「やったー!予選3位通過だー!」
各チームの記録が表示され、200機近く撃破した勇太たちのチームの予選通過が決定し、ミサは嬉しそうに飛び跳ねる。
周囲にはミサのように予選通過を喜ぶチームがあれば、敗北して沈黙するか涙するチームもある。
だが、これはどのような真剣勝負のコロシアムでも見る光景で、特に特別でも何でもない。
特別があるとするならば、それはまだチャンスがあるかないかということくらいだろう。
「おお、予選突破できたみたいだな、ヘッポコチーム!」
笑いながらモチヅキが4人のもとへやってくる。
佐成メカニクスガンダムチームはなんと2位とダブルスコアの差をつけての予選突破とのことで、自分が作ったガンプラが大きな戦果を挙げたことでかなり機嫌がいい。
「本戦は明日だ。家へ帰って、明日に備えておけよ」
「了解!」
「無視すんな!!」
カドマツとミサに無視されたモチヅキが頬を膨らませながら2人に抗議する。
カドマツの話を聞いたとしても、やっぱり彼女が彼と同年代の大人には見えなかった。
「あのー…」
頭をかきながらウルチが5人のもとへやってくる。
「なんです?」
「この辺で小さな女の子を見てないすか?ずっと探してるんですけど…」
緑色のTシャツを着ていて、首に佐成メカニクスの社員証をぶら下げているウルチを見た勇太はすぐに彼女が言う小さな女の子の正体を察する。
「ええっと、その女の子って…んぐ!?」
「ちょっと静かにしてろよ」
ウルチに話そうとした勇太の口をふさいだカドマツはそのまま彼を引っ張っていく。
わずかながらに笑みを浮かべているカドマツを見て、悪いことを考えているなと思ったのだが、こうなった以上はどうにもならなかった。
「え、迷子!?年は!?」
一方、社員証に気付いていないミサが確認しようとウルチに尋ねる。
「三十路過ぎなんすけど」
この一言で、ミサも勇太と同じように小さい女の子の正体がわかった。
沈黙するミサと口をふさがれたままの勇太をしり目に、カドマツが笑いながら話しかける。
「受付で迷子アナウンスをしてもらえ、面白そうだ」
「あー、そうですね。どうもっす」
「やめろぉ!!」
カドマツの言う通りにしようと思い、立ち去ろうとしたウルチについに我慢が限界を超えたモチヅキがかみつく。
その反応が見たかったと、カドマツはニヤニヤ笑っていた。
「あ、モチヅキ姐さん。ずっと探してたんすよ?」
「ずっと目の前にいたよ!」
「姐さん、視界に入りにくいから…」
カドマツと違い、ウルチは悪気は全くなかった。
身長が女子バレーボール選手並みに高いウルチには背の小さいモチヅキの姿が本当に見えなくても仕方ないのかもしれない。
数分後、ようやくモチヅキの怒りが収まった。
「ウルチ、こいつらは決勝で戦うことになるかもしれない相手だ。一応、あいさつしとけ」
「え、あー…しゃーっす…」
「お前、それでも社会人か!?」
「お前もな」
まるで3人で漫才をするかのようなやり取りを見たミサはアハハハと愛想笑いをしつつ、ウルチをじっと見る。
佐成メカニクスのチームの撃墜スコアをチェックすると、彼女が1倍で、残り2人のスコアの倍の数の敵機を撃墜している。
つまり、彼女がエースということだ。
やる気がなく、敬語もまともに話せない、社会人としてはいろいろ問題のある女性だが、バトルの腕はかなりのものと言ってもいい。
「くっそーーー!いつもいつもバカにして、明日こそはお前を倒して土下座させてやる!」
「姐さん、外から見ているだけじゃないですか?」
「いいじゃねーか!このチームのアセンブルシステムの調整とガンプラづくりを誰がやってると思ってんだ!」
「おもしれえ…じゃあ、俺が勝ったら?」
「カドマツも外から見ているだけでしょ?」
勇太を除くファイターに反して、メカニックはライバル関係であるためか、すっかり闘志を燃え上がらせている。
もはや彼らが1VS1でバトルすればいいのに、と思ってしまうくらいに。
