東方凡人録   作:ホッタン

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観測者ども死滅せよ




お久しぶりです

さぁ、

はりきって

人里へ行きましょう


第10話 いざ、人里へ

 

前回のあらすじ

 

 

 

3人で参拝客を増やす為に色々作った。

 

 

 

次の日

 

「ふわぁ〜〜あ…」

 

 

爽はいつもと違う雰囲気で目を覚ました

 

 

「………?」

 

 

何やら外が少し変だ

 

 

 

「……人の気配がする」

 

 

 

爽はササっと着替え、外に出てみた

すると、

 

 

 

「!?!?」

 

 

 

そこには参拝客がいた

 

それも複数人

 

 

「えっ……んん!?」

 

爽はまだ実感がなかった

それもそうだ。昨日までずっとすっからかんだったのに、急に人が来たのだ

 

 

「う、嬉しい…」

 

 

そこで爽はふと気付く

 

 

 

「………?霊夢さんは?」

 

 

人が来たのだから、霊夢は恐らく喜びのあまり騒いでいるものだと思ったが、姿が見当たらない

 

 

「中にいるのかな?」

 

 

 

居間に戻ると、霊夢は机に突っ伏していた

 

 

「ちょっ、霊夢さん!?大丈夫ですか!?」

 

 

爽が声をかけると、

 

 

 

「う、うぅ…爽……」

 

「ど、どうしました!?」

 

 

 

「爽〜〜〜〜!!」

 

 

 

霊夢は泣いていた

 

 

酒瓶と共に

 

 

 

 

「あっ、霊夢さん…お酒呑んでたのか…」

 

 

「爽〜〜!さ、参拝客が〜!き、来たわぁ〜!!」

 

 

もう感極まりまくっている

確かに人は決して多くは無いが、昨日までの過疎状態を思い返すと本当にうれしい事だった

 

 

「れ、霊夢さん…嬉しいのはわかりましたが……そろそろ止めときましょう?…」

 

 

「いいのよぉ!今日はめでたい日だわぁ!」

 

 

朝だというのに、もう酔っている

 

 

「………大丈夫かな…」

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

案の定、霊夢は体調を崩した

 

 

「う、うぅ…悪いわね、爽…」

 

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

 

 

未成年の爽には、霊夢が感じている気持ち悪さはわからないが辛いという事は、ヒシヒシと伝わった

 

 

「何か酔いに効くもの持って来ましょうか?」

 

 

「え、えぇ…お願いするわ……」

 

 

「…どこに行けばいいですか?」

 

 

「山をおりると、人里に続く道があるから、それに沿ってあるいていっ……うぅっ…」

 

 

「だ、大丈夫ですか?…」

 

 

「え、えぇ…うぅ……お金は賽銭箱から持っていくといいわ……」

 

 

おおかた、そんな事だろうと思った

 

 

「賽銭って、そういうものだっけ……」

 

 

そんな事を考えながら、爽は人里へ向かった

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

人里へ着いた

 

 

「ここが人里かぁ!」

 

 

人里は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのように思えた

 

 

「皆着物着てる……じゃなくて、何を買おうかな…」

 

 

酔いを知らない爽は、何が効くのか皆目見当も付かなかった

 

 

「とりあえず、八百屋に向かうかな…」

 

 

と、爽は八百屋に向かった

 

 

「……………初めて来たから完全に迷った…」

 

 

爽が道に迷っていると

 

 

「大丈夫か?」

 

 

後ろから声をかけられ、振り向くと

青い髪の珍しい帽子をかぶった女性が立っていた

 

 

「あぁ、すいません。八百屋に行きたいのですが、人里に初めて来たので…」

 

 

「そうだったのか、八百屋はあそこの角を右下曲がって、真っ直ぐ進んでいくとあるぞ」

 

 

その女性は奏にわかりやすく道を教えてくれた

 

 

「ご親切にありがとうございます!」

 

 

「あぁ、気にするな。人里に初めて来たと言ってたな」

 

 

「はい、僕はまだ幻想郷に来て日が浅いもので…」

 

 

「そうだったのか、私は上白沢慧音。ここの寺子屋で教師をしている」

 

 

「先生なんですね!僕は白井爽といいます」

 

 

「爽か、よろしくな。分からないことがあったらいつでも聞きに来てくれ」

 

 

