第三十四話、スタートです!
早苗「っ!? 奇跡『紙一重』」
その言葉で、諏訪子の周りのーー空間が歪んだーー
円盤はありえないような動きで方向を転換させ、諏訪子の大きく左右にそれた。それによって諏訪子は危機一髪、難を逃れた
峡「...ふーん」
峡はそのスペルを見て無意識に言葉をもらした。
あの威力の、そしてかなりの和の円盤を逸らすとなれば、それなりに力を使うはず。
峡は早苗の強さを見余っていたのかもしれない
早苗「諏訪子様、お怪我は...!」
早苗は諏訪子に駆け寄る
諏訪子「大丈夫大丈夫。...さて、こっちは準備が整ったよ」
そして突如諏訪子が手を翳すと、そこにいたミシャグジさまがどんどんと巨大化し始めた。
その大きさは最終的に巨木ほどにもなった。
まるで龍の如く、その迫力は計り知れない。
神力も十分だ
諏訪子「実はさっきからこっそりミシャグジさまに神力を預けててね...バレなくてよかったよ」
諏訪子はミシャグジさまに手を当て、少しづつ力を込めていく
將信「...」
將信はそれを澄ました顔で何も言わずに見つめ、あの桜を思い出したのか険しい表情に変える。
諏訪子「まだまだ甘かったね、將信。これで終わり!!」
諏訪子が片手をパーにして前に突き出すと、ミシャグジさまは大きく赤い口を天に向けて開き、水色の神力の球を巨大化させていく。辺りにはエネルギー音が響き渡り、周囲の木々を震わせる。
峡「...そろそろ?」
將信「だね」
將信は先ほどの峡のように口元を吊り上げ、こういった。
將信「まだまだだね。諏訪子"ちゃん"」
峡「修行がたりないねぇ」
なんと、將信が指をパチンと鳴らした途端、近くの風景が移り変わった。
そこには先ほどまで倒れていたはずの剛も何故か立ち上がって、神奈子と戦っている。
諏訪子「...っ、神奈子が戦っている!?」
諏訪子はそれで全てを察したのか、顔を青ざめさせながらミシャグジさまに止めろと合図するが、もう遅い
ミシャグジさま「グワぁぁぁぁぁぁぁ!!」
咆哮と共に放たれた青空のような色をした極太光線を峡と將信は容易に躱す。威力が半端ではないといっても単調な攻撃だからそれと容易かったのだ。
そしてそれは仕組まれたかの如く神奈子に追尾する形で向かっていく。
神奈子「ちょっ!?」
神奈子は急な攻撃に躱せないと悟り、なんとかその攻撃を何とか防ごうとするが、それも虚しくあっけなく撃沈。追尾性能は峡の仕業だ。
早苗「キャッ!?」
そしえ早苗も一瞬の出来事に戸惑っているところを剛に後ろから奇襲され、なんとも可愛いらしい悲鳴をあげて気絶した。
剛「そんな時間稼ぎする必要あったか?」
峡「はぁー、帰ってお風呂入ろう...泥まみれだ」
剛と峡はストレッチしながら、何事も無かったように話を進めていく。
將信「後はお願いね〜ーーー華憐ーーー」
將信は弓を空上に向け、一つの矢を打ち出した。
その矢はパンッ!と風船が割れたような音で爆発する。
その矢の近くにいたのは、さっきから姿を見せていなかった華憐だった。
華憐「はいはい...おしまいね」
華憐は両手で神力を波のようにして強烈な勢いで地に向かって放った。
諏訪子「あぁ..やっぱりすごいね、みんな」
諏訪子は全てを理解し、安堵した表情でバタンと地に倒れた
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〜〜博麗神社〜〜
霊夢「ったくねぇ..異変起こしすぎなのよ。年に1回ぐらいでいいのに..たまったものじゃないわ」
霊夢はテキパキと宴会用の料理を作りながら愚痴をもらす
將信「あはは..」
將信達は博麗神社を掃除しながら霊夢の言葉に答えていく
霊夢「...悪いわね。迷惑かけてて。異変解決出来なかったし」
3人「...」
3人は互いに顔を見合わせ
將信「ふふ..ふふふふ....」
峡「あははははっ!」
剛「..くくく...」
一斉に笑いを噴き出した
霊夢「え、にゃなによ!?」
將信「あはははっ!」
霊夢は赤面しながら3人に向かって声を発するが、そこで噛んでしまいさらに笑いを誘ってしまう
霊夢「...」
霊夢はムスッとした表情で3人を見る。その表情はゲームで負けて拗ねている子供にも似ていた
剛「ふふ...悪かった悪かった。あんなことを霊夢が言う日が来るなんてなぁ」
剛はまだ笑いがおさまらない様子で口元を抑えている。
魔理沙「邪魔するぜー」
霊夢「邪魔するなら来ないでいいわ」
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in 博麗神社 宴会
