイスだネロ。ゆんゆんは完全に照れてペースを崩している。これでペースはずっと俺のターン……。

 

「うむ、存分に楽しんでくるがよい!」

「じゃ、俺達はこれで……!」

 

よし、これで解決ーーー

 

「ああ、そういえばカズマが先程言っていた俺の聖剣エクスカリバーをめぐみんのま○こに突っ込みたいとはどういう意味だったのだ?こればかりは難解過ぎて全く不可解だったのだが……どうやったら聖剣がめぐみんに収まるのだ?」

「…………………………………………………………………………………………」

「…………カズマさん?」

「……………………ハイ?」

「…………いっぺん、死んでみます?」

 

この後、無茶苦茶にされた。

※性的な意味ではありません。

 

 

 

 




ネロ・クラウディウス。
赤セイバーと呼ばれ、青セイバーを凌ぐ人気を持つお方ですが…………可愛いですね(小並感)
暴君といいつつ、可愛いらしく、ワンコの様にそわそわしながらマスターの表情をうかがうとかもう可愛いすぎです。

なお、本作では百合設定かつ無垢な少女です。穢れを知らない彼女が段々とカズマ達に毒されていく……最高ですね(ゲス顔)
実際、原作でも下ネタ多いしたぶんこれぐらい大丈夫だろうと思いました、すいません。

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