血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんは読者様、オセロニアでクラフィールが当たって気分が高揚している怠惰のクソ悪魔です。強いし可愛いしで欲しかったんですよね。さてそれではこんな話しもあれなので本編へどうぞ。


第369話 記憶喪失者

雪竹に案内され永遠亭の廊下を歩き永琳の元へと向かう道中、

 

雪竹「そういえば蓮さん」

 

蓮 「何でしょうか?」

 

雪竹「蓮さんは人里と呼びれる場所で教師もしてい

   ると伺ったのですが本当でしょうか?」

 

蓮 「えっえぇ」

 

雪竹「やはりそうなんですかそれなら後で聞きたい

   事があるのですがよろしいですか?」

 

と、聞いてくる。それよりも少し驚いたのは自分が教師をしているという情報は幻想郷中に広まっているかと思っていたが知らない人もいるのだなと思った。

 

蓮 「構いませんよ♪」

 

雪竹「ありがとうございます♪あっ着きましたよ」

 

そう言い部屋の前で止まると、

 

雪竹「先生、お客様がお見えになりました」

 

と、言うと部屋の中から、

 

永琳「通してちょうだい」

 

永琳の声がしてきた。どうやら入っても良さそうだ。

 

雪竹「どうぞお入り下さい♪」

 

そう言い雪竹は障子を開けると自分も一礼して中へと入る。

 

蓮 「失礼します」

 

診察室へと入ると永琳は椅子に座り何か書き物をしていたのか机には紙とペンが置かれていた。

 

永琳「あらあら蓮さんこんにちは今日はいかがしま

   したか?」

 

と、聞いてくる。恐らく診察を受けにきたと思われているんだろうが残念ながら診察ではなく薬の購入だ。

 

蓮 「あっえっと薬を買いに来ました鎮痛剤それか

   ら他にも必要そうな薬があれば購入したいの

   ですが」

 

永琳「分かりましたえっと雪竹さん薬棚の見方は分

   ‥‥いえ分からないわよね」

 

雪竹「大丈夫ですよ昨日、ウドンゲさんのやってい

   る所を観察して覚えたので♪」

 

永琳「あらそうなの‥‥なら右奥の棚の薬瓶のHそれ

   から‥‥真ん中の棚にあるCとL5とPUの瓶

   もお願いできる?」

 

雪竹「分かりました♪」

 

そう言い雪竹は診察室の奥へと入っていく。

 

永琳「少し待っていて頂戴ねあっ椅子に座ってくれ

   て構わないわよ」

 

蓮 「えっえぇ」

 

と、言われ椅子といっても診察椅子だがに座り待つことにする。

 

永琳「‥‥蓮さんは人里によく行くのよね?」

 

蓮 「えぇまぁ寺子屋で教師の仕事がありますから

   ね‥‥それがどうしたんですか?」

 

さっきの雪竹と同じような質問をしてきて何なのだろうと思うと、

 

永琳「えぇ実は雪竹さんが気になって‥‥」

 

蓮 「えっと雪竹さんって何時からここに?」

 

前には雪竹なんて人物はいなかった筈だ。故に何時からいるのかが気になり聞くと、

 

永琳「彼が来たのは数日前よ数日前に猛吹雪があっ

   たのは覚えているかしら?」

 

蓮 「えぇ‥‥」

 

だってその猛吹雪を起こした張本人(嫉妬)と修行をしていたから知らない筈もない。

 

永琳「その猛吹雪の日の事よ‥‥」

 

と、永琳はその時の事を物語っていく。これは自分達が嫉妬の元へと向かう前日のこと猛吹雪は幻想郷を包み込みそれは迷いの竹林も例外ではなく吹雪いていた。

 

鈴仙「うぅ‥‥冷えますね」

 

永琳「そうね‥‥」

 

何気なく何時ものように薬の調合実験をしつつ急患の者がいつ来ても良いようにしていたがやはりこの猛吹雪のためか誰も来なさそうだ。すると障子が開きそこから姫様が入ってくる。

 

輝夜「永琳、今日は終わりにしたらどう?流石のこ

   の吹雪で外に出る人がいるとは思えないし」

 

永琳「‥‥そうですね確かにこれでは来ませんね‥‥な

   ら今日はもう終わりにしうかしらねウドンゲ

   この書類を整理して片付けてくれるかしら?」

 

鈴仙「分かりました♪」

 

そう言い立ち上がり今日は終わろうかとしていたその瞬間、扉が思いっきり壊されその奥から、

 

妹紅「おい医者!急患だ!!」

 

と、妹紅が何かを背負って現れる。

 

輝夜「げっ何でこういう日に来るのよこの熱血バカ

   は‥‥」

 

妹紅「誰が熱血バカだと陰湿姫が」

 

輝夜「何ですって?」

 

と、また輝夜と妹紅は険悪な雰囲気になる。これにはため息を吐くと、

 

永琳「姫様そして妹紅2人共に静かに‥‥それでその

   背負っているのは?」

 

