東方巡迷伝   作:ゆっくりゼロ

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異変を解決しに向かった彼らの前に新たな敵が…?

第三十話、スタートです!


夜明けと決着

霊夢「...紫、逃げないでよ」

 

紫「分かってるわよ...」

 

永琳「姫様、お怪我はありませn」

 

輝夜「..わたしは大丈夫よ。

 

それよりとりあえずあの鉄屑を潰しなさい...といってもわたしはもう動けなさそうだけど」

 

永琳「...承知しました。少し休まれてください。」

 

永琳は輝夜を抱え、屋敷の中へと運んだ。

同じ月に住む輝夜と永琳は、今はひっそりと同じ永遠亭で暮らしていた。

 

もっとも、永遠亭は目立たないように加工してあるため見た目はよろしくないが。

 

 

 

妖夢「...一時休戦のようですね。」

 

妖夢は刀をチャキンと音を立てて鞘に刀をしまう。

 

幽々子「...あら?、紫、異変解決いいのかしら?」

 

幽々子は壁にもたれかかり、意気消沈の様子だ。

ヒラヒラと扇子で自身を仰いでいる。

 

 

紫「..別に勘違いしてただけのようだし構わないわ。問題は"アイツ"よ」

 

霊夢・紫・永琳・妖夢・幽々子・輝夜は異変解決のため、弾幕ごっこをしていた。

 

しかしその時、突如アイツが姿を現したのだ。

鉄屑を倒すべく、ダメージが深い幽々子、輝夜を除いた4人は静かに臨戦態勢を取る。どうやらこちらにはまだ気づいていないらしい

 

 

その時

 

 

 

 

 

剛「おーい!大丈夫か!!」

 

そこに、さらにメンバーが加わることになった。

 

騒ぎを見つけた剛・華憐、戦闘が終わった魔理沙・レミリア・將信・彩・咲夜なども参戦。

 

これでメンバーはキマイラと戦っている峡・結衣を含め13人。

 

 

 

 

 

霊夢「ったく...アイツなんなのよ!?」

 

霊夢はアイツの姿を見て苛立ちと、不安や焦りを覚える。

なぜなら、アイツには妖力も霊力も感じられなかったからだ。さらにただの巨大生物なのに、それがまるで意思を持っているかのように動いている。

 

近代的な技術を知らない霊夢に取っては恐ろしいモノの対象だろう。

 

キマイラは二人を見逃したらしく、あたりを探している。

 

 

華憐「...あいつはキマイラね。伝説の生き物。もっともレプリカのようだけれど」

 

將信「...確かに姿は一致するけど、力が感じられないね。何で今ここに....」

 

華憐「詳しいことはあとよ。今はアイツを潰すことだけ考えなさい」

 

こんな状況でも華憐は冷静に判断を下し、みんなをみちびく。

 

しかしキマイラはライオンの頭、山羊の胴体、毒蛇の尻尾。全長は妖怪の山に匹敵するほどの大きさ。

放置すれば確実に幻想郷は消滅してまうだろう。

静かに華憐も汗を浮かべていた

 

 

 

 

 

峡「みんな!!」

 

峡と結衣はスキを見計らって11人と合流した。

 

結衣「なにか策はあった?!」

 

彩「策という策はありませんが...やはり身体が重い様で、動きが鈍いですよね」

 

レミリア「でも、攻撃が効くとは限らないわよ?」

 

峡「...とりあえずは結界で幻想郷を保護していく!!結衣、霊夢、紫、頼む!」

 

 

霊夢「仕方ないわね...わかったわ」

紫「了解〜」

結衣「もちろん!」

 

4にんはキマイラを囲むように空中に広がった

 

峡「展開 『ビッグミラーウォール』」

紫 「境界「『永夜六重結界』」

霊夢「博麗奥義『永獄結界 確』」

結衣「強化 『プロテクション』」

 

 

そして結界スペルが宣言された。

 

峡、紫、霊夢の発動したスペルカードを、結衣がさらに強化することによって、莫大な力を持つ真四角の結界がキマイラを包み込んでいく。

霊力妖力神力の結界は膨大な力を放つ。幻想郷が揺れ動くほどに。

 

 

しかしあのキマイラは生物じゃない。あくまでも鉄屑のレプリカだ。

 

意志のないものを、結界は封印する役目を果たさない。

 

だからこの結界は防護のみしか役目を持たないのだ。

 

アイツを倒すには直接攻撃して壊すことしか方法がない。

 

結界班の4人以外の9人はキマイラの様子をうかがっている。

 

 

 

妖夢「隙有りっ!!」(足元を狙えば...)

