ガンダムブレイカー3 彩渡商店街物語   作:ナタタク

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第23話 ライバル登場!?

「くう、う…!!」

背後から飛んでくる赤黒いビームを左によけてかわすが、そこへ飛んでくるミサイルがラゴゥに被弾する。

被弾個所はリアクティブアーマーとなっており、本体そのものへはダメージが発生していない。

しかし、回避地点を予測し、撃ってくる背後の2機に対する警戒感が増し、下手にスピードを上げることができなくなった。

ミサはビームキャノンの中央に搭載されているサブカメラから攻撃してきた2機のガンプラの姿を確認する。

1機はMA形態に変形しているレイダー制式仕様をベースとしたガンプラで、その上に載っているもう1機は赤いカラミティをベースとしたガンプラだ。

この2機はある程度走り、レース後半になってから一気に順位を上げてきており、現在は2位につけているだけでなく、3位を走っていたアンクシャを撃墜した。

そのとき、それに乗っていたファイターが「アンクシャがぁ…!」と前作主人公のカマセ犬となった金髪のエースパイロットのような発言を最後に残していた。

「勇太君!レイダーとカラミティ!!」

「フォビドゥンはなし。了解!」

アニメで見た3人のブーステッドマンのことを思い出しながら、勇太は頭の中で彼らに対する戦略を組み立てる。

「ミサちゃん、2機の画像をこっちに送って!」

「う、うん!!」

うなずいたミサはコンソールを捜査して、カメラに映った画像を送るが、同時にレイダーが口からビームを発射する。

急いで右へ機体をそらすことで回避しようとしたが、逸らした方向にビームが1度だけ曲がり、こちらを追いかけてくる。

「く…ビーム攪乱幕を!!」

煙幕を含めたビーム攪乱幕が展開され、ビームは減衰したものの、消滅には至らなかったのか、それがラゴゥをかすめる。

「キャアア!!」

かすめたことで振動が発生し、ミサは悲鳴を上げる。

振動に耐えながら、勇太は送られた画像を確認する。

レイダーの両腕部分に外付けされる形でフォビドゥンのバックパック両肩に搭載されている装甲の一部が取り付けられていた。

「ゲシュマイディッヒ・パンツァーか…!」

磁場によってビームの粒子を歪曲させる力のある装甲が頭をよぎり、先ほどのビームの説明をつけることができた。

(それのおかげで、レクイエムとフォビドゥンの再現を…!)

搭載されているのは両肩の2つのみのため、曲げることができるとしても、フォビドゥンのものと同じ1回だけだ。

あとは相手に回避パターンを読まれないように動けばいいが、それほど簡単にはいかない。

(依存していたツケが回った…阿頼耶識に!!)

ラゴゥにはサブパイロットであるミサもいること、そして鉄血のオルフェンズ由来のガンダム・フレームやマン・ロディ系の阿頼耶識搭載型モビルスーツのガンプラがなかったため、普段使っている阿頼耶識システムが搭載されていない。

当然、バルバトス・レーヴァテインでできた感覚的な動きを発揮することができず、代わりに搭載されている教育型コンピュータに頼ることになる。

原作とは違い、シミュレーターにはある程度学習済みの状態で使うことになるが、逆を言うとパターンができてしまうということになる。

最近のガンプラバトルで感じた、背中に何かがついている感覚があるのとないのとでも大きな差をひしひしと感じてしまう。

「ビームがダメなら、ミサイルならどうだぁ!!」

ラゴゥにオプション装備されている使い捨てミサイルポッドを残弾を惜しまずに発射していく。

しかし、上にのっているカラミティベースのガンプラの盾からGNファングが放出され、それから発射されるビームでミサイルを撃ち落としていく。

「ファング!?あれって、GN粒子がないと使えないはずでしょ!?」

「粒子貯蔵タンクか太陽炉があるんだ!それをファングの使用にだけ集中すれば…うう!!」

ミサイルを撃破したファングが今度はラゴゥに襲い掛かる。

相手はある程度回避パターンを読むことができるファイター、このまま回避するのは難しい。

「阿頼耶識がない分は…覚えてる動きで代用すれば!!」

横にあるコンソールの赤いボタンを押し、教育型コンピュータをカットした勇太はラゴゥを反転させる。

真後ろへ向けて走行を続けつつ、ラゴゥの口に装備されているビームサーベルを回転させる。

回転するビームサーベルがビームシールド代わりとなり、正面から飛んでくるビームを受け止めていく。

横や後ろから飛んでくるビームやファング本体は阿頼耶識搭載時に見せたような必要最小限の動きで回避していく。

 

