クトゥルフ神話TRPGをやったらPLが酷かったりファンブルが出まくったりしたのでKPの胃が大変です 作:釣りキチ
「ああ、お久しぶりです。俊之さん」
三枝が俊之に向かって礼をする。
そして、白澤と雑賀もそれに習い礼をした。
「紹介しておこう。彼は川崎 歩夢と言ってね。今は研修医として勉強に励んでいるよ」
「よろしくお願いします」
川崎は軽く会釈すると、三枝の方を向いた
「貴方方が俊之さんの話していた探偵さんですか」
「ええ、まぁ」
お互い、どう言葉を交わせば良いのか分からないのだろう。
どうにも会話が続かない。
「ん?あれはーー」
その時三枝が何かに気が付いた
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「KP、目星したい」
そう言ったのはPL2であった
「OK、わかった」
三枝 目星65
1D100=45
「成功か…となると処理はーー」
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テラスの方に黒服の男が座っているのに気が付いた三枝はひっそりと白澤に耳打ちをした
「白澤さん…テラスの方に怪しい男が座っているので警戒しておいてください…」
「テラス…?ああ、本当だ。わかった、警戒しとく」
白澤と三枝が話をしているその頃、川崎達はーー
◇◆
「川崎さん、久しぶり」
「葉月ちゃん、久しぶり」
川崎と葉月がそのような会話をしていた。
川崎と葉月の関係はほぼ家族と言っても差し支えないものだろう。
「本当に久しぶりね…もう四年くらい会ってなかったかしら」
そう話に入ってきたのは戸成 和子である。
彼女は川崎が幼い頃からの知り合いであり、半分育ての親でもある。
「確かに、もうそのくらいですかね。積もる話がありますので、また後日にでも。」
「あらあら、すっかり大人になっちゃって」
川崎と和子が他愛のない話をしている時だった、葉月が犬の散歩に行くと言ったのは
「あっ!お母さん、そろそろペコの散歩に行ってくるね!」
「葉月、最近は物騒だから気を付けるのよ!」
「葉月ちゃん!気を付けてね!」
「大丈夫だって!直ぐに帰ってくるよ!」
そう言って、彼女が消えてしまったのが今から一週間前のことである。
未だに、彼女は帰ってきていない。
勿論何もしなかったわけではない。
俺たちは必死に彼女を捜した。
しかし、その過程でーー
俺たちは知った。
人間の力ではどうにもならない存在を
その異形の怪物を
呪われた街に住み着く異物を
これは、俺たちの行動の全てを記録したメモリーレコード。
次のお話は、その序章のお話である。
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何処かで、本を閉じる音がした。
何かが立ち上がったのだろう、木の軋む音がした。
真っ暗な闇の中、それは居た。
黒い服を纏った20代くらいの男性である。
それは僕に近づくとこう言った。
「まだ、来てはいけない。君は川崎 歩夢として、やるべき事を成していない。」
そう発した何かは、歩き去って行ったーー
これは、僕が体験した、一つの神話体験である。
To be continued……