東方巡迷伝   作:ゆっくりゼロ

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修行を終えた六人は妖怪の山へ行くことに。

第二十話、スタートです


計画と自然

宴会が終わって数ヶ月。枯れ葉が目立ってきた。

 

すっかり女性陣も人間の姿に慣れたらしく、今では必要時以外は人間の姿で日々を過ごしている。

 

 

まだ華憐や彩は人里の人々に対する警戒心を多少持っているようだが、最初に比べればそれも緩まった。

 

勿論3人も長い間幻想郷で暮らし、ここの人々をある程度信頼している。

 

 

この数ヶ月3人は飛行練習はもちろん、弾幕ごっこになれるため、武器達との合同練習を行っていた

 

 

 

蝉の鳴き声が止み、少し肌寒くなってきた頃、ある程度準備を整えた6人は妖怪の山へ飛んで向かっていた。

 

日の出は既に終わっている。

おおよそ現在は10時辺りだろう。

 

6人は能力を駆使し、霊力を惜しげもなく使っているせいか天狗を上回るほどの速さをで妖怪の山を目指している。

もはやこの力強さや素早さは、6人に敵なしともいったほどである。

 

そして妖怪の山に、特にトラブルもなく6人は到着した。

 

將信「よっ...と。やっぱり飛ぶのってほんと楽だね」

 

將信はまだ慣れないのか少しバランスを崩しつつも、山の麓に無事に着地する。

 

剛「ん...たまには走ることも大事だ。筋力が落ちるぞ?」

 

將信「わかってるよ。んじゃ皆の姿は見えないようにするから...後は計画通りね」

 

5人「了解」

 

將信は能力を駆使し、周囲を警戒していた天狗たちの視覚・聴覚を操り、6人の姿を見せないようにした。

 

將信「よし、これで大丈夫だよ」

 

剛「...進むぞ。」

 

結衣「(おー...)」

 

それぞれは小声で話し周りを警戒しつつ、森の中へと進んでいった

 

 

 

 

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夏の終わりかけ(2ヶ月ほど前) in家

 

 

 

峡「それで、將信は妖怪の山に行って、具体的に何がしたいんだい?」

 

 

6人は家に全員集合し、妖怪の山へ行く目的や手段について話し合っていた。

 

 

將信「具体的に...っていうのは難しいかな。鬼がいなくなったあとの天狗達の様子とかを見たいとか..単純な好奇心だよ」

 

剛「ふむ。じゃあ、とりあえず目標は山への侵入という事でいいか?その後は將信にまかせる」

 

將信「うん、それが嬉しいかな。出来れば天狗達にそこで地底への行き方も聞けるといいんだけど...。鬼は上司だろうしね。」

 

彩「ちょっと質問いいですか? なんの計画もなく突入するのはちょっと危険だと思いますよ。

一応天狗は幻想郷でもレベルの高い種族ですし、バレてしまえば騒動に巻き込まれかけません」

 

 

 

 

結衣「ふっふっふ...そういうと思って、さっき(数日前)にとりに光学迷彩を借りてきたのさ..」

 

結衣は自慢げな顔で、ない胸を反らせている。

 

峡「これって確か敵から見えなくなるってやつだよね」

 

そして結衣は6人にそれぞれの分の光学迷彩スーツを手渡した

 

華憐「...へぇ、ちゃんと出来てるのね。この時代にこんな技術を持っているなんて驚きだわ」

 

華憐はスーツを触り、触り心地などを確認する。その目は僅かに見開いているようにも見える。

 

將信「ほんと、河童の技術には驚かされてばかりだなぁ、、」

 

6人は河童の技術に感心しつつ、それぞれ別れて服を試着する

 

 

 

 

そしてそれぞれ、スーツを試着しまた集合した。

 

峡「着心地もなかなかだね...。でもさ、これお互いの姿も見えないんじゃ...」

 

 

華憐「確かにそうね。私達が武器化して進んだとしても、どちらにしろぶつかっちゃうわよ」

 