「嘘!?この動きって…!」

カラミティベースのガンプラに乗るミサと比較すると薄めの茶色いボブヘアーの少女がラゴゥの動きの変化にびっくりする。

OSを2つ搭載することで、動きを大きく変えるというやり方は理論上では存在する。

しかし、不完全なバイオコンピュータと木星式OSの両方を搭載したファントムがそれが登場する作品の主人公であるフォント・ボーと相方AIのハロロの活躍がなければ起動すらできなかったように、相性の悪いOSを組み合わせるのはリスクが大きい。

「ミソラ、もしかしたらあのパイロット、ニュータイプかも」

「ニュータイプって、宇宙に住み始めたわけじゃないんだから、まだ人類はその段階に来てないよ。ツキミ」

「だな。さて、どうやって料理すりゃあいいんだー?」

ハネッ毛のある青い髪の少年、ツキミはこちらに目を向けたまま、障害物のあるコースをバックで走り続けるラゴゥを見る。

ビームキャノンの中央に小型のサブカメラのパーツがついていること、ラゴゥが2人乗りであることから、ガンナーが後ろの障害物の配置を確認して、メインパイロットに伝えていることは確かだと判断できる。

「どうする?このままだと、追い抜けないよ」

このまま先へ進むと、トンネルのある山に差し掛かる。

トンネルの大きなを見ると、カラミティを載せている状態のレイダーがその中に入るのは不可能で、無理に入り、地上すれすれでの飛行を続けたら、ちょっとのミスで機体が壁や路上に接触、バラバラになるのが関の山だ。

そこを抜けてすぐにゴールとなり、こちらは山を上空から越えなければならない都合上、ここでラゴゥを倒さなければ、1位になれない。

「決定打を欠くのがつらいっていうのは、こういうことか!」

 

「はあはあ…阿頼耶識がないから、いつも以上にこの動きをすると疲れる…」

カラミティとレイダーから飛んでくるビームやミサイルを回避しながら、攻撃の手が緩むとたっぷり深呼吸をして申し訳程度の体力回復を行う。

緊張もあって、のどの渇きも感じていて、水がほしくなる。

GNファングはすべて撃破したためか、もう撃ってこない。

「勇太君、もうすぐトンネルに入るよ!そこに入りさえすれば…!」

「トンネル…」

もうすぐトンネルに到達することは勇太自身もこのコースを何週も走っているため、わかっている。

ただ、勇太はレーサーではなく、ファイターだ。

そのためか、別の不条理な欲求が出てくるのを感じた。

(抜きたい…先を走りたいんじゃない。勝ちたい…)

勇太は残った武装と弾薬を確認する。

ビームキャノンはまだ使えるが、ビーム攪乱幕は弾切れで、爆雷は残り2つ。

ビームサーベルも使用限界が近づいており、それ以外の武装についてはスーパーバーニアともども弾切れ、燃料切れで強制排除している。

この状態で、勇太の望むとおりに勝つとなると、懐に飛び込まなければならない。

「ミサちゃん…ごめん。僕…あの機体と戦ってみたい…」

「ええ!?レースなのに?」

目を丸くしながら、ミサはほかの参加者の状況を確認する。

距離が離れているとはいえ、戦うとなると、あの2機相手だと撃破するのに時間がかかる。

その間に追い抜かれてしまうのがオチだ。

「あの2機が強いのは知ってる。これは…僕のただのわがままだよ」

(わがまま…か…)

