夢中になって書いていたら8000文字超えてました。
なので2つに分けさせてもらいます!
6時30分に起き、日課である朝ごはんを作るためリビングに向かった。すると、何故かあちこちに弾痕が出来ている。
ハァ......直すのは俺なんだぞ。ま、とりあえず飯作るか。と、キッチンに行き卵を冷蔵庫から取り出すと同時にリビングのドアがゆっくりと開いた。
「んーあら、朝陽はやいのね。おはよう」
「ん?ああ、アリアか。おはよう。飯作ってるから先に顔洗って来てくれ」
寝ぼけた顔でもアリアは可愛いな。外見だけは!!
朝食はアリアもいるということで洋風な感じにする。こんな傲慢なやつでも客人だからな。失礼のないようにしなきゃいけないわけだが……一人足りない。まだ寝てるのかキンジは。
寝室に行き、幸せそうな寝顔のキンジを見下ろす。
寝ているキンジはキンジの兄と同じイケメン面となっている。もちろん起きている時もイケメンだ。だけど起きている時は目つきが悪いし、ネクラだから皆気づかないだけだけど。そんなイケメンを見ているとなぜだか知らないが腹が立ってきた。今日も腹パン確定かな?
「さーん、にー、いーち......起きろおおおお!! 」
全力で振り下ろした俺の拳は・・・・・カッと目を見開いたキンジに腹すれすれで見事止められてしまった。
「おー、なんだ。起きれるようになったか!? 」
「お前が毎日毎日腹パンするから怖いんだよ! 」
「とりあえず朝食できたから顔洗って早く食うぞ〜」
リビングに戻り、皿を出していたところでアリアが帰ってきた。朝起きた時とは違い、目もパッチリとしている。
「ねえ、朝陽」
「ん? 何かね」
「あたしと勝負しない? 近接格闘よ」
「断ったら風穴なんだろ? いいさ、やってやるよ」
「そうこなくっちゃ! 」
すごい喜んでるな......アリアに正攻法で勝てる気しないんだけど。
でも俺は強襲科でもあるが諜報科でもあるんだ。
正々堂々と勝負するとは言ってないしな。
「ただし! 明日だ。今日は気分じゃない」
「わかったわ。強襲科Sランクの力見せてよね! 」
今日はキンジと猫探しだ。ま、すぐ終わりそうだけど。
キンジが顔を洗い、戻ってきたところで3人で一緒に食べた。
アリアも俺の料理を絶賛してくれたし、嬉しい限りだ。客人自体あまり来ないしな。
今日はしっかり時間通りに寮を出てバスに乗る。
バスジャックなんておこるはずもなく、安全に学校につけた。そうそうジャックなんておきないしな......
待て、俺今フラグ立てた? ま、そんな事はどうでもいい。今日も安全に過ごすまでだ。
学校につき、午前中の眠たい授業を終える。授業内容はハッキリ言ってレベルが低い。他の学校と違って勉強にそれほど力を入れてないからしょうがないけど。
ともあれ、俺たちは任務のためキンジと一緒に校門に行くと......ピンクツインテが仁王立ちしていた。
キンジは嫌な顔を見せ、思わずため息をはいたようだ。
「なあアリア、ついて来るのか? 」
「当たり前じゃない! 奴隷を監視するためよ! 」
「お前の奴隷なんかになってない!ついて来るな! 」
「いやだ! 一緒に行く! 」
このやりとり、夕方まで続きそうだな・・・・・アリアも連れて行くか。
「まあキンジ、一緒でもいいだろ」
「え......ちょ......」
「ほら! 朝陽がいいって言ってるからついていく! 」
「よし! アリア、キンジ! 探しに行きますか! 」
「俺の話を聞けよ! 」
張り切って、依頼された迷子の子猫を探す旅にでる。
そんなに時間もかからないだろう。
横でキンジが文句を言っているが、この際無視だ。
とりあえず俺達は猫が集まる場所を最初に探し始める。
猫は公園や、裏路地など集団でかたまっていることが多い。
猫の中にも格差社会というものがあり、食事がとれてない場合も考えられる。依頼は1日前だからまだ大丈夫だと思うが、野良犬に襲われてたら助かっている可能性は低いだろう。
アリアも不安な顔をして探している。
「ねえ、大丈夫かな」
「猫は頭がいいんだ。お前に心配されるほどじゃない」
「──ッ!? 風穴あけるわよ!?奴隷1号!! 」
「誰が奴隷だ!! 」
喧嘩するほど仲がいいっていうが、本当なのだろうか。アリアの場合ホントに風穴あけそうだから怖いんだよな。
聞き込みを続け、やっと有力な情報を得られた。ついさっき港のほうに歩いていったのを見たらしい。アリアはまだ不安げな顔をしているが、きっと大丈夫だ。
ついさっきだし、無事なのは確定だろう。そうして港付近を探しているとアリアから連絡がはいった。
「それっぽい猫見つけたわ!! 早く来て!! 」
「わかったよ。アリアも逃げないよう見張っといてくれ」
アリア……見つけたなら捕まえてくれよ。
アリアが見つけた場所へ行くと、キンジが猫を救出しているところだった。だが猫は、キンジを敵だと思っているのか爪でキンジを引っ掻いている。
痛そうだな……キンジより先につかなくてよかった……
それから猫を持っていたタオルで拭き依頼主の家に無事届けた。飼い主さんは高齢の夫婦で、自分たちの子供のように育てていたという。
その猫を見た瞬間、夫婦共々涙を大量にこぼしながら感謝を言ってくれた。キンジもアリアも照れくさそうにしているが、嬉しいらしい。
お礼の報酬も、多めに払うと言っていたが校則違反だからキッパリ断った。尋問科の綴先生に何されるかわかんないからな!
