第二十七話、スタートです!
春が来ない冬も終わり、短かかった、けれど壮大だった春も終わりを告げ、緑が生い茂った頃、一部の者達は再び異変が起こっている事に気づき始めていた
峡「.....ねぇ剛、気づいてる?」
剛「...何がだ?」
峡「宴会だよ。流石に開きすぎだと思わない?」
剛「あぁ、皆気づいてるんじゃないか?俺は宴会好きだからこの異変はしばらくこのままでいいが」
二人は白玉楼の庭で將信と妖夢の稽古の様子を見ながら、この異変について話し合っている。
峡「流石に1週間に3回以上やるのはキツイよ...主に準備手伝わされるから」
剛「ははは、そうだな、違いない。」
將信「何の話?」
將信は一旦稽古をやめ、水をたっぷりと吸ったタオルで体を拭きながら、二人に近寄った。どうやら会話の内容に興味を持ったようだ
峡「この宴会の多さだよ。將信は気づいてた?」
將信「んー、まぁね。ただ動機がわからない。宴会をこんなにさせて主犯は何がしたいんだろう...。」
妖夢「あ、皆さんも気づいてらっしゃったんですか?」
妖夢は將信と剣の鍛錬をしていたからか、汗で所々服が体に張り付いていた。人によればそれは色欲を掻き立てる
剛「あぁ。....紅魔館と白玉楼のメンバーは大体気がついているらしいな。霊夢達が気づいているか気になる所だ」
將信「そうだね...後妖夢、一回お風呂に入って来たら?しばらく休憩しようよ」
妖夢「...?..あ、そ、そうですね。少し失礼します」
妖夢は自身の状態を見て静かに赤面しつつ、急ぎ足で屋敷の玄関へと向かって行った。
峡「、、、それで、今回は参加する?」
彩「.....今回はあまり大掛かりな異変でもないですし、幻想郷への影響は少ないので参加しても...だとは思いますが..。」
剛「じゃあ決定だな!俺は犯人の検討がついている。宴会好きでここまで妖霧を分散させられる力を持つのは、あの種族のみだろう」
剛は口元を三日月のようにニヤリと吊り上げた
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3日後 in博麗神社
3人は再び始まった宴会を見つからぬようこっそりと神社から抜け出し、博麗神社の近くにある大木の近くに向かった。
皆酔っていたせいか抜け出すのは簡単だった。
將信「.....はいっと」
將信は両手どうしをパチンと合わせる。そうするとみるみるうちに霧が引いていき、とある人物の姿が顕になった。
???「!?私の変化が解けた...?」
將信の能力の行使により3人の前には背が低めで、2本の角を生やした鬼が見えるようになった。
峡「この妖しい霧の原因は君か...」
峡は鋭く目線を変える
???「よく分かったね。まぁ他にも気づいてるのはいるっぽいけど〜」
萃香は大きな切り株に腰掛けながら、腰にかけている瓢箪の中の酒をゴクゴクの飲んである。
峡「それで、何度も宴会を行わせるわけは?」
???「そんなの単純。ただ宴会が好きだからさ、私ら鬼は宴と喧嘩が大好きだからねぇ」
剛「...お前のことは知っている。山の四天王、伊吹萃香」
萃香「.....へぇ、あんた出来そうだね」
その一言で萃香は剛を観察し、立ち上がった後、剛と同じように口元を吊り上げる
剛「その為にきたからな。お互い弾幕なしの真剣勝負だ。能力行使はありでな」
萃香「...いいだろう。久々の強敵じゃないか。腕がなるねぇ?」
剛と萃香は互いにある程度距離を取り、それぞれが構える
剛「悪いが2人とも、手だしは無用だぞ」
峡「...了解。展開 『ミラーウォール』」
將信「隠蔽 『不可思議な境界』」
峡は2人の近く一帯に大きく結界を展開した。
剛と萃香が戦えば森が粉々になる事は目に見えているからだ。
そして將信も峡に続き結界を展開した。
それは峡の結界を覆うように広がった。
結界によって、周りの人からはこの一帯には立ち入ることが出来ず、ここを認識する事もできない。
結衣「じゃあ合図は私がするね!3、2、1、始め!!」
互いはほぼ同時に踏み出した。
萃香「はっ!」
まず仕掛けたのは萃香だ。鬼の剛力を活かすため、顔に向かって物凄い勢いで拳を剛に向って振り下ろした。
剛「...」
剛はそれを首をずらし寸前で躱す。どうやらその判断は間違っていなかったらしく、剛の後ろの木は衝撃波だけでなぎ倒され、地面が大きくえぐれている。
どんなに霊力で体を強化しても、人間と鬼では体の丈夫さが違う。霊力を大きく行使すればその後の戦闘にも影響するため、身体能力の強化は最小限で行わなければならない
萃香「まだまだぁ!」
萃香はさらに畳み掛けるように胴体に連続でパンチを繰り出したあと、回し蹴りで剛を狙った
剛「....。」
剛はそれを無表情で後退しながら躱していき、回し蹴りを両腕でクロスさせるようにして受け止める。
どうやら霊力を1点に集中させて強化したため、腕も壊れずに済んだようだ。
剛は大きく後方に吹き飛ばされるが、後方に体を回転させ、無事着地する
萃香「へぇ...やるじゃん」
萃香は一度後方に下がり、剛の出方を伺っている
