やはり俺の将来設計は完璧過ぎる。   作:U.G.N

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 珍しく小町目線です。

 では、どうぞ



何度見ても比企谷八幡のにやけ顔は腹が立つ

 終わった。終わったよ。小町はやりきったよ。もう悔いはない。

 

 ていうかヤバい。何がヤバいって、マジヤバい。

 

「あっ、比企谷さん!お疲れっす!」

 

「あぁ、大志くん。お疲れー」

 

「……どうでした?」

 

「あー、えーと……」

 

 正直に言っていいのだろうか?試験が終わったばかりで、皆一安心と不安の間を彷徨っているはずだ。でも小町は……

 

「ま、まあやれることはやったって感じかな」

 

 本当にやれることをできたと思う。

 

「そ、そうっすか。まぁ俺も頑張りました」

 

「お互い受かってるといいね!じゃあ!」

 

「あっ、……うす」

 

 大志くんには悪いけど今は早くあの人に会いたい。早く会ってお礼が言いたい。

 

 そう。小町は今回の試験、やけに自信があるのです。何故かというと、ここ最近戸塚さんに『こういう問題は重要だよ』と丁寧に教えてもらったところが物凄くたくさん出たのです。もう問題用紙を見たときびっくり。

 そのおかげで、あっという間に解き終わり、見直しもバッチリ。

 

 まぁ結果が出たわけではないので、まだわかりませんが、それでも自信があります。

 

「あー、でも明日も普通に学校だし、早くても会えるのは今週末かぁ」

 

 とりあえず、メールでお礼だけでも……

 

『付き合って、みる?』

 

『受験が終わったら、ちゃんと返事しますんで……』

 

 ぷしゅーっ///

 

 そ、そそそそそうだった。終わったらっていつだ?次会ったとき?それとも今?いや、無理無理。絶対無理!と、とにかく、お礼のメール……。いや、電話でもいいかな?迷惑じゃないよね?

 

 ……いや、待て!落ち着け小町!いったん家に帰ろう。荷物を置いて、お兄ちゃんにやれることはやったと伝えて、落ち着いてから、戸塚さんに電話をしよう。電話で伝えることは、頑張りましたってことと、勉強見てもらったお礼と、あと……、うぅ~。……それはまた後で考える!

 

 そんなことを考えてるうちに、家の前。

 

 早っ!うちってこんな近かったっけ?

 

 ……まぁいい。とにかく家に入ってからだ。

 

 ガチャ

 

「ただいま~」

 

「……?あっ、おかえり小町ちゃん」

 

「」

 

「……?小町ちゃん?」

 

「………………っ!!??」

 

 と、とととと戸塚さん!?何故!?何で!?WHY!?

 

「お邪魔させてもらってるよ。あ、それより、どうだった?試験」

 

「……あ、う、えっと、あうぅ~……」

 

 や、やばい。言葉が出ない。えっとえっと……。

 

「と、戸塚さんに丁寧に教えてもらったところがたくさん出て、結構できたと思います……」

 

「ほんと?ならよかったよ。まぁとにかくこれで一段落だね。本当にお疲れ様」

 

 戸塚さんが小町の方へ歩いてきて、頭を撫でてくれる。

 

 あうあうあうあうあう~。

 

「あっ、そうだ。小町ちゃん」

 

「は、はいっ」

 

 まさか、あれのことかな?うぅ~。まだ心の準備が~。

 

「小町ちゃんって、城廻先輩と会ったことある?」

 

「………………へ?」

 

「……?城廻先輩のことは知ってるよね?」

 

「え?あ、はい。兄の彼女になってくれた元生徒会長さんですよね?会ったことはないです」

 

 いきなり、何の話だよチクショー。あ、嘘です。滅茶苦茶安心しました。

 

「なら、ちょうどいいんじゃないかな。今来てるよ?」

 

「へ?来てる?」

 

「うん。今八幡の部屋で勉強中」

 

 おいおいマジかよ。あの捻くれボッチの兄が、妹の小町がいないうちに、家に彼女連れ込んだのかよ。しかも今は部屋で2人っきり?本当に勉強かなぁ?これはもしや、ウフフでアハハな雰囲気になっているのでは!?こうしてはおけない。早く見に行こう!