妹紅「そうだった!」

 

そう言い降ろすとそれは凍傷が酷い男性だった。腕を握り脈を計ると微かに動くだけ。それによく見てみると前頭部と後頭部に傷があるのか血までもが凍っていた。

 

永琳「ウドンゲすぐにお湯を持ってきて頂戴!」

 

鈴仙「はっはい!」

 

永琳「姫様そして妹紅も手伝って頂戴!これは時間

   との勝負よ!」

 

と、そこまでの事を永琳は語ってくれた。

 

蓮 「それが雪竹さんですか?」

 

永琳「えぇ‥‥もう分かってはいるとは思うけれど彼

   は何とか助かったわただ‥‥」

 

蓮 「ただ?」

 

永琳は言葉を貯めて話そうとしたその時、

 

雪竹「何にも覚えてないんですよね‥‥」

 

蓮 「うわっ!?」

 

後ろから声が聞こえ振り向くと雪竹が戻ってきていた。腕には永琳から頼まれた薬瓶が抱えられていた。

 

雪竹「持ってきましたよ永琳先生」

 

永琳「ありがとう雪竹ごめんなさいね貴方の事を話

   をしてしまって」

 

雪竹「いいえ気にしてませんよ寧ろ手掛かりになる

   なら大歓迎ですよ」

 

と、言いながら薬瓶を置いていく。

 

蓮 「えっと覚えていないと言っていましたがもし

   かしてそれって」

 

永琳「えぇ記憶喪失ね」

 

雪竹は記憶喪失だったのか。

 

永琳「恐らく原因は前頭部と後頭部の打撲による傷

   で間違いはないわね何かしらの強い衝撃で記

   憶を失ったというのが推測よ」

 

蓮 「あれでも雪竹さんって名前は‥‥」

 

何も覚えてない。それなら雪竹という名前は何故覚えているのかと思い聞くと、

 

雪竹「あぁここ永遠亭の皆さんが名付けてくれたん

   ですよ雪降る竹林で倒れていたから雪竹って

   言う事になりましたね実際の名前も‥‥」

 

永琳「名前がないと不便ですものね」

 

蓮 「すいません」

 

つまりは永遠亭の住人達が付けた名前だったのか。

 

雪竹「いいえ気にしないで下さい♪確かに記憶が戻

   らないのははがない気持ちですが少しずつで

   も思い出せれば良いんですしね」

 

永琳「記憶喪失者とは思えないぐらいポジションな

   のよね彼‥‥」

 

明るい人だな。この人の事を霊夢達にも伝えて色々な情報を集めて出来る限り早くにでも記憶が戻って欲しいな。

 

永琳「さてと分量はこの前と同じで良いのよね?」

 

蓮 「あっはい」

 

そう言うと薬包装に包まれた薬を多めに作り袋に入れる。

 

永琳「鎮痛剤とその他で良い物があればだったわ

   よね?」

 

蓮 「えぇまぁ」

 

永琳「ならこれはどう?」

 

L5と書かれた瓶を取り出す。何の薬なんだろう。

 

蓮 「それは‥‥?」

 

永琳「媚薬♪」

 

蓮 「ぶぅ!!?」

 

この医者は何てものを取り出しているんだ。

 

蓮 「ごほっ!ごほっ!何を取り出しているんです

   かというか何を考えているんですか永琳先生

   は!?」

 

永琳「えっいらないの?ウドンゲ達から博麗の巫女

   との仲が進展してないって聞いたから用意を

   させたんだけど」

 

蓮 「要らぬお節介です!?

 

永琳「言っておくけれど媚薬は麻薬や危険ドラッグ

   とは違って体に害はないわよ?特に私が調合

   したこれは漢方薬だから体の心配なんてしな

   くても大丈夫よ?」

 

蓮 「ですから要りません!?」

 

永琳「そう‥‥」

 

何でこんな残念そうな顔をするんだ。

 

雪竹「永琳先生‥‥冗談は程々に」

 

永琳「冗談じゃないんだけれど‥‥ならこれはどうか

   しら?」

 

今度はPUと書かれた薬を取り出す。

 

蓮 「これは?」

 

永琳「それは喉専用の漢方薬よお湯でその薬を溶い

   てうがいをしながら飲むのよそうする事で喉

   に潤いを与えつつ喉の痛みを軽減して体を元

   気にするわ」

 

つまり外の世界でいううがい薬みたいなものか。

 

蓮 「それなら買っても良いですか?」

 

永琳「えぇただし薬全般に言える事だけど何か起き

   たら服用を止めるのよ?」

 

蓮 「わっ分かってますよ」

 

とりあえずはうがい薬は購入と。残りはCと書かれた物だがはたして何の薬だろうか。

 

永琳「そしてこれが最後だけどこれは塗るタイプの

   抗生剤まぁ化膿止め‥‥傷薬と言えば良いのか

   しらね?他にもニキビや深爪の際にも使える

   結構万能な塗り薬よ」

 

