東方巡迷伝   作:ゆっくりゼロ

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死んだはずのあの人が登場!?

第二十五話、スタートです!


冬と春

霊夢「!?あんたら傷は大丈夫.....ではなさそうね」

 

そこに2人の救世主が現れた。咲夜と妖夢は傷だらけながらも膨大な妖力を感じ取り、何とか駆けつけてくれたのだ。

霊力はまだほぼ尽きているが、体力は何とか復活しているのか、全速力で霊夢達の傍に駆け寄ってくれた。

 

そして紫と霊夢は咲夜に言われた通り人が通れるほどの穴を開けることに成功。

 

その中には咲夜と妖夢が入り、目が追いつかないほど素早い早さで西行妖の枝を切っている。

 

枝はすぐににょきにょきとものすごい勢いで再生しているのに、だ。

 

妖夢達はそれでも攻撃止めない。

なんとか西行妖を倒す手段を思いついてもらうべく、少しでも時間を稼ごうとしているのだろう。

 

 

霊夢「....紫! 式神はどうにかならないの!」

 

紫「...っ、わかったわ!少し結界を強めてくれる!?」

 

 

霊夢はその言葉に頷き、一時的に自身の結界をより強く強化する

 

紫「...藍! 6人を至急探してきて!!」

 

紫はスキマを開き、式神である藍を召喚した。

藍はその紫の様子に酷く驚いていたが、

妖桜を見て、すぐに自分のやるべきことを確認した

 

藍「..わかりました。何とか持ちこたえてください!!」

 

藍は自身の妖力の8割ほどを紫に託し、全速力で6人の元へ向かった。

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

突如西行妖の枝が再生しなくなった。

 

 

 

 

咲夜「!? チャンス...」

 

妖夢「今です!」

 

妖夢と咲夜はその機会を見逃さず、より攻撃を速くしていく。

 

 

 

霊夢「駄目っ!?戻りなさい!」

 

 

その時咲夜たちの頭上数メートル、つまり西行妖の中央部からは、巨大な球状の黒いエネルギーが出現し、辺りの石や土をまきこみながらどんどん大きくなっていっていた。

 

その大きさは既に紫の身長を超えている。

 

それを見て、慌てて紫は妖夢達の足元にスキマを展開、妖夢達を自分達の近くに落とした

 

 

妖夢「うわっ!?」

咲夜「っ...たぁ...」

 

 

2人は尻もちをついたのか、腰を擦りつつ妖桜の様子を見て驚いている。

 

紫「境符『4重結界』」

 

紫は二人の安否をチラッと振り返り確認し、すぐさまスペルを重ねて掛ける事にする。

そしてそれ妖力を大量に使うにもかかわらず無事に成功した。

藍の支援によって紫の妖力はある程度回復しているからだ。

 

 

咲夜「後は頼むわよ、霊夢」

妖夢「貴女に託します..!。」

 

 

咲夜と妖夢は霊夢の両肩に手を当て、自身の霊夢にほぼ全ての霊力を与える。

 

その量は確かに少ないものの、霊夢の持つ霊力と合わせれば、スペル発動には十分な量になる。

 

霊夢「...夢境『二重大結界』」

 

霊力を受け取った霊夢は2人の霊力を使い、紫と同じく結界を重ねがけする。

 

西行妖「ウウウウウッ......!!!!!」

そのスペル4枚に流石の西行妖も苦しんでいるようで、唸り声を上げる。

しかしそれでも西行妖は妖力のチャージを止めない。そこにある何か強い邪念を霊夢達は感じとっていた。しかしそれを言葉に出す余裕はない。

 

 

一方咲夜と妖夢は霊力、体力共に限界に達し、とうとう近くの壁にもたれかかったあとゆっくりと目を閉じ、気絶した。

ここまで霊力と体力を酷使すれば、気絶も仕方の無いことだろう。

寧ろここまで戦えるとは誰しもが予想していなかったはずだ。

 

 

西行妖「!!!!!!!!!」

 

 

 

西行妖は咆哮と共に、妖力の塊が突如紅い魔法陣に変形させ、そこから謎の黒いレーザーを発射した。

 

太さは魔理沙のレーザーのおよそ2倍ほど。

だが威力は桁外れで、あっという間に紫と霊夢の結界が合わせて二つ、一瞬で破壊された

 

 

 

霊夢「くっ、、、あんたの式神はまだ!?」

 

霊夢は一つの結界に必死に力を込め、なんとかレーザーを封じ込めようとしている。

 

 

紫「...多分桜の妖力が邪魔しているのね...!もう少し持ちこたえるわよ!、」

 

紫も霊夢と同じく、結界にあるだけの妖力を込め、藍の到着を待っている。

 

 

 

 

しかしその努力も虚しく、結界には徐々にヒビが入っていく。

 

霊夢「...っ....なんて化物桜よ。これはおかしいわ」

 

霊夢は唇を噛み締め、時に血を出しながら西行妖の攻撃を耐えている

 

 

 

 

紫「....これはもうダメね......いい。よく聞くのよ!一旦退避するわ!

