クトゥルフ神話TRPGをやったらPLが酷かったりファンブルが出まくったりしたのでKPの胃が大変です 作:釣りキチ
「貴方は…?」
三枝が黒服の男に問いかける。
歳の頃は二十代といったところだろうか。
「申し遅れました。上代 雄介と申します」
「これはどうもご丁寧に、三枝と言います」
「俺は白澤、でコイツが雑賀」
「どうも〜」
「俺は川崎 歩夢と言います」
自己紹介をしていると女性の声が聞こえる。
どうやら俊之を呼んでいるようだ。
「俊之さん〜!準備okですよ〜!」
「ああ、鈴風君。失礼、彼女は私の知り合いでね」
「あ、どうも。イラストレーターの鈴風 蘭と言います。」
軽く自己紹介を交わし、会議を始める。
既にあたりは闇に包まれており、風の音だけがあ響いている。
「とりあえず、二人一組で行動した方がいいだろう…。手分けした方が効率はいいからな…。それと携帯の電話番号も交換しといた方がいいだろう。」
上代はそう提案する。そして全員携帯を取り出し番号を登録する。
「成る程…なら白澤と雑賀、君達は七丁目の方を頼みます。」
「あいよ」
「了解した」
白澤と雑賀は懐中電灯を受け取ると玄関から外へと出る。
直ぐにその姿は見えなくなった。
「それなら俺と川崎で六丁目の方を探そう」
「わかりました。私と彼女で公園の方を探します」
◇◆
現在位置、七丁目。
街灯が少なく、薄暗くなっている。
「うっひゃ〜…暗いな〜…」
「とりあえず俺が照らすから後ろにいろ」
「流石イケメンは違うね〜。じゃ、白澤よろしく」
「全く…お前は…」
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「とりあえずチャラ男組は目星頼む」
「わかった」
「チャラ男強い。了解」
PL1が余計な事を言ったような気がするが気のせいだろう。
白澤 目星59
1D100=80
雑賀 目星70
1D100=64
「うわ、あっぶねえ」
「とりあえず成功だな…ならーー」
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ふと、雑賀はある違和感に気が付いた。
今まで全くなかった街灯が煌々と道を照らしている。
しかし、今まで確かにあった人の気配は消え、虫の鳴き声ですら聞こえなくなる。
「おい、白澤。何かおかしくないか?」
「そうか?疲れてんじゃねえの?」
「いやいや…人の気配が無くなってるって。何か嫌な予感がするんだが」
そして虫の声を、人の気配を探すかのように彼らは聞き耳をたてる。
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「聞き耳どうぞ〜」
「ダイスロール多いな…」
「とりあえず俺は初期値だから白澤頼むよ」
「OK、任せとけ」
白澤 聞き耳50
1D100=50
「危ねえ…」
「よし、描写をするとしよう」
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ーー白澤の耳に、ある音が聞こえた。
鳴き声だ。犬の鳴き声である。
それが葉月の犬の鳴き声であることに気付くのに時間はかからなかった。
「雑賀!犬の鳴き声だ!葉月ちゃんかもしれない!」
「あ!おい、待てよ白澤!」
しばらく走ると街灯の下に少女が立っていた。
葉月だった。
「あ!おいあれ」
「葉月!」
「白澤さん!」
熱い抱擁を交わすと白澤は葉月に問いかける。
「葉月ちゃん!こんな時間まで何してたの?大丈夫かい?ここは不気味だ、早く帰ろう」
白澤自身も焦っているのか早口で捲したてる。
葉月はそれを止めるかのように言った
「聞いて!
すると、白澤の頭に直接語りかけるかのような声が聞こえた。
『コッチヲミナサイ…』
それはノイズが掛かってるかのように乱れて聞こえた。
そして、思わず後ろを振り向いてしまった。
だが、何もいない。そこには何もいなかった。
彼の体を恐怖の感情が駆け抜けるーー
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「さぁ、初SANチェックだ」
「嫌じゃ!嫌じゃぁ!
「0/1D2のSANチェックだ」
白澤 SAN70
1D100=18
「これが俺の鋼メンタルだぁ!」
「成功だね。減少値は0だ」
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そして、彼は葉月がいた場所に向きなおる。
しかし、そこに葉月はおらず、代わりに腕を持った雑賀が立っていた。
雑賀の顔には恐怖と焦りの感情が渦巻いていたーー
今回から本格的に始まりますね。
でもファンブルはまだ出ます。