その後、アリアの提案でハンバーガーショップに来ている。ジャンケンで負けた奴が全部奢るという罰ゲーム。提案者ことアリアを殴りたいな。最初っから奢らせる気満々だろ。
だが運がマイナス方向に傾いている俺は、9割ほど諦めていたが、1割は信じていた。
不幸の呪いをかけられていても、信じれば必ず救われると!
「さあいくぞ! ジャンケンポン─────」
「ありがとな、俺はビッグを頼む」
「あたしはエビが挟まってるやつ! 朝陽はSランクだからお金いっぱい持ってるし、罪悪感はないわね! 」
えっへんとアリアが胸を張って言った。
「胸を張って言うなよ! ……張る胸もないくせに」
「ああ? 」
「な、なんでもありません! すぐ買ってきます! 」
アリア、怖すぎ。絶対あの声で出しちゃダメな声音だったよね⁉︎
ハァ……やっぱ俺、運無いなぁ……
キンジとアリアが頼んだものを買った。
店内の席は空いてないから、近くの公園で食べようというアリアの提案にのり、そこに行ってみたのだが……そこはカップルがイチャイチャすることが多い公園。通称イチャイチャ公園にキンジとアリアは仲良く座っていた。周りがカップルだけしかいないということに気づいてないのか?
とりあえず後ろから写真を撮り、アリア達のもとへ向かう。アリアが俺を見ると、不機嫌そうな顔をした。
「遅い! レディーを待たせるなんて! ダメな男ね」
「作る時間と運んでくる時間があるんだ。ダメか? 」
「あたしがお腹すいたって言ったら1分以内に持ってくること! いいわね⁉︎ 」
「わがまますぎだろ……とにかく、持ってきてやったんだ。感謝して食いなさい」
圧倒的理不尽で少し腹が立ったが、アリアを子供だと思えばそうでもなくなった。
おー可愛いでちゅね〜、アリアちゃん。
「あんた、今あたしに対して失礼なこと考えなかった? 」
「考えてないよ……ハハハ……」
なに? なんでそんな思ってる事バレてんの?
勘良すぎじゃないですかね。アリアは野生的な直感が鋭いのか……今後気をつけないとダメだな。
だがアリアは勘はいいのだが、周りが見れていない。現にアリアが今飲んだコーラはキンジが飲んでいたやつだ。ストローで飲むタイプだから完全に間接キスだな。
よし、俺をこんな理不尽な目にあわせたアリアに復讐を!
「おいアリア」
「何よ、あげないわよ」
「お前が飲んでいるコーラ、それは
「ブッハー! 」
アリア、こっちに向かってコーラを吹くんじゃない。
汚いだろうがっ!
「ほ、本当なの⁉︎ キンジ! 」
「あ、ああ。それは俺のだが……」
どんどん顔が真っ赤に染まっていくのが目に見える。
どうだ! お前が転入してきた際にでたキンジとの恋バナでお前がそういうこと苦手なのは知っているからな! 恥ずかしいだろう!