「え…じゃあ、今まで私をいじめたことをチャラにしてやる!」
「いらん、大会が終わるまでに何か考えておく。これでいいな?」
「いいだろう!試合で会うのを楽しみにしてろ!」
すっかり上機嫌になったモチヅキはウルチを置いて、会場を後にする。
彼女の小さな姿が見えなくなったのを見計らい、ウルチはカドマツらに目を向ける。
「姐さんって仕事ができるけど、アホっすね」
「アホだな」
「っていうか、カドマツさん。そこのファイター、そろそろ解放しないとまずいんじゃないっすか?」
「あ…」
勇太のことをすっかり忘れていたカドマツはカクカクと首を回して、彼に目を向ける。
すっかり酸欠になっていた勇太は顔を青くし、白目をむいて意識を失っていた。
「勇太君、勇太くーーん!!」
「頼むから、ファイターがこんな形で戦闘不能になったからって言って、棄権しないでくださいよ?そうなったら姐さん、調子乗っちゃうと思うんで…」
解放された勇太の体を半泣きになって必死に揺らすミサを見ながら、ウルチは頭を抱える。
勇太をこんな状態にしてしまったカドマツは首を縦に振るしかなかった。
(済まねえ…勇太。モチヅキと張り合うのに夢中になってて、すっかり忘れてたぜ…!)
「じゃあ、明日の8時には迎えに来るからな」
「はい、じゃあまた明日…」
「その…悪かったな、勇太」
夜になり、勇太とミサを彼が住むアパートの前におろしたカドマツは勇太に詫びると、車を走らせた。
「勇太君、本当に大丈夫?」
「大丈夫だって、心配性なんだね、ミサちゃんって…」
「だって、ここにつくまでずっと顔が青いままだったから…。ああ…!!」
車の中でのことを思い出したミサの顔が真っ赤になる。
なぜそうなったのかわからない勇太はじっとミサの顔を見る。
「その…ミサちゃん?どうかしたの?」
「ううん!!なんでもない!!じゃ…じゃあ、また明日!!」
大急ぎでミサは商店街へ向かて走っていく。
そんな彼女の後姿を見続ける勇太だが、やっぱりその理由がわからなかった。
「ううう、思い出すとやっぱり恥ずかしいよ…」
帰宅するミサだが、頭の中からあの光景が離れず、顔を赤く染めたままになる。
帰りの車に乗り、勇太が意識を取り戻すまで、ずっとミサは彼に膝枕をしていた。
座席が固く、横になるには苦しいだろうというのは建前で、実際には面白そうだからという理由でカドマツに膝枕を提案されたためだ。
「座布団くらい置いておいてくれてもいいのに…カドマツのヤロー…」
「井川美沙さん、ね?」
「んん…??」
急に背後から女の子の声が聞こえ、びっくりしたミサは後ろを向く。
そこにはトレンチコート姿の人物が立っていて、暗いのとマスクで口元を覆っていて、更にサングラスをかけていることから、だれなのか全くわからない。
「ええっと、どちら様…」
「彩渡商店街ガンプラチームのバトルを観戦したいた者よ。まずは、リージョンカップ予選突破おめでとう」
「え?あ、ありがとう…ございます…」
「いきなりで悪いけど、私とバトルしてもらえる?」
そういいながら、トレンチコートの女性はコートの中からガンプラを出す。
ブリッツガンダムをベースとしているが、色彩は白をベースとしており、左肩にはガンダムSEEDシリーズに登場するレナ・イメリアの痣を模した乱れ桜のペイントが左肩からひじのあたりまで描かれている。
また、左腕部分にはギガンティックシザースらしく大きな鋏が逆さの状態で搭載されており、足には左右に3本ずつ、合計6本のダガーと鞘が取り付けられた、ベースとなったブリッツに反して攻撃的な印象を見せている。
「あー、ごめん!私、今日はくたくたで…だから、明日大会が終わってから、お店まで来て!そしたらバトルに…」
「いいえ、今でないとダメよ。それに、あなたのチームメイトに電話をしてみたら…?」
「勇太君に…?」
含みのある言葉を吐く彼女を見たミサは恐る恐るスマホを出し、勇太の番号を押す。
(お願い…勇太君、出て!!)