 

レミリア「神槍『スピア・ザ・グングニル』」

 

そしてキマイラが結界に夢中になって警戒を解いているうちに、妖夢とレミリアは自身の愛着のある武器を行使しほぼ同時に斬りかかった。

 

 

 

 

 

しかし、その攻撃はまるで無意味だった

 

 

妖夢「なっ!?....きゃっ」

 

レミリア「ぐっ....」

 

(どれだけ硬いのよ...これじゃあ傷がつかないじゃない)

 

レミリアと妖夢の攻撃は鋼の体に簡単弾き返されてしまった。警戒して一旦少し後方に下がる。

 

妖夢「まだまだ!人符『現世斬』」

レミリア「....『スカーレットディスティニー』」

 

妖夢はキマイラに一太刀浴びせようと素早く突進し、特徴的な動きで妖夢は目にも止まらぬ速さで力強く楼閣剣を斜めに振り下ろした

 

レミリアはそれを援護すべく、自身の中でも高威力なスペルを宣言した。

 

レミリアが他人を自分から護衛するのは珍しく、知人は目を見開いていた。

それはそれまでに事態が深刻なことを実感させられる。

 

だがそれらの攻撃は意味をなさなかった。

あっけなく弾かれた攻撃に二人は目を見開くが、すぐに目を鋭く切り替え大きく後方に下がる。

 

 

 

キマイラ「......機符 『流星群』」

 

 

 

それを返り討ちするように、キマイラは感情の篭っていない機械の声を響かせた。

 

キマイラの頭上に大きな赤いひし形の魔法陣が突如出現し凄い勢いで回転する

 

キマイラ「グオオオオオオオオオオオ!!」

 

そしてキマイラの咆哮とともに、魔法陣からは様々な大きさの隕石が出現した。

 

大きいものなら1kmほどに達する隕石が地に降り注ぐ。

 

その神秘的な光景は、世界の終わりのようにも見えた。

 

 

 

しかし、それでも彼女らは諦めない

 

妖夢「まける...っかぁ!!『待宵反射衛星斬』」

 

レミリア「!紅符『不夜城レッド』」

 

永琳「...っ、覚神『神代の記憶』」

 

魔理沙「いくぜ!恋心『ダブルスパーク』」

 

咲夜「デフレーションワールド」

 

5人はそれぞれの広範囲な弾幕を放つ技を使い、隕石を粉々にしていく....が

 

 

 

 

 

 

レミリア「...ぐうっ.........くそ....」

妖夢「..!...無念..ごめんなさい」

 

レミリアと妖夢は小型の隕石をモロに受けてしまった。二人共に霊力、妖力でコーティングした腕に隕石が直撃した。

 

致命傷とまではいかないが、戦闘は確実に不能な状態になり、戦闘力が削られてしまった

 

將信「(まずは避難させないと..)咲夜!レミリア達を!」

 

咲夜「っ!わかりました!!」

 

咲夜は判断に迷いを見せない。

レミリアと妖夢を抱えて、二人を治癒するために人里へと消え去った。

 

これで戦えるメンバーは剛・華憐・魔理沙・將信・彩・永琳だけになった。

 

 

 

キマイラ「...機符『爆炎放射』」

 

キマイラはさらなる追い討ちをかけ畳み掛けるべく、熱エネルギーを自身の口に集中させ始めた

 

魔理沙「そんなのありかよ...なら...」

 

 

 

魔理沙はキマイラを見て八卦路を構え、八卦路の前方に大きな魔法陣を展開しダブルスパーク以上のエネルギーを消費し、魔法陣に魔力を注ぎ込んでいく。

 

自身のほぼ全ての魔力を使い切るつもりなのだろう。微かに腕が震えていた。

 

將信・永琳・彩「....」

 

3人も全員がそれぞれの弓矢を構え、矢先にエネルギーを充填させる。

 

剛「....あと...あと少し、耐えてくれ....」

 

華憐「なんとか持ちこたえて....お願い」

 

剛は何やら先程からものすごい量のエネルギーを腕に込めていく。

少なくとも自身の7割以上を使っているだろう。

 

華憐はキマイラの咆哮や弾幕から自身の槍を使い剛を守りながら、結界の保護を手助けしている。

 

 

 

霊夢「ちょっと...これで大丈夫なの!?」

 

紫「...あの人達を信じなさい。....悪いけど、私たちにはこれしか手がないわ」

 

