鎮守府に勤めてるんだが、俺はもうダメかもしれない   作:108036

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書いてたパターンがボツになった時のあーっという感じ。
きっと皆さんにもあるはず。
そんなパターンは後書きへシュゥゥゥーッ!!!
超、エキサイティン!

では今回もどうぞ!


9話 ちゃん呼び

 

「ふぅ.......」

 

 

「んぅ....提督さぁん.....」

 

 

気持ち良さそうにすぴーっと眠る夕立。

衣服は乱れ、隣に立つは息を切らした俺こと提督。

艦娘である彼女は女で、もちろん俺は男だ。

 

この場面だけ見れば完全に事案だが、周りの部屋の状態を考えれば恐らく冤罪だという言葉に納得して頂けるだろう。

 

舞い散った資料。

砕けた壁時計。

ボロボロになった提督服。

 

 

随分散らかしたなぁ夕立......

 

 

大層暴れまわったが、今回はどうやら最後の投げが効いたらしい。

頭を打ったのか昏倒したっぽい。

 

 

....寝言言ってっから寝てるだけかもだが。

随分安らかに寝ていらっしゃる。

 

 

 

「ぽいー......」

 

 

ここですぴーと言わないのはやはり夕立故か。

いいなぁ....

 

 

「だらしのない顔だな」

 

 

 

心にもない事言うのな俺の口。

普通に可愛いだろうが。

 

だが、ずっと眺めている訳にもいかない。

そろそろいい時間だ。

 

 

 

夕立をソファの上に置いて.....っと。

 

 

 

さぁ、俺もそろそろ訓練場行くか。

 

 

 

.....その前にドア直さなきゃな。

 

 

 

 

工具箱どこやったっけか。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

服を着替え、廊下を歩く。

艦娘達も朝食を終え、出撃している時間帯だ。

この訓練所に行くついでに、作戦書を提出してしまおう。

 

 

それにしてもなんだ...物作りって難しいよな。

ドア直すのめちゃくちゃ時間かかったわ。

ネジ回して直すってのがめんどいのなんのって。

 

不器用ってのは治らんなぁ....

昔からそうで、友人達にもよく言われたっけ。

 

手でぶっ刺しゃ直るだろって強引にやったらネジ一個潰しちゃったし。

不器用云々で思い出してたからか、一瞬これだから脳筋はって叫ぶ友の顔がフラッシュバックしたわ。

 

そんな頭悪くないと思うんだけどな....。

 

 

 

なんとか直したけど、あれじゃあ次強引に開けたら本格的にお逝きになるだろうな。

 

自作で直した分愛着が湧いたから大切に使いたいもんだが、不意のこともあるからな。

 

夕立とか....あと夕立と...夕立もだな。

他の艦娘?

 

ハハッ、部屋には何でか入って来ないんだよなこれが。

外歩いてると怒ってくるのにな....

 

 

いや、バレないように入ってる奴はいるな。

 

 

あれ誰なんだろう。

さっきもだけど部屋出るときに視線も感じるし、張り込んでるやつがいるのは確定なんだ。

誰かは絶対入ってる筈だが、俺と鉢合わせた事は無いからな。

 

 

俺なら気に食わない上官とか絶対殴り込みに....いや、ありえないか。

 

 

上官には上司の、部下には部下の仕事があるんだ。

下手すりゃ命を落とす戦場でのこと。

自分の命を思えばこそ、俺たち部下を上手く動かそうとする筈だ。

 

食い違いが見えても、その観点の違いを思えば納得することもある。

 

 

同僚達にはよく頭が悪いだとか、脳筋だとか言われたが俺だって頭はついてるんだ。

流石に「気にくわねぇ。ぶっ殺してやる!」とはならん.....かったようん。

 

イラっときても、やっぱ良い人じゃんって事の方が多かったしな。

 

 

 

さ、思い出話もこれくらいにして、昨日の書類提出しちゃいますか!

仕事は早く済ませるに限る。

 

 

それにここの先輩提督達は確認作業が早いんだ。

パッと見て、次にはもう「わかった下がれ」だもんな。

 

 

一瞬だよ一瞬。

びっしり文字が詰まった書類であれなんだから恐ろしい。

 

俺でも5秒はかかるのにな....

ま、有能な上官を持ったってのは嬉しい限りだけど。

あんまり会話はないけど、能力があるってのは純粋に尊敬できる所だわ。

 

 

仕事見てないだろって?

 

 

いやいや。

ある程度大きな鎮守府なんだし、なんか問題があれば絶対に大本営から憲兵が視察に来るはず。

それが来ないって事は上手くやってるって事なんだろ。

 

 

まさか新任の俺に仕事過剰に押し付けるなんて事はしないだろうし。

嫌がらせにしても、それで監査が入ってバレりゃ首が飛ぶのは先輩2人なんだから。

 

命がけの嫌がらせとか、流石にまともな神経だとできないと思うが....まぁあんだけ仕事多いとな?

怪しんだ事もある。

 

 

 

まぁ杞憂(?)だったんだが。

 

 

 

「失礼します」

 

 

第一執務室の扉を開く。

いつも書類で両手塞がってたから一瞬足で開けそうになったわ。

 

危ない危ない。

 

 

「....チッ!」

 

 

入ってすぐの舌打ち先輩。

 

 

配置は執務机に太った先輩。

その横に痩せた先輩。

 

そんな2人の正面に榛名ちゃん。

 

 

そしてその後ろに入ってきた俺。

 

 

 

なんか空気が張り詰めてらっしゃる。

俺、タイミング間違えたかな?

