東方巡迷伝   作:ゆっくりゼロ

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遂にオリジナルスペルカードが登場!

第十八話、スタートです!


喧嘩と仲直り

剛・彩side

 

2人は美鈴を撃沈させたあと、紅魔館の長い長い廊下を気配を殺しながらゆっくりとした足取りで歩いていた。

 

彩「(本当に...気をつけてくださいね。絶対皆さんに感づかれてますよ...)」

 

剛「す、すまない」

(これで何回目だ....)

 

武器化している彩に、剛は力の制御について説教をくらっている。

 

それは無理もないだろう。幻想郷の中でのトップの実力の持ち主として、力の加減を間違えばこの世界を滅ぼしかねないのだ。

 

現に、美鈴と戦った際に剛が放った球状の弾幕の一部は、建物の隅を大きく抉りとっていた。

 

美鈴と戦った場所が屋外だったから良かったものの、これが室内であれば紅魔館自体が消滅してもおかしくはなかったはずだ。

 

2人がそのままゆっくりとレッドカーペットが敷かれた廊下を歩いていると、隣の扉から霊夢が出てきた。すぐさま剛は近くの物陰に隠れ、霊夢の様子を見る。

 

剛「...。所々傷はあるが、別に体調は大丈夫な用だな。致命傷もない。」

 

剛は小声で呟いた

 

彩「(えぇ...恐らく戦闘があったんでしょう。

霊力をある程度消費していますが、特に問題ない量ですね。

異変のボスがどれほどの方なのかわかりませんが、恐らく大丈夫でしょう)」

 

剛「..どうする?手を貸すか?」

 

 

彩「...まだ様子を見ましょう。いざとなれば私が霊夢さんをサポートします。...剛さんはその辺で見といてください」

 

彩は人間の姿に変化しつつ、ジロっと剛を見て答える。

 

剛「お、おう、、」

 

剛はどこか將信と似た態度に苦笑いを浮かべる。

 

2人は霊夢の後をつけていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

霊夢side

 

霊夢はメイドとの戦闘後、メイドに教えられた場所へと到着した。

 

 

 

霊夢「そろそろ姿を見せたら? 怖い怖いレミリアお嬢様」

 

レミリアは姿を現す。

 

少し高い場所にある窓の近くにある椅子にレミリア・スカーレットは座っていた。

 

 

レミリア「人間の咲夜を負かす人間がいるとは驚きね。まぁその運命は知っていたけれど」

 

レミリアはにやりと笑っている。

 

 

霊夢「それはどうも」

(運命...ね。未来予知の能力か何かかしら)

 

レミリア「これであなたは殺人犯ね?」

 

霊夢「殺してないわよ。それに1人だけなら大量殺人犯じゃないからいいの。」

 

レミリア「....で?」

 

霊夢「あぁ、そうそう。迷惑なのよ、あんたがね」

 

レミリア「短絡ね。それに理由がわからないわ」

 

霊夢「とにかく、ここからさっさと出ていってくれないかしら?」

 

霊夢は面倒くさそうに頭を掻きながらレミリアと対峙する。

 

レミリア「ここは私の城よ。出ていくのはあなたではなくて?」

 

 

霊夢「あら?何を言ってるの。私はこの世から出て行って欲しいと言ったのよ」

 

レミリア「ん....ならしょうがないわね。今お腹いっぱいだけど...」

 

レミリアは椅子から立ち上がり、背伸びをして羽を広げる。

 

霊夢「護衛にあのメイドを雇っていたんでしょう?そんな箱入りお嬢様なんてきっと一発で沈んじゃうわね」

 

 

レミリア「咲夜は優秀な掃除係。首一つどころか血一滴すら落ちていないわ。」

 

霊夢「見たところあなた吸血鬼でしょう?

ひよっこ吸血鬼さんはどれくらい強いのかしら」

 

レミリア「さぁ...?あまり外に出してもらえないのよ。吸血鬼だから」

 

霊夢「...中々楽しくなってきたわね」

 

お互いは口を三日月のように釣り上げ笑みを浮かべている。

 

レミリア「こんなに月も紅いから...本気で殺すわよ」

 

霊夢「こんなに月も紅いのに」

 

レミリア「楽しい夜になりそうね。」

霊夢「永い夜になりそうね」

 

そして、戦いの火蓋が切って落とされた

 

 

 

 

 

 

 

 

...かと思われた。

 

 

 

その直後、霊夢とレミリアに向かって突如炎の弾幕が放たれた

 

霊夢・レミリア「ッ!?」

 

霊夢とレミリアは即座に反応し、数々の弾幕をなんとか回避した。

 

 

不意打ちだったためか所々互いに掠っている。

 

2人は思わず弾幕の降ってきた方向を見る。

 

霊夢「...誰よ、今から弾幕ごっこを始めるっていうのに...」

 

 

 

 

???「貴方、人間??」

 

 

どうやら弾幕を放った少女はこの子の用だ。

レミリアと同じようなドレスを来ており、身長も大差はない。

 

