東方巡迷伝   作:ゆっくりゼロ

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物語は新たな時代に突入……?

第十五話、スタートです!


朝と夜

永琳「はぁ...倒れてた貴方達を見た時は心臓が止まるかと思ったわよ...」

 

永琳はため息をつき、ジト目を三人に向ける...。

 

將信「ご、ごめんなさい...。」

 

体つきの良い3人の男が、一人の女性に怒鳴られる姿はいかにも滑稽な様子だろう。

 

永琳「...まぁいいわ。それにしても永い間眠っていたものね。貴方達(武器達)も何故か可愛いらしい少女の姿になっているし...詳しく説明して頂戴」

 

將信「えーと、長くなるんだけど、実は..」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜説明後〜

 

永琳「...なるほど。大体把握したわ。まぁ武器の正体が掴めたなら良かったじゃない。

でも、人里の皆も心配していたわよ? 」

 

 

剛「それはすまなかった...。ちなみに、今は私達が倒れてからどのくらいの時間がたっているんだ?

恐らく10年以上は経ってしまっていると思うが、、、。」

 

永琳「あぁ、えぇと...ざっと900年ほどね」

 

將信「えっ...」

(あれ、それだともう皆成仏しちゃってるんじゃ)

 

 

峡「正直受け入れ難いね...。ところで、現代の博麗の巫女は大丈夫なのか?」

 

 

峡は長い間面識のない巫女について心配になり、永琳にふと問いた。

 

永琳「あぁ...そこら辺はそこの妖怪さんにお聞きした方が早いわよ。」

 

6人は疑問を持ちつつ、一斉に永琳の目線の先を見る。

 

紫「流石永琳ね♪...皆さんも無事なご様子で何よりだわ」

 

紫は口元に扇子をあて、胡散臭い笑みを浮かべている。

 

將信「いつから聞いてたの?」

(全く視線を感じられなかった...)

 

紫「貴方が謝ったシーンからね」

 

將信「...」

(ほとんど全部じゃないか)

 

峡「..それはどうも...。それで、僕達の質問に答えてくれるのかい?」

 

紫「勿論...貴方達には幻想郷の情報をある程度伝える必要があるわ。」

 

紫「まず博麗の巫女だけれど、今は博麗霊夢という子が担当しているわ。まだ年齢は私達に比べれば幼いけれど、良い巫女になるはずよ」

 

剛「その子は歴代の巫女と比べてどうだ?」

(幼い...となると今後も続けられるか心配だが...)

 

紫「素質は十分すぎるほどにあるわね。もしかしたら鈴の次に優秀な巫女に...というところよ。けれど才能があるからか、修行が疎かになりがち...と言った感じかしら。」

 

紫は少し俯いている。

どうやら巫女の今後を考察しているようだ。

 

 

將信「僕達が眠ったあとから、特に地形や生態系に変動はない?」

 

紫「特にない...あぁ、鬼が地底へ潜ったわね。恐らく人間に愛想を尽かしたんだと思うわ。

だから地底には地上で嫌われるような妖怪が数多くいるわね」

 

紫「あぁそれと、これを貴方達に伝えておかなければならないの。」

 

剛「?それはなんだ?」

 

紫「私は前回の失敗(月面戦争)で学んだことを活かして、新しいルールを作ったわ。

名付けて、『スペルカードルール』よ」

 

剛「..ほう...詳しく聞かせてくれ。戦闘に関する掟のような物か?」

 

 

紫「大体はそんな感じで正解。今後妖怪の力が大きくなりすぎると、当然人間の存亡に関わるわ。それは幻想郷の崩壊を意味するわよね?

 

そこで対等に決着をつけるために、弾幕ごっこという遊びで決闘を行って、揉め事の決着を決めることにしたの。

ちなみに、原則人間と妖怪で血を流すような争いは禁止にしているわ。まぁ従わない妖怪も多いけれど」

 

ある程度説明し終えた紫は近くに座椅子にすわりこむ。

 

 

峡「そのだんまくごっこっていうのは、名前の通り相手に弾を放って殺すって事かい?

というか凄く幼稚な名前に聞こえるけど..」

 

紫「(幼稚な名前は余計よ.)

弾幕ごっこは殺すまではしないわ。大体のことを言うと、貴方の言った通り霊力妖力間力神力を集合させた弾を発射して、敵に何度か被弾させたら勝ちよ。

そこでスペルカードと呼ばれる物が必要になるの。 これよ」

 

 

紫は6人に向かって白紙の紙を何枚か渡す。

 

將信「これがスペルカード? 白紙だけど..」

 

紫「それでいいのよ。それは言うならば必殺技。

どんな技を使いたいかそのカードに想像して念じれば、そこに思った通りの物が描かれるわ。

ただしスペルカードは使える回数も最初に決めること。大きな力を必要とするから注意が必要よ。

弾幕は人によって形が違うし、スペルも奇想天外なものも多いから、楽しいわよ。」

 

紫「...こんな感じね。何か質問はあるかしら?」

 

剛「質問だが、弾幕ごっこは近接戦闘は駄目なのか?」

 

紫「別に構わないわ。ただしあくまで被弾が目的なのがほとんどという所に注意してちょうだい。

能力も駆使して戦う事が多いわね。まだ作ったばかりだから、一部にしか浸透していなけれど。」

 

 

紫「...それじゃあ私はこれで戻るとするわ。お大事にね。」

 

紫は他に質問がない様子を確認し、そそくさとスキマの中へと入っていく。

 

 

 

そしてその様子を確認し、武器達は一斉に喋り出す。

 

結衣 「...っはぁっ...!喋ってないのに何故かやたら疲れた...」

 

