学戦都市アスタリスク〜過負荷と魑魅魍魎の主を併せ持つ転生者〜 作:all
ある日の夕方、オレはあるマンションの一室の前にいた。オレがマンションのインターホンをならすと中から「入って」という声が聞こえた。その言葉にしたがい、部屋にはいると出迎えてくれたのはアスタリスク最強の魔女、オーフェリアだった。
「久しぶり、鯉桜…」
「確かに久しぶりか?最後にあったのは確か二週間前だったな」
ちなみにオーフェリアの瘴気は虚数大嘘憑きで無意識に溢れ出ることは無くなったし、能力を使う際の肉体の負担も無かったことにした。このことはユリスに話している。まあ、俺が今日なにしに来たのかと言うと…
「出来てるわよ」
「おっ、今日も美味そうだな」
夕食を食べに来ている。オレはたまにオーフェリアに夕食に誘われることがある。その度にここを訪れているのだが、これはユリスに内緒だな。
今日の夕飯は生姜焼きに味噌汁、白ご飯だ。いつもは洋食が多いけど今日は和食だった。
「じゃあ、いただきます」
オレはまず生姜焼きを口に入れた。…うん、いつも通り美味い。するとオーフェリアは俺オレの反応を伺うように
「どう?美味しいかしら?」
と聞いて来た。それに対してオレはもちろん
「ああ、いつも通り、あんたの料理は最高だな」
と答えた。
「ごちそうさん。美味かったぜ」
「お粗末様。それで鯉桜、あの…いつもの…」
オレが夕飯を食い終わると同時にオーフェリアはうっすらと頬を染めてそう言って来た。
「ああ、いつものね」
オレはその言葉で察し、オーフェリアの後ろに回り、抱きしめた。これは星武祭でオレと戦ってオレが勝った時からやっているもので最初もオーフェリアから頼んで来た。
「暖かい…」
「あんた、やっぱ可愛いな」
オレが後ろから抱きついたままそう呟くとオーフェリアの顔がどんどん赤くなっていく。
「いきなりは卑怯だわ…」
「はは、構わねぇだろ?オレはほんとにそう思ってるんだ」
この言葉でオーフェリアの顔がさらに赤くなったのは言うまでもない。
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「じゃあ鯉桜は王竜星武祭に出るのね?」
「まあそうだな」
あれから十数分、オレたちは抱き締めるのを止め、雑談をしていた。
「なにを望むのかは決めているの?」
「ん?そうだな…とりあえずはオーフェリア、あんたの自由でも目標にして頑張ろうと思ってるぜ」
「そう…だけど貴方に私の運命「運命は覆せない、とは言わせねえぜ」
オレはオーフェリアの言葉を遮り、そう言った。
「お前だって今幸せな訳じゃねえだろ?それに、オレは戦うのなら大切なもののために戦うぜ。そっちの方が粋だと思わねえか、」
「……ええ、そうね。…鯉桜、ありがとう」
そう言って今度はオーフェリアから抱きついてきた。そんなオーフェリアの頭をオレはゆっくりと、優しく撫でる。
「…気にすんなよ。あんたの力になれるなら安いもんさ」
正妻はオーフェリアになりそうですね