その言葉を聞いたミサはそのようなことを勇太が言ってくれたのが初めてだということで、びっくりしていた。

これまでのことを考えると、わがままを言うのはミサのほうで、勇太がそれに合わせるという感じだった。

そのことの恩返しをする、ということを考えると、今度は彼のわがままに付き合うというのもよいかもしれない。

それに、このレースで1位を取れなかったからと言って、ジャパンカップに影響が出ることはない。

「もう、しょうがないなー!チームリーダーとして、ウチのエース君のわがままには答えてあげないとー!その代わり…」

「その代わり…?」

「次に一緒に出掛ける時はご飯代とガンプラ代、全部おごって!」

満面の笑みでとんでもない条件を提示され、勇太の体がブルッと震える。

今の勇太は両親からの仕送りと週に1,2回やっているマチオの店でのアルバイトである程度収入がある。

しかし、こういう場合はパフェやら期間限定のガンプラの練習バトル用、家での鑑賞用、店での鑑賞用など複数買うことになるのは目に見えている。

どれだけの出費になるのかわからず、とあるロボットゲームで何度も借金を背負っては返済を延々と繰り返している苦労人と同じような心境になりかける。

「うう…わかった!!ああ、わかった!!」

「やった!」

まもなくトンネルに差し掛かりつつあるラゴゥの足を止め、メインカメラをじっとカラミティとレイダーに向ける。

そんな彼らを見た2機のガンプラも動きを止める。

「ツキミ、あのガンプラ、どうしてトンネルに入らずに…」

「わからない…。戦ってみたくなった、って理由だと、かなりのロマンチストに見えるな」

だが、そんな目の前のラゴゥに合わせるかのように、足を止めてしまったこちらも人のことは言えない。

ロマンチスト、などという言葉を吐いた自分自身に苦笑してしまうそうになる。

現在の3位のガンプラがこちらにやってくるまでの予想時間は2分から3分。

その間にけりをつけることができれば、優勝を狙うチャンスはまだある。

ロマンチスト同士はにらみ合い、先にラゴゥがビームキャノンで攻撃を仕掛ける。

直進し、ビームキャノンを回避した後で、カラミティがレイダーから飛び降りる。

そして、カラミティを下したレイダーは急旋回し、再び曲がるビームを口から発射する。

ラゴゥは右へ動いてビームの直線軌道上からはずれた後、ビームが曲がる前に直進する。

これにより、後ろへ向かうことのできないビームはどう曲がろうとも命中することはない。

「まずはその曲がるビームを発射するガンプラをやる!」

「OK!!」

ミサがビームキャノンの操作を行い、その間もラゴゥはレイダーに距離を詰めていく。

スーパーバーニアがないため、もう飛行することはできないものの、ジャンプして短時間だけ滞空することくらいはできる。

ビームキャノンが2発発射され、レイダーはそのうちの1発の回避には成功するものの、もう1発はよけきれず、ゲシュマイディッヒパンツァーで防御する。

(このまま飛び込んで、ビームサーベルで切り裂くつもりか!?)

「ツキミ!!」

チームメイトであり、幼馴染である彼をやらせないと言わんばかりに、ミソラはカラミティのバックパックとシールドに装備されているビームキャノンを連射する。

特にバックパックに装備されているビームキャノンはエネルギー供給をそこに搭載されている大容量ジェネレーターから直接供給を受けていることもあって、コズミック・イラ世界での従来のビームライフルの倍以上の口径と出力を持つだけでなく、高い連射性能まで持つ高性能なものだ。