スマホを耳に当て、願いながら勇太が出るのを待つ。
しかし、どれだけ待っても呼び出し音が響くだけで、電話に出ない。
「勇太君が電話に出ない…まさか!!」
「彼がどうなっているか、知りたい?」
「あなた…まさか私たちの妨害のために!?」
「どうでしょうね?知りたかったら、私とのバトルで勝つことね」
「…いいよ、あんたなんかに絶対に負けない!!」
ミサはトレンチコートの女性に指をさしながら、勝利宣言をする。
勇太に何かをしたことに加えて、妨害工作でガンプラバトルをけがすような人間を許すことができなかった。
「それでいいわ、いえ…そうせざるを得ないわね」
そういうと、彼女はコートの内ポケットからアザレア・カスタムを出す。
なぜ自分のガンプラは、と思ったミサは自分のジャケットの内ポケットを調べる。
「あなた…まさか!!」
「場合によっては、あなたのガンプラもネタにするつもりだったのよ」
彼女はミサにアザレア・カスタムを手渡すとついてきて、といいながら彼女を先導した。
トレンチコートの女性についてきて、ミサがたどり着いたのは近くの廃ビルの屋上だった。
そこには2つのシミュレーターが向き合うように設置されており、発電機と接続している。
「ゲームセンターは閉店しているから、私が用意して置いたわ」
「まさか…シミュレーターにはズルをしてないよね?」
「そんなことはしないわ。私にもプライドがある」
「勇太君に何かをしといて、何がプライドよ!」
念のため、ミサはシミュレーターを調べ始める。
メカニックであるカドマツではないため、あまり詳しいところまでは調べることができないが、特に変わったところはなかった。
USBメモリの差し込みと改造データの読み込み、そしてガンプラのセットも問題なく完了し、自身の姿もノーマルスーツ姿に変わったが、対戦相手である彼女はコート姿のままだった。
「なんでそっちはノーマルスーツ姿じゃないの?」
「あなたになら、その姿にならなくても勝てるってことよ」
「意味わかんないよ…けど、絶対に勝つ!勇太君を助けるために!!井川美沙、アザレア・カスタム、行きます!」
アザレア・カスタムがカタパルトから射出され、アルテミス宙域に飛び出す。
ちょうど正面から、コートの女性のブリッツが直進してきていた。
「正面から!だったら!!」
アサルトライフルをサブレッグに収納し、代わりにレールガンを手にすると、照準を相手に合わせる。
照準が合い、この状態なら警告ランプか音声が発生する状態であるにもかかわらず、目の前のブリッツはそのままスピードを緩めずに直進している。
「そんな直進だと!!」
ブリッツに向けてレールガンを発射する。
レールガンの威力であれば、ブリッツなどのSEEDシリーズのガンダムの標準的な装甲であるフェイズシフトにもダメージを与えることができる。
おまけに、弾速も早いため、今のように直進する相手には確実に当てられるはずだった。
しかし、ブリッツは速度を緩めずにわずかに右にずらすことで回避し、弾丸は後方にあるアルテミス基地の外壁に当たった。
「避けた!?」
「その程度の攻撃で、私のブリッツ・ヘルシザースには当たらないわ」
ブリッツ・ヘルシザースの右腕に装備されているトリケロスからビームが放たれ、アザレア・カスタムはスラスターを全開にして左へ行く。
(あの大きな鋏の射程は短いはず!左側からレールガンを叩き込めば!)
