第十三話、スタートです!
將信「あちゃ...」
將信をはじめ、3人は月面での戦場より少し離れた場所に、にとりからもらった特殊な迷彩服を着て、戦争の様子を見守っていた。
河童の技術はやはり凄い。
月の技術とまではいかなくとも、幻想郷ではトップクラスだろう。
現に3人は月の使者達に存在がバレていない。
3人は紫と会ったあと、迷いの竹林へ向かい永琳と話し合った。
戦争へ間接的に参加することについて、彼女に引き止められたものの、三人の説得に不満げながらも納得してくれたようだ。
そして紫は湖に能力を使い、月へと妖怪達を引き連れていつた。
だが戦況は圧倒的にこちらの力不足で、不利な状況だった。
質より数を取った紫引きいる妖怪の軍団は都に攻め入ろうとするが、それは月の近代兵器によって防がれる。
月の技術も進歩しており、壁からは無数の極太のレーザーが放たれている。
その威力は妖怪達の力では防ぐことができず、その線上にいた妖怪達は灰すら残さずに消え失せる。
紫「...ッ」
流石にあの負けず嫌いな紫もまずいと思っているようだ。
さらに近代兵器だけでなく、二人の女性が圧倒的な力で数多くの妖怪をねじ伏せている。
恐らく月人の中でもトップクラスなのだろう。
特に刀を持った女性は3人のほぼ同格の早さを持っており、体さばきもうまい。
その刀からは何やらとてつもない神力が感じられる。
恐らく、神々を憑依させる能力のようなものなのだろう。
3人は戦況を中立した立場から確認しつつ、冷静に戦場を観察していた。
この状況ではまずいかもしれない...妖怪達の誰もがそう思っていた。
そして時間がかなり経過し、妖怪達も壊滅的な被害を受ける事になる。
それは3人にとっては目に見えたことではあったが、紫は目を見開いてこの状況に驚いている。
剛「...おい、こちらの敗北だ。早急に幻想郷へ戻るべきだろう」
紫「.....ッ...」
紫はまだ納得がいかない様子だ。
唇を噛み締めて悔しさを全面に表している。
剛「...早く行け。しばらくここは引き受ける、このままでは全滅するぞ。」
剛は目を鋭く尖らせ、紫に強めの口調で命令する。
紫「ッ! ...わかったわ」
その言葉に気を押されたのか、それとも今するべき事がわかったのか。
紫は妖怪達を引き連れて、素直に退散した。
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そしてその途端、攻撃は3人に集中する。
時にはレーザー砲が、時に追尾する高速ミサイルが、3人を襲う。
その圧倒的な力を前にすれば、大妖怪でも流石に足が震えるだろう。
だがその攻撃を3人は正面から迎え撃つ。
剛はその能力で、自身の力で月の警備隊達を吹き飛ばす。
峡はその能力でミサイルやレーザーを反射、屈折し、2人を守る。
將信は弓を使い警備隊を寄せ付けない。そして能力で敵を惑わす。
その力は長年の鍛錬で培った努力の証である。
戦況はガラッと一変する。
かつて全妖怪と戦った彼らは、この程度の攻撃ではビクともしない。
戦況はこちらに傾いたかに見える。
だがそんな彼らでも疲れは見える。
近代兵器を相手にするため、予想以上の霊力を消費するからだ。
ある程度時間を稼いだ後、彼らは退散しようと考えていた。
しかし紫はまだ戻ってきていていない。
恐らく妖力不足でスキマがまだ開けないのだろう。
しかしまだ時間稼ぎをすれば、霊力が底を尽きてしまう。
となれば逃げるが勝ちだが、逃げようにも四方八方を囲まれており、とても隠れることができる場所があるとは思えない。
どうするか三人が冷や汗を出し始めたその時、突如3人の武器達が光り出す...。
3人「ッ!?」
3人は思わず驚愕の眼差しで武器達を見つめる。
そして武器達は空へと高く浮かび上がり...閃光を放った。
その光は都にまで届いたという。
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3人「...」
何度のこの状況に陥っただろう。
3人が目を開けると、そこには3人の女性が立っていた。
その様子に、何か3人は懐かしさを感じる。