その弾幕の中からレイダーの懐へ飛び込むのは難しく、2機に背を向ける形でコースを逆走し、ビームを回避する。

「爆雷、残ったのを全部落とすよ!」

「お願い!」

臀部に盛り上がるように取り付けられているコンテナが開き、2つの爆雷が転がり落ちていき、2機のガンプラめがけて転がっていく。

コンテナを強制排除し、機体を急旋回させた勇太は左腕の装甲カバー内に格納する形で装備したガトリング砲を発射する。

転がる爆雷はビームもしくはガトリングの弾丸に命中することで爆発し、2機のガンプラのカメラに映る景色を真っ白に染めていく。

「フラッシュバン…!?」

「くそ!これじゃあ何も!!」

前に出ているツキミのことを考え、ミソラは攻撃の手を緩めてしまう。

しかし、それと同時にガトリングがカラミティを襲い、トランスフェイズ装甲のおかげで装甲そのものにダメージは発生しないが、コックピットに振動が襲う。

急いでセンサーの補正を行い、カメラが元に戻すが、その時にはラゴゥがこちらに肉薄しており、ショルダーアタックを仕掛けてきていた。

トランスフェイズ装甲と言っても、全速力でそのような攻撃を受けたらコックピットやフレームに強い衝撃が伝わってくるのは明白だ。

さらに追い打ちをかけるように、右腕の装甲カバーが開き、そこに内蔵されたクローが出現する。

そして、ラゴゥは左腕そのものを軸にして一回転してクローをコックピット付近にたたきつけた。

ただし、さすがにこれまでの蓄積ダメージもあって負荷をかけ過ぎたのか、攻撃を終えると同時にラゴゥの左腕がスパークし、勇太の操縦に応えなくなってしまった。

「よし、カラミティへの攻撃はもういい!ミサちゃん、ビームキャノンはまだ使えるよね!?」

カラミティを助けようと、レイダーが撃ってくる機関砲をかわしつつ、ミサに声をかける。

しかし、いつもならすぐに何かしらの形で返事が返ってくるはずなのだが、今のミサからは何も返事が来ない。

「ええっと、ミ…ミサちゃん…??」

ガンナー席に座っているミサを恐る恐る見る。

体はシートベルトがあるため、しっかり固定されているが、手はすっかり操縦桿から離れてしまっている。

声をかけても反応がないとなると、可能性は1つだ。

「気絶…しちゃった??」

シミュレーターは現実のものと比較すると軽減はされるものの、急激な動きや加速・減速をすることでGが発生する。

軽減されているため、死亡事故につながるケースはないものの、そのために無茶な動きを繰り返してしまったがためにパイロットが気絶してしまい、その間に撃墜されて負けてしまったというケースがよくある。

なお、シミュレーターにそのシステムを採用するかについてはかなりの論争が起こり、ガンダムの関係者全員がそれに参加し、賛否両論が巻き起こった。

賛成派はガンプラバトルでもリアルを追求し、かのトレーズ閣下やドクターJら五博士の「人は戦うことによって、なぜ自分が戦うのか、その意味を考える」という旨のセリフを引用し、自分がなぜガンプラバトルをするのか、そしてアニメや漫画でモビルスーツやモビルアーマー、戦艦に乗って戦った人々が何を思い、考えていたのかを問いかけるのにつながると主張した。

反対派はガンプラバトルは子供たちもやるゲームであり、そのゲームで子供たちを危険な目に遭わせるわけにはいかないという意見が大半だった。

長く続いた論争の結果、死亡事故や傷害などのけがを負うような事故が起こることがないように軽減した状態で再現するという方向で一致することになった。

「動きが止まった…今なら!!」

ミサのことに気を取られていることから、ラゴゥの動きが止まる。

猛攻を受けたカラミティのバズーカの照準が補正されていく。

先ほどの攻撃のせいで、ジェネレーターにダメージが発生しており、パワーダウンが発生している。

おまけにバッテリーにも損傷があり、残量がみるみるうちに落ちて行っている。

まもなく機能停止し、脱落することになるが、ただで敗退するつもりはない。

バズーカから放たれるプラズマを帯びた高熱エネルギーを帯びた弾頭がラゴゥを襲う。

「熱源!?しま…!!」

反応が遅れたラゴゥに弾頭が命中し、後ろ足が吹き飛ぶ。

前足と後ろ足を一本ずつ失ったラゴゥの機動性が一気に落ち、コックピットには警告音が響き渡る。

「はは…。なんだか、鏡の中にいる僕とミサちゃんと戦っていたみたいな気分だよ」

残った2本脚だけでは、もう上空へジャンプすることもできない。

勇太はメインパイロットシートのコンソールを操作し、ビームキャノンの操作を自分に回す。

そして、せめて一撃を加えることができればと、こちらに向けて突撃しながら機関砲を撃ってくるレイダーに照準を合わせる。

弾丸はラゴゥに何発も命中しており、激しい振動と照準のブレが生じる。

そんな中で発射されたビームはレイダーの翼部をかすめ、同時にダメージが限界を超えたラゴゥは爆発した。

 

「うーん…」

「ミサちゃん。大丈夫??」

「あれ…勇太君??バトル、どうなったの??」

ベンチの上で横になっていたミサが額に置かれている冷たいタオルを取り、そばに座っている勇太に迫る。

爆雷投下後、急旋回してからのミサの記憶は完全に途切れてしまっている。

「それが…負けちゃってさ」

「…そっか。負けちゃったんだ」

残念そうに、ミサは勇太の膝元に置かれているラゴゥを見る。

本当の意味で、勇太と2人で力を合わせて作った初めてのガンプラ。

2人で一緒に動かしたこともあり、できれば勝ちたかった。

「ごめんね。僕のわがままのせいで…」

「いいよ、私の方こそごめんね。気絶しちゃってさ」

「いや、あれは僕がめちゃくちゃな動きをしたから…」

バルバトスであのような動きを何度も繰り返してきた勇太にとっては少しきついと感じる程度のものだが、砲撃による後方支援がほとんどで、高機動戦闘をあまりしたことのないミサにとってはかなりつらい動きだっただろう。