剛「ゔっぷ..」
剛は飲みすぎたのかゲップを思わず出した。酒に強くかなりの本数を飲んだのにまるで酔っていない。永琳から貰った細胞の劣化を防ぐ薬を一口飲んで、ふぅと息を吐く。
その目はどこか遠くを見ているようで、どこか楽しくも、悲しくもさえ見えた
ルーミア「ごうー。だいちゃんが呼んでるー」
剛「...ん、ああ、わかった」
剛はよっこらしょ、なんておっさんくさいことを言いながらルーミアの言葉で立ち上がり、大妖精達の元へと向かった。
剛「...すっかり酔いつぶれてるな」
チルノ「ごう!あぁたいとぉお、しょおぅぶだぁー」
ルーミア「勝負だー」
チルノはふらつきながら立ち上がって口元をだらしなく開けたまま笑っている。それに便乗したのかルーミアも笑顔だ。ルーミアはほろ酔いほどの様子で酒に強い事が分かる
大妖精「そうなんですよ...その、酔い醒ましって出来ますか..?」
剛「うーーーむ...」 剛は顎に手を当てて考える
剛「出来るぞ、ほい」
剛が両手をパチンと音を鳴らしながら合わせると
チルノ「ふにゃ.....」
チルノは剛にもたれかかるようにして気絶した。
大妖精「えぇ!?」
思わず目を見開く大妖精。
剛「それで...ちょっと待ってろ」
剛はチルノのお腹に手を当て、能力を行使している。辺りからは僅かな霊力がもれだしていた。
剛「...よし、出来たぞ。目が覚めたらほろ酔いぐらいだろう。」
大妖精「ありがとうございます!ところで何故気絶させたんですか...?」
剛「寒苦しかったから」
華憐「...ホント便利よね。それ」
華憐は峡を横目でじろりと見ながら言葉を発した。
峡「でしょ?最初は難しかったけど慣れたら案外いけるものだね」
峡はお皿や料理を念動力を駆使して、なんとも器用に机の上を移動させて食べ物を動かしている。
結衣「あぁ..きもちー」
將信「...」
峡達の隣で結衣は將信に背中や肩をマッサージされて梱をほぐされ、極楽といった表情を浮かべる。
一方將信は何故自分が結衣のマッサージをしないといけないのかと疑問に思っていた
將信「...えいっ」
結衣「!?ちょっあはははははははやめてやめてあはっははっふふふふふふ...」
將信の
宴会には様々な者がいた。様々なグループが出来た。仕事の事で愚痴り合う妖夢と咲夜や、外の世界の事について話す、そしてそれを取材する早苗とにとりとそして射命丸。
キャッキャと燥ぐ妖精達とフラン。
今夜は新しい仲間も加わり、とても賑やかな宴会となった
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後日 in 家
將信・峡「ゔっ...」
すっかり二日酔いになった2人を置いておいて、剛達は今回の異変についてまとめていた。
結衣「それで諏訪子達はここにきた..と」
峡「うん。そういう事だね」
彩「あれは、えーと信仰の問題は解決出来たんですか?」
峡「博麗神社の近くに分社を置くことで合意したらしいよ。」
彩「なるほど...。よかったですn」
射命丸「失礼します!清く正しい射命丸ですっ。今回の異変についt」
剛「帰れ」 將信「帰って」 峡「帰ろ」
面倒くさいのか剛達は思わず嫌な顔をする
射命丸「酷い!?」
彩「ま、まぁまぁ...。」
射命丸「え、えっと...取材は...?」
射命丸は恐る恐る將信に尋ねる。
將信「...しょうがないな。受けるよ」
射命丸「ありがとうございます!今回の異変は大体展開が分かったのですが...」
剛「のぞき見は趣味が悪いぞ」
射命丸「...それで、何故剛さんと神奈子さんはまた戦っていたんですか?結界?」
射命丸は剛を横目で真顔で見たあと、將信にまた笑顔を向ける
將信「そうだよ。僕のーー不可思議な結界ーーで幻覚を見せただけ。彩が途中で抜け出したの気づいた?彩にはもう一つ音を遮断する結界を作ってもらってたからね」
射命丸「な、なるほど...。ところで、今回戦闘といった戦闘はほとんどありませんでしたよね」
峡「だね。最初はやる予定だったけど、友人傷つけたくないでしょ?気が変わったから指示した」
数分後
射命丸「ふむふむ...ではこれにて、です。ありがとうございました!」
はい皆さんおはこんばんにちわ、ゼロです。
えー、一週間から過ぎてしまいましたが無事投稿できました。
今回で多分風神録編は終わりです。
次回はどうなるかわかりません(笑)。
次回は一週間以内に投稿できるように頑張ります。
誤字脱字等ございましたらご報告下さい。
それでは、また。