ドゥーチェ異世界にて戦うようです   作:ゆっくり霊沙

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機材

まずどのような行動をすれば地位を向上できるか。

戦争でも上流階級に居れば何等かの形で生き残ることが可能だし、戦後も安泰・・・だと思う。

 

現在はビスマルク体制もとい共和国包囲網も連邦と共和国の同盟で解除

 

とにかく生き残るのもそうだが今ある魔力を使った軍事的な何かを・・・いや、この際生活を向上させるような画期的な物を作りたい。

 

それに・・・ダキア公王国の近代化のための資金集めにもなる。

 

まぁ帝国の中で何かを作る気は無かったが、郵便局からの賞金10万マルク・・・前世に直すと1200万円位だな。

特許使用料が帝国が半分貰う代わりとしての賞金で、軍事技術に繋がる物だと受賞しやすい。

それを貰って会社でも創るたしにしようと思い、友人達の町工場から貰った機材でロードスター型自転車を造った。

 

1970年代の自転車だが自転車の完成形と考えれば後々にも売れるし、近々作ろうと思っている原付自転車への発展させるために必要だと思ったのだ。

 

自転車は帝国のような大国なら労働者階級が、他の中小国なら重要な移動手段として使って貰うことができるし、ダキア公王国周辺の国に輸出することができる。

近代化のための工業化の1歩を踏み出すことができるのだ。

 

と、一人長々と頭の中で妄想を膨らましてはや3日。

 

出展用の自転車が完成した。

 

軍需品をアピールするため車体の横にかごを取り付けて銃弾、多少の食料、小銃が運べることをアピールした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長室に呼ばれた。

 

「帝国工業大賞受賞(副大賞 賞金半分の5万マルク)おめでとうアンチョビ君。まさか留学生がこの賞を受賞するとは思わなかったよ。」

 

そりゃそうだろうな。

 

「帝国の軍の方も君の発明を高く評価しているよ。地上の歩兵の移動速度の上昇や、魔導師不在時の伝令等も期待できる。」

 

軍と明確に言って来たか。

 

「どうだい?亡命というのは?知り合いは沢山いるのだろう?」

 

「校長先生、私はダキア人です。しかも貴族です。国を豊かにさせる義務があります。帝国には感謝していますが、すぐに国を捨てるような者なら帝国でも信用されず捨てられるでしょう。なら、私は帝国にもダキアにも利となる行動をするのみ・・・だと考えております。」

 

「ほう・・・考えがあるのか。」

 

「ダキアは帝国の下にある諸国で頭ひとつ抜けていますがその諸国の2つに攻め込まれたらたちまち崩壊するような弱国でもあります。帝国はメフメット帝国と仲が良いですがその間にあるダキアが邪魔でしょう。そこで帝国の技術を使った鉄道を引くための土地を格安で私が帰国後に提供しようと考えています。もちろん帝国側は技術援助という形になると思いますが。」

 

「続きを。」

 

「帝国側は国家戦略の選択肢が増えます。また、技術格差が帝国とダキアでは約20年近く離れているので不用となった旧式の機材を売り付けることができるでしょう。鉄道がなければその機材を使うための石炭の入手ができないのでダキアの命を帝国が握ることができます。ダキアの利は省略しますよ。」

 

「考える余地はあるが・・・軍部はアンチョビ君の魔力量AAという規格外の量を欲している。」

 

「では私は軍人にはならないと言うのはどうでしょう。」

 

「ダキア軍人にならないのか?」

 

「はい。今ダキアに必要なのは金です。1人の強い軍人よりも100人の普通の経営者を欲していますよ。下は。」

 

「下・・・だと?」

 

「・・・帝国の隣にある王国のような火が燻っていると軍は必要ないのです。」

 

「大王国か。・・・革命。」

 

「帝国は大丈夫でしょうが、ダキアは半世紀以内に起こるでしょうな、そのような事態になれば帝国は未知の国家に囲まれる可能性もあります。」

 

「妄想ということにしておく。せいぜい足掻け。」

 

「では、これで。」

 

校長室を退出する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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