「ありがとうございます!あ、そうだ。酔いに効くものって何ですか?」

 

 

「酔い…か…それなら、柿とかどうだろうか。柿は、アセドアルデヒドの分解を促進させる酵素を持っているから、効果はあると思うぞ」

 

 

「柿ですね!わかりました!」

 

 

「誰か酔っている人でもいるのか?」

 

 

「えっと、僕は博麗神社に居候させていただいていて、かくかくしかじか」

 

 

「それで霊夢が酔っているから何か持っていくと…なるほど、お疲れさまだな」

 

 

「ははは…」

 

 

少し世間話をした後、爽は慧音と別れて八百屋へ向かった

 

 

「ここが八百屋か〜」

 

 

中から店主が出てきた

 

 

「いらっしゃい!兄ちゃん、何が欲しいんだ?」

 

 

「えっと、柿ありますか?」

 

 

「柿だな?よぅし、ちょいとまってな!」

 

 

店主は奏のために柿を詰めてくれた

 

 

「ほら、柿だ!」

 

 

「ありがとうございます!じゃあ、これ代金でs「いいよいいよ!」

 

 

なんと店主は無料でくれるというのだ

 

 

「え、いいんですか?」

 

 

「兄ちゃん、外来人だろ?さっきからあっちこっち行ったり来たりしてるから分かったぜ!」

 

 

「そうだったんですか笑」

(そんなにわかりやすかったのか)

 

 

「まだここに来て日が浅いだろうから、サービスするぜ!」

 

 

というと、店主は親指を立てる

 

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて、ありがとうございます!」

 

 

「おう!次からひいきにしてくれよな!」

 

 

爽は八百屋を出た後、甘味処を見つけたのでそこで休憩する事にした

 

 

 

「和菓子のいい匂いだ…!」

 

 

「いらっしゃい!何にするかい?」

 

 

「じゃあ、三色団子ください!」

 

 

「あいよ〜!」

 

 

さて、外の世界にもコンビニ等で団子は売っていた

しかし、幻想郷の人里の団子は外の団子なんかと比にならないくらい美味しかった

 

 

「お、美味しい!!」

 

 

元々和菓子が好きな爽にとって、至福の時間であった

 

しばらくゆっくりしていると、

 

 

「あら、妖夢ちゃん!いらっしゃい!」

 

 

「こんにちは〜、今日は三色団子ください!」

 

 

「あいよ〜!今日は三色団子人気だね〜!そこのお兄ちゃんも食べてたよ〜」

 

 

「えぇ、はい。とても美味しかったです」

 

 

「そうだったんですか!隣、座って大丈夫ですか?」

 

 

「大丈夫ですよ」

 

 

その子は銀髪で、刀を2本携えていて、体の周りを白いフヨフヨしたものが飛んでいた

 

 

「お兄さん、もしかして外来人ですか?」

 

 

「そうですよ、最近来たばっかりで、まだ知らない事だらけなんですよ。あ、僕は白井爽っていいます」

 

 

「爽さんですね、私は魂魄妖夢といいます。」

 

 

「妖夢さんですね!よろしくお願いします」

 

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

 

「妖夢さんは人里にはよく来るんですか?」

 

 

「そうですね、料理の買い出しとかで良く来ます。それで、ここでよく休憩するんですよ」

 

 

「そうなんですか。あの、その体の周りのフヨフヨって?」

 

 

「あぁ、これは私の半霊です」

 

 

「は、半霊…ですか」

 

 

「はい、私はこれでも半人半霊なんですよ?」

 

 

「ということは、幽霊さんですか!」

 

 

「まぁ、そういうことになるんですかね笑」

 

 

という世間話をして妖夢と別れて、奏は神社へ戻った

 

 

 

「ただいま〜」

 

 

「お、おかえり…爽……」

 

 

霊夢は依然、体調が悪そうだ

 

 

「いいものを買ってきましたよ」

 

 

「何かしら…?」

 

 

テッテレーン

「か〜き〜〜」

 

 

「…柿?なんで?」

 

 

「えーコホン、柿にはアセドアルデヒドを(ry」

 

 

「そ、そう…」

 

 

「というわけで、どうぞ、柿です」

 

 

「い、いただくわ…」

 

 

 

 

こうして、爽の人里デビューは成功した

 




個人的に妖夢が好きなので、書いてて楽しかったです

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