しかし背中からは奇形とも言える形の羽が生えており、なにやら七色の宝石のようなものがぶら下がっている。

 

レミリア「..ッ!フラン...今すぐ地下に戻りなさい」

レミリアは焦った表情でフランに強い口調で命令する

 

霊夢「フラン?」

 

 

レミリア「....フランドール・スカーレット。私の妹よ。地下にしばらく幽閉していたの」

 

レミリアは唇を噛み締めて霊夢の質問に答える。

その唇からは微かに血が垂れていた。

 

 

フラン「495年間、私はずっと暗いお部屋から出てないの。でも、今日面白そうなオトが聞こえてきた。だから出てきたわ」

 

霊夢「ははぁーん、なるほどね。それで、何でフランドール?を幽閉したのよ」

 

レミリア「フランは情緒不安定な上能力があの子にとっては強すぎるわ。それにまだフランは子供。外に出させるわけにはいかないのよ」

 

霊夢「..フフ、あんたとそう変わらない気がするけどね。」

 

レミリア「....」

 

フラン「ねぇ、だから、私もアソビに混ぜて欲しいな」

 

霊夢「...別にいいわよ。何をするの?」

 

霊夢はフランの言葉を断らなかった。

 

レミリア「ッフランと戦うのはきk」

(そんなことしたら皆殺されるかも知れないのに...狂気が暴走したら終わり)

 

フラン「弾幕ごっこ!」

 

霊夢「あぁ、パターン作りごっこね。私の得意分野だわ」

 

フラン「やった! じゃあ.いくわ

 

『禁忌 フォーオブアカインド』」

 

フランのスペル宣言の途端、フランの姿は4人に増える。

 

フラン「「「「さぁ遊びましょう?」」」」

 

霊夢「....幻覚魔法でも扱えるのかしら」

 

レミリア「....これは幻覚じゃない、全て現実よ。言ったじゃない。フランは本当に、危険よ」

 

 

霊夢「はぁ...流石に鬼畜....ね!」

 

 

そして4人のフランからはそれぞれ小さな粒弾が不規則に放たれる。

 

それぞれは小さいものの物凄い速さで放たれており、さらに密度も濃いためそこらの弾幕ごっこになれていない妖怪では一瞬で身体中が穴だらけになるだろう。

 

なんとか2人はスペルを使うことなく躱せていた。

 

フラン「「「「キャハハ!!お姉様も巫女も凄いね!!じゃぁ、これはどう?」」」」

 

フラン「『禁弾 スターボウブレイク』」

 

 

霊夢「それは流石にマズイわね..しょうがないわ 『夢符 封魔陣』」

 

レミリア「くっ...『紅符 スカーレットシュート』」

 

吸血鬼は幻想郷でもトップの速さを持つ種族だ。

その吸血鬼のレミリアでさえも、フランの弾幕は余りにも速すぎた。

 

霊夢とレミリアは躱しきれないことを即座に察知し、スペルカードをほぼ同時に宣言。

なんとかスターボクブレイクを乗り越えようとしている。

 

 

霊夢「ちょっと!誰だか知らないけどあんたら!!隠れて見てるだけじゃないで手伝いなさいよ!!」

 

そして弾幕を避けている中、突如ドアの近くの机の近くに向けて霊夢の怒声が放たれた。

 

 

剛「...バレたか」

 

彩「当たり前でしょう...」

 

二人は渋々霊夢達の前に現れた。

それはレミリアも勘づいていたようだ。

この戦闘の場でその事実を知らなかったのはフランだけだろう。

 

フラン「あなた達も遊んでくれるんだ!!これでもっと面白くなる!!」

 

剛「...こりゃあ参加しないとおさまらないようだぞ。」

 

彩「、、仕方ないですね。バレてしまった以上我々も多少関わってしまいますが...くれぐれも手加減してくださいよ」

 

剛「大丈夫だ。絶対......多分...きっと...もしかしたら...」

 

彩「...。」

 

彩はどこか信頼できない表情で剛を見る。

 

彩「では、我々は霊夢さん、レミリアさんに助太刀しますね。そうすれば4vs4,公正でしょう?」

 

彩 「...それでは。スペル宣言 『静止 0の動き』」

 

彩がスペルを宣言した途端、霊夢、レミリア、フランの弾幕全てが動きをほぼ止めた。

 

それは粒弾から大きな弾幕、お札関わりなくすべてだ。

 

3人(霊夢・レミリア・フラン)「....え?」

 

思わず3人は驚愕する。

スペルの性能は理解できるとして、4人のフランを含めれば6人。

 

6人の強者の弾幕を一瞬でほぼ静止させたのだ。

 

その力が並でない事はその事実から痛いほどに理解してしまう。

 

おそらくその力は大賢者の八雲紫をも超えるだろう。

 

彩「...じゃあ後はよろしくお願いしますね」

 

剛「おう。 ...ハッ!!」

 

剛は両腕を前に突き出し、霊力を手に集中させ能力を使用した。

 

