続き書いてみました
どうぞ~
~サイゼリア~
「えっと、もう1度言ってもらえるかな、八幡」
天使が苦笑いをしながら、首を傾げる。
どこかわかりにくいところでもあっただろうか?
「だからな、俺が城廻先輩と結婚して、戸塚が小町と結婚して、4人で一緒に暮らせば最高じゃね?ってことなんだが」
「うん。聞き間違いじゃなかったみたいだね」
「聞き間違い?」
「んー、まず、何でそんな結論に辿り着いたか知りたいかな?」
「あれ?戸塚は小町が嫌いか?」
「ううん、ぼくも小町ちゃんは可愛いと思うよ。でも、今はそんなこと聞いてないよね?」
「お、おう」
あれ?天使の笑顔が恐い。
「それで?」
「あ、はい。あの、小町と戸塚は俺にとって心の安らぎになってましてね、それで、一緒に暮らせたら幸せだろうなと思いまして。そして、更に癒しを求めると、城廻先輩もそこに加われば最高なんじゃないかと思い、それを可能にするにはさっきの案しかないのではと考えた所存でしゅ」
すげぇ敬語になってしまった。しかも、最後噛んでしまった。いや、だって何か戸塚恐くね?笑顔が恐くね?雪ノ下ばりの迫力なんですけど。
「……はぁ、確かに八幡と一緒に暮らせたら、楽しいだろうなとは思うけど」
「そ、そうか!それなら」
「じゃあ八幡は城廻先輩のことが好きだってことなんだよね?」
「へ?」
「だってそうでしょ?好きでもない人と結婚なんておかしいもんね?」
「うっ」
「それで?城廻先輩のことは好きなの?」
「……」
言葉が出なかった。俺は城廻先輩が好きなのか?確かに癒しであるのには間違いないし、可愛いのも確かだ。しかし、好きかどうかと聞かれれば、むぅ。
「……そう。八幡は好きでもない人と結婚するなんて、そんな適当な人だったんだね」
「え」
「ぼくはちゃんと好きになった人と結婚したいかな」
戸塚はそう言うとテニスバッグを肩から背負い、鞄を持って立ち上がる。
「ぼくの分のお代、ここに置いておくね」
戸塚はお代ピッタリのお金を机に置くと、店から出ていった。
「」
戸塚に、嫌われた……。
次の日の放課後の奉仕部
「」
「はぁ、この男は昨日あれだけ浮かれて出ていったのに、たった1日で一体何があればこんな腑抜けになるのかしら」
「あはは、なんか彩ちゃんとケンカ?しちゃったみたい」
「へぇー、あの戸塚先輩が喧嘩なんてするんですね」
雪ノ下たちが何か話しているが、今の俺には何も入ってこない。
今日の1日は最悪だった。
まず、最近は毎朝している戸塚との朝の挨拶がなかった。廊下ですれ違っても、話しかけてくるどころか、目線を逸らされた。意を決して話しかけようとしたら、無視された。
やばい、死にそう。
「ねぇヒッキー、さいちゃんと何があったの?昨日話したんでしょ?」
「どうせ、昨日のあの妄言を戸塚君に言って、呆れられたのではないかしら」
「」
ずーんと沈む俺。
「マジですか!?図星なんですか!?バカなんですか?何て言ったんですか?」
俺はポツポツと昨日あったことを話し出す。
「はぁ、本当に呆れた。戸塚君の言うことが完全に正論ね。貴方のはただの妄言に過ぎないわ」
「俺もそう思う」
「そうそう。だからさーヒッキー、そんなこと忘れて早く彩ちゃんと仲直りした方がいいんじゃない?」
「ああ。戸塚とは明日にでも話そうと思っている」
「ホント、戸塚先輩の言う通りですもんね」
「そう。戸塚の言う通りなんだよ。好きでもない相手と結婚なんてできるはずなかったんだ」
「「「うんうん」」」
3人が俺の言葉にうなずく。
「だから昨日、一晩中考えたんだ」
「へ?何を?」
由比ヶ浜が首を傾げる。
「これから、城廻先輩を好きになっていけばいいんじゃないかと」
「は?」
一色が何言ってんのこの人と……以下略。
「本当に頭がおかしくなったのかしら」
と雪ノ下が携帯を耳に当て……以下略。
「一色、確か城廻先輩ってすでに推薦決まってたよな」
「は、はぁ。確かにそうですけど」
なら、めぐり先輩を好きになるために接触しても、受験の迷惑になったりはしないはずだ。
「だが、もうすでに放課後。まだ帰ってないといいんだが」
俺は鞄を掴み、奉仕部の扉を開ける。
「わり、ちょっと校舎内探してくるわ。まだ城廻先輩が残ってるかもしれないし」
じゃあと言い、俺は扉を閉める。
「「「」」」
めぐり先輩がいるとすれば、3年の教室か?だが、他の普通に受験する人達が残って勉強している可能性がある。そんなところに、すでに推薦が決まっている人はいにくいはずだ。特にめぐり先輩のような人は気を使うだろう。決して、俺が3年の教室があるフロアに行く勇気がないとかそんな理由ではない。
それなら、生徒会室か?いや、一色が奉仕部にいたなら可能性は低いな。
なら、考えられるのは職員室か図書室、あとはすでに帰った。この3つだ。
まずはここから近い方の職員室に行ってみるか。あの人に聞けばわかるかもしれないしな。
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