「射程を…見誤ってるわ!」
左腕をアザレア・カスタムに向けると同時に、左肩に収納された延長アームが展開し、ギガンティックシザースが大きく開いて相手を挟もうとする。
延長アームのせいで倍加したリーチにより奇襲で、ミサは驚きながら後ろへ回避しようとするが、ギガンティックシザースにレールガンが挟まれ、そのままバキバキと砕かれた。
「レールガンが!!」
「ギガンティックシザースは接近戦のためだけのものじゃないのよ!!」
砕いたレールガンを投げ捨てたブリッツ・ヘルシザースに内蔵されているビーム砲が鋏の先あたりまで伸長する。
バチバチとビームが砲身で収束していき、ザムザザークラスの火力のビームを発射する。
「くうう…これだと、近づけないよ!!」
距離を置けば、先ほどのようなビームやトリケロスのランサーダート、そしてビームライフルが襲い掛かり、接近しても今度はギガンティックシザースや両足のダガーの餌食になる。
レールガンを失い、持っている射撃武器がアサルトライフルであるアザレア・カスタムがフェイズシフト装甲のモビルスーツを倒すにはビームサーベルしかない。
「どうしたの?もしかして、もう攻撃手段を失ったのかしら!?」
スラスターを全開にし、動きを止めないままアザレア・カスタムに向けてビームライフルを連射する。
動きを止めていないにもかかわらず、その狙いは正確で、左足やアサルトライフルに命中する。
やむなくアサルトライフルを投げ捨てると、それは同時に爆発し、左足もビームが貫通したことで使い物にならなくなる。
圧倒的な相手の技量に翻弄されるミサに残された武器はビームサーベルのみ。
アサルトライフルもレールガンもなく、距離を離したままでは一方的にやられるだけだ。
「まだまだぁぁぁぁ!!」
体が熱くなり、ヘルメットを脱ぎ捨てたミサはアザレア・カスタムをザブレッグ全開で直進させる。
「ヤケにでもなったのかしら!?直進なんて!!」
動きを止めないブリッツ・ヘルシザースはビームライフルを撃ちながら相手に合わせるように直進する。
防御のために胸部を覆うように構えたシールドは3発ビームを受けるとボロボロになり、サブレッグや左腕にも次々とビームをかすめる。
「このままコックピットにビームサーベルを!!」
「甘いわ!!」
再びギガンティックシザースを展開させ、今度はそれで胴体を挟み込む。
正確には横幅が胴体よりも大きいサブレッグに、というべきだが、それでもこのまま挟みつぶされたらアザレア・カスタムは撃破されてしまう。
「このままとどめを!!」
「まだだぁぁぁ!!」
サブレッグを強制排除したアザレア・カスタムが上へとび、同時にギガンティックシザースがサブレッグを挟みつぶす。
「なに!?」
「隙ありぃぃ!!」
逆手にビームサーベルを手にしたアザレア・カスタムがブリッツ・ヘルシザースを串刺しにしようとする。
トリケロスにはビームサーベルの機能もあるが、ギガンティックシザースが邪魔でアザレア・カスタムを狙えない。
「これで終わりぃ!!」
「終わり…?違うわね、あなたの負けよ」
コートの女性の言葉を聞いたミサは一瞬、彼女が何を言っているのかわからなかった。
アザレア・カスタムのビームサーベルがブリッツ・ヘルシザースの胸部を上から貫く手前で、その機体が桜吹雪を模した光のエフェクトの中に消えていく。
「手ごたえがない!?キャア!!」
エフェクトが消えると、そこには敵機の姿がなく、右足の太もも部分に投擲されたナイフが刺さる。
カチ、カチと不吉な音がナイフの刀身から鳴り響き、2回それが鳴り終わると同時にそれが爆発する。
至近距離からバズーカの直撃を受けたのと同じ破壊力であったために、右足がバラバラに砕け散る。
「くぅぅ!!ええ…なんで!?」
急に目の前に3機のブリッツ・ヘルシザースが姿を見せる。
3機は同時にアザレア・カスタムに向けてナイフを投げてきた。
ビームサーベルを横に振ると、3本とも消えたが、なぜか胴体に1本刺さり、爆発する。
「キャアア!!」
爆発によってコックピット上部に穴が開き、大急ぎでミサはヘルメットをかぶる。
宇宙空間でコックピットに穴が開き、なおかつヘルメットを着けていない場合、5秒で失格になるためだ。