全員しっかり透明化出来ているが、同時に味方の姿も全く捉えられない。

 

 

勝手に襖が開いたり煎餅が宙に浮き無くなっていく。

事情を知らない人間から見ればそれは恐怖の対象でしかないだろう。

 

 

光学迷彩を着て山へ行くのは、一人なら問題なかったのだろうが、今回は6人の集団で挑む

のだ。

 

その為気配を消せば完全に互いの位置がわからなくなってしまい、危険である。

 

將信「ボクの能力を使って互いを可視化させてぶつかる事を防げるけど..それはダメなの?」

 

剛「なるほど。だがそれだとお前は相当疲れると思うぞ?

何せ多くの天狗の聴覚、そして私達の視覚を操るわけだならな。相当な力を消費するはずだが」

 

結衣「ん、それは大丈夫じゃないかなぁ。

私の能力がある限り、近くの皆は強化されてるはずだから..」

 

剛「そうか...なら大丈夫なはず...だな。」

 

峡「じゃあ將信、頼める?」

 

 

將信「もちろん!僕の発案だし、これぐらい当然だよ」

 

將信は笑顔で剛の願いに答える。

 

結衣「よーし、じゃあお互いに頑張ろーう!」

 

將信「おーう!」

將信と結衣は仲睦まじくハイタッチをする。

 

剛「」

(相変わらず仲が良いな...)

 

 

峡「あれ、そういえばにとりって確か妖怪の山に住んでるよね。

光学迷彩はどうやって貰ったんだい?」

 

結衣「ああ、あたしが人里で買い物してたら、にとりとすれ違ったの。胡瓜買うために山からおりて来たんだって」

 

結衣は顎に人差し指を当てて、前の出来事を思い出している。

 

峡「あ、そうなんだ...」

 

(皿はないけど胡瓜が好きなのは本当なんだな)

 

 

剛「よし、じゃあそういう事だ。それぞれしばらく準備をしていてくれ。では、かいs」

 

彩「すいません、提案ですが

天狗達の視界を操って天狗達から私達を不可視にしたほうが早い気がします...。

 

私達一応大妖怪よりは強いですし、幻覚を掛けるのは結構霊力使うと思いますよ」

 

峡「なるほど、そっちの方がコストパフォーマンスもいいね」

 

華憐「....じゃあ光学迷彩いらないんじゃない?」

 

4人「そうだな(ですね)」

 

結衣「ひどい!」

 

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in 妖怪の山

 

6人は計画通り順調に山を登っていた。

 

時に地面を歩く音や葉が擦れる音で天狗達に警戒されることもあったが、時には天狗達の聴覚も操り、特に気づかれることはなかった。

 

そして3人は山の中腹へと到着し、その後すぐに休憩する場所をそれぞれ探し始める。

 

能力を物凄い勢いで駆使した將信が息を切らし始めたからだ。

 

もし山を登る際に將信が力尽き、能力を使用出来なくなれば、いくら気配を消したところで常に警戒している天狗達に場所がバレてしまいかねない。

 

数十分後そして3人は大きな滝が流れる川を見つけた

 

川の水は透き通り、滝からは凄まじい流水の音が響き渡っている。

 

剛「木に囲まれているから天狗たちも見つけにくいはず...。ここで一旦休憩だな」

 

峡「ああ。でもこれなら最初から飛んだ方が早かったんじゃない?」

 

そう、6人は山の麓で歩いたあと、わざわざ歩いてここまで来たのだ。

彩「まだ飛行に慣れていない將信くんの負担が大きいと思います。それに空は鳥が多く飛び交っていますから...」

 

峡「あぁ、そうか。」

 

6人は近くのゴツゴツとした大きな黒い岩に腰掛け、持参した竹筒で水をゴクゴクと喉を鳴らしながら飲んでいる。

 

峡「將信、体力はどうだい?」

 

將信が心配なのか峡は歩いて將信の傍に腰掛ける。

 

