クトゥルフ神話TRPGをやったらPLが酷かったりファンブルが出まくったりしたのでKPの胃が大変です   作:釣りキチ

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彼が夢想したモノとは何か

僕には何もなかった。

両親は幼い頃に事故で死んだ。

両親が事故で死んだ後、僕は親族からたらい回しにされた。

 

そんな僕を救ってくれたのは、戸成 俊之という男だった。

 

彼には娘と息子がいた。

息子の方はぶっきらぼうだが、優しい少年だった。

 

だが、優しい人間から逝ってしまうと言うのは本当のことなのだろう。

 

ある時、彼が癌を患っていることがわかった。

末期だったそうだ。

気付かないうちに、進行していたガンは確実に彼の身体を蝕んでいた。

 

救いたいと思った

でも、ダメだった。

 

手遅れだった。

 

彼の死を境に、僕は全ての人を救いたいという夢を持ち始めた。

 

夢が無い自分が持った、唯一の夢だった

この時からだろうか。今の川崎 歩夢という、歪んだ人間が生まれたのは

 

▼▼▼▼▼▼▼▼

 

「--久しぶりだね、川崎くん」

 

彼は戸成 俊之

現在、中央タワーの建設を進めている男である。

 

そして、親を失った僕の恩人でもある

 

「はい、久しぶりですね。葉月ちゃんは元気ですか?」

「ああ、元気だとも。娘が君達(・・)に会えると喜んでいたよ」

 

彼には一人、娘がいる。

葉月という元気な子だ

今年で17になる。

 

「まぁ、とりあえず入ってくれ。」

「はい、わかりました」

 

▼▼▼▼▼▼▼

 

「…とりあえず会場に入る前にやっときたい事はあるか?」

「目星しときたい」

「了解。じゃあ振ってくれ」

 

川崎 目星55

1D100=21

 

「成功」

「やっと…やっと成功した…」

 

KP、泣いてしまったようである

まぁ無理もないだろう

序盤からファンブル×2を出されたのだ。

かなりTRPGの経験を積んでる者でないと対処は難しいだろう

 

「えーっと、あたりを見回すとAPP16の超絶美人がいますね。胸も大きい」

 

胸が大きいはいらない情報であろう。多分。

 

「どうでもいい情報だな…」

 

PL5的にとってはどうでもよかったようである。美人なのに

 

「じゃあセッションに戻るとして、ここで全員合流だけどよろしいか?」

「よろしい」

「いいとも」

「大丈夫」

「ok」

「葉月ちゃんについて詳しく」

 

PL1がなんか言っている気がしたがどうでもいいだろう。

 

「それじゃあ--」

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

三枝達、探偵御一行は会場に入ると意外と人数が少なく拍子抜けした。

どうやら招待されているのは会社の上層部の人間にようである。

そんな折に白澤を呼ぶ声が聞こえた

 

「白澤さあああああん!」

 

犬を連れた少女である。

見た目は十代前半ほどだろうか。

 

「おっ!葉月ちゃん!」

「久しぶり!白澤さん!」

 

白澤と葉月と呼ばれた少女が熱い抱擁を交わす

ちなみにそれを見ていた雑賀は羨ましそうに見ていた

 

「白澤、彼女は?」

「ああ、此奴は葉月。俺の従姉妹だ」

「従姉妹…良いなぁ…」

 

雑賀だけ反応が違う。女に飢えているのか

 

「白澤さん、この人たちは?」

「ああ、俺の同僚だよ。」

「葉月さん、よろしくお願いします」

「葉月ちゃんって言うんだ!可愛いね!」

 

三枝は礼儀正しく礼をする。

雑賀は軽く犯罪者である。

 

そんな会話をしていると背後から声がした。

 

「やぁ、来てくれてありがとう探偵諸君」

 

そこには川崎を連れた俊之が立っていた--




空前絶後の川崎シリアス回

川崎が出るとシリアスと化す
雑賀が出ると犯罪臭が漂い始める

一体この小説は何処へ向かおうとしているのだろうか


3/14 誤字修正

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