「どこに…!?どこにいるの!?」
ビームサーベルを2本抜き、二刀流になって周囲を見渡す。
あの時のビームサーベルには、確かに1本は手ごたえがあった。
いかにミラージュコロイドといえど、分身したとしても、本体は1つしかない。
機体の動きを見ても、1本ずつしか投げていない。
しかし、その1本を破壊したにもかかわらず、なぜかナイフが当たったし、その軌道はどう見ても先ほど現れた3体が投げたものとしか思えない。
キョロキョロと周囲を見渡す中、アザレア・カスタムの頭部や左腕の関節、右足に腰と次々とナイフが命中、爆発する。
「キャアア!!メインカメラも壊れたぁ!!でも、これでナイフは…」
「ナイフはまだあるわよ」
ブリッツ・ヘルシザースが正面に現れ、ナイフをコックピットに向ける。
「なんで…7本目が…それに…」
サブカメラが映し出したのピンク色のオーラに包まれたブリッツ・ヘルシザースの姿だった。
だが、コックピットにナイフが刺さると同時に映像がブラックアウトした。
「負けた…」
シミュレーターから出たミサは完膚なきまでの敗北のせいか、その場に座り込む。
一指も報いることのできない敗北と自分の無力さから涙が出てくる。
そんな彼女の前にコートの女性が立つ。
「その程度の実力では、日本一になることはできないわ。それどころか…勇太の実力を殺しているかも」
「勇太君の実力を…殺してる…」
「彼は本当ならジャパンカップにたやすく進出できてもいい実力。そのためには、彼と同じかそれ以上の実力を持った人が必要。だけど…あなたでは逆に彼の足を引っ張るだけ」
「あなたは…一体…?」
勇太のことを呼び捨てし、さらに勇太以上に覚醒を使いこなした彼女を涙を流しながらじっと見る。
彼女は着ていたトレンチコートをその場で脱ぎ、投げ捨てた。
投げ捨てたトレンチコートが夜空を舞う中、黒いロングヘアーに桜を模したヘアピンをつけ、黒い瞳とで白い肌をした、ミサや勇太と同年代の少女の姿がさらされる。
青いリボンタイがあり、振袖のような長い袖をした白いセーラー服と丈の短いスカートを着ていて、腹部が露出している。
おまけに、ミサとは対照的でグラマラスな体つきをしており、ミサは二重の意味での敗北感に襲われる。
「私は凛音桜。昔、勇太と一緒にガンプラバトルをしていたファイターよ」
機体名:ブリッツ・ヘルシザース
形式番号:GAT-X207HS
使用プレイヤー:凛音桜
使用パーツ
射撃武器:トリケロス(ビームライフル)
格闘武器:トリケロス(ビームサーベル)
頭部:ブリッツガンダム
胴体:ブリッツガンダム
バックパック:ブリッツガンダム
腕:ブリッツガンダム(左腕部に延長アーム付きギガンティックシザース装備)
足:ブリッツガンダム(インパクトダガー×6装備)
原案:本人の要望で非公開(インパクトダガーについては夜戦夜叉さん)
過去に勇太と共にバトルをしていたという少女、凛音桜が使用するガンプラ。
ブリッツガンダムをベースとしているものの、色彩は白が中心であり、左肩からひじのあたりまで乱れ桜のペイントが施されていて、黒が基調だったベース機とは対照的となっている。
また、ブリッツガンダムの弱点である主力武装のトリケロスへの集中を克服するため、刀身が時限信管型爆弾としても機能するインパクトダガーとアルトロンガンダム(EW版)の延長アームが取り付けられたギガンティックシザースが追加装備されている。
なお、ギガンティックシザースに搭載されているビーム砲は収束することで、ザムザザークラスの高出力ビームの発射が可能。
ミラージュコロイドについては健在で、桜の覚醒と併用することで、時には分身して一瞬だけ姿を見せて攻撃したり、攻撃されるギリギリのところで消えて回避してしまうなど、本来ではありえないような動きを見せている。
ただし、エネルギー使用量が大きいうえに、ミラージュコロイド使用中のフェイズシフト装甲使用不可能という弱点は変化していないが、彼女はスラスター全開で動き回る短期決戦型の戦術を見せることでそれを補っている。
なお、覚醒中に彼女が本来6本しかないインパクトダガーの7本目を持っていたり、切り裂いたはずの1本がなぜか命中するという謎の動きがあったものの、その原因はいまだに不明。