東方凡人録   作:ホッタン

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第3話 弾幕が出したい

 

 

爽と霊夢は魔理沙を布団に寝かせた後、縁側でお茶を飲みながら話していた。

 

 

「そういえば、さっき魔理沙さんが持ってた八角形の箱みたいのは何ですか?」

 

 

「あれはミニ八卦炉といって、魔理沙のスペルのマスタースパークを発動させる物よ。」

 

 

「へぇぇ…」

 

 

爽は理解したようで、頷いた。

 

 

 

「……僕も弾幕が出せたらなぁ。」

 

 

 

「そうね、弾幕もスペルもその人が持っている魔力に比例するからね…」

 

 

「僕にも魔力はあるんですかね?」

 

 

「テストしてみる?」

 

 

「なんのですか…?」

 

 

「あなたがどれくらい魔力を持っているかのテストよ」

 

 

「僕みたいな普通の人間も魔力はあるんですか?」

 

 

「まぁ、少なからずあると思うわ。」

 

 

そういうと、霊夢は白い札を取り出し、爽に持たせた。

 

 

「何ですか?これは?」

 

 

「これは被験者の魔力の大きさを測ることが出来る特殊な札よ」

 

 

「…どうすればいいんですか?」

 

 

「その札をしっかり持って強く念じれば、札が光りだすわ。」

 

 

 

爽は目を閉じ、強く念じた。

 

 

 

「……………!」

 

 

 

すると、札が淡く光り出した。

 

 

「!光りました!」

 

 

「んー、まぁ普通ね。」

 

 

「そ、そうですか…」

 

 

「でも、これくらいあったら弾幕くらいは出せるんじゃないかしら?」

 

 

「本当ですか!?」

 

 

「ええ、試しに空に向かって手を向けて。」

 

 

「こんな感じですか?」

 

 

と爽は青空に向かって手を向ける。

 

 

「そう。次に、丸い玉をイメージして。」

 

 

「しました。」

 

 

「それが、手のひらから出てくると念じると出来るはずよ。」

 

 

「……とりゃ!」

 

 

すると、爽の手のひらから、拳くらいの大きさの赤白い玉が出てきた。

 

 

「わ!で、でましたよ!!」

 

 

「よかったじゃない!大きさは…まだ少し小さいけどね。」

 

 

「おー!今の弾幕は爽のか?」

 

 

「あっ、魔理沙さん!起きたんですね!」

 

 

「大丈夫だった?」

 

 

「あれくらいなんともないぜ!」

 

 

 

魔理沙はニカっと笑い胸をトンと、叩いた。

 

 

「そういえば、爽はスペルカードは持ってないよな?」

 

 

「え、はい。まだ無いです。」

 

 

「それなら、これをやるよ。」

 

 

そういうと、魔理沙は白い紙を取り出し、爽に渡した。

 

「これは?」

 

 

「これはスペルカードの素だぜ。これを持って意識を集中させると、自分のスペルカードが出来るんだぜ。」

 

 

「なるほど、やってみます!」

 

 

そういって、爽は先ほどと同じようにスペルカードの素に意識を集中させ、念じはじめた。

 

 

すると、スペルカードが光り出し、絵と文字が浮かび上がってきた。

 

 

 

「で、できました!」

 

 

 

「おぉ!やるじゃないか!」

 

 

「早速使ってみたら?」

 

 

「そうですね。使ってみます!」

 

 

「なら、私に向かって使うといいぜ!」

 

 

「魔理沙、大丈夫なの?」

 

 

「そうですよ。あまり無理をしない方が……」

 

 

「大丈夫だぜ!さぁやるぞ!」

 

 

というと魔理沙は箒に乗り、飛び上がった。それを見た爽は思った。

 

 

(あれ、どうやって飛べばいいんだ)

 

 

 

それを察したのか霊夢は爽にハシゴを渡し、

 

 

「爽はまだ、飛べないと思うから、とりあえず屋根に登ってそこから打てば?」

 

 

「……そうします」

 

 

屋根に登った爽はスペルカードを構えた。

 

 

「いきますよ!」

 

 

「いつでもいいぜ!」

 

 

爽はスペルカードに書いている文字を詠唱した。

 

 

 

並符「憂鬱の日々」

 

 

 

すると、スペルカードから青白い光の玉が扇形に広がっていき、魔理沙めがけて飛んでいった。

 

 

「ほい、ほい、ほいっと!」

 

 

魔理沙は、それを軽々よける。

 

 

「それが爽のスペカか。少し量が少ないが、初めてだからそんなもんだろう。」

 

 

「そうね、これから経験を重ねれば、強いスペカも作れるようになるわよ。」

 

 

「…そうですか。もっと強いものを作れるように頑張ります。」

 

 

 

でも、爽は彼なりに満足していたようだった。

 

 


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