クトゥルフ神話TRPGをやったらPLが酷かったりファンブルが出まくったりしたのでKPの胃が大変です 作:釣りキチ
「葉月ちゃん⁉︎どうしてこんな所に?」
「待て、様子がおかしい」
川崎が葉月の右腕を見ると、肘から下が無くなっているのが見て取れた。
彼女の衣服には血が飛び散って赤く染まっていた。
「こっちに来てはダメ…七丁目だけど七丁目じゃない場所…」
彼女は小さく、しかし彼らに聞こえる声量でそう言う。
そして、彼女はその言葉を残し霧のように消えていった。
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「SANチェックの時間だァ!」
「SANチェック…豆腐メンタルにはなりたくない…」
「オイ、それはウチの雑賀のことかオイ」
「1/1d3です」
川崎 SAN55
1D100=21
「セーフ!」
「1の減少ですね…じゃあ描写に戻るかーー」
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葉月が消えた場所を暫く注視しているとピピピッ、と携帯の着信音が鳴る。
上代は携帯を取り出すと電話に出た。
『上代さん!聞こえますか⁉︎』
「ああ、聞こえているぞ白澤」
川崎はその白澤と呼ぶ声から電話をかけて来た主が誰かを察した。
「それで、何があった?」
『さ、雑賀が急におかしな事を言いだして…それに葉月ちゃんも…』
「葉月…?とりあえず今の現在地は何処だ?」
『七丁目の住宅街です』
「そうか…とりあえず戸成の家に戻れ…それと葉月だがーー
その葉月は右腕がない葉月のことか?」
『え…?腕がない…?』
「…近くに腕が落ちていないか?」
『もしかして…。はい、ありました』
「あったか…ならそれは誰にも見つからないように隠せ。バレたら厄介なことになる」
『は、はい。わかりました』
「俺たちも戸成の家に向かう。そこで落ち合うとしよう」
『わかり…ました…』
上代は通話を切ると、ポケットに携帯をしまった。
「その、彼はなんて?」
川崎は上代に問うた。
「葉月の事だ…とりあえず戻るぞ…」
「は、はい」
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「じゃあ全員戸成家に戻るということでよろしいかな?」
「はーい、質問質問。三枝と私はどうすればよろしいかな?」
「上代から電話がかかって来て帰るということでよろしいでしょう!」
「わかったよKP!」
「よし!じゃあ描写に戻るとしよう!」
さっさとRPに戻りたいようだ。
まだまだ先は長いぞ頑張れ。
「おっと、その前に上代のロールで俊之に言いくるめしなきゃな…」
上代 言いくるめ77
1D100=98
「さっすがぁ!」
「なんでさ!!」
「流石上代だ。ファンブル力が違う」
「ここでNPCがファンブルとかわろえる」
流石である。まだ導入なのにこのファンブル量である。
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「残念ですが…娘さんは見つけることが出来ませんでした…」
「本当にそれだけかね?何か隠していることがあるんじゃないか?」
俊之は娘が見つからないためか苛立っているようだ。
すると上代をフォローするかのように間髪入れずに三枝が言った。
「いえ、本当に何も見つけることが出来ませんでした…」
「…警察には連絡したが家出扱いだそうだ。また何かあれば君達を呼ぶよ」
彼はそう言うと自室に戻って行った。
「とりあえず、今日は帰るとしよう。また会おうじゃないか探偵諸君」
「はい、上代さんもお達者で」
そして、彼らは後ろ髪を引かれる思いでそれぞれの帰路に着いた。
次回は幕間の物語です