アリアは首まで赤く染め───俯いてしまった。
キンジが心配そうに顔を近づけると、アリアは耐えきれなくなったように顔を上げた。
そして拳をギュッと握りしめ、キンジを睨み、
「こ、この変態! 」
理不尽アリアの右ストレートがキンジの頰に炸裂し、5mほど吹っ飛んだ。
アリアは怒って顔を真っ赤にしながら寮へと帰ってしまった。キンジ……お互い理不尽ことばっかだな……
「ご愁傷さま」
「今のはお前が言わなきゃ殴られなかったよ!! 」
「ま、とりあえず帰ろう。こんなカップルだらけの公園にいたら俺のグロックが火を噴くかもしれん」
「妬むのはやめとけ」
途中スーパーに寄り、食材を買ってから寮に戻った。
アリアはリビングのソファーで動物特集を見ていたが、キンジを見た瞬間また顔を赤く染めている。
忙しいやつだな、たかが間接だろ?
「アリア、夕飯の準備するから手伝ってくれ」
「いやよ! 料理なんてしたことないわ! 」
「なんだと!? お嫁にいけないぞ! 」
「だ、だから恋愛なんて興味ないの! べ、別に羨ましいとか思ってないんだから!」
ツンデレだ......完璧なツンデレ属性だ......
しかし、料理をしたことがないだと? 俺が任務で家をあけたらどうすんだよ。コンビニ弁当とかいうんじゃないだろうな?
「ホントにいいのか? 」
「ええ、あなたが作りなさい! 」
「分かりましたよ。分かりましたとも」
まったく、ワガママな子は明日、成敗しなきゃな。
夕飯の準備を済ませ、3人で早めの夕飯を食べたあと、自室に戻り【雪月花】に刃こぼれがないか確認する。
【雪月花】は大抵のものは斬ることができるし耐久性もあって折れない。刃こぼれなんてしないはずだが一応だ。
明日は1vs1 相手はあのアリアとはいえSランク。どんな方法でもあのロリに勝たなければ......
さて、どうやって戦うか?双剣双銃だったから器用に使ってくるんだろうなあ。
小さいから機動力もあるだろうし、うーん・・・・・ぅー・・・・・
鳥のさえずりが聞こえてくる。まぶたが重いが、こんなところに巣を作られても困るな。それにしても───
「まだ夜の11時くらいだぞ・・・・・」
カーテンを開けると・・・・・
「ギャアアアアア!! 目が!! 目があああああ!?」
「朝からうるさいわよ!! 早く朝ごはん作りなさい!! 」
なに!? 朝だと!?バカな、俺は、対アリア戦の作戦を......
あれ? 俺は何を考えてた? 昨日、【雪月花】に刃こぼれが無いか確認した後の記憶が無い。まさか......
「寝落ちしたあああああああ!? 」
その日、俺の悲痛な叫びが第3男子寮に響いた......
「鬱だ」
「アリアと1vs1なんて受けるからだ。今すぐ取り消してこい」
「それは男としてどうかと思うんだ。キンジも作戦考えてくれよ! 」
「俺は関係ない。あれだ、前にお前が言ってた、
「キンジがネタ路線……だと⁉︎ 」
昼休み、食堂。いつもは楽しい雰囲気なのだが、武藤、不知火、キンジ、俺のいる席は、お通夜状態になっている。対アリアに有効な作戦を思いつかないからだ。
「京条君と神崎さんの対決、期待してるよ。今日は1年生もいるはずだから、ギャラリーがいっぱいできるね」
不知火に追い打ちをかけられた。
クソッ! イケメンに煽られると殺意しかわかねえ!
「女に負けたらカッコ悪いもんな! 」
「おい武藤、あとで轢いてやる」
「それ俺のセリフ! 」
負けたらカッコ悪い、確かにそう思う。能力を多用したら確かに勝てるんだが、アリアに『能力の使用は1回まで! 』って言われたからなあ……使いどきが肝心だ。
つららを飛ばすのは避けられるだろうし、足元を凍らせることがバレていたら、背中の刀で氷なんてすぐ剥がされそうだし。
万事休す! ああ、もうダメだ……おしまいだ……
「そんなことより中間テストの英語だろ? 俺、英語全然わっかんねえ」
「武藤、英語なら俺が教えてやるから今は作戦を……」
英語? ……ハッ! その手があったか! これならアリアに勝つことができる!
「武藤! ありがとう! 英語ならたっぷり教えてやる! 」
「え、ああ。ありがとよ……どうしたんだ? 」
「フハハハハハ! あのピンクツインテがどんな顔になるか楽しみだ! 」
不知火とキンジに若干ひかれたが、俺はニヤけが止まらない。なんて……なんて素晴らしい作戦だっ!
楽しみで仕方ない! あの
考え事も終え、俺は放課後の対戦に向け、準備という名の食事に取り掛かった。
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「 朝陽の近くに……緋緋姉様の気配がする……姉様まで私の朝陽をとろうとするの? ……姉様だろうと絶対に許さないから……」
次回! 戦闘シーン!
戦闘シーン難しい……