ドゥーチェ異世界にて戦うようです   作:ゆっくり霊沙

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戦争の効果

ダキアは今回の戦争で4万人の死傷者、3000台の車両、700機の航空機を失い、国家予算丸々2年分(アンチョビの1年間の総利益の10分の1)を使った。

 

得た物は国際的な地位、産業の効率化、軍の精鋭化、軍の機械化への理解、戦術の進化、連邦から格安の資源が南方2国の20倍入って来ることであった。

 

友人ことヨセフ・ジュガシヴィリの議会支配によりダキアとの貿易も今まで以上に活性化することがも確定している。

 

「今回1回だけだが、浸透作戦は成功した。問題点も有るがな。」

 

「空軍としては航空機の性能の向上と敵に魔道師がいた場合の訓練を進めます。制空権が無い場合我々は一方的に攻撃されることになるため陸軍でも対策お願いしたい。」

 

ヘス空軍大将はそう言い切る。

 

「無論陸軍としても進めるが、まず大砲の国産化を急がなければなりません。共和国基準の75mm経口弾で統一しますが、もし次の戦争になれば75mmの破壊力では連邦や帝国の火力に負けると思われます。今回の戦争で戦列歩兵が現代戦に対抗できないこともわかり、最終攻勢の突撃隊を編成し、塹壕及び敵の重要拠点の占領を目指します。」

 

アントネスク参謀総長(階級は大将 戦争にて昇進)

 

「戦車は多用途目的戦車・・・中戦車もしくは主力戦車と呼ぶことにし、歩兵支援車両の駆逐戦車を製造予定になりました。戦車には全て最新の300馬力エンジンに変更し、5年以内に200馬力向上させ、攻守ともに活躍できるようにします。」

 

ケイ全戦車隊作戦及び製造管理隊長(階級は少将)

 

「よろしい。軍に関してはそのまま継続して励むように。」

 

問題は農業だな。

 

「チスク、各国から農業研究者を集めるように頑張ってくれないか?合衆国はこの計画には絶対反対するから帝国や共和国が中心だと思うが。」

 

穀物を国家戦略の柱としているアンチョビにとって、資本を集中して大規模農場にしたは良いが、品種改良がまだまだ未発達なダキアでは成果も予定より下回っている。

 

いな、戦争で連邦の1つ軍に国家の存亡が左右されるほど国力がないダキア、農業だけでなく工場も港も鉄道も道も電力も足りない。

 

「黒海に隣接する都市を中心に巨大コンビナートを作ろう。経済特区も作り、外資を集め、技術を盗むぞ。・・・そうだなぁ、特区で造られた物はダキア国内で売るのは生産量の10%とする代わりに様々な特典をつけてやれば良いな。・・・合衆国企業だけを優遇するわけにもいかないからな。」


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