將信「今の所大丈夫だよ。ざっと霊力2割ぐらい消費したかな...。」

 

將信は美味しそうに水を飲んでいる。

 

峡「一応みんなから霊力をある程度貰ってきたから、これで後少し頑張ってくれ」

 

峡は將信の背中に触れ、ある程度霊力を將信に分け与える。

 

 

將信「ありがとう..これだけあれば充分に頂上まで持つよ」

 

將信は純粋無垢な笑顔で峡や皆にお礼を言う。

 

何億という時を過ごした彼らは、前世よりも強い強い固い絆に結ばれていた。

 

 

その時

 

 

 

 

???「ロケットミサi」

 

峡『.....ミラーウォール』

 

???は突如川の近くから現れ、何やらロケットランチャーの様なものを構え、6人に向かって弾頭を放ってきた。

 

どうやらそれを峡は察知していたらしく、ミラーウォールでその攻撃を防ぎ、???を透明な壁で閉じ込めた

 

???「いったぁい!」

 

 

突如ミサイルが壁ぶつかり爆風を発生したせいで???は軽く吹き飛び、後頭部に頭を打ち付けた。

 

血は出ていないが本当に痛いらしく後頭部を抑えている。

 

峡「...このスペル便利だなぁ」

 

 

???はすぐに起き上がった。

青を貴重とした服に緑のリュックや帽子を身につけている。

 

 

 

 

結衣「あれ、にとりじゃん...なんでここに?」

 

結衣は頭上に?を浮かべ???に話しかけた

 

にとり「にとりじゃん..じゃないよ...。もしかして、結衣の盟友?」

 

結衣「盟友..まぁそんな感じ。それにしても、何でいきなりそんな物騒な物持ってるの?」

 

にとり「いやぁこれ新作なんだけどね、丁度良い所に侵入者がいたから...。つい...。

 

まぁ結衣の友達にケガもないし、結果オーライって事で...」

 

にとりは引きつった笑顔を浮かべながら後ずさりする

 

剛「...待て」

 

にとり「はいっ!?」

 

にとりは殺気のこもった剛の言葉にビクリと体を震わせ涙目になりながら木に隠れる。

 

剛「...交渉しよう。天狗達の本部を教えて欲しい。教えてくれればそれ相応の礼をさせてもらう」

 

 

にとり「へ、へぇ...。それで、何を私にくれるんだい?」

 

 

にとりは苦笑いしつつも、その誘いに乗ったようでニヤリと笑い、木から出てくる。

 

剛「...この胡瓜でどうだ。昼飯にたらふく食べられるくらいはあるぞ...?」

 

剛はどこからか胡瓜を数本取り出し、にとりの前で揺らしている。

これは策士な峡に言われたもので、一応持っておいたのだ。

 

 

にとり「...そんなんじゃあ駄目だね。私と天狗の絆は強いよ?」

 

にとりは溢れ出る涎をふき、まだだと交渉する。

彩「...」(全く説得力がないんですが...)

 

 

 

剛「...今なら味噌とぬか漬けもついてくるぞ」

 

にとり「盟友、感謝する」

 

剛とにとりは悪い笑顔を浮かべ固い握手をした

 

にとり「天狗達の本部は山の頂上さ...ただ大天狗達も今頃集まってるはず、健闘を祈るよ」

 

2人はコソコソと耳打ちしている。

 

剛「ふむふむ...なるほど」

 

 

華憐「あんたら何してんの...。さっさといくわよ」

 

華憐は5人を手招きし、6人はさらに山を登り始めた。

 

 

 

 

 

そこには純白の、きれいな何者かの羽が残されていた

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はい皆さんおはこんばんにちわ、ゼロです。

相変わらず彼らの能力はチートですね。

そしてにとりはギャグキャラかな?(笑)

日常は書いていて楽しいです。

次回も一週間以内に投稿できるように頑張ります。

誤字脱字等ございましたらご報告下さい。

それでは、また。

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