「え!?」
「・・・入ってこい。」
ダキア兵に監視されながら黒いフードを被った女性2名が入室する。
「ほな、顔をみせなかあかんね。」
「えぇ。」
現れたのはルツスキー将軍とラーヴル将軍だった。
2人が女性なことに驚いたが、ダキア語も鈍りながらもしっかり話せることにも驚いた。
「亡命は良いが、ケレンの亡命は合衆国にしてくれ。ここだと戦争が終わらないからな。2人の将軍は抑止力になるからこちらに置きたい。これでいいか?」
これ以上の戦争は本当に総力戦になってしまうからな。
「なに、職ならある。ケレンは社会主義の論文を学会で発表してれば飢えることはないだろう。なんならアンチョビ系列の企業でも雇えるぞ。労働組合会長なんて手もあるが。」
心の中で現状を必死に整理する。
将軍の亡命は予想外だが友人にとっては粛清の大義名分となり、売国奴として粛清されることになるな。
で、粛清される前に反発してこちらにくればそれで良いし、来なければ粛清されて連邦の軍事力は落ちる、内乱なんてしてくれたら武器が売れるから万万歳だがな。
決着をつけるか。
「亡命手続きはしてやる。ただし目の前の障害を粉砕しなくてはならなくてな。・・・戦争が終わるまでは将軍方は軟禁、ケレンはすぐに合衆国に向かってくれ。」
ダキア攻勢命令第4号がアンチョビの名で発令された。
2時間という短時間に砲弾が100万発(少ない 帝国なら500万発 共和国なら700万発は発射できるだろう)発射された。
この時の砲弾には煙幕弾も含まれており、一部地域で視界不全に陥る。
「頭を叩くわよ。」
この砲撃の最中に魔道師達は火炎放射器を1人用のを(魔道師以外の兵は2人1組運用だが、魔術によって重量問題を1部解決できている)持ち、1中隊(16名)当たり4台配備されており、技術的問題点(噴射器の一部が劣化するとガス漏れを起こし、周囲に多大な被害を起こしたりすること)があったものの原油があるダキアでは量でカバーした。
「突撃隊前進。」
砲撃終了時には連邦防衛ラインの30メートル前まで前進していた軽装備の兵が戦闘を極力しないようにしながら前進し、前線司令部、砲撃連絡所、補給所を占領。
前線司令部司令官は抵抗したため射殺され司令官との連絡が入らなくなる。
いきなり連絡が途絶えた場所が20ヶ所もあり、司令部は混乱したが、混乱していた司令部にシュゴーと音とともに何かが近づいてくる。
「私が見ます。」
ドアを開けたカチューシャは3秒後に火炎放射による火傷で悲鳴をあげ、5秒後に炎が酸素が燃料と結合したため酸欠状態で悲鳴もあげられなくなり、10秒後には絶命する。
「司令部の殲滅完了。」
連邦第三軍は地図上から消滅する。
前線では前線司令部だけでなく後方司令部との連絡もつかないため右往左往している兵達に戦車と軽機関銃と小型自動小銃を持った歩兵が殺到し、前線は消滅。
ダキアは勢いそのまま壊走する連邦を追いかけ戦前の地域を奪還する。
和平はしゃしゃり出てきた世界一の大国()の連合王国が介入し、友人と約束をしていた地域よりも多くの土地をぶんどることになってしまったので、慌ててその地域を独立させ、共和国にし、連邦に編入するという謎ムーヴをした。