やはり俺の将来設計は完璧過ぎる。   作:U.G.N

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 あの、この小説の小説情報を是非見てみてください。戸塚×小町編の2話だけでお気に入りが約200件増えたんですけど。たった2話だけだよ?戸塚小町効果ハンパねー!!

 まぁ今回からまた八幡たちに戻りますけど。

 とりあえず、どうぞ



流れを断ち切るのは難しい

「やっぱりわたし思うんだよぉ、感動イコール誰かの涙。は、八幡くんの言う通りだね。あのヒロインが泣いてるシーンでわたしも泣いちゃったし」

 

 今俺たちは、昼食を取りながら映画の感想と答辞をどうするかの議論中だ。

 

 ていうか、俺の名前を呼ぶのに一瞬どもるめぐり先輩可愛い。

 

「まぁそうですね。もらい泣きというのは誰しもあると思いますよ。別にめぐり先輩が泣かなくても、聞いている誰かが泣いてくれればそのまま伝染していくんじゃないですかね」

 

「それって結局は、感動できる答辞にしなきゃなのは変わらないよねぇ」

 

「……そうですね」

 

 はぁ~、と2人同時にため息をつく。

 

「めぐり先輩は中学のときとか、答辞読んでないんですか?」

 

「答辞は読んだことないよぉ。去年送辞なら読んだんだけど……」

 

 え、そうだったの?全然知らなかった。まぁ、今年は一色なんだし、生徒会長なら当然か。

 

「じゃあめぐり先輩が聞いて感動した答辞とかありますか?」

 

「あっ、あるある!一昨年の卒業式!」

 

 俺はその時、しまったと思った。まだどんな内容かも、誰が読んだのかも聞いてないのに、何となくわかってしまった。

 

 しかし、自分から聞いてしまった以上、強引にこの話題を終わらせる訳にはいかない。そっと、やんわりと……。

 

「へ、へぇ。そうなんですか~。あ、じゃあ、」

 

「一昨年の卒業式はねっ、はるさんが答辞を読んだのっ」

 

 遮られただとっ!?そしてやっぱりかー。

 

「な、なるほど」

 

「あのねっ、はるさんって生徒会長じゃなかったのに、そのときの生徒会長がはるさんが読むべきって推薦したんだって」

 

 それは本当に生徒会長さんの意思なのでしょうか?と変に勘繰ってしまう。だってあの人なら面白半分で生徒会長を脅して、推薦させるとかしそうなんだもん。

 

「でもね、何故か先生たちは反対したんだよ。答辞は代々生徒会長が読むことになっているって」

 

 はい。それは建前です。絶対に。前に平塚先生が言っていた。『陽乃は優秀な生徒ではあったが、優等生ではなかった』と。授業中は騒ぐし、問題児だったと。

 そういうタイプは文化祭実行委員長などはピッタリだろう。現にその年の文化祭は物凄く盛り上がっただとか。

 しかし、卒業式の答辞のような形式ばった堅苦しいものはあの人には似合わなそうだ。ていうか、教師的には何かやらかすんじゃないかって心配があったんだろう。

 

「でもね、そのときの3年生のほとんどがはるさんを推して、結局はるさんに決まったんだよ」

 

 3年生ほとんどって、人の心を動かす力はその時から健在だったんですね。

 

「それでね、その時の答辞がもう凄かったんだよぉ!会場のほとんどの人が、生徒も親御さんも反対してた先生たちも皆泣いちゃって、はるさんが答辞を言い終わった後拍手喝采で!」

 

 いや、答辞で拍手喝采って、それ何ットダンスだよ。

 ていうか、答辞で会場の全員を泣かして拍手までさせるって、どんな答辞読んだんだよあの人。怖いよ、あと恐い。

 

「皆泣いてるのに、はるさんだけはいつも通りで、全然泣いてなくて。かっこよかったなぁ」

 

 その姿は容易に想像できる。どうせ会場の涙と拍手に満足そうな顔をしていたのだろう。

 ていうか、マズイな。この流れは非常にマズイ。だってこのあとめぐり先輩が何を言うか、何となく予想できちゃうもん。

 

「あっそうだっ!はるさんにも相談してみればいいんじゃないかな?」

 

 ほらーー!!言うと思った。絶対言うと思った!

 

「い、いや、結局書くのはめぐり先輩ですし、パクるわけにもいかないんですから。それに、聞いちゃったらどうしてもそっちに流されちゃうと思うんですよね。そしたらめぐり先輩らしさが無くなっちゃうんじゃないかって」

 

「えー、別にパクるつもりはないよぉ?ちょっとコツとかないかなぁと思って。あるなら聞きたいしぃ」

 

「駄目です。めぐり先輩は素の状態で皆を感動させる方が合ってます。狙って感動させるなんてあの人が凄いだけです」

 

 めぐり先輩をそんな小悪魔みたいにしてたまるか。めぐり先輩は天然で純粋でピュアピュアじゃないと駄目なんだ。

 

「とにかく、あの人に聞くのはだけは駄目です。あの人とめぐり先輩は真逆の存在なんですから、めぐり先輩はそっちに染まっては駄目です」

 

「誰とめぐりが真逆なの?ひ・き・が・や・くんっ」

 

 ふぅ~と耳に息を吹き掛けられる。

 

 思わずひゃわぁと気持ちの悪い声が出そうになるが、何とか堪えた。

 

 声で何となくわかるのだが、何かの間違いかもしれないので一応顔を見て判断しないとね。

 

 そう思い、俺はゆっくりと振り返る。

 

「ひゃっはろー。比企谷君とめぐりって珍しい組み合わせだねー。ひょっとして浮気かー、このこのー。雪乃ちゃんを捨てるなんて許さないぞー」

 

「……」

 

 エマージェンシー!エマージェンシー!

 魔王襲来!

 エマージェンシー!

 

 




 まえがきでも言ったように、戸塚×小町編でお気に入りがいっきに増えました。
 ありがとうございます。
 これを知ったからには、これからちょくちょく戸塚×小町編を入れていこうかなと思っています。

 では感想と評価お待ちしております。

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