ドゥーチェ異世界にて戦うようです   作:ゆっくり霊沙

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皇太子殿下

戦争が始り補給をどうするか悩んでいる後方の将校達の気持ちも知らず、皇太子は実験戦車師団を含む第五軍を率いて共和国への守りについていた。

 

「宣戦布告前なのにピリピリしてるわね。」

 

「ふん、共和国の奴等は常に帝国の脅威に去らされているからな。怖いのだろう。」

 

「そうだぜ殿下、愛人参謀殿も殿下並みに気を張っていた方がいいぜ。」

 

第五軍参謀長ドルフ

 

「まぁワタシは殿下の戦車師団がここでは最高の役割りを果たせるように尽力するのみでありますな。」

 

第五軍参謀ホト

 

「3号戦車・・・最新戦車だがやはり信頼性は抜群だな。もっと早く欲しかったぜ。」

 

皇太子護衛兵件戦車師団副師団長ハインツ

 

「共和国は戦略性において負けております。勝利は我々の手の中です。」

 

皇太子護衛兵件戦車師団師団長エーリッヒ

 

「ふはは、余にはこれだけ頼りになる参謀、兵士諸君がいるのだから安全だな。・・・ドルフ、共和国はいつ頃動くと予測する?」

 

「へへ、2、3ヶ月といったところだろうよ。突破は厳しいが、命令されてるのは足止めだ。忘れるなよ。」

 

「余を誰だと思っている?・・・ライヒの王子だぞ。」

 

後の歴史ゲームのイメージでアンチョビのライバルとして知将のイメージがあるが、王に必要な器をすべて揃えたカリスマある指導者が皇太子である。

 

アンチョビのようにナポレオン1世とナポレオン3世を足した政治、軍事、経済の化け物ではないが覇王の片鱗は既に見せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

共和国宣戦を布告する。

 

歴史の教科書や当時の新聞にはこの一行で済まされているがこの場所にいた帝国第五軍はアレーヌ市周辺で共和国のプラン17作戦に伴う共和国軍主力のほぼ奇襲攻撃に遭う。

 

「来た。・・・殿下、指示を。」

 

「何を慌てているのだ諸君?もう筋書きはできているのであろう?並ば仕事に戻るのだ。余は君達の奮闘の証言者たらんとす。」

 

「へへ、・・・橋を落とせ。防衛戦の開始だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦力差4倍・・・時の帝国の参謀総長はその数に読みを外したと思い皇帝陛下に

 

「皇太子殿下は諦めてください。」

 

と報告し、怒りで皇帝陛下はサーベルを抜いたが斬りかかることはなく、次の報告を待った。

 

 

 

 

1日目

 

戦車と歩兵の差が出る戦いであり、戦車1両で共和国の3中隊が地図から消える激戦が繰り広げられる。

 

2号戦車の硬い装甲により最新の3号戦車よりも撃破率が低く、対戦車の主力であった砲兵の支援が無ければ川の渡河は成功しなかったと言われる。

 

作戦成功の功労者として敵の魔導師30名以上を撃墜したミシェイル・ホスマン少尉率いる魔導師部隊がエース3名を含む共和国最精鋭魔導師部隊の称号と部隊員全員が1階級特進する事となり、世界初の大規模エース部隊に登録される。

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、戦闘機用の対空砲で魔導師5名を死亡させたか・・・。」

 

「えぇ、引き続きレポートを参謀本部に。」

 

「あぁ、そうしてくれ。」

 

(やはり対空砲が魔導師にとって航空機以上に天敵か。)

 

アンチョビは帝国内のアレーヌに偶々いたスパイ経由で帝国の戦争情報を入手していた。

 

「対空用に転用できる地上目標用兵器・・・ドイツのトースト自走砲はこの世界だったら革新的な戦果を得られただろうに・・・まぁダキアでは生産どころか試作も数年は無理だから合衆国に投げるか。・・・おーいチスク、設計図を書くのを手伝ってくれ。」


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