霊夢「...」

 

霊夢は紫の様子を見て唇を噛み締める。

 

あれほどまでに胡散臭い、計画的だった紫から策がないという言葉が出たのだ。

 

一体あれはなんなんだ、と霊夢は不可思議に思っていた

 

峡「.....(剛達、頑張ってくれ...)」

 

 

キマイラ「グオオオオオオオオオオオオオオオン!!!」

 

キマイラはまたも凄まじい咆哮のととも極太の豪快な火炎を放射した。それは剛に向けられたものだった。

そしてすかさず4人は剛を守るべく行動する

 

 

 

 

魔理沙「魔砲『ファイナルマスタースパァァァァァァク!!』」

 

永琳「弓符『アローキャノン』」

彩・將信「弓符『アローカノン』」

 

魔理沙と3人は一斉にスペルを宣言する。

 

5つの光線がぶつかり合い、凄まじい破壊力を生んだ

 

 

 

 

魔理沙「ぐっ....うわっ!?」

 

永琳「......くっ!」

 

その爆風に体力が尽きた永琳と魔理沙は吹き飛ばされてしまう。

 

そして永琳と魔理沙は結界にぶつかり静止した

 

將信「二人共、大丈夫!?」

 

將信は焦った表情で慌てて駆け寄った

 

 

 

永琳「...大丈夫よ...。あぁ、まだあの技を覚えててくれたのね」

 

永琳はそんな状態でも嬉しそうに笑っていた。昔を思い出して

 

將信「..当たり前だよ。とりあえず、紫、頼むよ」

 

紫「...」

 

紫は無言で二人の下にスキマを展開し結界の外へ2人を送る。これで安全は確保された。

 

無言なのは、喋る余裕もないからだろう。いくら峡達がついているとはいえ、あの凄まじい爆風を全て受け止めなければならないのだから。

 

そう、もし結界がなければ今頃幻想郷中全てが焼け野原になっていたのだ。

霊夢達も必死に結界を安定させる

 

 

 

 

一方キマイラは、ぶつかりあった時に生まれた爆風と高熱で体のアチコチが傷つき、所々はドロドロに溶けていた。

 

そのせいかキマイラの動きは自身の重さもあってなのか、かなり鈍っているように見える。

 

將信「...よし、華憐は剛と防護を中止!二人共結界の手助けをお願い!!」

 

彩「ですが!剛さんが危険です!!」

 

 

將信「そこは僕がなんとかする!だから、お願い!」

 

 

 

彩・華憐「....わかりました...!(.!わかったわ!)」

 

 

彩と華憐は將信を信頼し、紫のスキマに吸い込まれていった

 

 

將信「さぁて...」

 

 

剛「必殺....」

 

剛はスペルを宣言しながら左足を前に出し、後ろ足を下げ腕を思い切り後ろに引き下げる。

 

 

 

 

キマイラ「機符『ポイズンテール』」

 

その時だった。キマイラの蛇のような尻尾が妖しく紫色に輝いた。

刹那、それは剛に向かって振るわれる

 

 

將信「させるか!! 封鎖『攻撃封じ』」

 

將信は反射的に反応し、スペルを宣言。キマイラの周りからは無数の繋がれた鎖が出現し、尻尾はもちろん、キマイラの体を締め上げる。

 

 

キマイラ「グオオオオオオオオオオオオ!!」

 

 

 

 

 

が、尻尾から放たれた棘に、將信は反応が遅れた

 

 

將信「まずっ...!?」

 

 

 

 

 

 

 

將信「っ...、ありがと!」

 

峡「どういたしまして。」

將信は思わず目を瞑るが、峡が片手で弾幕を放ち、キマイラの尻尾から放たれた棘を消し飛ばした。

結果的に將信は守られたのだ。

 

 

 

華憐「今よ結衣!結界の強化よ!!」

 

彩「紫さんたちもお願いします!なんとか持ちこたえて!!」

 

華憐と彩は自身の神力を結衣に分け与えつつ、4人が作った結界をさらに強固なものにした

 

 

 

 

 

 

剛「必殺!!『諸刃の一撃』」

 

 

 

 

 

 

 

辺りには凄まじい嵐が吹き荒れた




はい皆さんおはこんばんにちわ、ゼロです。

今回は新たな敵が出てきました。

まぁ正体はそのうちわかるでしょう(適当)。

次回もきちんと一週間以内に投稿できるように頑張ります。

誤字脱字等ございましたらご報告下さい。

それでは、また。

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