その直後弾幕達は静止していたにもかかわらず、急に高速でフラン達に向かっていく。

 

剛は霊力を駆使し弾幕の向かう方向をねじ曲げた。

そらはあらゆる法則を無視するに等しく、剛らしいなと思った彩は苦笑いを浮かべる。

 

だが何故か弾幕の攻撃対象に霊夢、レミリアも対象に入っているようだ。

 

霊夢「ちょっ味方でしょ!?」

 

レミリア「ッ余所見してる暇はな無さそうよ」

 

2人は自身の弾幕を躱すのに必死なようだ。

 

 

フラン「凄い凄い凄い!!じゃああたしは本気出すね! 『禁忌 レーヴァテイン』」

 

フランはフォーオブアカインドを解除し、大きな炎の剣、レーヴァテインを出現させ、縦横無尽に振るい弾幕を溶かしている。

 

流石のフランでもフォーオブアカインドとあれほどの大きさの剣の両立は出来なかったのだろう。

 

レミリア「...負けてられないわね。『神槍 スピア・ザ・グングニル』」

 

レミリアはにやりと笑い、フランに負けじと、すさまじい神々しさを放つ槍を振り回し、弾幕を消し飛ばしていく。

 

二人の吸血鬼姉妹はどうやら勝手に仲直りしたらしく、二人共ニコニコした表情で弾幕ごっこを楽しんでいるように見える。

 

 

霊夢「....あぁもう!『霊符 夢想封印』」

 

霊夢は理不尽な攻撃の中スペルを宣言した。

 

霊夢の周りからは七色の大きな霊弾が出現し、剛達へと向かっていく

 

剛「なんか、俺達の方向へ矛先が向いていないか?」

 

彩「知りませんっ..よ。まぁ吸血鬼達は楽しそうだしいいんじゃないですか?」

 

彩は攻撃を躱しながら剛と会話する。それほど余裕の戦いなのだろう。

 

剛」「...つまり?」

 

彩「......もうやっちゃってください。殺さない程度に。正直、私もう眠いんですよ」

 

剛「たしかにもう子供は寝る時間だな。」

 

剛はくっくっとからかった子供のような表情を浮かべる。

 

彩「...。」

 

剛「すまんすまん。」

 

剛は苦笑いする。

 

剛「...では...ほい」

 

 

剛は能力を使用した。

 

霊夢「...何.....を」

霊夢は急に体中から血の気が引いて行く感覚を覚え、あっという間に地に倒れ伏せた。

 

レミリア「ち、力が...」

フラン「....もう終わっちゃうの...残念」

 

レミリアは意識が薄れる事にしばらく抵抗しようと試みたが、それも虚しく近くの壁にもたれて気を失う。

フランは抵抗すること無く、レミリアの隣によりかかり、レミリアの肩に頭を預けた

 

 

 

 

 

彩「.......終わりましたね。」

 

剛「...こう見たらただの子供たち...なんだけどな」

 

彩「あなたも対して変わらなく見えますよ?本当の年齢は別として」

 

剛「それはお前もだろう?」

 

 

 

剛・彩「.....フフフ(ハハハ)」

 

そこには静かな笑いが漏れた。

 

剛「霧はおさまったか?」

 

彩「ちょっとお待ちを.......えぇ、徐々に引いていっていますね。取り敢えず人里に向かいましょうか」

 

剛「あぁ、そうだな」

 

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side華憐

 

華憐「うーん...なかなかキツイわね。」

 

いくら華憐とはいえ長い時間霧の侵入を抑えることは大きく力を消費する。

 

華憐もそろそろ限界が近づいていた。

 

 

??「おーい、大丈夫?」

 

華憐「...? って峡ね。」

 

峡「何その反応...まぁいいや。手伝うよ」

 

華憐「恩に着るわ。結衣達は?」

 

峡「永遠亭で治療を頼んでいるよ。僕はある程度役目が終わったから様子を見に来たんだ」

 

華憐「そう...早く終わるといいけれど」

 

峡「ところで華憐は何で1人なの?剛達も一緒のはずだけど」

 

華憐「私はここで霧を抑えるよう言われたのよ。扱いが雑だと思わない?」

 

峡「アハハ...大変だね」

 

華憐「まったくよ...帰ったら説教ね」

 

 

〜十数分後〜

 

華憐「あっ...霧がひいているわね」

 

峡「ん、そうだね。じゃあもう大丈夫かな」

 

華憐「えぇ...取り敢えず人里に向かいましょう。剛と彩もそっちに行くと思うから」

 

峡「了解、そうしよう。僕は永遠亭にふたりを迎えに行ってくるよ」

 

華憐「わかったわ。じゃあまた」

 

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はいどうもおはこんばんにちわゼロです。

スペルカードを作ったはいいですが、やっぱりチートでしたね(笑)。

まぁ無事に紅霧異変も終わったので良かったです。

次回もまた一週間以内に投稿できるように頑張ります。

誤字脱字等ございましたらご報告下さい。

それでは、また。

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