 

「戸塚さん!小町もめぐりさんに会いたいです。早く兄の部屋に行きましょう!」

 

「え?あ、うん。そうだね」

 

 小町は足早に階段を上がり、お兄ちゃんの部屋のドアを勢いよく開ける。もしかして、キスでもしてたりして。キャッ♪

 

「うふふ。じゃあ次はこれと、これと、これ。解いてもらおうかな。まだまだいくよ」

 

「あ、あはははは……。はぁ~」

 

 違う意味でウフフでアハハな空間だった……!

 

「お、お兄ちゃん?」

 

「ん?おお!小町!たすかっ、……いや、おかえり!帰ってたのか!」

 

 今、助かったって言おうとしなかった?

 

「あ、うん。たった今ね」

 

「あれ?もしかして妹ちゃん?」

 

 すると、お兄ちゃんの隣にいる女性が小町に話しかけてくる。

 

「はい。初めまして、妹の小町です。いつも兄がお世話になっております!」

 

「城廻めぐりです。えっと、お兄さんのか、彼女をさせてもらっております。……あうぅ///」

 

 自分で言って自分で照れてる!?か、可愛えぇ!

 

「そうか。会うのは初めてだったな。ああそれと、めぐり先輩、何か今日泊まるらしい」

 

「えっ?泊まるって、うちに?」

 

「あ、もしかしてダメだったかなぁ?もし、妹ちゃんがダメって言うなら、諦めるけど……」

 

「いえいえいえ!全然OKです!むしろこちらからお願いしたいです!めぐりさんとは1度ゆっくりとお話がしてみたかったので!」

 

「……!それはいい。小町、せっかくだしめぐり先輩とたくさん話してきていいぞ。小町の部屋でも、リビングでも、聞きたいことは全部聞いてもらって構わん。むしろ、5時間くらい話していてくれ」

 

「……八幡くん?」

 

「……八幡」

 

「うっ」

 

 何故かお兄ちゃんがめぐりさんからはジト目で睨まれ、戸塚さんには呆れられている。

 

「……まぁまぁ小町ちゃん、城廻先輩は今日泊まるんだから後でゆっくり話はできるよ。それよりも、小町ちゃんこそ試験受けたばっかで疲れていると思うし、少し休んだら?」

 

「ぐっ、戸塚……、お前なぁ……」

 

「そうだね。妹ちゃんとは後でゆっくりお話することにしよっか」

 

 まぁ本当に勉強中だったみたいだし、仕方がないか。

 

「チッ。…………………………!それじゃあ仕方ないか。なら小町、戸塚の相手頼むわ」

 

「え?」

 

 と、戸塚さんの相手……?

 

「戸塚も一応お客さんだからな。小町、お前の部屋でお茶とか飲みながら話でもしてこいよ。……それに、お互い何か話したいことでもあるんじゃねーの?知らんけど」

 

「ちょ、ちょっと!八幡!?」

 

「お、お兄ちゃん!?」

 

 な、何を言ってんだこの兄貴は!?そ、そそそそりゃあ話したいことはあることにはあるけど、でもそんないきなり!

 

「……?……ああ!そっかぁ。戸塚くん、八幡くんはわたしが見てるから妹ちゃんとお話してきてもいいよ?」

 

「城廻先輩まで!?」

 

「俺は勉強しなきゃなんねーし、めぐり先輩はそれを見てくれるわけだからな。と、いうわけで、2人は2人でゆっくりしてこいよ」

 

 こ、こいつっ!このニヤニヤが物凄く腹が立つ!

 

 

 

 

 ……でも、お礼を言うチャンスかも。

 あと、あのことも……

 

 

 

 でもやっぱりあのにやけ顔は腹が立つ!

 

 




 小町でしたっ☆
 次回もお楽しみに

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