周りを見渡せば、白い箱のようなものの中に入っているような感じだ。
將信「こ、こんにちわ?、ここはどこ?貴方達はだれ?」
將信は引きつった笑みで3人の女性に向かって話しかける。
3人の女性は將信を見て、一人の女性が口を開ける。
?1「あたし達は貴方達が使っていた武器だよ。
といっても元々は貴方達だけどね?」
?1はニコッとした笑顔で3人に説明する。
剛「...すまない、訳がわからない。君達が我々が使っていた武器なのは百歩譲って理解できる...しかし、元々は我々だったとは、どういうことだ?」
剛は疑問を直接的に3人の女性にぶつける。
?2「あぁ...ごめんなさい。混乱しているでしょう。まぁゆっくり座ってくれていいわ..」
?2は三人に向かって気遣いを見せる。
?2「まず自己紹介から..ね。
背の高い方から、
それぞれ、峡の使ってた双剣、剛の使ってた槍、將信の使ってた弓という立場ね、」
峡「なるほど...。その姿は擬人化してるって事かい?」
結衣「そうなるね! まぁこの程度は御茶の子さいさいさ...」
3人はそれぞれ自身の懐を見て、納得した表情を浮かべる。
確かに武器はなくなっていた。
華憐「それで、なにか質問はあるかしら?」
華憐はしばらくの沈黙の後、3人に問いかける。
將信「あっ...じゃあいいかな。君達は僕を転生させた神と関係があるの?」
しばらく間を置いた後、華憐は答える。
華憐「そうね...じゃあ少し昔話をさせてもらうわ.....。
貴方達は異質な能力を持って偶然にも生まれてしまったの。
これは本当に偶然ね。
そしてその頃、あの神は様々な武器を作る必要があって、たくさんの武器を生み出していたわ。
そこで生まれたのが私たち。まぁ失敗作ね。私達は心を持ってしまったのよ。
神は私たちを捨てたのだけれど、その後私達は貴方達の生まれ持った異質な力に引き寄せられたの。
暫く一心同体として貴方達の体に憑依していたわ。
だから私たちの力は貴方達の力と似通っているというわけね。
だけれど、貴方達が死んでしまった後、神が貴方達に制限をかけたせいで、私達は貴方達と分離することになった...というわけ。
結論を言うなら、関係性はありまくるわね。」
將信「ん、ちょっと待ってよ。一体何故神はたくさんの剣を作っていたの?」
結衣「それはあたし達にもわからないんだ...。憑依する前は言語が理解出来なかったからね。」
剛「....つまり君達は我々の味方という事でいいんだな?」
華憐「一応はそう考えてもらって構わないわ。」
峡「なるほど。だけど、何故また僕達の所へ戻ってこれたんだい?」
彩「そこは私が説明します。貴方達の能力の制限が少し解除された時に、私達の制限も少し解除されました。
そこで私たちは能力を頼りに貴方達の元に辿りついた、ただそれだけですよ。
といっても危ないところでしたが...。」
彩は苦笑いしながら3人に説明する。
將信「その能力ってのは何なの?」
彩「それはまだ教えられません...。私達は分離してから、貴方達にとあるお願いを持つようなり、いつかこの空間にお呼びしようと考えていたのですが、危険な状況になっておりましたので、急遽この空間にお連れしました。
剛「それは助かったな...。ところで外はどうなっているんだ?」
剛は安堵した様子を見せ、外の様子を伺う。
華憐「騒がしくなっているけれど...紫達は三人が自力で帰ったと勘違いして幻想郷に戻ったようね。問題はないでしょう。一部の妖怪達もきちんと戻っているわ。
月人の中にも、捜索を諦め始めている者も出ているし、別にわざわざ急いで戻らなくても問題ないと思うわよ」
峡「..それはよかった。 それで、君達の願いってのは何なのかな?」
峡は一旦話題を切り上げ、気になっていたことを3人の女性に質問した。
華憐「私たちの要件はただ一つ、貴方達と手合わせすることよ」
その言葉に、3人は疑問を覚えた。
はいどうもおはこんばんにちわ、ゼロです。
というわけで武器達には心が宿っていました。
彼女達の真意は何でしょうね。
次回も一週間以内に出せると思います。
誤字脱字等ございましたらご報告下さい。
それでは、また。