やはり俺の将来設計は完璧過ぎる。   作:U.G.N

49 / 53
 ちょっと酷い文章ですが、2年生4人組の紹介がてら書きました。
 どうぞ



城廻めぐりは不安です

 講義室の端の方の席に並んで座っている男女。

 学部は違えど、共通科目の単位も取らなければいけないため、こうして同じ講義に出ることがある。

 

 まぁ、お互い1人で受けることには何の抵抗もないのだが、いかんせん高校まででは全くやったことのない種類の講義のため、講師が何を言っているのかがさっぱりわからない。

 そのため、知り合いである者と一緒に受けた方が何かと便利なのである。

 

 しかし、問題もある。男女が隣同士で座っていると、不意に手と手が触れてしまったときなど、すごく心臓に悪い。

 

 ……だが、そういうドキドキ感も次第に2人は心地よくなってくる。

 

 初めのうちは素早く手をどかし、わ、悪い! などと言って互いに顔を赤めたりするのだろう。

 

 しかし、その手と手が触れ合っている時間が日に日に1秒、2秒と少しずつ長くなっていき、小指同士を絡めていき、やがて、全ての指を絡めていく。

 

「……だめ、彼女いるんでしょ」

 

「……手を握ってるだけだ、友達でもこのくらいすんだろ」

 

「あんた、友達いないじゃん」

 

「はい、ブーメラン乙」

 

 そんな軽い言葉を交わしながらも、2人は頬を赤めながら相手の目を見つめ合う。

 

 どちらからか、それとも同時なのかわからない。それでも確かに相手の手を握る力が互いに強くなる。

 

「目、瞑って」

 

「だめ、それをやったらもう戻れない」

 

「大丈夫だ。誰も見てないだろ」

 

「そういう問題じゃない。それをしちゃったら、私が止められなくなっちゃう」

 

「……俺は、構わない」

 

「だめでしょ。あんたには先輩がいる」

 

「……もし、もしもお前が俺を想ってくれるんなら、俺は、お前を選ぶ」

 

 鼻が触れ合うほどの距離で少年は想いを告げる。

 

「…………」

 

「……どう、なんだ?」

 

「……信じていいの?」

 

「……俺は、お前の意見を尊重する。そのくらい、お前の幸せを望んでいるし、お前に、惚れた」

 

「………き」

 

「ん?」

 

「……すき」

 

「…………俺もだ」

 

 2人ゆっくりと顔を近づけていき、互いの唇が震えながら触れ合う……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんてことになったらどうしよぉ!!」

 

「「「「長ぇーよ!!」」」」

 

 空きコマの時間に部室に集まっていた2年生4人組、杏奈、マコ、栞、ミカにわたしの不安事を言ったら長いって怒られたぁ。

 

「何だよあの恋愛小説みたいな地の文は!」

「めぐり、恋愛小説好きだもんね」

「……ネガティブ」

「自分の妄想で勝手に不安がってるめぐりん可愛すぎ!」

 

 うぅ~だってぇ。

 

「だって川崎さんって美人でスタイルも抜群でお料理も凄い上手なんだよ!?」

 

「確かにそれは認める」

「お菓子作りは苦手って言ってたのに教えたらすぐできたしね」

「……あのスタイルは憧れる」

「あの長い足で踏まれてみたいよね!」

 

 最後の娘が危ないなぁ。

 

「妹さん達にお菓子を作ってあげたいからこのサークル入ったんだよね」

「家族思いだよね」

「……つまり料理だけじゃなく家事全般得意」

「あの娘に洗われたい!」

 

 家事全般得意……。やばい、かなり強敵。

 

「それに川崎さんって、八幡くんの元クラスメートなんだよ」

 

「あー」

「うーん」

「…………」

「はぁ」

 

「え? なに?」

 

 ちょっと恐いんだけど……

 

「「「「めぐりやばいかもね」」」」

 

「嫌だよぉーー!!」

 

 別れるとか絶対に嫌だ! それだけは嫌っ!

 

「何とかしてよぉ!」

 

「いや、そんなこと言われても」

「ていうか、大丈夫でしょ? めぐりたちは普通に付き合ってるんだし」

「……だいたい比企谷はめぐりにしか興味なさそう」

「え? でも前マコにくっつかれてたとき、鼻の下伸ばしてたよね?」

 

「…………」

 

「…………」

「…………」

「…………」

「……?」

 

(おいぃぃ!! 何でお前はいらんことばっか言うんだぁ!)

(あのときはホント悪ノリしちゃって……。めぐり恐かった……)

(……めぐりが笑顔で固まってる)

(私何かダメなこと言った? お仕置されるかな? めぐり、してくれるかな!?)

 

 4人が何かごそごそ言ってる。でも、確かにマコに抱きつかれてたときは鼻の下伸ばしてた。

 

 もし、川崎さんに迫られたら、八幡、くんは……

 

「…………グス」

 

((((泣いたー!!))))

 

 うぅ~、八幡くん……。

 

(おい変態! 早くめぐりに謝れ!)

(わ、私ももう1回謝った方がいいかな!?)

(……落ち着け、まずは慰めるべきだ)

(めぐりんの泣き顔!!)

 

 

 

「お、落ち着いたか?」

「大丈夫?」

「……流石に焦った」

「涙拭かせてください!」

 

 バチコーン! とミカが3人に叩かれてる。何でだろう。

 

「うん。もう大丈夫。ごめんね、いきなり」

 

「いやいや、私たちも変なこと言っちゃったし」

「調子乗っちゃったし」

「……やりすぎた」

「ごめーんね!」

 

 あ、またミカが3人に叩かれてる。

 

「でも大丈夫だよ。あんたら普通にラブラブじゃん」

「うん。毎回毎回見せつけられてるよね、私たち」

「……部長もたまに羨ましそうに見てる」

「え!? ナニソレ! 気づかなかった!! 超見たいんですけど!!」

 

 あ、またミカが……

 

「と、とにかく、自信持て! めぐりは十分可愛いし、比企谷は浮気なんてできそうにないしさ!」

 

 杏奈が励ましてくれる。

 

「不安ならもっと甘えてみたら?」

 

 マコが提案してくれる。

 

「……むしろ、直接聞いてみろ。大丈夫だから」

 

 栞が強く頷いてくれる。

 

「あ、でも寝とられっていうのm」

 

 ミカが3人に殴られている。

 

「あ、ありがとう4人とも。わたしもっと八幡くんに甘えてみるね。わたししか見れなくなるくらい!」

 

 よし、4人のおかげで元気出た! 今日は一緒に帰って、家にもお邪魔しよう!

 

 

 

 

 

 

 

 




 2年生4人組
 1人目 杏奈(あんな): 基本とても元気な女の子。茶髪のセミロング。
 2人目 マコ: 1番普通な女の子。前に八幡の腕に抱きついていた娘。黒髪長髪。
 3人目 栞(しおり): 物静かで小柄な女の子。黒髪ショートボブ。
 4人目 ミカ: 変態

 以上、2年生4人組でした。
 
 感想、評価、お待ちしております


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。