ほのぼのでいきます。
どうぞ
めぐり「皆起きてぇ。朝だよぉ。遅刻しちゃうよぉ。……ちょっ、いい加減起きてよぉ!起きろぉ!!」
ドタドタドタ!!
めぐり以外『おはようございます!!』
めぐり「はい。おはよう。早く着替えて朝ごはん食べちゃってね」
めぐり以外『はい!』
平日の比企谷、戸塚家の朝はめぐりが最強。
八幡「ふわぁ~。あーだりぃ。めぐりぃ、コーヒーくれぇ」
めぐり「はいはい。どうぞ」
八幡の前に湯気が上るコーヒーが置かれる。
ゴクっ。
八幡「……苦っ!!めぐり、これブラック……」
めぐり「目、覚めたでしょ?」
八幡「……はい」
八幡は朝のめぐりに頭が上がらないのである。
めぐり「八城。今日体育あるんでしょ?体操服忘れないでよ。お母さん、また学校まで持っていくの嫌だからね?」
八城「はーい。わかってまーす」
小町「そうだぞ八城。お義姉ちゃんに迷惑かけるなよー」
八城「へいへい、わかってますよ。……年増が」
小町「聞こえてんぞ八城!!だいたいうちらの知り合いの中では、小町が1番若いっての!」
透「母さん、嘘は駄目だよ。留美さんの方が3つ若い」
小町「うっ。透、何故それを……」
小町は苦虫を噛んだような顔になる。
八城「どっちにしろ三十路だろ。オバハンにはかわりないよ」
小町「八城ォ。テメェ、どうやら死にたいらしいな……」
小町が毎度お馴染みのグリグリの構えに入る。
彩加「まぁまぁ、小町落ち着いて。八城も女の人を年齢のことで馬鹿にするのは1番やっちゃいけないことだよ?」
八城「はーい。ごめんなさーい」
八幡「そうだぞ。お前平塚先生の前でそんなこと言ってみろよ。あの人まだ現役バリバリだぞ?」
小町「平塚先生って、もう50だよね?」
八幡「見た目はどう見ても30代だけどな。いや、パンチのキレも全然衰えてなかったな」
彩加「八幡、この間も殴られてたもんね……」
そう。八幡と彩加は現在総武高の教師なのである。未だに総武高の現国教師の平塚静とは毎日会っているのだ。
小町「……ニシシ。いや、八城の場合、平塚先生よりも京華ちゃんに会わせた方が静かになるかも」
八幡「あ?京華?……ああ。けーちゃんか」
八城「は、はぁ!?何のことだよ!!ていうか、何でこまっさんがそんなこと……。ハッ、あかり、テメェか!」
八城があかりに問いただそうとする。
あかり「だってこの前京華さんに会ったときの八城、何かキモかったもん」
八城「は、はぁ!?キモくねーし!俺別にキモくねーし!!」
動揺を隠せない八城。さらに畳み掛けるあかり。
あかり「いや、キモかったよ。何かすごい静かだったし、終始私の半歩後でモジモジしてたじゃん」
八城「してねぇし!モジモジしてねぇし!!」
あかり「ねぇ夢葉、この前京華さんに会ったとき、お兄ちゃん変だったよね?」
箸で豆と決闘している夢葉にあかりが聞く。
夢葉「……けーちゃん?けーちゃん綺麗だよね。わたし将来、けーちゃんみたいになるんだぁ」
八幡「へぇ。けーちゃんそんなに綺麗になってんのか。総武高卒業して以来会ってないからな。久しぶりに会いてーな」
めぐり「……あなた?」
八幡「元教え子としてね?俺にはめぐりしかいねぇし?」
一瞬めぐりの瞳から光が消えたが、すぐに戻った。
八幡「つーか、何だよ八城。お前、けーちゃんに惚れてんのか?爆笑だわ」
八幡は自分でも鬱陶しい親だなと思いながらも、面白いので我が息子をからかう。
八城「うるせぇよ!別にそんなんじゃねーし!」
小町「いやいや、しょうがないって。京華ちゃん大学生になってより大人っぽくなったもん。もう4年生だし」
八幡「姉貴とは違って愛想も人当たりも良いしな」
彩加「あ、八幡。今の今度会うときにぼくから川崎さんに報告しておくね」
小町「……え?さ、彩加?」
彩加「ん?……いや違う違う!今度同窓会があるって言ったよね!?そのことだからね!?」
必死に弁明をする彩加。何歳になっても、小町の不安な表情には弱いようだ。
めぐり「あなたも同窓会に行くの?」
八幡「ああ。初めは行くつもりなかったんだけどな。彩加が一緒に行こうってうるさくてな」
来週末、高校時代のプチ同窓会があるのだ。
めぐり「そう。……雪ノ下さんや由比ヶ浜さんに浮気しないでね?」
八幡「しねぇよ!子供の前でなに言ってんだ!?だいたいあいつらも結婚して子持ちじゃねーか!」
夢葉「ねぇあかりちゃん。ウワキって何?」
あかり「あー、わ、悪いことだよ。だから夢葉は絶対しちゃ駄目だからね」
夢葉「悪いこと……。うん。わたし、ウワキしない!」
八幡「おい待てあかり。その言い方だと、まるで俺はしてるみたいじゃないか」
八城「親父サイテー」
八幡「待てやクソ息子。だからしてねぇっての」
そんなことを言っていると、壁にかけてある時計が八幡の視界に入る。
AM7:45
八幡「おい!時間やべえぞ!」
小町「あ、逃げた」
彩加「逃げたねー」
八幡「うっせー!普通にヤバイだろうが!」
八幡が小町と彩加の非難から何とか逃れる。
めぐり「本当だね。ほら皆、行く準備急いで!」
あかり「3人とも、急ぐよっ」
透「八城。体操服」
八城「うおっ、危ねぇ!サンキュー透!」
夢葉「ランドセルとってくるー!」
小学生組がリビングから走って出ていく。
小町「お義姉ちゃん、ごめん!片付け頼むね!」
ソレクライ、ジブンデヤレー!
小町「八城ォ!聞こえてんぞー!!」
小町も急ぎ足で自分の部屋に向かう。
彩加「さて、ぼくたちも行こっか八幡」
八幡「おう」
彩加も準備のために自分の部屋に戻る。
すると、あれだけ騒がしかったリビングは、あっという間に八幡とめぐりの2人きりになる。
めぐり「……八幡」
普段八幡のことをあなたと呼ぶめぐりが名前呼びになったときは、ある合図なのである。
八幡「っ。はぁ~。いってきます」
チュッ
比企谷、戸塚家の朝はいつも平和である。
何故か同窓会やる雰囲気になってしまった。
多分同窓会も書きます。
平塚先生(約50歳)もw
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