そういうのは確かに使えるよな。ならそれも買っていこうかな。

 

蓮 「ならそれもお願いします」

 

永琳「分かったわ‥‥因みに媚薬は?」

 

蓮 「だからそれはいりません♪」

 

本当にどれだけ試そうとしているんだ。それは確かに火照っている霊夢を見てみたいという男の(さが)はあるけれど了承せずにやってはいけないと思うんだ。というか了承していても霊夢は絶対にやらせてはくれないだろう。

 

永琳「残念ね‥‥なら3つの薬剤をどのくらい出せば

   良いかしら?」

 

蓮 「2ヶ月分ぐらいで」

 

永琳「それだとお会計で………」

 

雪竹「26243円ですね永琳先生」

 

と、雪竹は言ってくる。この人、計算をせずに言ってくるとはというか高くないかな。

 

雪竹「高いと思ったでしょ?」

 

蓮 「まぁそれは」

 

雪竹「でもね薬は調合する手間もそうだけど原材料

   の薬草も見つける手間だったりもするからそ

   の位が妥当なお値段だよ本当ならもう少しだ

   け高くしても良いんだけれど永琳先生の考え

   もあるからこの位の値段なんだ」

 

と、言ってくる。確かにそれなら納得するしかないよな。永琳を見ると苦笑いをしていた。

 

永琳「雪竹さんが来てから薬の値段を1つ1つの手

   間を考え正確に計算をしてくれたのよ」

 

雪竹「えぇ‥‥何故かは分からないですが昔にもこん

   な事をしていたような感じがするんですよね

   う~ん何だろうぼったくりヤブ医者とよく談

   判していたような‥‥気のせいかな?」

 

つまりは雪竹が記憶を失う以前は何か計算する業務をしていたという事なのかな。そうなると商人だとかそんな職だったのだろう。

 

蓮 「成る程‥‥ならそれで買わせて頂きますよ」

 

永琳「本当に良いの?」

 

蓮 「雪竹さんの言っている事は共感できますしね

   それにこういった出資が新たな薬を生み出し

   他の方が元気になってくれるなら♪」

 

雪竹「………君は面白いねそれと永琳先生お薬の値段

   が元から安すぎたんですよ」

 

永琳「まっまぁ蓮さんがそう言うなら」

 

財布から2万を取り出し雪竹に渡すと雪竹は納得した顔をする。

 

雪竹「丁度ですね」

 

永琳「なら此方が薬になるわ必要な時に使って頂戴

   ね」

 

そう言い袋を手渡され貰い受ける。

 

蓮 「ありがとうございます」

 

永琳「えぇお大事にね♪」

 

雪竹「送っていきますよ」

 

そう言い雪竹は少し先を歩き障子を開ける。それに続き付いていきもう一度、永琳にペコリと頭を下げて廊下へと出る。そうして玄関まで来ると、

 

雪竹「それではお大事に蓮さん」

 

蓮 「えぇ雪竹さんの事も何かしらの事を聞いてみ

   ますね」

 

雪竹「えぇ是非ともお願い致しますね♪」

 

そう言い玄関を開けペコリと頭を下げ、

 

蓮 「それでは」

 

雪竹「えぇお大事に♪」

 

そうして外へと出る。

 

蓮 「永琳先生といい雪竹さんといい永遠亭にはま

   じめな人が多いな」

 

と、呟き空へと飛び博麗神社へと帰るのだった。




怠惰「ではでは今回はここまで」

狗神「あぁ」

鈴蘭「雪竹さんって商人か何かなのかな?」

神楽「分かりかねますが計算能力と説得力からして
   商人とは言えますよね」

狗神「どうなんだ怠惰?」

怠惰「うぇ?あぁ‥‥中の人、曰くで答えるなら近い
   ようで遠いな」

鈴蘭「そうなの?」

怠惰「まぁ雪竹がどんな奴かは後々にちょこちょこ
   とで出るらしいからそれで分かっていってく
   れだとか」

神楽「成る程‥‥」

狗神「だがよこう記憶喪失な奴って何かしら強かっ
   たとか勇者とか魔王とかっていう連中が多々
   といたりするよな」

怠惰「分かるよ遊(ピー)王のカニ主人公時代に出てきた
   ブ(ピー)ーノさんしかりキン(ピー)ダムハーツのゼ
   (ピー)ノートさんとかね」

鈴蘭「典型例というか王道(ベタ)だよね」

怠惰「まぁこれから先になっていけば分かるだろう
   だとよ‥‥ただ雪竹だっけ?どっかで見たこと
   があるんだよな俺‥‥」

鈴蘭「うぇそうなの?」

怠惰「あぁ‥‥気のせいかとりあえず時間も時間だし
   今回はここまでにしようか‥‥あっそれと次回
   からあっちの投稿を再開するからよろしく」

神楽「そうですか分かりましたそういう事らしいの
   でよろしくお願い致しますそれでは読者様、
   今回もありがとうございました」

狗神「そんじゃまたな」

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