 

 

3....2....1!!!」

 

 

 

その瞬間、結界がパリンとガラスのような音をたて崩れ落ちていく。

キラキラと光る結界の破片が空中を舞った。

 

レーザーはさらに高速で突き進む。2人は全速力で遠ざかるが、その予想以上の速さに、距離をあっという間につめられる。

 

 

 

霊夢「...何したのよ、あんた」

紫「知らないわよ...はぁ、こんなはずじゃなかったのに..」

 

 

 

 

空を浮かび二人の顔は、笑っているようにも見えた。

そしてレーザーが2人を飲み込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

將信「真打ちとうじょーう。なんてね」

 

 

 

 

なんと急遽駆けつけた將信は、西行妖のレーザーを、たった1本の矢で相殺したのだ。

 

 

 

霊夢「......ふふふふ、遅いわよ。」

 

思わず霊夢は待ちかねた英雄の登場に安堵を覚え、笑みを浮かべた

 

將信「...?、じゃあ峡お願いねー」

 

將信は何故霊夢が笑ったのか困惑している。

 

 

 

峡「了解。展開 『ミラーウォール』」

 

峡は西行妖の全方角に結界を展開。西行妖の動きを封じた。

 

 

 

 

剛「..さぁて、どうするんだ?これ」

 

剛は西行妖に目を向けながら、將信に打開策を求める。

 

將信「うーん...早くしないと流石に峡も辛そうだよね...。」

 

 

紫「...話を遮るようでごめんなさい。藍はあなた達の元に来たかしら?」

 

紫は剛に目を向け、藍の安否を心配する。

 

剛「あぁ、アイツなら今人里だ。華憐と結衣にも手伝って貰って、ここの近くの人を避難させてる。外まであの妖気が漏れてるからな..。

 

 

 

 

それで、お前はこの西行妖について倒す方法を知ってるのか?」

 

將信「僕達は結界の展開は出来ても封印は出来ないからね...。このまま倒しても妖力が爆発して危険だし。」

 

紫は胸をなで下ろした後、剛の問いに対ししばらくうつむいて考えた後、言葉を発した

 

 

紫「....わかったわ。出てきていいわよ」

 

 

 

 

そしてそこには、いるはずのない人物が現れた

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「.......博麗の巫女.....!?!?」

 

 

霊夢は思わぬ驚愕に目を見開き、口が半開きの状態で固まっている。

 

 

 

 

峡「んー?....あ、鈴か、久しいねえ」

 

峡は結界を展開しつつ、少し大きめの声で初代博麗の巫女に話しかけた

 

 

鈴「あ、あんまり皆さん驚かないんですね...。霊夢さんみたく驚くかと思ってました..」

 

鈴は下手な苦笑いで、恥ずかしそうに頬を人差し指で掻きながらメンバーに目を向ける。

 

 

剛「それで?なんでお前生きてるんだ?あらかた『未練があったから〜』とかだろうが」

 

 

鈴「....! とりあえず西行妖を封印しましょう」

鈴は図星なのか目を一瞬見開いた後真顔になる

 

 

 

峡「ごまかしたな」將信「ごまかしたね」

 

 

鈴「うう....いいです、封印するので待ってて下さい...。」

 

霊夢「...あの、初代さん、幽霊になってもスペルが使えるの?」

 

鈴「あ、初めまして。えぇ使えますよ。ただ人型にならないと使えませんが。意識しないとただの浮遊霊に戻っちゃいますし。

スペル?てのは私達の頃はありませんでしたが。」

 

彩「かなり前から私達のことを見ていましたよね?」

 

鈴「お恥ずかしながら...。皆さん健康的で安心しましたよ〜

 

 

っと、そろそろですかね」

 

鈴は急遽お札を地に並べ、何やら読唱を始める

 

西行妖「ウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

紫「あれは...」

 

峡「...始まったね。展開止めっと...。

そうだ。彩は、咲夜達の応急処置手伝ってもらえる?」

 

彩「ええ、わかりました。...とりあえず白玉楼の中に運びましょう」

 

彩と峡はそそくさと白玉楼の中へ2人を抱えて入っていった。

 

 

霊夢「...あれ何よ。なんで結界を貼ってないのにあの桜はあんなに苦しんでるの?」

 