バトルになる前までも、加速や急カーブなどを繰り返していたこともあり、それが彼女に疲れを蓄積させたこともあるかもしれない。

「でも、たまにはこういうのもいいよね!ただ単純にガンプラバトルを楽しむのも!まぁ…今回の場合はレースだったけど。あ…」

「うん…?」

だんだんミサの顔が真っ青になっていくのを見て、勇太はどうしたんだろうとじっと彼女を見る。

涙目になったミサの頬が膨らんでいく。

「き…気持ち、悪い…!」

「え、ちょ、ま…!!」

次の瞬間、勇太の視界がブラックアウトした。

 

「ツキミ、あのラゴゥ…かなり強かったよね」

レースが終わり、優勝トロフィーを持つツキミと共にお土産屋を回るミソラはトンネル前でのバトルを思い出す。

破りはしたものの、フェイズシフト装甲がなく、飛行機能のないラゴゥのあそこまでの独走っぷりとバトルでの動きには感心してしまう。

仮に正面からのガンプラバトルで戦うことになったとしたら、もっと面白いバトルをすることができたかもしれない。

「もしかしたら、あのガンプラのファイターって…俺たちと同じく、ジャパンカップ出場者かもしれないな…」

今回のレースには時間ぎりぎりになっての参加となり、ガンプラを作っているときも、それに夢中になっていたこともあり、ほかの参加者と話をする機会があまりなかった。

そのこともあり、ラゴゥのファイターが何者であるかは2人とも知らない。

しかし、なぜかツキミにはそう思えて仕方がなかった。

 

 

「…で、どうやって謝ればいいか分からないって?」

「…うん」

「まぁ、わざとじゃないってことはきっと彼も分かってるよ。ちゃんと謝れば…」

体操座りとなり、座布団の上を顔を膝の間に隠すミサをロボ太は励ますように肩の上に手を置く。

なお、勇太は顔を洗い、旅館に戻った後は温泉へ行っている。

ヒロインにあるまじきことをしてしまい、それをあろうことか主人公である勇太の顔面にやってしまうというハプニング。

「まぁ…一緒に作ったガンプラが汚れずに済んでよかったな…」

夕方になり、夕日が差し込む部屋の中で、テーブルの上に乗っているラゴゥはその光に照らされていた。

 

 




機体名:ラゴゥ・ラピドリー
形式番号:TMF/A-803RP
使用プレイヤー:沢村勇太(メイン)井川美沙(ガンナー)
使用パーツ
射撃武器:ビームキャノン(ラゴゥ)
格闘武器:ビームサーベル(ラゴゥ)
頭部:ラゴゥ
胴体:ラゴゥ(ビーム攪乱幕展開ポッド、爆雷搭載コンテナ、リアクティブアーマー搭載)
バックパック:トールギス(EW)
腕:ラゴゥ(左腕にガトリング砲、右腕にクロー内蔵)
足:ラゴゥ(ランドスピナー搭載)
盾:なし

群馬で行われたガンプラレースのために、勇太とミサが力を合わせて作ったガンプラ。
オリジナルのラゴゥと比較すると、リアクティブアーマーや追加武装の存在により重装甲となっており、それによる機動力の低下をトールギスのスーパーバーニアを装備することで補っている。
それによって生まれる殺人的な加速を利用することで先行していき、後続をビーム攪乱幕が混ざった煙幕によってカットするという戦略を可能にしている。
また、仮にバトルに発展した場合はビームキャノンやビームサーベル、ガトリング砲にGサイフォスのヒートソードのパーツを流用して作った、フェイズシフト装甲にすらダメージを与える可能性のあるクローによる多彩な攻めを見せる。
しかし、メインパイロットが阿頼耶識システムを利用した操縦に慣れていることもあり、それが搭載されていないこのガンプラでの操縦はあまりなじまなかった。
パイロットは原作通り、2人乗りとなっており、1人はメインパイロットを務め、もう1人はガンナー役を務める都合上、ガンナー役が気絶してしまうと射撃武装の大半が一時使用不可となってしまう。

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