萃香「じゃあ..これはどうかな」
萃香は自身を分散させ、霧と化した。この能力を使い異変を起こしたのだ。
剛「....ここまで広がれば見つからないはずだな」
霧は四方八方、縦横無尽に結界中全体に広がっている。
これでは死角が多すぎる。単独の人間では防衛が不可能だ。
そう、ただの人間なら。
萃香「...(よし...)」
華憐「將信には萃香がどこにいるのか見えるのかしら?」
5人は少し離れた場所で2人の一騎打ちを観戦している。
將信「なんていうか、あの霧全部萃香だからねぇ。まさに油断大敵...。どこからでも攻撃できるよ」
彩「..それは面倒ですね。こちらからも攻撃出来ないんですか...」
峡「...あの目は、何か企んでるようだけど」
萃香「神出鬼没ってね!」
そして突如、萃香は腕に妖力を込めた状態で剛の頭上数メートルに出現した。
流石の剛も頭上を警戒する事はないだろうと考えたのだろう。
萃香は思い切り剛に腕を振り下ろした
が、結果は空振り。剛が目の前にいるにもかかわらず、だ。
萃香「!?」
剛はニヤリと笑い、萃香を見て胴体めがけて腕を振るい、そのまま上向きに吹き飛ばした
萃香「ぐぁっ...」
思わず肺の中の空気が吐き出され、苦しそうな声がもれる。萃香は両腕でその攻撃を受け止め、鈍い音がした後また霧に紛れた。
そして数秒後、剛の数メートル前方に萃香は現れた。腕や拳が血だらけの状態だ
萃香「今のは流石に効いたよ...。あらかた能力は、時間..速度を操るってところかい?」
萃香は攻撃をもろに受け、両腕が折れたはずだが、妖怪の再生力のおかげで8割方回復しているようだ。徐々に血は止まっていく
剛「...大体あってる。お前は、集と散を操る能力ってところか?それで皆を集めたんだろう。散らして見えなくした」
萃香「大体あってるね〜。」
萃香「でも、まだ人間に負けるわけにはいかないのさ! 鬼神『ミッシングパープルパワー』」
萃香はスペルカードを宣言した。突如みるみるうちに萃香は巨大化する。
最終的にその全長はおよそ剛の二倍に到達した
萃香「これで終わり 鬼技 『デーモンパワー』」
萃香がスペル宣言後右腕を頭上に上げると、周りの岩が旋風のように萃香の腕周りを回っっていく。
そしてそれが同時に萃香の右腕に付着し、それらの岩は萃香の妖力に反応し、赤く光る。
萃香「ハァァっ!!」
巨鬼と化した萃香はそれを思い切り剛に叩きつけた
剛「...極符 『根幹一撃』」
ーーーー互いの拳がぶつかり、地上には凄まじい砂嵐が吹き荒れたーーーー
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萃香「....っ、負けちゃった...悔しいなあ」
その後萃香は衝撃波で巨大化が解除されながら吹き飛び、木に何度かぶつかった後に静止し、動けなくなった。
しかし流石鬼と言ったところか。
数十分経っただけで立てるようにまで萃香は回復していた
剛「...久々に疲れたな。体も傷だらけだ」
剛は一応人間であるため、霊力強化を意識しなければ体中傷だらけになってしまう。
剛の拳は血だらけで、腕や頬には岩石の破片によるかすり傷や打撲がある。霊力を行使して治癒しても萃香に比べれば圧倒的に完治に時間がかかるだろう。
萃香「...それでも力を加減してたよね?
まさか私以上化け物が居るとはねぇ。驚いたよ」
剛「...といっても半分以上力を使ったがな。
明日は休むか...」
將信「二人共お疲れ様〜」
將信は萃香と將信に水筒やタオルを渡した。
しかし何故か將信を含む他のメンバーにも所々かすり傷が見える。
剛「なんでお前らまで怪我をしているんだ?」
華憐「あのねぇ...流石にあれだけの力を使って喧嘩をしたら、風圧で大量の岩石が吹き飛んでくるのよ。流石に怖すぎるわ」
結衣「そうそう。数が多すぎるし..」
剛「...そりゃあ悪かったな」
剛は苦笑いして目を泳がせる
峡「...それで、異変は終了..でいいのかな?」
峡は結界を解除して、剛たちの元に歩み寄る
剛「別に俺はまだ終わらせなくて構わないと思うぞ。霊夢達には鬼の力を是非見てもらいたい」
將信「僕も剛に賛成かな〜。紅魔館白玉楼問わずいい経験になると思うよ。」
萃香「そ、そう...。ならまだ続けようかな。剛?でいいのかな。負けたけど、楽しかったよ」
剛「...おう、手合わせ感謝する」
2人は握手を交わし、それぞれ宴会へと戻っていった
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in ???
???「...師匠、大変です!こちらを...」
????「....。早急に対処しなくちゃならないようね」
はい皆さんおはこんばんにちわ、ゼロです。
まぁ今回は特に言うことはないです。
しいて言うなら主人公は鬼と殴り合って勝てるくらいにチートだということです。
いつも通りですね。
次回も一週間以内に投稿できるように頑張ります。
誤字脱字等ございましたらご報告下さい。
それでは、また。