 

一瞬ノックしなかったからかって思ったけど、何もここまで空気が死ぬ事無いものな。

 

 

 

状況から見るに、榛名ちゃんがなんかやらかしちゃったっぽい?

いや夕立の真似じゃないが。

 

 

できれば庇ってやりたいがな......

 

 

榛名ちゃん。

心の中だけのちゃん呼びだが、実際他の艦娘達よりは仲良いんじゃないかと思う。

 

 

俺の書類仕事自体は手伝ってくれないけど、先輩方とか各施設への伝達伝搬をしてくれる艦娘だ。

ここの先輩提督達の秘書艦みたいなもんなんだろう。

 

でも「秘書艦なのか?」って聞いたら「違います!」って全力否定してた。

先輩たちエェ.....

 

 

そして何より、俺の先輩提督達への誤解を解いてくれた人物でもある。

 

正直ほんとに倍やってんのかよ....と最初は信じてなかった部分があって、それを榛名ちゃんに聞いたら

 

 

「...ええ......本当に....取り組んでおられます」

 

 

って泣きそうな顔で言ってたからな。

消え入りそうに、迷うように言葉を止めながら言うわけよ。

力になれない自分への罪悪感のようなものが、俺でもわかるくらいに見え隠れしてたからなぁ。

 

心配してんだろうな....榛名ちゃんにあんな顔させるなんて、罪な男だよ先輩は。

 

秘書艦否定も照れ隠しなんだろうな。

 

 

どっちの提督なんだろうかって考えると、結果の闇が深そうなので考えないようにしてる。

 

数少ない先輩達に対する心配事の1つだ。

 

 

 

「作戦書類に関しての事なのですが....艦娘を下がらせて頂いてもよろしいでしょうか?」

 

 

情報漏洩を防ぐのは基本だよなぁ!?

部屋探られてんの放置してる俺が言えた事じゃ無いかもだけど。

 

真面目な子なんだから、ここらで見逃してあげましょうや。

そんな意思を込めて、先輩提督達を見つめてみる。

 

 

届け、この思い!

 

 

 

「クッ......下がれ!」

 

 

「は、はい!」

 

 

半ば叫ぶようにして退出を命じる太った先輩。

ビクッと反応して部屋を出て行く榛名ちゃん。

 

 

ありがとよ先輩。

この借りはどっかで返すから期待しててな。

 

 

でもまずは仕事のお話。

 

執務机に歩み寄り、作成した作戦計画の紙を目の前に置く。

 

 

 

「追加索敵を求めます」

 

 

 

このお願いが通るかどうか.......

 

 

 

 

 




次の投稿は3月中旬になるかも.....すまぬ。


そして癒し回を作ると言ったな....あれは嘘だ(デデン!)

いや今回はボツになったのでここに貼っときます.....
もしかしたらどっかで使うかもしれないので、そん時はこっから消して本文に移る時が来るのかも。

夕立が眠ってなければこうなってたってパターンです。
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ボツ話 夕立セラピー
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「んぅ...提督さぁん...」

物欲しげな表情で見つめる夕立。
んもう!かわいいなぁお前は!


わっしゃわっしゃと撫で回してやると夕立がキャーと言いながら喜ぶ。

ハッハッハ!
もっともっと撫でてやろう!


肉体言語での話し合いが一息ついたら、いつもこれだ。

あーかわええ。
ああ^〜心が満たされるんじゃ〜


「だらしのない顔だな」


「提督さんが上手過ぎるっぽいぃ〜」


そりゃそうだろう。
動物好き舐めんな。
どこが嫌がってどこが好きか、一度撫でりゃぁわかんだよ。

ほらここか?ここがええのんか?


「ふゃぁぁ......」


心が...心が....喜んでる.....
まじ夕立セラピスト。

最高のアニマルセラピー...いやヒューマセラピー?
いや、名称なんてどうでもいい。
ただぽいぬは素晴らしいってことだ。


「満足したならそろそろ帰れ」


マイマウスめ、本心でもない事を...


「どうしてっぽい?」


「お前が散らかした部屋の片ずけをしなきゃならんのだ。服の着替えもな」


夕立が大層暴れまわったせいで部屋は確かに散らかっているし、提督服も裂けたり千切れたりしてボロボロだ。

でもいいじゃないか。
この笑顔に勝るものなし!


「提督さんが投げるからっぽい!」


「ならなんだ?殴ればよかったのか?」


「むぐぐ...そ、そうっぽい!別に人間の提督さんが殴っても痛くも痒くも...」

でもそろそろ夕立も出撃とか仲間とのお付き合いとかあるだろうし、離してあげよう。


ああでもこの元気の源を離すなんてこと...


「出来るわけないだろ!」


でも離さなければならないジレンマ。
しょうがない。
一回ぎゅっとしたら今日は諦めよう。

ほらぎゅーーーー.......。


よし、大丈夫。
これで作戦頑張れる。

ん?


「どうした?」


顔赤くないか夕立。
なんだ?ここはテンプレどうりに風邪か?って聞くべきなのか?


「な、なんでもないっぽいーーー!」


うぉう...走り去っていった。
子供は風の子元気な子とはよくいったものだな。
夕立はなんだか元気すぎて闘争心持て余してっけど。


さぁ、俺もそろそろ訓練場行くか。



.....その前にドア直さなきゃな。




工具箱どこやったっけか。



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以上!

でもさらに夕立が去った後に、


「ふ、生娘が」


いやマイマウス、お前童貞だからな?



って入れとこうか迷って結局入れなかったボツ話のボツもあります。
こういう思いつきはのは別の展開で活かしたいけど...小説書くって難しいからね、しょうがないね。




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