やはり俺の将来設計は完璧過ぎる。   作:U.G.N

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 どうぞ



やはり一色いろはは相馬2号

 とある日曜。街をぶらぶらしていると、自分が歩いている先に見知った顔を見つけた。

 

「……平塚先生?とあれは比企谷か?……?もう1人いるな」

 

 そこには俺の教育係の平塚静と俺とよく話をする比企谷小町、あともう1人知らない男がいた。

 

「……うちの生徒?生徒会の奴じゃないし、2年生にあんなやつはいない、よな?」

 

 授業であんなやつを見た記憶がない。

 

「……1年か3年?でも、比企谷と平塚先生と3人とかどういう組み合わせだ?……!もしかしてあれが比企谷がよく惚気話を持ってくる彼氏って奴か?」

 

 よく放課後の生徒会室で俺と生徒会長である一色は、比企谷の惚気を聞かされている。

 

 俺はバイト時代の経験から慣れているが、一色はいつもイライラしながら聞いている。その腹いせなのかはわからないが、一色は少しばかり比企谷へは厳しいところが見受けられる。

 

 まぁ決して仲が悪いわけではないのだが。この間も休日に2人で遊んだらしい。

 

 まぁとにかく、比企谷の話を思い出してみるか。

 

『彩加はですね~、見た目はちょっと女の子っぽいけど、いざとなったら凄い頼りになってぇ、細かい気配りもできてぇ、少し小柄で身体が細いのを気にしてて、こっそり筋トレしてるところとか凄い可愛くてぇ、髪とか私なんかより超サラサラで、あ、そういえば聞いてくださいよ、この間もデートしたんですけど、何も言わなくても荷物とか持ってくれるし、さりげなく車道側歩いてくれるし超紳士で、いつもちょっと照れながら手も繋いでくれるんですよぉ、きゃー!それでですね、彩加は…………』

 

 もういいや。

 

 何かずっと喋ってたなあいつ。一色もげっそりしてたし、他の生徒会役員はイヤホンとかする始末。

 

 まぁいい。その比企谷の彼氏があの男かどうかだ。

 

 見た目はちょっと女の子っぽい→どう見ても男

 

 少し小柄で身体が細い→平均的

 

 髪がサラサラ→少し癖っ毛(アホ毛付き)

 

 性格はわからないが、比企谷の言う特徴が1つも一致していない。ついでに猫背ですげぇ面倒くさそうな顔をしている。あ、あと目が腐ってる。

 

 ………?目が腐ってる?

 

「……どっかで聞いたな、そのフレーズ」

 

 

『目なんか先生の3倍くらい腐ってますし』

 

 

 あ、もしかしてあれ、比企谷の兄貴か。

 

 なるほどな、彼氏がいるくせに他の男と出掛けているのは、兄貴だからか。

 

 そういえば、去年までは兄貴がよく平塚先生にラーメン屋に連れていかれていたとか言ってたな。

 つまり、俺の前任か。

 

 楽しそうに話しながら俺の3、40メートルほど前を歩く3人は、そのままラーメン屋に入っていった。

 

「……つーか、何で俺は後をつけてんだよ」

 

 俺は1度止まり、回れ右をして、自分のアパートに戻るため再び歩き始める。

 

『平塚先生、兄のこと気に入ってましたからね』

 

「……」

 

 ふと、この間の比企谷の言葉が脳裏によぎった。

 

『去年卒業しましたね。大学1年生です』

 

 去年まではとか言っといて、卒業しても会ってんじゃねーか……

 

「……まぁ、関係ねーな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  もやっ

 

「…………?」

 

 

 

 

 翌日の月曜放課後 生徒会室

 

「………」

 

「………」

 

 放課後になり佐藤先生が生徒会室に来て、いつもと同じソファーに座り、何やらメモ用紙の様なものを見ている。おそらく平塚先生の授業の様子をメモしたものだろう。

 

 ここまではいい。いつも通りだ。ただ……

 

「……」

 

「……?」

 

 そわそわしている。見るからにそわそわしてらっしゃる。

 

 今は生徒会室には私、一色いろはと佐藤先生の2人だけだ。生徒会とはいえ、毎日全員が集まるわけではない。

 

 部活と掛け持ちしている者もいれば掃除当番で遅れてくる者もいる。基本大事な会議や仕事がない限りは、部活を優先してもらっている。まぁ、若干1名帰宅部のくせにすぐサボる奴もいるが……。

 

 私は去年からもうサッカー部のマネージャーは辞めたので、今は帰宅部である。

 

 今日は会議も特に仕事もないため、他のメンバーはおらず、いつも惚気話を永遠にしている後輩も何故かいない。

 

 何か仕事があれば、あまり気にならなかったのかもしれないが、やることがないとどうしても気になる。

 

「あの、佐藤先生?どうかしたんですか?」

 

「……何が?」

 

「何か、そわそわしてません?誰か待ってるんですか?」

 

「……別に」

 

「そうですか……」

 

 めんどくせぇー。だったらそわそわすんなー!

 

「……………さ」

 

「……?え、はい?」

 

「……お前さ」

 

「はい」

 

「……比企谷の兄貴のこと知ってるか?」

 

 先輩?佐藤先生、先輩のこと知ってたっけ?

 

「まぁ、知ってますね。去年まではよくお世話になりました」

 

「……そうか」

 

「はい」

 

「……」

 

「……」

 

 沈黙。いや、先輩がなんだよ。

 

「……平塚先生ってそいつのこと、よく面倒見てたんだろ?」

 

「あー、確かに、よく気にはかけてましたね」

 

「……」

 

「……?」

 

 むむむ、何か引っ掛かる。

 

「週末に何かありました?」

 

「……いや、昨日たまたま平塚先生と比企谷と多分その兄貴が一緒にラーメン屋に入っていくところを見かけたからな」

 

「へぇ。佐藤先生って先輩、小町ちゃんのお兄さんのこと知ってたんですか?」

 

「いや、ただ、比企谷の惚気に出てくる彼氏とはあまりにも特徴が違ってたし、逆に兄貴は目が腐ってるっていうはそいつに一致したからな。多分そうだろ」

 

「あー、目が腐ってたなら多分先輩ですね。………!!」

 

 ……なるほど。これは……

 

「それで佐藤先生は声かけなかったんですか?」

 

「……そりゃかけねーだろ。楽しそうだったし」

 

 ぷぷぷ。これはこれは……

 

「その3人でいたんですか?」

 

「……ああ。そういえば何で3人だったんだろうな。高校のときは2人でよく行ってたんだろ?」

 

「そりゃあ流石に2人では行きませんよ。先輩、彼女いますし。小町ちゃんは見張りでしょ」

 

 

 

「………………へ?」

 

 

 ぎゃははははははは!!すげぇ呆けてる!すげぇ安心してるぅ!!

 

 やっぱりこの人わかりやすぅぅ!!www

 

 




 佐藤さんがもやっとしましたね。
 あと、いろはす超相馬w

 では次回もお楽しみに

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