將信「あの人独特な雰囲気があるからね..」

 

結衣と將信は背伸びをして気を緩めている。

 

峡「...よし、じゃあ早速戦いの種を教えて欲しいだけど..」

 

峡は一呼吸おいて、彼女達に問いかける。

 

華憐「いいわよ。まず何が聞きたいかしら?」

 

剛「まず君たち能力の詳細を聞かせてくれ。」

 

華憐「えぇ、まず私の能力は、距離の差を操る程度の能力よ。」

 

結衣「あたしは、動きを静止させる程度の能力だね。」

 

彩「私は、強化・弱体化をする程度の能力です。」

 

剛「なるほどな。だが、彩の能力の詳細がわからないんだが...それはどんなものも対象と出来るのか?」

 

彩「いえ、物体の強度や能力、自身の状態だけですね。他人に干渉する場合はその方に近づいていないと使えません。」

 

峡「なるほど、それで華憐の能力を強化して...といった感じなんだね。」

 

華憐「そういう事よ。貴方達の攻撃が当たらなかったのは私の強化された能力のおかげね。」

 

結衣「あ、これでも制限されてるだよ?あたし達は一応神に作られたから、もっともっと本当は強いんだけどね。」

 

結衣は自慢げに胸を張っている。それは体格と見合わさってか、子供のようにも見える。

 

結衣「......なによ」

 

將信「いやなんでもないよ」

(何か今の顔すごく似合ってたなぁ...)

 

將信は苦笑いを浮かべて結衣からの視線をそらしている。

 

もちろん、目が泳いでいることに本人は気づいてないない。

 

華憐「..それで他に質問は?」

(なにやってるのよあの2人...)

 

將信「あ、じゃあ質問。試験は合格でいいの?」

 

ハッとした表情を見せて、將信は彼女達に問う

 

華憐「構わないわ。ちなみに、本来私達の能力は武器の時でも使用できるけれど、それは制限によって無理なようね。もう少し制限がなくなったら、私達の能力と違って、武器本来の能力が使用できるようになるはずよ。」

 

華憐「まぁまだそこまで考えなくてもいいわ。...これで打ち切るわね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その数日後、3人は話し合い、とりあえず鈴の墓にお参りに行ったあと、博麗神社へと向かっていた。

 

 

剛「ふぅ...もう少し歩けば神社にだな。まだ体がぎこちない...。二人はどうだ?」

 

將信「確かに何か重い感じがするね。リハビリがもう少し必要かな」

 

峡「...ふぅ。天狗みたいに空を飛んだら楽なんだろうな...なんてn」

 

ビュュュゥッッーーーー....

 

 

 

その直後後ろから箒に乗った少女が空を駆け抜けて言った...。

 

 

3人「は?」

 

思わず彼らポカーンというような表情を浮かべる。

 

華憐(...あれは魔法使いよ。貴方達の時代にもいたでしょう?)」

 

華憐は少し呆れたように三人に喋りかける。

武器の状態の為か、テレパシーのようだ。3人にしか聞こえないらしく、近くの動物は特別反応もしていない。

 

剛「た、確かに見かけたが...あんな少女が魔法を使えるのか?

あの知識量を習得するには相当な鍛錬がいるはず。それに彼女は人間だが...。」

 

華憐「(もう900年たったのよ?魔導書ぐらいたくさんあるでしょう...)」

 

剛「そ、そうか...」

 

剛はまだ900年たったことに、慣れていない様子である。

 

峡「そういえば、あの子博麗神社へ向かったよね。新しい巫女の知り合いかな?それとも参拝客?」

 

結衣「(とりあえず、走らない?)」

 

將信「だね..好奇心が止まらない」

 

3人は深い森の中を、風のような速さで走り抜けていった....。

 

 

そして3人が神社にもうすぐ着くといったところ

 

 

 

ーーーーーー空は紅く染まったーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「博麗神社」

 

 

霊夢「...。」

(今日も暇ね...)

 

霊夢はやる気のなさそうに、鳥居の近くの落ち葉を掃いていた。

 

そしてそこに、いつもの如くアイツが現れる

 

???「やっほー霊夢。遊びに来たぜー」

 

霊夢「魔理沙、あんたねぇ...」

(またやり直しじゃない...)

 

霊夢は魔理沙が全速力で神社に入ってきたせいで落ち葉が巻き散らかされたことに静かに怒っているようだが、次第に呆れ顔に変わる。

 

霊夢「..縁側で待ってなさい。後で行くわ」

 

そして魔理沙と呼ばれる少女が浮かぶ箒から降り、縁側へ向かった時、世界が紅く染まった。

 

霊夢「...」

 

魔理沙「...異変か?こんなに妖霧を作り出すって、かなり力のある妖怪らしいな」

 

魔理沙は冷や汗を浮かべているが、その顔は喜びに満ちている。

 

霊夢「...はぁ」

 

霊夢はめんどくさそうにため息を吐き、空へと飛び立った。

 

魔理沙「ちょっ何処へいくんだ!?発生地点もわかってないのに...」

 

霊夢「あら、私の勘は百発百中よ?」

 

魔理沙「...」

 

そして二人の少女は紅い妖霧の原因の場所へと飛び立った。

 

6人がその様子を見ていたことを知らずに。




はいどうもおはこんばんにちわ、ゼロです。

まぁあの後900年とばしてしまいましたが、無事(全然無事じゃない)幻想郷まで来ました。

次回は多分紅霧異変ですね。

というわけで次回も一週間以内に投稿できるように頑張ります。

誤字脱字等ございましたらご報告下さい。

それでは、また。

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