 

紫「あれは初代が生み出した奥義。妖怪封印の為しか用途がないから、よほど強い力を持っていない人間じゃないと見えないわ」

 

 

鈴「.....はっ!」

 

そして鈴が大きく霊力を爆発させた途端、全てのお札が空中に浮かび上がり、西行妖の木の周りを回転するようにして動き始めた。

お札との間には黄色の線が見える。

 

鈴「これで、終わりです!」

 

鈴は両手をごちそうさまのようにして叩き、術を終了する

 

西行妖「キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ....。」

 

鈴の言葉と同時にお札達はそれは木に括りつけられ、西行妖を締め上げる。

 

そしてその断末魔を最後に西行妖は動かなくなった

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

剛「よし、色々聞きたいことはあるが、これで一旦終了だな」

 

剛は息をつき、その場に座りこんだ。

妖桜はすっかりその妖力を失い、静まり返っていた

 

峡「ああ...疲れた。」

 

峡は手をブラブラと振っている。

 

將信「うわ、大丈夫だった?汗かいてるけど」

 

峡「大丈夫だよ。ただ暴れてたから結構霊力使っちゃったなぁ。」

 

將信「ならいいけど...。あ、霊夢達はどうする?皆自力で帰るのは無理だと思うけど...」

 

紫「私はまだ幽々子と話さないといけないから、ここに残るけれど..。」

 

剛「スキマは開けなさそうか?」

 

紫「残念ながら、幽々子の分くらいしか妖力が残ってないわね」

 

霊夢「私は体力はあるから、一人で変えられるわよ?」

 

剛「..もう夜だからなぁ。

俺は料理を作るから家に戻るが...咲夜と魔理沙は2人に頼めるか?

彩も一応、霊夢について行ってくれ」

 

將信「大丈夫だよ」峡「了解」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

in紅魔館

 

將信「....よっ、と。美鈴さんは....,うん。」

 

將信は紅魔館の門の前に着陸し、美鈴の姿を確認する。

 

美鈴「....Zzz...」

 

將信「相変わらず羨ましいぐらいぐっすり寝てるなぁ...うーん」

 

美鈴の気持ちよさそうな寝顔を見た將信は美鈴を起こすべきか躊躇うが、結局美鈴を起こすことにした。

 

將信「おーい、美鈴さーん?」

 

將信は美鈴の肩を揺すって、声をかける

 

 

美鈴「.....ハッ! 寝てませんよ!?」

 

美鈴は寝ぼけているのか目を擦りながら辺りをキョロキョロ見回している。

 

美鈴「....ってなんだ將信s...咲夜さん!?」

 

美鈴は將信がお姫様抱っこしえ抱えた咲夜を見て、驚きを隠せない。

 

將信「まぁ色々あってね...。

レミリアに聞けば分かると思うよ。咲夜さんは気絶してるだけだから大丈夫。けど一応今日はゆっくり寝かせたほうがいい」

 

美鈴「...!わかりました。將信さんすみません。咲夜さんを運んでくるので、しばらく門番を変わって頂けませんか?」

 

將信「ああ、全然構わないよ」

 

美鈴「咲夜さんをありがとうございます...!では少々お待ちを」

 

美鈴さんは門を開け、急いで紅魔館の扉を開け、中に入っていった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

in 魔法の森

 

峡「...ここか。」

 

峡は魔理沙の家の前に無事到着した

 

峡「...鍵がないな。えーっと..」

 

峡は魔理沙のポケットをガザゴソと探り、魔理沙の家の鍵を探す

 

 

 

 

???「え、え?魔理沙?」

 

峡「ん?」

 

峡はふと探すのをやめ声の響いた方向を向く。そこには金髪で、まるで人形のような顔立ちをした少女が立っていた。

 

峡「知り合い?なら後はt」

 

アリス「え、泥棒?山賊?それとも..まさか...」

 

アリスは傷だらけ魔理沙の体に触れている峡を見て、魔力を一気に爆発させる

 

峡「ちょ、誤解があr」

 

アリス「問答無用!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




はい皆さんおはこんばんにちわ、ゼロです。

前回後書きで春雪異変が終わって次回は日常を綴ると言ったな。

あれは嘘だ。

というわけで終わりませんでしたごめんなさい。

そして地味に亡霊として生きて(?)いた鈴が再び登場です。

地味に伏線にしていたのですが、気付いた人いたのでしょうか。

ちなみにわたしは気づきませんでした(笑)。

まぁそれは置いといて次回こそは日常編を綴ろうと思います。

また一週間以内に投稿できるように頑張ります。

誤字脱字等ございましたらご報告下さい。

それでは、また。

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