東方凡人録   作:ホッタン

8 / 10
第8話 神社の整備その1

その日の夜、結局魔理沙は博麗神社に泊まることになり、布団でスヤスヤ寝ていた

 

「……なんだか色々あって疲れました」

「そうね、盛りだくさんな一日だったわね」

 

「「………はぁ、疲れた」」

 

2人揃ってため息をつく

 

「…霊夢さんは普段何をされてるんです?」

「私?私は普段は巫女の仕事の他に妖怪退治とかしてるわよ」

「ほぇー…妖怪退治ですか」

「えぇ、まぁここらのは弱いから全然苦じゃないけどね」

「そうなんですか…」

「爽はこっちに来る前は何をしてたの?」

「僕は基本、学校に通って受験のために勉強をしてま……し…た…」

「…勉強あんまりしてなかったのね?」

「………はい、本当に嫌でした」

「だからあなたのスペカの名前が『憂鬱の日々』なんて湿っぽい名前だったのね」

「多分そうなんでしょうね…」

「まぁ、こっちにいる分にはそんな心配しなくてもいいんじゃないの?」

「そうですか…ね」

「大丈夫よ」

「…わかりました、明日からは少し気持ちを切り替えていきます!」

「それがいいわね」

 

爽は少し気分が楽になったようだった

 

「そういえば霊夢さん、明日は何かする事はあるんですか?」

「………食材調達?」

「えぇ…と…、わかりまし…た、明日は食材調達をしますね」

「他には境内の掃除とかかしら?」

「…!そうだ!どうせなら、ついでに神社までの道を少し整備しましょうよ!そしたら参拝客も増えるのでは?」

「なるほど…確かにそうね………よし!明日は魔理沙にも手伝わせましょう、泊まったんだったらそれなりに手伝わせないとね」

「それじゃあ、明日は3人で頑張りましょう!」

「そうね、とりあえず、今日は寝ましょう」

「わかりました、それでは、」

 

「「おやすみなさい」」 

 

 

 

 

 

チュンチュンと雀が鳴いている朝

 

「「おはよう(ございます)」」

 

「よく寝れた?」

「はい!おかげさまで!」

「よかったわ、今日は忙しくなるからね」

「そうですね!」

「そうだ、魔理沙起こして来るわ」

「了解しました」

 

 

 

 

「Zzzzzz」

 

魔理沙は気持ち良く寝ていたが、そこに、

 

バサァ!と霊夢は布団を剥いだ

 

「起きなさい!!!」

 

「はいっ!…って、いきなりなんだ!?」

「昨日は泊まっていったんだから、今日は色々手伝ってもらうわよ!」

「…なんの手伝いなんだ?」

「まぁ、それは後で話すわ、とりあえず顔洗ってらっしゃいな」

「はいはい…」

 

 

3人は朝食に、昨日の夕食の残りを食べた(キノコ以外)

 

「…さて、今日のする事は三つあるわ」

「ほぅ、それはなんだぜ?」

「一つ目は、食材調達よ。これは何がなんでもしなきゃいけないわ」

「そうですね、このままじゃ厳しいですからね」

「二つ目は、神社と境内の掃除よ」

「なるほど理解したぜ、で三つ目は?」

「三つ目は神社の参道の整備よ。神社が賑わえば、お賽銭が増えて

、私達の生活は安泰よ!」

(やっぱりお賽銭を使ってるんだ)

「ほほう、ちなみに、誰がどれをするというのは決まってるのか?」

「それは今から決めるわ!」

「どうやって決めるんですか?」

「…ジャンケンよ!」

「確かに公平だぜ」

「わかりました!」

「勝った人から好きな仕事を選ぶとするわ」

「わかったぜ!…じゃあいくぜ!」

 

「「「最初はグー!ジャンケンぽん!」」」

 

爽…グー

魔…パー

霊…グー

 

「私の勝ちだぜ!それじゃあ、私は食材調達を選ぶぜ!」

「くっ…まさか魔理沙が勝つとは…」

「ですね…それじゃあいきますよ!」

 

「「最初はグー!ジャンケンぽん!」」

 

爽…パー

霊…パー

 

「「あいこでしょ!」」

 

爽…パー

霊…チョキ

 

「私の勝ちね!私は掃除を選ぶわ」

「うぅ…負けてしまった…じゃあ僕は参道の整備ですね」

「爽、頑張れよ~」

「それじゃあ、各自仕事は決まった事だし始めましょ」

 

「「了解しました(したぜ)」」

 

そうして、爽達は自分達の仕事に取りかかった

 

 

「さて、何からしようかな?」

 

参道の整備である爽はまず何をするべきか考えた

 

「とりあえず、邪魔な木の枝とか草を切ろうかな?」

 

爽はノコギリと鎌を霊夢から借りてきた

 

「さて、はじめるか~」

 

はじめに、目に付く長い草を刈り、人里から階段に続く道をはっきりさせる

 

「よっこらせっと…わりと距離があるから大変だな……」

 

半分くらい草を刈った所で、木の陰から黒い服を着て、赤いリボンを付けた女の子が出てきた

 

「………?だれだろう?」

「お兄さんは食べてもいい人類なのか-?」 

「…え?食べてもいい…人類…?」

「食べてもいい人類なのか-?」

「いや!よくないよ!?」

「…そーなのかー…残念なのだ

ー…」

「えぇ…そんな露骨に残念がられるとなぁ…」

「じゃあ少し噛むのはだめなのかー?」

「……甘噛みくらいなら」

「むー、じゃあそれでいいやー」

「…どうぞ」

 

カプッ

 

「んぐんぐ」

「あのーー…」

「?」

「少し痛いんですが…」

「……んぐんぐ」 

「スルー!?」

「…ぷはぁ!少し物足りないけど、これでいいのだー」

「ふぅ、よかった…」

「お兄さん、名前はなんなのかー?」

「僕は白井爽だよ。君は?」

「私はルーミアなのだー」

「そーなのかー」

「あ、そのセリフは私のなのだー」

「そーなのかー」

「あ、また言ったのだー」

「このフレーズはまるなぁ」

「そーなのかー、お兄さんは何をしてるのかー?」

「僕はね、今は博麗神社までの参道の整備をしてるんだよ~」

「そーなのかー、頑張ってーなのだー」

「頑張るのだー」

 

そんな会話をした後、爽は気合いで草を刈り、枝を切り終えた

 

 

「……もうすぐ…終わる……」

 

道は草がほとんど無くなり、道がはっきりしていて、頭上の木の枝も無くなっていて歩きやすくなっていた

 

「…最後に看板を立てて……終わりだ!」

 

←博麗神社

ぜひ参拝にいらしてください!

 

という感じである

 

「…帰ろう……」

 

と、爽は神社に帰っていった

 

 

神社には、既に仕事を終えたようで、霊夢と魔理沙がお茶を飲んでいた

 

「…ただいま帰りまし…た……」

「お疲れさま…って、大丈夫?」

「爽-?生きてるか-?」

「み…水……」

「すぐに用意するわ!」

 

 

「ふぅ…生き返りました」

「お疲れさま、どうなったの?」

「良い感じに整備して、看板も立てておきましたよ!」

「おお!流石だぜ!」

「効果あるといいですね~」

 

そうして、爽は昼寝をしたのであった

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。